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ペグフィルグラスチムBS皮下注3.6mg「モチダ」

後発医薬品
販売名
ペグフィルグラスチムBS皮下注3.6mg「モチダ」
薬価
3.6mg0.36mL1筒 61188.00円
製造メーカー
持田製薬

添付文書情報2023年10月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されない血液・体液用薬
一般名
ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)キット(1)
禁忌
2.1. 本剤の成分又は他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者。
2.2. 骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病の患者及び末梢血液中に骨髄芽球の認められる骨髄性白血病の患者〔8.4、11.1.4参照〕。
効能・効果
がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 臨床試験に組み入れられた患者における発熱性好中球減少症発現のリスク等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.2、17.1.3参照〕。
5.2. 本剤を使用する際には、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。
用法・用量
通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)[ペグフィルグラスチム後続1]として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
がん化学療法剤の投与開始10日前から投与終了後24時間以内に本剤を投与した場合の安全性は確立していない。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと〔9.1.1、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与により骨痛、背部痛等が発現することがあるので、このような場合には非麻薬性鎮痛剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
8.3. 本剤投与により脾腫、脾破裂が発現することがあるので、血液学的検査値の推移に留意するとともに、腹部超音波検査等により観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.4. 急性骨髄性白血病患者では本剤投与により芽球増加を促進させることがあるので、定期的に血液検査及び骨髄検査を行うこと〔2.2、11.1.4参照〕。
8.5. 海外観察研究において、がん化学療法(単独又は放射線療法との併用)とともにペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)又はフィルグラスチム(遺伝子組換え)が使用
された乳癌又は肺癌患者では骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病のリスクが増加したとの報告がある。本剤と骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病の因果関係は明らかではないが、本剤の投与後は患者の状態を十分に観察すること。
9.1.1. 薬物過敏症の既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. アレルギー素因のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)〔8.1、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患(0.5%):肺臓炎、肺障害等の間質性肺疾患が発現又は間質性肺疾患増悪することがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.3. 急性呼吸窮迫症候群(頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、呼吸管理等の実施を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.4. 芽球の増加(頻度不明):急性骨髄性白血病において、芽球増加を促進させることがある〔2.2、8.4参照〕。
11.1.5. 脾腫(0.3%)・脾破裂(頻度不明):脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.6. 毛細血管漏出症候群(頻度不明):低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.7. Sweet症候群(頻度不明)。
11.1.8. 皮膚血管炎(頻度不明)。
11.1.9. 大型血管炎(大動脈炎症、総頸動脈炎症、鎖骨下動脈炎症等の炎症)(頻度不明):発熱、CRP上昇、大動脈壁肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(5%以上)発疹、(1~5%未満)じん麻疹、紅斑、皮膚そう痒症、(1%未満)多形紅斑、皮膚剥脱。
2). 筋・骨格:(5%以上)背部痛、関節痛、筋肉痛、(1~5%未満)骨痛、四肢痛、(1%未満)筋骨格痛。
3). 消化器:(1~5%未満)下痢、便秘、腹痛、腹部不快感、悪心、嘔吐、口内炎。
4). 肝臓:(5%以上)ALT上昇、AST上昇、(1~5%未満)肝機能異常、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加。
5). 血液:(5%以上)白血球増加、好中球増加、リンパ球減少、(1~5%未満)貧血、血小板減少、白血球減少、(1%未満)単球増加。
6). 代謝及び栄養:(1~5%未満)電解質異常(カリウム異常、カルシウム異常、リン異常、クロール異常、ナトリウム異常)、高血糖、食欲減退。
7). 精神神経系:(5%以上)頭痛、(1~5%未満)味覚異常、めまい、異常感覚、(1%未満)感覚鈍麻、不眠症。
8). 呼吸器:(1%未満)口腔咽頭痛、咳嗽、呼吸困難。
9). 腎臓:(頻度不明)糸球体腎炎。
10). その他:(5%以上)LDH上昇、発熱、倦怠感、Al-P上昇、(1~5%未満)潮紅、浮腫、CRP上昇、疼痛、胸痛、(1%未満)血中アルブミン減少、尿酸増加、注射部位反応(注射部位疼痛を含む)。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. シリンジの破損等の異常が認められるときは使用しないこと。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の国内臨床試験において、悪性リンパ腫患者での骨髄異形成症候群発現が報告されている(0.3%、2/632例)。
15.1.2. 国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、本剤の投与後に血小板減少<5.0×10の4乗/μL未満>のリスクが増加したとの報告がある。
15.1.3. 本剤の国内臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報顆粒球コロニー形成刺激因子が、in vitroあるいはin vivoで数種のヒト膀胱癌細胞株に対し増殖促進傾向及び骨肉腫細胞株に対し増殖促進傾向を示したとの報告がある。

