オルダミン注射用1g
添付文書情報2023年06月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- ときにショック等の重篤な副作用があらわれることがある〔2.1、8.2、11.1.1参照〕。
- 禁忌
- 2.1. ショックあるいは前ショック状態にある患者[副作用としてショックが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある]〔1.警告の項、8.2、11.1.1参照〕。
2.2. 多臓器障害あるいは播種性血管内凝固症候群(DIC)状態の患者[副作用としてDICが報告されており、症状がさらに悪化するおそれがある]〔8.4、11.1.3参照〕。
2.3. 胃潰瘍出血、十二指腸潰瘍出血又は胃びらん出血のある患者[出血をさらに助長させるおそれがある]。
2.4. 経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に際し、内視鏡検査が危険と判断される患者[全身衰弱状態、心肺機能低下等の患者では内視鏡の挿入操作により症状がさらに悪化するおそれがある]。
2.5. 心肺に重篤な合併症を有する患者[心肺機能の悪化のおそれがある]。
2.6. 腎に重篤な合併症を有する患者〔9.2.1、11.1.2、13.1、13.2参照〕。
2.7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮。
2). 胃静脈瘤の退縮。
(効能又は効果に関連する注意)
患者の選択にあたっては、経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法又はバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術の適応患者であることを十分に確認すること。
- 用法・用量
- 〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉
経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に用いる。
用時、1バイアルあたり10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する。
通常、成人には静脈瘤1条あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として1~5mLを食道静脈瘤内に注入する。
なお、注入量は静脈瘤の状態及び患者の病態により適宜増減するが、1内視鏡治療あたりの総注入量は20mL以内とする。
〈胃静脈瘤の退縮〉
バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術に用いる。
用時、1バイアルあたり10mLの血管造影用X線造影剤を加えて5%溶液に調製する。
通常、成人には5%モノエタノールアミンオレイン酸塩として、1治療あたり0.4mL/kg以内を胃静脈瘤内に注入する。
なお、1治療あたり5%モノエタノールアミンオレイン酸塩としての総注入量は30mL以内とする。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉本剤は経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法又はバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術に十分な知識及び経験のある医師が使用すること。
8.2. 〈効能共通〉ときにショック等があらわれることがあるので、本剤による治療に際しては十分に問診し、患者の全身状態を観察し、異常が生じた場合直ちに投与を中止すること。使用に際しては、救急処置がとれるようにすること〔1.警告の項、2.1、11.1.1参照〕。
8.3. 〈効能共通〉標的とする部位以外への流出により急性呼吸窮迫症候群、肺水腫があらわれることがあるので、対処部位での血流動態を観察し、流出に注意すること。
8.4. 〈効能共通〉ときに播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、定期的に血液検査などを行うこと〔2.2、11.1.3参照〕。
8.5. 〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉食道静脈瘤周囲に注入した場合、食道潰瘍、食道狭窄の発現の可能性が高くなるので、食道静脈瘤周囲へは注入しないこと。また、食道静脈瘤で、食道静脈瘤外注入となった場合、食道穿孔、食道内巨大血腫が発現することがあるので、十分注意すること〔11.1.6、14.2.3参照〕。
8.6. 〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉経内視鏡的食道静脈瘤硬化療法に際しては、必要に応じて、血管造影用X線造影剤を混和することにより、本剤が血管内に注入されたことを確認できるように施行することが望ましい。
9.1.1. 全身消耗性疾患を有する患者:症状がさらに悪化するおそれがある。
9.1.2. 心血管障害・脳血管障害のある患者:症状がさらに悪化するおそれがある。
9.2.1. 腎に重篤な合併症を有する患者:投与しないこと(腎障害を増悪させるおそれがある)〔2.6、11.1.2、13.1、13.2参照〕。
9.2.2. 腎障害<腎に重篤な合併症を有する場合を除く>のある患者:腎障害を増悪させるおそれがある〔11.1.2、13.1、13.2参照〕。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:肝障害を増悪させるおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ポリドカノール製剤[同時投与を避けることが望ましく、1内視鏡治療で同時に使用すると、食道潰瘍・食道狭窄・胸水貯留の発現率が高くなることが報告されている(同様の作用機序を有する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.1%未満)〔1.警告の項、2.1、8.2参照〕。
