ジャドニュ顆粒分包360mg

添付文書情報2021年09月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. デフェラシロクス製剤の投与により、重篤な肝障害、腎障害、胃腸出血を発現し死亡に至った例も報告されていることから、投与開始前、投与中は定期的に血清トランスアミナーゼや血清クレアチニン等の血液検査を行うこと(これらの副作用は、特に高齢者、高リスク骨髄異形成症候群の患者、肝障害又は腎障害のある患者、血小板数50000/mm3未満の患者で認められる)。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 高度腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.3. 全身状態の悪い高リスク骨髄異形成症候群の患者〔9.1.2参照〕。
2.4. 全身状態の悪い進行した悪性腫瘍の患者〔9.1.3参照〕。
- 効能・効果
- 輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 輸血による慢性鉄過剰症の治療は、まず注射用鉄キレート剤による治療を考慮し、本剤は血小板減少や白血球減少を併発していて注射による出血や感染のおそれがある患者、あるいは頻回の通院治療が困難な場合など、連日の鉄キレート剤注射を実施することが不適当と判断される患者に使用すること。
5.2. 本剤は、原疾患の支持療法のために現在及び今後も継続して頻回輸血を必要とする患者に使用すること。
5.3. 本剤による治療を開始するにあたっては、次記の総輸血量及び血清フェリチンを参考にすること。
・ 人赤血球濃厚液約100mL/kg以上(成人では約40単位以上に相当)の輸血を受けた場合、本剤による治療を開始する。
・ 輸血による慢性鉄過剰症の所見として、血清フェリチンが継続的に高値を示す場合、本剤による治療を開始する〔8.7参照〕。
- 用法・用量
- 通常、デフェラシロクスとして12mg/kgを1日1回、経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は18mg/kgを超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 1ヵ月あたりの輸血量が人赤血球濃厚液7mL/kg未満(成人では4単位/月未満に相当)の場合は、初期投与量(1日量)として6mg/kgを投与することを考慮すること。
7.2. 中等度<Child-Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者では、開始用量を約半量に減量すること〔9.3.2、16.6.1参照〕。
7.3. 投与開始後は血清フェリチンを毎月測定すること。用量調節にあたっては、患者の血清フェリチンの推移を3~6ヵ月間観察し、その他の患者の状態(安全性、輸血量等)及び治療目的(体内鉄蓄積量の維持又は減少)も考慮して3~6mg/kgの間で段階的に増減を行うこと。なお、本剤投与により血清フェリチンが継続して500ng/mLを下回った患者での使用経験は少ないので、本剤による過剰な鉄除去には注意すること。
7.4. 本剤投与によって血清クレアチニン増加があらわれることがあるので、投与開始前に血清クレアチニンを2回測定し、投与開始後は4週毎に測定すること。腎機能障害のある患者や、腎機能を低下させる薬剤投与中の患者では、腎機能が悪化するおそれがあるので、治療開始又は投与量変更後1ヵ月間は毎週血清クレアチニンを測定すること。本剤投与後、成人患者では、連続2回の来院時において、本剤に起因した血清クレアチニン増加<治療前の平均値の33%を超える>が認められた場合には、デフェラシロクスとして6mg/kg減量すること(減量後も更に血清クレアチニンが増加し、かつ施設基準値を超える場合には休薬すること)。小児患者では、連続2回の来院時において血清クレアチニンが基準範囲の上限を超えている場合には、デフェラシロクスとして6mg/kg減量すること(減量後も更に血清クレアチニンの増加が認められる場合には休薬すること)〔9.2.2参照〕。
7.5. 本剤投与によって肝機能検査値異常があらわれることがあるので、投与開始前、投与開始後1ヵ月間は2週毎、投与開始1ヵ月以降は4週毎に血清トランスアミナーゼ、ビリルビン、ALPの測定を行うこと。本剤に起因した血清トランスアミナーゼの持続的上昇等が認められた場合には休薬し、適切な処置を行うこと(肝機能検査値異常の原因が本剤によらないと判明し、肝機能検査値が正常化した場合に本剤による治療を再開する際には、本剤を減量して治療を再開すること)〔9.3.1、9.3.2参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤は難治性貧血の治療について十分な知識・経験を持つ医師が使用すること。また、本剤の投与にあたっては、最新の情報を参考にし、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。
8.2. 尿蛋白を4週毎に測定し、尿蛋白/クレアチニン比が1.0mg/mgを超えた場合は休薬すること。
8.3. 下痢又は嘔吐を発現した場合は、腎機能が悪化するおそれがあるので、十分な水分補給を行うこと。
8.4. デフェラシロクス製剤の投与により難聴及び水晶体混濁、視神経炎が報告されているので、投与開始前及び投与後は定期的(6ヵ月毎)に聴力検査及び眼科的検査(眼底検査を含む)を行うこと〔11.1.6、11.1.7参照〕。
8.5. 本剤と他の鉄キレート剤療法との併用は、安全性が確立されていないため、推奨されない。
8.6. 本剤投与中にめまい、視覚・聴力障害があらわれることがあるので、患者に注意喚起し、本剤投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。
8.7. 血清フェリチンが1000又は2500ng/mLを超えた場合には、臓器障害や生存期間に影響することが示唆されている〔5.3参照〕。
