ヨウ化カリウム「日医工」
添付文書情報2024年08月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある者。
2.2. 〈効能共通〉エプレレノン投与中<高血圧症>、エサキセレノン投与中の患者〔10.1参照〕。
2.3. 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減以外〉放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝の予防・低減以外で肺結核の患者[結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある]。
- 効能・効果
- 1). 甲状腺腫(ヨード欠乏による甲状腺腫及び甲状腺機能亢進症を伴う甲状腺腫)。
2). 次記疾患に伴う喀痰喀出困難:慢性気管支炎、喘息。
3). 第三期梅毒。
4). 放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝の予防・低減。
- 用法・用量
- 〈甲状腺腫(ヨード欠乏によるもの)〉
ヨウ化カリウムとして1日0.3~1.0mgを1~3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈甲状腺腫(甲状腺機能亢進症を伴うもの)〉
ヨウ化カリウムとして1日5~50mgを1~3回に分割経口投与する。この場合は適応を慎重に考慮すること。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈喀痰喀出困難(慢性気管支炎、喘息に伴うもの)、第三期梅毒〉
ヨウ化カリウムとして通常成人1回0.1~0.5gを1日3~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉
ヨウ化カリウムとして通常13歳以上には1回100mg、3歳以上13歳未満には1回50mg、生後1ヵ月以上3歳未満には1回32.5mg、新生児には1回16.3mgを経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 食直後の経口投与により、胃内容物に吸着されることがあるので、注意すること。また、制酸剤、牛乳等との併用は胃障害を軽減させることができる。
7.2. 放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝の予防・低減の場合、国等の指示に従い投与すること。
7.3. 131I療法を行う場合には、その1週間前に本剤の投与を中止すること〔12.臨床検査結果に及ぼす影響の項参照〕。
- 腎機能障害患者
- 本剤を長期連用する場合には定期的に血清カリウム濃度を測定することが望ましい。
9.1.1. 〈効能共通〉甲状腺機能亢進症の患者:ヨウ素誘発甲状腺腫が生じるおそれがある。
9.1.2. 〈効能共通〉甲状腺機能低下症の患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.3. 〈効能共通〉先天性筋強直症の患者:カリウムにより、症状が悪化するおそれがある。
9.1.4. 〈効能共通〉高カリウム血症のある患者:症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 〈効能共通〉低補体血症性蕁麻疹様血管炎の患者又は既往歴のある者:過敏症状が生じるおそれがある。
9.1.6. 〈効能共通〉ヨード造影剤過敏症の既往歴のある者。
9.1.7. 〈効能共通〉ジューリング疱疹状皮膚炎の患者又は既往歴のある者:過敏症状が生じるおそれがある。
9.1.8. 〈放射性ヨウ素による甲状腺の内部被曝の予防・低減〉放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝の予防・低減で肺結核の患者:結核病巣組織に集まりやすく再燃させるおそれがある。
腎機能障害患者:血清カリウム濃度が過剰になり、症状が悪化するおそれがある。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:エプレレノン<高血圧症><セララ>、エサキセレノン<ミネブロ>〔2.2参照〕[血清カリウム値が上昇するおそれがある(併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:1). エプレレノン<慢性心不全>、フィネレノン[血清カリウム値が上昇する可能性があるので、血清カリウム値を定期的に観察するなど十分に注意すること(カリウム貯留作用が増強するおそれがある)]。
2). カリウム含有製剤(塩化カリウム、グルコン酸カリウム、アスパラギン酸カリウム)、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン)[高カリウム血症を起こすことがあるので、血清カリウム濃度を測定するなど慎重に投与すること(相加的に作用し、高カリウム血症をきたす可能性がある)]。
3). リチウム製剤(炭酸リチウム)[甲状腺機能低下作用・甲状腺腫発症作用を増大させることがあるので、脳下垂体-甲状腺反応の変化、甲状腺機能を測定するなど慎重に投与すること(両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある)]。
