ヒルドイドソフト軟膏0.3%
添付文書情報2024年06月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)の患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]。
2.2. 僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される患者[血液凝固抑制作用を有し、出血を助長するおそれがある]。
- 効能・効果
- 血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後硬結並びに注射後疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮脂欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸<乳児期>。
- 用法・用量
- 通常、1日1~数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばして貼付する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)皮膚炎、そう痒、発赤、発疹、潮紅等、(頻度不明)皮膚刺激感。
2). 皮膚(投与部位):(頻度不明)紫斑。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 潰瘍・びらん面への直接塗擦又は塗布を避けること。
16.3 分布
〈フォーム〉
16.3.1 生物学的同等性試験
健康成人男性10例を対象に、前腕部にヒルドイドフォーム0.3%と標準製剤(ヒルドイドクリーム0.3%)を単回塗布し、塗布4時間後における角層中薬物量を測定した。両剤の角層中薬物量の対数値の平均値の差の90%信頼区間はlog(0.70)~log(1.43)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表 角層中薬物量の要約統計量
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈クリーム〉
17.1.1 国内臨床試験
ヒルドイドクリーム0.3%の効能追加時までに実施された国内総計2192例を対象とした、二重盲検比較試験を含む臨床試験における有効率は、次のとおりであった。
表 対象疾患別の有効率
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〈ソフト軟膏〉
17.1.2 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者30例、進行性指掌角皮症患者29例を対象にヒルドイドソフト軟膏0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験における改善率は、次のとおりであった。
副作用は認められなかった。
表 対象疾患別の改善率
→図表を見る(PDF)
17.1.3 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者30例、進行性指掌角皮症患者30例を対象にヒルドイドソフト軟膏0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験における改善率は、次のとおりであった。
副作用は認められなかった。
表 対象疾患別の改善率
→図表を見る(PDF)
〈ローション〉
17.1.4 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者54例、進行性指掌角皮症患者27例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日2~3回、皮脂欠乏症は2週間、進行性指掌角皮症は4週間単純塗擦した一般臨床試験における改善率は、次のとおりであった。
副作用は認められなかった。
表 対象疾患別の改善率
→図表を見る(PDF)
17.1.5 国内一般臨床試験
肥厚性瘢痕・ケロイド患者20例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日1~数回、8週間単純塗擦又はガーゼ等にのばして貼付した一般臨床試験における改善率(改善以上)は、66.7%(10/15例)であった。
副作用は認められなかった。
17.1.6 国内一般臨床試験
外傷(捻挫、挫傷)患者20例を対象にヒルドイドローション0.3%の適量を1日数回、10日間塗擦した一般臨床試験における改善率(改善以上)は、100%(18/18例)であった。
副作用は認められなかった。
〈フォーム〉
17.1.7 国内一般臨床試験
皮脂欠乏症患者男女60例を対象に、ヒルドイドソフト軟膏0.3%を1日2~3回、2週間塗布した後、ヒルドイドフォーム0.3%を1日2~3回、2週間塗布した一般臨床試験において、薬剤切り替え後も治療効果は維持されることが確認された。1回あたりの塗布量はfingertip unit(FTU)に基づき算出した。
副作用は1例2件認められ、その内訳は、そう痒症及び紅斑が各1.7%(1/60例)であった。
17.3 その他
〈フォーム〉
17.3.1 皮膚刺激性
健康成人男女30例を対象に、ヒルドイドフォーム0.3%の皮膚安全性の確認を目的に48時間密封パッチテスト及び光パッチテストを実施した。その結果、皮膚刺激性に忍容性があることが確認された。
18.1 作用機序
作用機序は明確ではない。
18.2 血液凝固抑制作用
血液凝固時間を延長し、血液凝固抑制作用を示す(ヒト、イヌ、ウサギ)。
18.3 血流量増加作用
水素クリアランス法による実験で、皮膚組織血流量の増加を認めた(ウサギ)。
18.4 血腫消退促進作用
実験的血腫の消退促進を認めた(ウサギ)。
18.5 角質水分保持増強作用
皮膚に対する保湿効果を有し(ヒト)、実験的乾燥性皮膚において角質水分保持増強作用を認めた(モルモット)。
18.6 線維芽細胞増殖抑制作用
組織癒着防止に関する実験で、線維芽細胞増殖の抑制を認めた(ウサギ)。
18.7 抗炎症作用
紫外線紅斑抑制作用を有する(モルモット)。
18.8 臨床薬理試験
〈フォーム〉
18.8.1 健康成人男性20例を対象に、前腕部にヒルドイドフォーム0.3%とヒルドイドクリーム0.3%を単回塗布し、角層水分量を経時的に測定した。両剤で角層水分量の変化量の曲線下面積(AUC0h-10h)を算出し、統計解析を行った結果、角層水分量を指標とした臨床薬理試験において、両剤は同等であることが確認された。
- 製造販売会社
- マルホ
- 販売会社
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