11.1.2. 急性腎障害(0.1%未満):本剤の内皮細胞傷害作用により溶血があらわれ、急性腎障害に至るおそれがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、本剤投与後に血尿等の溶血を示唆する所見が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと(また、定期的に血液検査などを行うこと)〔2.6、9.2.1、9.2.2、13.1、13.2参照〕。
11.1.3. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.1%未満)〔2.2、8.4参照〕。
11.1.4. 肝性昏睡(頻度不明):定期的に血液検査などを行うこと。
11.1.5. 重篤な血栓症:門脈血栓(1%未満)、肺梗塞(頻度不明)、脳血管障害(頻度不明)があらわれることがあるので、投与に際しては本剤の標的とする部位以外への流出に注意するとともに、施行後は患者の状態を十分に観察すること。
11.1.6. 食道穿孔(頻度不明):食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮を目的として本剤を使用する場合には、食道穿孔があらわれることがあるので、食道静脈瘤外注入とならないよう注意するとともに、施行後は患者の状態を十分に観察すること〔8.5、14.2.3参照〕。
11.1.7. 胃潰瘍(0.1%未満):重篤な胃潰瘍(巨大胃潰瘍)があらわれることがある。
11.1.8. 急性呼吸窮迫症候群、肺水腫(頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、胸部X線による両側性びまん性肺浸潤陰影が認められた場合には、呼吸管理、循環管理等の適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液:(5%以上)溶血[胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(1~5%未満)白血球増多、貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少、(1%未満)白血球減少。
2). 腎臓:(1~5%未満)肉眼的血色素尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、(1%未満)蛋白尿。
3). 肝臓:(5%以上)LDH上昇、ビリルビン上昇、(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、アルブミン低下、(1%未満)γ-GTP上昇、ALP上昇、尿ウロビリノーゲン上昇、血清総蛋白低下。
4). 食道:(1~5%未満)食道狭窄、食道潰瘍、*食道静脈瘤[*:胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(1%未満)食道内巨大血腫、食道びらん・食道潰瘍出血、(頻度不明)食道静脈瘤出血。
5). 消化器:(5%以上)腹痛[胃静脈瘤に係る医師主導臨床試験に基づく発現頻度]、(頻度不明)出血性胃炎、胃潰瘍出血・十二指腸潰瘍出血。
6). 胸部:(1~5%未満)胸痛、(1%未満)胸水貯留、縦隔炎。
7). 中枢神経系:(1%未満)血圧上昇、頭痛。
8). 循環器:(1%未満)血圧低下。
9). 筋肉:(1~5%未満)CK上昇。
10). その他:(5%以上)発熱、(1%未満)嘔気、心窩部痛、(頻度不明)菌血症。
発現頻度は使用成績調査を含む。
- 高齢者
- 用量に注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は注射用水又は血管造影用X線造影剤と混和後すみやかに使用すること。
14.1.2. 細菌の汚染を避けるため、調製は使用直前に行い、使用後の残液は再使用しないこと。
14.1.3. 低温条件下で保存後に調製すると溶解に時間を要し、また、血管造影用
X線造影剤との配合でもヨード含有量が多いものほど溶解に時間を要することが確認されている。
14.1.4. 溶液の調製方法及び使用方法(1). 本剤のバイアルのフリップオフキャップを外し、ゴム栓表面をアルコール綿で清拭する。次いで、希釈剤として10mLの注射用水又は血管造影用X線造影剤を注射筒に取り、ゴム栓の中心部に注射針を垂直に刺入してバイアル内に注入する。
(2). 注入後、水平方向に振って均一に溶解していることを確認した上で使用すること。希釈剤としての適否は次のとおりである。
1). 注射用水:適。
2). 生理食塩液:不適[白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと]。
3). 血管造影用X線造影剤:①. イオパミドール製剤<ヨード含有量:300・370mg/mL>:適。
②. イオヘキソール製剤<ヨード含有量:300・350mg/mL>:適。
③. イオキサグル酸製剤:不適[白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用
しないこと]。
④. イオベルソール製剤<ヨード含有量:320・350mg/mL>:不適[白濁したり又は粘度が低下しないことがあるので使用しないこと]。
⑤. イオメプロール製剤<ヨード含有量:300・350・400mg/mL>:適。
⑥. イオプロミド製剤<ヨード含有量:300・370mg/mL>:不適[白濁することがあるので使用しないこと]。
(3). 本剤は、調製時の振盪によって溶液中に微細な気泡が分散した状態となるが、1~3分の静置で気泡が溶液の表面に集結するので、表面の気泡を避けるように注意して注射筒に吸引する。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 〈効能共通〉注入量は必要最小限にとどめること。
14.2.2. 〈効能共通〉ポリカーボネート製の三方活栓や延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。
14.2.3. 〈食道静脈瘤出血の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉食道静脈瘤周囲には使用しないこと〔8.5、11.1.6参照〕。