16.1 血中濃度
〈本剤〉
16.1.1 単回投与
健康成人男性に本剤とジーラスタ皮下注3.6mgをクロスオーバー法により単回皮下投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。薬物動態パラメータ(Cmax及びAUCt)の常用対数変換値の平均値の差の両側90%信頼区間は、log0.80~log1.25の範囲内であり、両剤の同等性が確認された。
健康成人男性に単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値±標準偏差)

健康成人男性に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

〈ジーラスタ〉
16.1.2 単回投与
(1)肺癌患者
がん化学療法施行後の肺癌患者にペグフィルグラスチム30、60及び100μg/kg注)を単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、ペグフィルグラスチムの薬物動態は非線形性を示した。
肺癌患者に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(2)悪性リンパ腫患者
がん化学療法施行後の悪性リンパ腫患者にペグフィルグラスチム1.8、3.6及び6.0mg注)を単回皮下投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。Cmax及びAUC0-∞は投与量比以上に増加し、ペグフィルグラスチムの薬物動態は非線形性を示した。
悪性リンパ腫患者に単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.3 反復投与
悪性リンパ腫患者に、ペグフィルグラスチム1.8、3.6及び6.0mg注)を化学療法1サイクルごとに単回皮下投与したときの血清中トラフ濃度は、化学療法2~4サイクルにおいていずれの投与量でも定量下限値(0.2ng/mL)未満であった。
注)本剤の承認用量は1回3.6mgである。
16.3 分布
〈ジーラスタ〉
16.3.1 組織移行性
雄性ラットに125I‐ペグフィルグラスチム100μg/kgを単回皮下投与したとき、甲状腺に高い放射能が認められた。甲状腺を除き、全体として放射能の組織への移行性は低かった。
16.8 その他
〈ジーラスタ〉
ペグフィルグラスチムの消失には、好中球及び好中球前駆細胞に発現している顆粒球コロニー形成刺激因子受容体を介してペグフィルグラスチムが細胞内へ取りこまれ、細胞内分解を受ける経路が寄与していると推察される。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈本剤〉
17.1.1 国内第III相試験(乳癌)
乳癌患者注1)101例を対象に、非盲検非対照試験を実施した。その結果、化学療法注2)第1サイクルにおける好中球数が500/μL未満の日数(平均値±標準偏差[両側95%信頼区間])は0.2±0.4日[0.1日、0.2日]であった。
副作用発現頻度は54.5%(55/101例)であった。主な副作用は、背部痛24.8%(25/101例)、関節痛17.8%(18/101例)、発熱10.9%(11/101例)、頭痛8.9%(9/101例)、蕁麻疹6.9%(7/101例)、血中乳酸脱水素酵素増加及び筋肉痛各5.0%(5/101例)、骨痛、C‐反応性蛋白増加及び倦怠感各4.0%(4/101例)、発疹3.0%(3/101例)であった。
注1)化学療法施行日前日又は当日の検査で、次の基準を満たす造血能及び肝・腎機能を有する患者
・好中球数が1,500/μL以上
・ヘモグロビン濃度が10g/dL以上
・血小板数が1.0×10の5乗/μL以上
・AST及びALTが施設基準値上限の3倍以下
・総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下
・クレアチニンが1.5mg/dL以下
注2)21日を1サイクルとして、ドセタキセル水和物はドセタキセルとして75mg/m2、シクロホスファミド水和物はシクロホスファミドとして600mg/m2をDay1にそれぞれ静脈内投与することとされた。
〈ジーラスタ〉
17.1.2 国内第III相試験(悪性リンパ腫)
悪性リンパ腫患者注3)109例を対象にフィルグラスチムを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注4)1サイクルあたりペグフィルグラスチム3.6mgの1回皮下投与はフィルグラスチム50μg/m2連日皮下投与の好中球数減少抑制効果に劣らず、好中球数500/mm3未満の日数(平均値±標準偏差)はペグフィルグラスチム投与群4.5±1.2日、フィルグラスチム群4.7±1.3日であった。
副作用発現頻度は63.0%(34/54例)であった。主な副作用は、背部痛20.4%(11/54例)、血中乳酸脱水素酵素増加14.8%(8/54例)、発熱及び血中ビリルビン増加各5.6%(3/54例)、血小板数減少、血中Al‐P増加、ALT増加、肝機能検査異常、関節痛、筋骨格痛及び紅斑各3.7%(2/54例)であった。[5.1参照]
注3)化学療法開始前2週間以内の検査で、次の基準を満たす造血能及び肝・腎機能を有する患者
・好中球数が1,000/μL以上
・血小板数が7.5×10の4乗/μL以上
・総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下
・クレアチニンが1.5mg/dL以下
注4)エトポシド100mg/m2をDay1から3に、デキサメタゾン40mgをDay1から3に、シクロホスファミド水和物1,200mg/m2をDay1に、シタラビン2,000mg/m2をDay2から3にそれぞれ静脈内投与し、リツキシマブ(遺伝子組換え)(投与時期、用法及び用量は規定せず)を併用可能とされた。
17.1.3 国内第III相試験(乳癌)
乳癌患者注5)346例を対象にプラセボを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注6)1サイクルあたりペグフィルグラスチム3.6mgの1回皮下投与はプラセボと比較して有意に発熱性好中球減少症の発症を抑制し(p値<0.001、χ2検定)、発熱性好中球減少症の発症割合はペグフィルグラスチム投与群1.2%(2/173例)、プラセボ群68.8%(119/173例)であった。
副作用発現頻度は82.1%(142/173例)であった。主な副作用は、血中乳酸脱水素酵素増加30.1%(52/173例)、関節痛27.7%(48/173例)、発熱22.0%(38/173例)、筋肉痛18.5%(32/173例)、倦怠感及び背部痛各17.3%(30/173例)であった。[5.1参照]
注5)化学療法開始前2週間以内の検査で、次の基準を満たす造血能及び肝・腎機能を有する患者
・好中球数が1,500/μL以上
・ヘモグロビン濃度が10g/dL以上
・血小板数が1.0×10の5乗/μL以上
・AST及びALTが施設基準値上限の3倍以下
・総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下
・HBs抗原及びHBc抗体が陰性(化学療法第1サイクル施行前3ヵ月以内の検査でも可)
・クレアチニンが1.5mg/dL以下
注6)21日を1サイクルとして、ドセタキセル水和物75mg/m2、シクロホスファミド水和物600mg/m2をDay1にそれぞれ静脈内投与することとされた。