4). 抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)[甲状腺機能低下と甲状腺腫生成作用を増強させることがあるため定期的に甲状腺-脳下垂体反応の変化を調べ基準になる甲状腺機能を測定すること(両剤とも甲状腺機能低下作用があるため併用により相加的な甲状腺機能低下作用があらわれることがある)]。
5). ACE阻害剤(カプトプリル、エナラプリルマレイン酸塩、リシノプリル水和物)、アンジオテンシン2受容体拮抗剤(ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン)、アリスキレンフマル酸塩[結果的に高カリウム血症を生じることがあるため血清カリウム濃度をモニタリングすること(これらの薬剤はレニン・アンジオテンシン系に作用し、アルドステロンの分泌を低下させるため、カリウム排泄を減少させる。このため併用により高カリウム血症を生じることがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ヨウ素中毒(頻度不明):長期連用により、結膜炎、眼瞼浮腫、鼻炎、喉頭炎、気管支炎、声門浮腫、喘息発作、前額痛、流涎、唾液腺腫脹、耳下腺炎、胃炎等の症状があらわれることがあり、さらに中毒症状が進行すると発疹、面疱、せつ、蕁麻疹、水疱、微熱、甲状腺腫、粘液水腫等の症状があらわれることがある。
11.1.2. ヨウ素悪液質(頻度不明):長期連用により、皮膚粗荒、体重減少、全身衰弱、心悸亢進、抑うつ、不眠、神経過敏、性欲減退、乳房腫大と乳房疼痛、骨盤痛があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹等。
2). 消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐、胃痛、下痢、口腔灼熱感・咽喉灼熱感、金属味覚、歯痛、歯肉痛、血便(消化管出血)等。
3). その他:(頻度不明)甲状腺機能低下症、頭痛、息切れ、かぜ症状、不規則性心拍、皮疹、原因不明の発熱、首腫脹・咽喉腫脹等。
- 高齢者
- 本剤を減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、原則として反復投与を避けること(本剤は胎盤関門を通過し、胎児の甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことがある)。
9.5.2. 妊娠後期に本剤を投与した妊婦より産まれた新生児には、甲状腺機能検査を実施し、甲状腺機能低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと(妊娠後期に投与した場合、新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある)。
本剤投与中及び投与終了後一定期間は授乳を避けさせること(母乳中への移行が認められ、乳児に皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある)。
- 小児等
- 9.7.1. 皮疹や甲状腺機能抑制を起こすことがある。
9.7.2. 新生児には原則として反復投与を避けること。また、新生児への投与後には、甲状腺機能を検査し、甲状腺機能低下を認めた場合には、甲状腺ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと(新生児において、甲状腺機能の低下により知的発達に影響を及ぼすおそれがある)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意酸類、酸化剤によりヨウ素を析出するので、水道水中にある遊離塩素には注意を要する。
開栓後、光を遮り、湿気を避けて保存すること。
16.5 排泄
摂取したヨウ素の大部分は腎を経て尿中に、少量が糞便中に排泄される。また、唾液、胃液、腸液中に少量が、乳汁中にごく少量が分泌される。腎からの排泄はCl-と同じだが、Cl-の20倍も速い。投与後24時間以内に65%~80%が尿中にあらわれる。
18.1 作用機序
18.1.1 ヨウ化カリウムは体内でヨウ化アルカリとして分布し、病的組織においてヨウ素を遊離する。
甲状腺機能亢進症では、ヨウ素は3’,5’‐cyclic AMPを介する甲状腺刺激ホルモンの作用を減弱させ、亢進症状を抑制する。また、ヨウ素は気管支粘膜分泌を促進し去痰作用を現す。更に、梅毒患者の肉芽組織に対する選択的な作用により、第三期梅毒患者のゴム腫の吸収促進に用いる。
18.1.2 放射性ヨウ素の甲状腺濾胞細胞への取込みを低減させる効果は、高濃度の安定ヨウ素との共存により、血中の放射性ヨウ素の甲状腺濾胞細胞への取込みと競合することや細胞内へのヨウ素の取込み抑制効果による。
- 一包可:条件付可
酸類、酸化剤によりヨウ素を析出するので、水道水中にある遊離塩素には注意を要する。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- 日医工
- 販売会社
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