ソリューゲンF注
添付文書情報2023年05月改定(第1版)
商品情報
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- 効能・効果
- 循環血液量減少時及び組織間液減少時における細胞外液の補給・細胞外液の補正、代謝性アシドーシスの補正。
- 用法・用量
- 通常、成人1回500mL~1000mLを点滴静注する。投与速度は1時間あたり10mL/kg体重以下とする。なお、年齢、症状、体重に応じて適宜増減する。
- 腎機能障害患者
- 9.1.1. 心不全の患者:循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。
9.1.2. 高張性脱水症の患者:水分補給が必要であり、電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。
9.1.3. 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者:水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。
腎機能障害患者:水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
大量・急速投与:(頻度不明)脳浮腫、肺水腫、末梢浮腫。
- 高齢者
- 投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 全般的な注意14.1.1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
14.1.2. 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2. 薬剤調製時の注意薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
14.3. 薬剤投与時の注意14.3.1. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと(輸液セット内に空気が流入するおそれがある)。
14.3.2. 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.3. 残液は使用しないこと。
20.1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2. 次の場合には使用しないこと。
・ 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。
・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。
・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。
・ ゴム栓部のシールがはがれている場合には使用しないこと。
16.1 血中濃度
全身麻酔下手術待機症例11例に1mmol/mL酢酸ナトリウム液10mLを投与した結果、酢酸の半減期(t1/2)は2.20±0.74分、分布容積(Vd)は53.4±12.6mL/kgであった。
16.3 分布
無麻酔ラットの尾静脈内に非絶食下で〔1‐14C〕‐酢酸Na1mEq/kgを急速投与した結果、6時間後の14Cの臓器分布では肝・副腎に多く、DL‐乳酸Na群と比べて脂肪組織、脳、肺への取込みが多かった。また肝ホモジネート分画の検討では14Cは比較的脂質に多く取込まれた。
16.5 排泄
無麻酔ラットの尾静脈内に非絶食下で〔1‐14C〕‐酢酸Na1mEq/kgを急速投与した結果、14C投与総量に対する累積呼気14CO2排出率は30分で35%、1時間で59%、2時間で66%、6時間で69%であった。この累積呼気排出率と比較して、低投与量の1μEq/kg投与群では1時間までは高いが、6時間では71%とほぼ同値となった。また、実験前24時間絶食の1mEq/kg群では2時間以降わずかに高く、6時間では74%と高値となった。これに対し、非絶食のDL‐〔1‐14C〕‐乳酸Na1mEq/kg投与群では15分まで高く、また、L‐〔1‐14C〕‐乳酸Na1mEq/kg投与群では全経過を通じて高く、6時間では72%と高値となった。14Cの尿中排泄は各群2%以下で有意差はなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
比較的侵襲の少ない整形外科領域の全身麻酔下の手術患者40例を対象として、酢酸リンゲル液と対照薬(ブドウ糖加酢酸リンゲル液)との二重盲検比較試験を実施した。その結果、酢酸リンゲル液は糖、脂肪代謝、尿中排泄などの所見より血糖値の上昇を起こさず、細胞外液の減少に対する電解質の補給・補正がなされ、副作用もないことより、術中の輸液として有用性が認められた。
17.1.2 国内臨床試験
比較的侵襲の少ない全身麻酔下の手術患者72例を対象として、酢酸リンゲル液と対照薬(ブドウ糖加酢酸リンゲル液、乳酸リンゲル液)との比較試験を実施した。その結果、細胞外液の減少に対する電解質の補給・補正、及び外科的侵襲に伴う代謝性アシドーシスの補正がなされ、酢酸リンゲル液の有用性が認められた。また、肝・腎機能、血行動態その他の観察項目は良好に推移し、副作用もなく、酢酸リンゲル液の安全性が確認された。
17.1.3 国内臨床試験
比較的侵襲の少ない小児全身麻酔手術患者63例を対象として、酢酸リンゲル液と対照薬(乳酸リンゲル液)との比較試験を実施した。その結果、乳酸リンゲル液投与群にみられる血中d‐乳酸値の上昇もなく、副作用もないことより、小児に対する安全性が確認された。
17.1.4 国内臨床試験
比較的侵襲の少ない整形外科、耳鼻科及びその他の全身麻酔下の手術患者15例を対象とする酢酸リンゲル液の一般臨床試験を実施した。その結果、手術侵襲時の細胞外液補充液として副作用もなく、有用性が認められた。
18.1 作用機序
酢酸リンゲル液は水分及び電解質の補給効果を示す。
18.2 血液ガス、代謝性アシドーシス、循環動態に及ぼす作用
出血性ショック下のビーグル犬に酢酸リンゲル液を投与し、血液ガス、代謝性アシドーシス、循環動態に対する効果について検討した。
18.2.1 血液ガス、代謝性アシドーシスに及ぼす作用
酢酸リンゲル液投与後、低下したpHは漸次上昇し、Base Excess(B.E.)は投与直後より上昇が認められた。乳酸値は漸次低下し、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は漸次上昇する傾向を示した。低下したHCO3-は投与後に漸次上昇した。
18.2.2 循環動態に及ぼす作用
上昇傾向がみられた血糖値は、酢酸リンゲル液投与と共に低下し、投与後60~90分で脱血前値に復し、インスリン値は酢酸リンゲル液投与後に漸次低下した。平均血圧は酢酸リンゲル液の投与により漸次上昇し、投与後90分においてほぼ脱血前値に復し、腎動脈血流量及び椎骨動脈血流量は漸次増加し、心拍数に変化はみられなかった。また、低下していた尿量は酢酸リンゲル液投与によって漸次増加した。
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- ネオクリティケア製薬
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