18.1 作用機序
ペグフィルグラスチムは骨髄中の好中球前駆細胞に存在する顆粒球コロニー形成刺激因子受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると推察される。
18.2 薬理作用
〈本剤〉
18.2.1 顆粒球コロニー形成刺激因子依存性細胞における増殖促進作用
本剤は顆粒球コロニー形成刺激因子依存性増殖を示すマウスNFS‐60細胞株において濃度依存的な細胞増殖促進作用を示し、その比活性はジーラスタ皮下注3.6mgと同程度であった(in vitro)。
18.2.2 好中球数増加作用
本剤は単回投与(皮下)することにより正常マウスの末梢血好中球数を増加させ、その程度はジーラスタ皮下注3.6mgと同程度であった。
18.2.3 好中球減少に対する作用
本剤は単回投与(皮下)することにより、シクロホスファミド投与による好中球減少マウスにおける末梢血好中球数の減少を抑制した。
18.2.4 好中球数増加作用(薬力学的同等性試験)
健康成人男性に本剤とジーラスタ皮下注3.6mgをクロスオーバー法により単回皮下投与したときの好中球数の推移及び薬力学的パラメータは次のとおりであった。薬力学的パラメータ(好中球数のEmax及びAUEC)の常用対数変換値の平均値の差の両側95%信頼区間は、log0.80~log1.25の範囲内であり、両剤の薬力学的同等性が確認された。
健康成人男性に単回皮下投与したときの好中球数の推移(平均値±標準偏差)

健康成人男性に単回皮下投与したときの好中球数の薬力学的パラメータ
→図表を見る(PDF)

〈ジーラスタ〉
18.2.5 好中球前駆細胞の分化促進作用
in vitroコロニー形成試験において、ヒト由来のCD34陽性細胞及びマウス由来の骨髄細胞をペグフィルグラスチム存在下で培養することにより、好中球前駆細胞の分化が促進された。
18.2.6 好中球減少に対する作用
シクロホスファミド投与により末梢血の好中球減少が誘導されたマウスにペグフィルグラスチムを投与することにより、好中球減少が抑制された。

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