ラコールNF配合経腸用液
添付文書情報2022年06月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 牛乳たん白アレルギーを有する患者[本剤は牛乳由来のカゼインが含まれているため、ショック、アナフィラキシーを引き起こすことがある]。
2.3. イレウスのある患者[消化管の通過障害がある]。
2.4. 腸管の機能が残存していない患者[水、電解質、栄養素などが吸収されない]。
2.5. 高度肝障害・高度腎障害のある患者〔9.2.1、9.3.1参照〕。
2.6. 重症糖尿病などの糖代謝異常のある患者[高血糖、高ケトン血症などを起こすおそれがある]。
2.7. 先天性アミノ酸代謝異常の患者[アシドーシス、嘔吐、意識障害などのアミノ酸代謝異常の症状が発現するおそれがある]。
- 効能・効果
- 一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤を術後に投与する場合、胃、腸管の運動機能が回復し、水分の摂取が可能になったことを確認すること。
- 用法・用量
- 通常、成人標準量として1日1200~2000mL(1200~2000kcal)を経鼻チューブ、胃瘻又は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日12~24時間かけて投与する。投与速度は75~125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を水で希釈(0.5kcal/mL程度)して、低速度(約100mL/時間以下)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3~7日で標準量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の臨床試験における35日以上の効果は確認していない。
7.2. 経口食により十分な栄養摂取が可能となった場合には、速やかに経口食にきりかえること。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 投与初期には、特に観察を十分に行い、下痢などの副作用が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.2. ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること(類薬の長期投与中にセレン欠乏症(心機能低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある)。
9.1.1. 短腸症候群の患者:下痢の増悪をきたすおそれがある。
9.1.2. 急性膵炎の患者:膵炎が増悪するおそれがある。
9.1.3. 水分の補給に注意を要する次の患者[1)意識不明の患者、2)口渇を訴えることのできない患者、3)高熱を伴う患者、4)重篤な下痢など著しい脱水症状の患者]:水分バランスを失いやすい。
9.2.1. 高度腎障害のある患者:投与しないこと(高窒素血症などを起こすおそれがある)〔2.5参照〕。
9.3.1. 高度肝障害のある患者:投与しないこと(肝性昏睡などを起こすおそれがある)〔2.5参照〕。
〔9.5.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ワルファリン[ワルファリンの作用が減弱することがある(フィトナジオン(ビタミンK1)がワルファリンの作用に拮抗するため(本剤はフィトナジオンを6.25μg/100mL含有する))]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(5%以上)下痢(22.5%)、腹部膨満感、腹痛、(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、肝機能検査値異常、(頻度不明)便秘[過剰投与のおそれがあるので、減量するか、投与速度又は濃度を下げるか、又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと]。
2). その他:(0.1~5%未満)皮疹、蕁麻疹、発熱、頭痛。
3). 臨床検査値の異常変動(血液):(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、LAP上昇、尿素窒素上昇、中性脂肪上昇、カリウム上昇、クレアチニン上昇、カルシウム上昇、クロール上昇、ナトリウム低下、クロール低下、カルシウム低下、総コレステロール低下、遊離脂肪酸低下、総ビリルビン低下、尿酸低下、総たん白低下、アルブミン低下、血糖値上昇と血糖値低下、血小板数増加、白血球数増加、赤血球数減少、血色素量低下、ヘマトクリット値低下。
4). 臨床検査値の異常変動(尿):(5%以上)ナトリウム低下、(0.1~5%未満)たん白定性陽性、ウロビリノーゲン定性陽性、ケトン体定性陽性、尿糖定性陽性、ナトリウム上昇、クロール低下とクロール上昇、カルシウム低下とカルシウム上昇、カリウム低下とカリウム上昇、pH上昇。
- 高齢者
- 投与量、投与濃度、投与速度に注意して投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊娠3箇月以内又は妊娠を希望する女性:投与する場合は、用法及び用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3箇月から妊娠初期3箇月までにビタミンAを10000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある(本剤2000mL中にビタミンA4140IUを含有する)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
