リグロス歯科用液キット1200μg
添付文書情報2024年01月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 口腔内悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者[本剤が細胞増殖促進作用を有するため]。
- 効能・効果
- 歯周炎による歯槽骨欠損。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は、歯周ポケットの深さが4mm以上、骨欠損の深さが3mm以上の垂直性骨欠損がある場合に使用すること。
5.2. 本剤は、インプラント治療に関する有効性及び安全性は確立していない。
5.3. 術後に歯肉弁の著しい陥凹を生じると予想される骨欠損部位に対しては、他の適切な治療法を考慮すること。
- 用法・用量
- 歯肉剥離掻爬手術時に歯槽骨欠損部を満たす量を塗布する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の使用にあたっては「17.臨床成績」の項を参照し適切な量を用いること〔17.1.2参照〕。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 本剤は歯周外科手術の経験のある歯科医師又は医師が使用すること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 適用部位および適用部位近傍:(頻度不明)歯肉白色化、歯肉紅斑、腫脹、硬結、肥厚。
2). 精神神経系:(頻度不明)頭痛。
3). 臨床検査:(1%以上)尿中アルブミン陽性、尿中NAG上昇、尿中β2ミクログロブリン上昇、(1%未満)AST上昇、CRP上昇、ビリルビン上昇、CK上昇、ALT上昇、LDH上昇、尿糖陽性、リンパ球増多、好中球減少、総蛋白上昇、(頻度不明)単球増多、白血球減少。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意凍結乾燥品を溶解液で用時溶解し、調製後は速やかに使用する。
14.2. 薬剤投与前の注意14.2.1. スケーリング及びルートプレーニング等により、歯槽骨の骨内欠損部に付着した肉芽組織を除去し、歯根面に付いた歯垢や歯石を十分に除去する。
14.2.2. 滅菌生理食塩液で十分に洗浄する。最終洗浄後は歯根面を唾液又は血液で汚染しないように注意する。
14.3. 薬剤投与時の注意14.3.1. 本剤は欠損底部を起点にし、歯槽骨欠損部を満たす量を塗布する。
14.3.2. 広範囲を安定して縫合するのに適した縫合材を用いて縫合を行う。縫合時、歯間部を歯肉弁で完全に覆い、隙間なく緊密に密着させる。その際、本剤塗布後の創面は歯肉弁によりできる限り被覆する。縫合時に本剤が溢れ出た場合には、速やかに除去すること。なお、縫合後に本剤の漏出が懸念される場合には、歯周包帯(非ユージノール系)を使用してもよい。
14.4. その他14.4.1. 添付の貼薬針を注射又は穿刺に使用しないこと。
14.4.2. 本剤は1回限りの使用とし、複数の患者に使用せず、残った薬液は廃棄すること。
20.1. ブリスター包装が開封していたり、破損している場合、又は容器にひび・破損等の異常が認められるときには使用しないこと。
20.2. 本剤は、落としたり衝撃を与えたりしないこと(容器の破損の原因となることがある)。
16.1 血中濃度
歯肉剥離掻爬手術を施行する辺縁性歯周炎患者を対象に本剤を単回塗布(600μg/200μL又は1800μg/600μL)し、血清中濃度を測定したところ内在性bFGFの濃度範囲を超えなかった。
16.8 その他
歯肉剥離掻爬手術を施行する辺縁性歯周炎患者を対象に本剤を単回塗布(600μg/200μL又は1800μg/600μL)した時、本剤に対する特異的抗体産生は認められなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(プラセボ対照比較試験)
歯肉剥離掻爬手術を施行する辺縁性歯周炎患者323例を対象に、本剤(215例)又はプラセボ(108例)を0.2mL単回塗布した。投与36週後の新生歯槽骨の増加率は表1のとおりであった。
副作用発現頻度は本剤群で14.4%(31/215例)に認められ、その主なものは尿中アルブミン陽性7.0%(15/215例)、尿中NAG上昇6.5%(14/215例)、尿中β2ミクログロブリン上昇6.0%(13/215例)等であった。
表1 投与36週後の新生歯槽骨の増加率の平均値
→図表を見る(PDF)
17.1.2 国内第III相試験(エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)対照比較試験)
歯肉剥離掻爬手術を施行する辺縁性歯周炎患者231例を対象に、本剤(115例)又はEMD(116例)を歯槽骨欠損部を満たす量を単回塗布した。投与36週後の新生歯槽骨の増加量は表2のとおりであり、本剤群とEMD群の群間差の95%信頼区間の下限値は事前に設定された非劣性限界値-0.3mmより大きかったことから、EMDに対する本剤の非劣性が認められた。なお、参照群である歯肉剥離掻爬手術単独群における投与36週後の新生歯槽骨の増加量(平均値±標準偏差)は0.68±1.05mmであった。副作用は認められなかった。また、本試験における塗布量別の歯数は表3のとおりであった。[7.参照]
表2 投与36週後の新生歯槽骨の増加量の平均値
→図表を見る(PDF)
表3 塗布量別の歯数分布
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
歯周組織の未分化間葉系細胞、歯根膜細胞、血管内皮細胞等に対して、細胞増殖及び細胞遊走の促進作用等を示す。これらの作用により血管新生を伴って増殖した未分化間葉系細胞及び歯根膜細胞は骨芽細胞等へ分化し、歯槽骨及び結合組織性付着を再構築することで、歯周組織が再生される。
18.2 歯周組織再生促進作用
イヌの歯周組織欠損部への投与で、新生骨の形成を促進させるとともにセメント質及び歯根膜の形成を促進させ、結合組織性付着の形成量を増加させることを確認している。
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