ベラプロストNa錠20μg「AFP」
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、上部消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血等)[出血を増大するおそれがある]。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善。
2). 原発性肺高血圧症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈原発性肺高血圧症〉原発性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用すること。
5.2. 〈原発性肺高血圧症〉本剤は経口投与であるため、重症度の高い患者等では効果が得られにくい場合があるので、循環動態の改善が見られないあるいは臨床症状の改善が見られない場合は、注射剤や他の治療に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
- 用法・用量
- 〈慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善〉
通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日120μgを3回に分けて食後に経口投与する。
〈原発性肺高血圧症〉
通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始し、症状(副作用)を十分観察しながら漸次増量する。増量する場合には、投与回数を1日3~4回とし、最高用量を1日180μgとする。
(用法及び用量に関連する注意)
〈原発性肺高血圧症〉原発性肺高血圧症は薬物療法に対する忍容性が患者によって異なることが知られており、本剤の投与にあたっては、投与を少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2. 〈原発性肺高血圧症〉原発性肺高血圧症の場合、本剤の有効成分は「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。
8.3. 〈原発性肺高血圧症〉「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」から本剤へ切り替える場合には、「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」の最終投与時から12時間以上が経過した後に、本剤をベラプロストナトリウムとして原則1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始すること(また、「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」と同用量の本剤に切り替えると、過量投与になるおそれがあるため注意すること)〔16.1.1参照〕。
9.1.1. 月経期間中の患者:出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.2. 出血傾向並びに出血傾向素因のある患者:出血傾向を助長するおそれがある。
9.2.1. 高度腎機能障害(血清クレアチニン2.5mg/dL以上)のある患者:曝露量(AUC)が増加するおそれがある〔16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 抗凝血剤(ワルファリン等)、抗血小板剤(アスピリン、チクロピジン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)[出血傾向を助長することがある(相互に作用を増強することがある)]。
2). プロスタグランジンI2製剤:①. プロスタグランジンI2製剤(エポプロステノール)[血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること(相互に作用を増強することが考えられる)]。
②. プロスタグランジンI2製剤(ベラプロスト)[血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること(相互に作用を増強することが考えられる)](同一有効成分を含有する「ケアロードLA錠60μg」、「ベラサスLA錠60μg」等との併用に注意すること)。
3). エンドセリン受容体拮抗剤(ボセンタン)[血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること(相互に作用を増強することが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 出血傾向(頻度不明):脳出血、消化管出血、肺出血、眼底出血があらわれることがある。
11.1.2. ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明):血圧低下、頻脈、顔面蒼白、嘔気等が認められた場合には投与を中止すること。
11.1.3. 間質性肺炎(頻度不明)。
11.1.4. 肝機能障害(頻度不明):黄疸や著しいAST上昇、著しいALT上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.5. 狭心症(頻度不明)。
11.1.6. 心筋梗塞(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 出血傾向:(頻度不明)出血傾向、皮下出血、鼻出血。
2). 血液:(1%未満)貧血、白血球増多、(頻度不明)好酸球増多、血小板減少、白血球減少。
3). 過敏症:(1%未満)発疹、湿疹、そう痒、(頻度不明)蕁麻疹、紅斑。
4). 精神・神経系:(5%以上)頭痛、(1%未満)眠気、ふらつき、(頻度不明)めまい、立ちくらみ、もうろう状態、しびれ感、振戦、不眠、浮遊感。
5). 消化器系:(1~5%未満)下痢、嘔気、食欲不振、腹痛、(1%未満)嘔吐、口渇、胃不快感、(頻度不明)上腹部痛、胃潰瘍、胃障害、胸やけ。
6). 肝臓:(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、(1%未満)ビリルビン上昇、Al-P上昇、(頻度不明)黄疸。
7). 腎臓:(1~5%未満)BUN上昇、(1%未満)血尿、(頻度不明)頻尿。
8). 循環器系:(5%以上)顔面潮紅、(1~5%未満)ほてり、のぼせ、(1%未満)動悸、潮紅、(頻度不明)血圧低下、頻脈。