9.5.2. 妊婦<妊娠3箇月以内の女性を除く>:治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤を加温する場合は高温(70℃以上)を避け、未開封のまま湯煎にて行うこと。
14.1.2. 開封直前によく振ってから投与すること。
14.1.3. 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。
14.1.4. 本剤は、経腸栄養剤であるため、静脈内へは投与しないこと。
14.1.5. 分割投与の開始時又は持続的投与の数時間ごとに、胃内容物の残存を確認すること。
14.1.6. 経管投与においては、分割投与の終了ごと、あるいは持続的投与の数時間ごとに少量の水でチューブをフラッシングすること。
20.1. 凍結保存や室温を上回る高温下での保存は避けること。
20.2. 万一容器等の破損により、製剤に異常が認められた場合には投与しないこと。
20.3. 400mL容器のアルミ箔は、投与直前まで剥がさないこと。
20.4. 開封後は、微生物汚染及び直射日光を避け、できるだけ早めに使い切る(やむを得ず冷蔵庫内に保存する場合は、24時間以内に使い切る)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
消化器疾患の患者42例を対象としたオープン試験において、OSN‐001注)を1日400kcalから投与開始し、2日目以降、総投与熱量(OSN‐001と輸液等の合計熱量)が投与前の体重1kg当たり30kcal以上かつ総投与熱量の70%以上をOSN‐001に依存することを条件とする維持熱量まで漸増させた後に維持熱量を5日間経管投与した。維持期のOSN‐001の1日平均投与熱量は1774±344kcal/日、平均投与速度は95.2±13.4mL/hrであった。
完了例36例において、栄養改善度は83.3%(中等度改善以上30/36例)であった。副作用発現頻度は、15.4%(6/39例)であり、下痢7.7%(3/39例)、腹部膨満感5.1%(2/39例)、腹痛5.1%(2/39例)であった。
17.1.2 国内第III相試験
食道癌及び胃癌術後の患者172例を対象とした群間比較試験において、OSN‐001注)(被験薬)又は市販の経腸栄養剤(対照薬)を経管投与した。術後8日以内に1日400kcalから投与開始し、2日目以降7日目までに総投与熱量(被験薬又は対照薬と輸液等の合計熱量)が投与前の体重1kg当たり30kcal以上かつ総投与熱量の70%以上を被験薬又は対照薬に依存することを条件とする維持熱量まで漸増させた後に維持熱量を5日間投与した。被験薬群の維持期におけるOSN‐001の1日平均投与熱量は1744±328kcal、平均投与速度は89.6±22.5mL/hrであった。
栄養改善度採用症例(被験薬群65例、対照薬群61例)において、被験薬群の栄養改善度は87.7%(中等度改善以上57/65例)であった。副作用発現頻度は、被験薬群で21.3%(17/80例)であった。被験薬群の主な副作用は下痢16.3%(13/80例)、腹痛5.0%(4/80例)であった。
17.1.3 国内一般臨床試験
(1)消化器疾患の患者131例を対象とした国内一般臨床試験において、OSN‐001注)を1日400kcalから投与開始し、2日目以降、総投与熱量(OSN‐001と輸液等の合計熱量)が投与前の体重1kg当たり30kcal以上かつ総投与熱量の70%以上をOSN‐001に依存することを条件とする維持熱量まで漸増させた後に維持熱量を5日間以上、経管又は経口投与した。維持期のOSN‐001の1日平均投与熱量は1656.4±339.7kcal、平均投与速度は98.2±28.9mL/hrであった。
栄養改善度解析対象例89例において、栄養改善度は86.5%(中等度改善以上77/89例)であった。副作用発現頻度は、35.5%(44/124例)であり、主な副作用は下痢26.6%(33/124例)、腹部膨満感13.7%(17/124例)、腹痛8.9%(11/124例)であった。
(2)消化器疾患の小児患者52例を対象とした国内一般臨床試験において、OSN‐001注)を0.4kcal/mL前後に調整して投与を開始し、2日目以降漸増して日本人の栄養所要量に示されている熱量の75%以上の維持熱量に到達させた後に5日間以上、経口又は経管投与した。維持期のOSN‐001の1日平均投与熱量は手術症例が95.8±18.3kcal/kg、非手術症例が72.3±15.8kcal/kgであった。
完了例44例において、栄養改善度は84.1%(中等度改善以上37/44例)であった。副作用発現頻度は、42.0%(21/50例)であり、主な副作用は下痢34.0%(17/50例)、嘔吐14.0%(7/50例)であった。
注)本剤と比較してフィトナジオンの含有量が10倍の製剤であり、フィトナジオン以外の有効成分及び添加剤含量並びに性状は同一
18.1 作用機序
本剤は腸管より消化吸収され、門脈あるいは胸管、肝臓を経て全身で代謝され栄養補給効果を示す。
18.2 栄養効果
小腸切除ラットに十二指腸カテーテルを留置して持続投与した試験で、本剤は市販半消化態栄養剤に比較して、肝窒素量、血中アルブミン、窒素出納及びA/G比で高値を示したが、栄養効果はほぼ同等であることが認められた。また、本剤は市販半消化態栄養剤に比較して、血中ω3系脂肪酸(α‐リノレン酸及びエイコサペンタエン酸)が増加し、ω3/ω6比とEPA/AA比が有意に高値を示した。
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- イーエヌ大塚製薬
- 販売会社
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