カーミCA液
添付文書情報2023年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 輸血を必要とする手術施行予定患者の自己血貯血。
- 用法・用量
- 生物由来原料基準 第2血液製剤総則1(2)全血採血により採血バッグに採血し、血液と本品(CPDA液)をよく混和する。
なお、採血量100mLに対して、本品14mLを用いる。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 使用にあたっては、貯血式自己血輸血実施指針等を参考にすること。
8.2. 血液製剤(血小板製剤、濃厚赤血球製剤)の輸血を行った際に、血圧低下、ショック等の重篤な症例が報告されている。使用に際しては、急激な血圧低下、ショック等の重篤な症状の発生時に備え、予め救急処置のとれるよう準備しておくこと。また、輸血中は、患者の状態をよく観察し、発熱、悪寒、頭痛、関節痛、蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下、ショック等の異常が認められた場合には、直ちに輸血を中止し適切な処置を行うこと。アレルギーや過敏症の既往歴のある患者への使用は特に注意が必要である。
8.3. 輸血中は患者の観察を行い、異常が見られたら直ちに輸血を中止し、適切な処置を取ること。
8.4. 本品は可塑剤であるフタル酸ジ2-エチルヘキシルが溶出するおそれがあるので、注意すること。
9.1.1. 痛風、尿路結石のある患者:輸血後に症状を悪化させるおそれがある。
9.1.2. ビリルビン値が高く黄疸のある患者:輸血後に肝障害によるクエン酸中毒があらわれるおそれがある。
9.1.3. 感染症またはその疑いのある患者:輸血後に感染症を発症または発現させるおそれがある。
腎機能障害患者:輸血後にアデニンの排泄障害により高尿酸血症・痛風・尿路結石・腎性腎不全等があらわれるおそれがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので観察を十分行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 短時間大量投与:(頻度不明)クエン酸による血中カルシウムイオン濃度低下。
2). 腎臓:(頻度不明)軽度血尿(尿潜血反応)。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 全般的な注意14.1.1. 本品は血液製剤を調製することを目的とし、それ以外の目的には使用しないこと。
14.1.2. 使用中は本品の破損、接合部のゆるみ及び薬液漏れ等について、定期的に確認すること。
14.1.3. 脂肪乳剤を含む医薬品、ヒマシ油等の油性成分、界面活性剤またはアルコール等の溶解補助剤等を含む医薬品を投与する場合及びアルコールを含む消毒剤を使用
する場合は、コネクターのひび割れについて注意すること(薬液により延長チューブ等のコネクターにひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入の可能性がある、特に全身麻酔剤、昇圧剤、抗悪性腫瘍剤及び免疫抑制剤等の投与では、必要な投与量が確保されず患者への重篤な影響が生じる可能性がある。なお、ライン交換時の締め直し、過度な締め付け及び過度な増し締め等は、ひび割れの発生を助長する要因となる)。
14.1.4. ひび割れが確認された場合は、直ちに新しい製品と交換すること。
14.1.5. 本品の使用中に、血液漏れ等の異常が発見された場合は、細菌混入のおそれがあるので直ちに使用を中止すること。
14.2. 血液製剤調製時の注意14.2.1. 連通ピースを開放する際は、連通ピースの両端を両手で保持し、一方向から折るだけでなく逆方向からも折り、完全に折れたことを確認すること。
14.2.2. 針キャップを開封する際は、キャップの根元を親指と人差指でしっかりつまんで回し、針先が針キャップに触れないように注意しながら、針キャップをまっすぐ引き抜くこと(針先が針キャップに触れると針先が変形し、穿刺しづらくなる場合がある)。
14.2.3. 採血中は患者の状態を観察し、異常が認められる場合は直ちに中止すること。
14.2.4. 針キャップ開封後の採血針を取扱う際は、誤って手や指を針先で傷付けないように十分注意すること。
14.2.5. バッグ等を切り離す場合は、チューブの切断個所をチューブシーラーで密封すること。
14.2.6. チューブ内に残った血液の凝固を避けるため、チューブストリッパー(ローラーペンチ等)でチューブ内の血液を採血バッグに移し、血液保存液と混ぜ合わせた後、血液をチューブ内に戻すこと。
14.2.7. 血液バッグを遠心する際、遠心カップ下部にチューブ・分岐管等を入れるとバッグを破損させることがあるので取扱いには十分注意すること。
14.2.8. 調製した血液製剤は、2~6℃の冷蔵庫内に保存し、35日以内に使用
すること。
14.2.9. カルシウム含有製剤と混和すると凝血をおこすおそれがあるため混合輸注はしないこと。
14.3. 輸血時の注意14.3.1. 保存中にエルシニア菌等の好冷菌が増殖する危険性があるため、特に3週間以上経過した保存血液で黒変等、血液に変色が認められたものは使用しないこと。
14.3.2. 保存期間中に凝集塊が形成されることがあるので、観察を十分行うこと。凝集塊の形成が認められた場合には、臨床現場の状況に応じ、投与の可否を判断すること。
14.3.3. 「JIS T3212:滅菌済み輸血セット」または、「滅菌済み輸血セット基準(平成10年12月11日 医薬発第1079号)」に適合する輸血用器具を使用し、他の薬剤は原則として混入しないこと。
20.1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2. 使用期限内でも包装を開封したものは速やかに使用すること。
20.3. 本品は清潔な場所で滅菌袋から使用直前に取り出し、直ちに使用すること。
20.4. 次の場合には使用しないこと。
・ 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。
・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。
・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。
・ 連通ピースが折れている場合には使用しないこと。
・ チューブ及びバッグが破損している場合には使用しないこと。
・ 採血針のキャップが外れている場合には使用しないこと。
・ 外袋が破損している場合には使用しないこと。
20.5. 蒸気滅菌工程の水蒸気あるいはその後の熱処理のためバッグが不透明になったり空袋やチューブ内に微量の水分が残留することがあるが使用上問題はない(但し著しい水濡れや内容液のリークが疑われる場合は使用しない)。
20.6. 血液バッグの塩化ビニル樹脂は、低温での物性が著しく低下し、破損する場合があるので低温及び凍結の状態での取扱いには十分注意すること。
20.7. 直射日光や水漏れのおそれのある場所や湿度の高い場所での保存はさけること。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
輸血を必要とする手術が予定され、予め貯血できる患者63例に対して、日本輸血学会の「術前貯血式自己血輸血療法のガイドライン」を参考に1回400mLの採血を上限に、各施設のMSBOS(最大手術血液準備量)を参考に200mL及び400mL採血用バッグ(本品28mL及び56mL含む)に貯血を行った。その結果、貯血した自己血のみで手術を終了した症例は、57例(90.5%)で、自己血輸血療法の本来の目的である同種血輸血を回避できた。貯血に使用した血液バッグ238バッグ中1バッグは保存血液中の凝固塊形成により廃棄した。
18.2 長期保存試験
本品を用いて採血した血液5週保存品とCPD液を用いて採血した血液3週保存品を比較したとき、ヘモグロビン濃度、赤血球形態、フィブリノーゲン量及び微小凝集塊形成は、両者間に有意な差は認められなかった。また、本品添加保存血液の方が赤血球ATP量は、高値を維持した。
18.3 赤血球生存試験
健常成人男子10名より、本品を用いて採血された血液を5週間保存後自己赤血球を51Crで標識し、輸注後24時間及び48時間後の赤血球生存率は、それぞれ83.8%、80.3%であった。
- 製造販売会社
- SBカワスミ
- 販売会社
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