9). その他:(1~5%未満)トリグリセライド上昇、(1%未満)倦怠感、疼痛、関節痛、息苦しさ、耳鳴、発汗、冷汗、(頻度不明)浮腫、胸部不快感、胸痛、発熱、熱感、顎痛、気分不良、背部痛、頸部痛、脱毛、咳嗽、筋痛、脱力感。
- 高齢者
- 一般に生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報慢性動脈閉塞症において本剤を1日180μg投与したとき、副作用発現頻度が高くなるとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にベラプロストナトリウム100μg注)を経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
健康成人にベラプロストナトリウム徐放錠(120μg又は180μg)を食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは次のとおりであった。[8.3参照]
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
健康成人にベラプロストナトリウム50μg注)を1日3回10日間経口反復投与したときの最高血漿中未変化体濃度は0.3~0.5ng/mLであり、反復投与による蓄積性は認められなかった。
16.1.3 生物学的同等性試験
ベラプロストNa錠20μg「AFP」とドルナー錠20μgを、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ベラプロストナトリウムとして40μg)健康成人男子20名に絶食時単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
血漿蛋白結合率は約90%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ベラプロストナトリウムは、ヒトにおいて主にβ‐酸化、15位水酸基の酸化及び13位二重結合の水素化、グルクロン酸抱合により代謝された。また、ベラプロストナトリウムは、CYP2C8によって添加量の約3%とわずかに代謝されたが、他のCYP分子種(1A2、2A6、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4、4A11)では代謝されなかった(in vitro)。CYP分子種(1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4)のいずれに対しても阻害を認めず、また、CYP分子種(1A2、2C9、2C19、3A4)のいずれに対しても、その活性を誘導しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人12人にベラプロストナトリウム50μg注)を経口単回投与したときの24時間後までの尿中未変化体排泄量は2.8μgであり、β‐酸化体は5.4μgであった。未変化体及びβ‐酸化体は、グルクロン酸抱合体としても排泄される。なお、排泄量における遊離体の割合はそれぞれ14%、70%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者、中等度腎機能障害患者及び高度腎機能障害患者を対象にベラプロストナトリウム40μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは次のとおりであり、腎機能正常者と比較し、高度腎機能障害患者でAUC0-24が増加する傾向が認められた。[9.2.1参照]
→図表を見る(PDF)
注)本剤の承認された用量は、慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善では1日120μg、原発性肺高血圧症では1日60~180μgである。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈原発性肺高血圧症〉
17.1.1 国内第II相試験
肺高血圧症に対する多施設オープン試験において、原発性肺高血圧症21例における全肺血管抵抗等の心血行動態指標及び自他覚所見等を総合した最終全般改善度は、中等度改善以上38.1%(8例)、軽度改善以上61.9%(13例)であった。
18.1 作用機序
プロスタサイクリンと同様に、ベラプロストナトリウムは血小板及び血管平滑筋のプロスタサイクリン受容体を介して、アデニレートシクラーゼを活性化し、細胞内cAMP濃度上昇、Ca2+流入抑制及びトロンボキサンA2生成抑制等により抗血小板作用、血管拡張作用等を示す。
18.2 抗血小板作用
18.2.1 末梢循環障害患者及び健康成人への経口投与により血小板凝集能及び血小板粘着能を抑制する。
18.2.2 凝集誘発物質によるヒト血小板凝集を抑制し、ヒト血小板凝集塊解離作用を有する(in vitro)。
18.3 血管拡張・血流増加作用
18.3.1 健康成人への経口投与において皮膚血流量の増加が認められる。
18.3.2 末梢循環障害患者への経口投与により、足背皮下における安静時組織酸素分圧の上昇と駆血回復時間の短縮並びにレーザードップラー法による皮膚血流量の増加が認められている。
18.3.3 K+、PGF2αにより収縮させたイヌの大腿動脈、腸間膜動脈等、各種摘出動脈及びセロトニン、フェニレフリンにより収縮させたイヌの摘出肺動脈に対し、弛緩作用を示し(in vitro)、イヌの各種臓器血管の血流を増加させる。
18.4 血管平滑筋細胞増殖抑制作用
血小板由来増殖因子刺激によるヒト肺動脈血管平滑筋細胞の増殖を抑制する(in vitro)。
18.5 病態モデルに対する作用
18.5.1 慢性動脈閉塞症モデル
ラウリン酸誘発ラット後肢循環障害、エルゴタミン-エピネフリン誘発ラット尾循環障害及び電気刺激誘発ウサギ動脈血栓において、虚血性病変の進展あるいは血栓形成を抑制する。
18.5.2 血栓症モデル
ラット動脈血栓症及びラット静脈血栓症等に対し、血栓形成の抑制効果を認める。
18.5.3 皮膚潰瘍モデル
ラット酢酸皮膚潰瘍に対し、治癒促進効果を示す。
18.5.4 肺高血圧症モデル
モノクロタリン誘発ラット肺高血圧モデルにおいて、経口投与で右室収縮期圧の上昇及び肺血管中膜の筋性肥大を抑制する。トロンボキサンアゴニスト誘発イヌ肺高血圧モデルにおいて、静脈内投与で肺動脈圧及び肺血管抵抗を低下させる。塞栓誘発ラット肺高血圧モデルにおいて右室収縮期圧上昇を抑制する。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- シオノケミカル
- 販売会社
- アルフレッサ ファーマ
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