14.2.4. 〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、静脈から逆行性に胃静脈瘤の排血路にバルーン付きカテーテルを挿入し、バルーンを拡張させて排血路を閉塞させ、カテーテルを通じ、透視下に胃静脈瘤内を充填できるまで本剤を注入する。
14.2.5. 〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、本剤を胃静脈瘤に対してバルーン閉塞下に注入する前に、他の排血路を血管塞栓用コイル等にて塞栓し、可能な限り本剤が流出しないように注意すること。
14.2.6. 〈胃静脈瘤の退縮〉胃静脈瘤の退縮の場合、本剤を胃静脈瘤内に注入した後はバルーンを拡張させたまま一定時間保持すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後に食道癌の発現が報告されている。
16.3 分布
3H‐オレイン酸及び14C‐エタノールアミンで二重標識した本剤をラットに静脈内投与した。3Hは主に肝、副腎、心及び脂肪組織に、14Cは主に肝、腎、副腎及び顎下腺に高い分布を示した。
16.4 代謝
3H‐オレイン酸及び14C‐エタノールアミンで二重標識した本剤をラットに静脈内投与した。本剤は投与後直ちにオレイン酸とエタノールアミンに分離し、血漿中のオレイン酸及びエタノールアミンは半減期が各々40.4分、8.6分とすみやかに消失するが、放射能濃度は代謝物により多峰性の推移を示し、半減期は3Hが74.6時間、14Cが100.9時間であった。
16.5 排泄
3H‐オレイン酸及び14C‐エタノールアミンで二重標識した本剤をラットに静脈内投与した。主排泄経路は3Hでは尿、糞に、14Cは呼気と尿で、投与後168時間までに3Hは78.2%が、また、14Cは67.2%が排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈食道静脈瘤の止血及び食道静脈瘤の硬化退縮〉
17.1.1 国内臨床試験
食道静脈瘤患者の急性出血例、内視鏡ステージ分類II~IVの出血既往例及び非出血既往例50例を対象に臨床試験を実施した。本剤を注射用水又は血管造影剤で5%溶液として、単独投与時は4~18mL、ポリドカノール製剤との併用投与時は1~20mLを投与した。
(1)止血効果
急性出血例10例はいずれも1週間以上の止血効果が認められた。
(2)内視鏡判定
最終投与1~3カ月後及び6カ月後に効果判定されたものは各々42例及び37例で、すべての症例は有効以上の結果であった。
内視鏡判定における効果
→図表を見る(PDF)
(3)治療後出血の有無
最終投与後長期間にわたる出血の有無を観察し得た46例のうち、6カ月以上出血を認めなかったものを著効、3カ月間にわたり出血を認めなかったものを有効と判定すると有効以上は39例(84.8%)であった。
副作用発現頻度は22.0%(11/50例)で、主な副作用は食道狭窄10%(5例)、胸水貯留8%(4例)等であった。
〈胃静脈瘤の退縮〉
17.1.2 国内臨床試験
胃静脈瘤患者45例を対象に医師主導臨床試験を実施した。本剤を血管造影剤で5%溶液として、胃静脈瘤内に注入した(1治療あたりの総注入量0.4mL/kg以内)。
(1)内視鏡的判定
バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術実施後3カ月(治験終了時)の観察が実施された44例のうち、中央判定に基づく胃静脈瘤消失(レベル4)の割合は79.5%(35/44例)であった。
中央判定に基づく内視鏡的胃静脈瘤消失(44例)
→図表を見る(PDF)
(2)腹部造影CT検査
胃静脈瘤の完全血栓化(レベル4)の割合は、バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術実施後1週間以内の時点では44例中31例(70.5%)であり、3カ月後(治験終了時)では43例中40例(93.0%)であった。
胃静脈瘤完全血栓化(44例)
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は97.8%(44/45例)で、主な副作用は、血尿51.1%(23例)、発熱44.4%(20例)、溶血35.6%(16例)、腹痛22.2%(10例)等であった。
18.1 作用機序
本剤は血管の内皮細胞を速やかに破壊させ、その部位へのフィブリン、血小板及び赤血球の沈着、集積を起こすことによって血栓を形成させる(血液凝固系は関与していない)。内皮細胞破壊は細胞膜の可溶化や透過性亢進という機序の強い細胞溶解作用で起こる。赤血球膜障害作用も同様の機序による。静脈瘤の消失機序としては、閉塞血栓による静脈瘤の虚脱及び血栓の器質化による瘤の縮小である。
18.2 血管内皮細胞傷害作用
18.2.1 ラット大動脈の血管内皮細胞にみられる網目構造(銀染色法)は、本剤を30秒間接触させた場合、0.3%液でほとんどが破壊され、1%以上の濃度では完全に破壊された(in vivo)。
18.2.2 ラット大腿静脈の血流を一過性に遮断した実験モデルに本剤を注入し、30秒後に血流を再開し、その直後、6時間後及び24時間後の血管内皮細胞に対する影響を組織学的に検討した。投与部位ではいずれも血管内皮細胞の剥離が認められたが、それ以外の部位(心臓、肺、脳)ではいずれの時期においても血管内皮細胞の傷害は認められなかった(in vivo)。
18.2.3 ヒト培養内皮細胞に対する細胞溶解作用が認められ、それらの作用は濃度依存的であった(in vitro)。
18.3 血栓形成作用
麻酔イヌの皮静脈の両端を止め、血液を除き本剤の5%液5mLを注入し接触させると、30秒後に内皮細胞は消失した。血流再開5分後には接触部位にフィブリン及び血小板の沈着が、2時間後にはさらに赤血球の沈着・集積がみられ、6時間後には壁在血栓が、24時間後には完全閉塞性血栓が形成され、その後4週間の観察で血栓は器質化した(in vivo)。
- 製造販売会社
- 富士化学
- 販売会社
- 武田薬品 あすか製薬
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。