9.1.1. 血小板数50000/mm3未満の患者:重篤な胃腸出血が発現するおそれがある。
9.1.2. 高リスク骨髄異形成症候群の患者:重篤な副作用が発現するおそれがある〔2.3参照〕。
9.1.3. 進行した悪性腫瘍の患者:重篤な副作用が発現するおそれがある〔2.4参照〕。
9.2.1. 高度腎機能障害のある患者:投与しないこと(腎機能が悪化するおそれがある)〔2.2参照〕。
9.2.2. 腎機能障害のある患者及び腎機能を低下させる薬剤投与中の患者:腎機能が悪化するおそれがある〔7.4参照〕。
9.3.1. 高度<Child-Pugh分類クラスC>の肝機能障害のある患者:投与を避けることが望ましい(また、血中濃度の上昇が報告されている)〔7.5、16.6.1参照〕。
9.3.2. 軽度<Child-Pugh分類クラスA>の肝機能障害及び中等度<Child-Pugh分類クラスB>の肝機能障害のある患者:肝機能障害が悪化するおそれがある(また、血中濃度の上昇が報告されている)〔7.2、7.5、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 本剤は主にUGT1A1及びUGT1A3により代謝されるので、本剤の血中濃度はUGTに影響を及ぼす薬剤により影響を受ける可能性がある。
本剤はCYP3A4の弱い誘導作用を有することから、CYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。また、本剤はCYP1A2及びCYP2C8の阻害作用を有することから、CYP1A2で代謝される薬剤又はCYP2C8で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
10.2. 併用注意:1). アルミニウム含有制酸剤<経口>[両剤の作用が減弱する可能性がある(本剤とキレートを形成する)]。
2). CYP3A4で代謝される薬剤(シクロスポリン、シンバスタチン、ミダゾラム、経口避妊薬等)[これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の弱いCYP3A4誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進されると考えられる)。健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠とミダゾラム(経口投与、国内未承認の用法)を併用投与した場合、ミダゾラムのAUCが17%低下したとの報告がある(本剤の弱いCYP3A4誘導作用
により、これらの薬剤の代謝が促進されると考えられる)]。
3). レパグリニド、トレプロスチニル[これらの薬剤のAUC及びCmaxが上昇しこれらの薬剤の副作用が発現するおそれがある(本剤のCYP2C8阻害作用により、これらの薬剤の代謝が抑制されると考えられる)。健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠を反復投与後にレパグリニドを併用投与した場合、レパグリニドのAUCが131%・Cmaxが62%増加したとの報告がある(本剤のCYP2C8阻害作用により、これらの薬剤の代謝が抑制されると考えられる)]。
4). テオフィリン[健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠とテオフィリンを併用投与した場合、テオフィリンのAUCが84%上昇したとの報告があり、テオフィリンの作用
を増強させる可能性があるので、併用する場合にはテオフィリンの血中濃度を測定し、テオフィリンの用量を調節すること(本剤のCYP1A2阻害作用により、テオフィリンの代謝が阻害されると考えられる)]。
5). UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ<UGT>を強力に誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン、フェノバルビタール、リトナビル等)[健康成人にリファンピシンを反復投与後にデフェラシロクス懸濁用錠を併用投与した場合、デフェラシロクスのAUCが44%低下したとの報告がある(これらの薬剤のUGT誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。
6). 消化管潰瘍を誘発する可能性のある薬剤(非ステロイド性消炎鎮痛剤、副腎皮質ステロイド剤、経口ビスホスホネート等)[デフェラシロクス懸濁用錠投与中に消化管穿孔、胃潰瘍<多発性潰瘍>、十二指腸潰瘍、胃腸出血があらわれたとの報告がある(胃腸刺激のリスクが高まる可能性がある)]。
7). 抗凝血剤[胃腸出血があった場合、併用により出血が助長されたとの報告がある(抗凝血剤の作用による)]。
8). コレスチラミン<経口>[健康成人においてデフェラシロクス懸濁用錠投与4時間及び10時間後にコレスチラミンを投与した場合、デフェラシロクスのAUCが45%低下したとの報告がある(コレスチラミンの吸着作用により本剤の吸収が阻害されるおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血管神経性浮腫、アナフィラキシー等の異常があらわれることがある。
11.1.2. 急性腎障害(頻度不明)、腎尿細管障害(ファンコニー症候群、尿細管壊死)(0.1%~1%未満)。
11.1.3. 肝炎(0.1%~1%未満)、肝不全(頻度不明):肝硬変や多臓器不全等を合併している患者で、肝不全が認められている。
11.1.4. 消化管穿孔(頻度不明)、胃潰瘍(多発性胃潰瘍を含む)、十二指腸潰瘍、胃腸出血(いずれも0.1%~1%未満)。
11.1.5. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。
11.1.6. 聴力障害(難聴)(0.1%~1%未満)〔8.4参照〕。
11.1.7. 水晶体混濁(初期白内障)(0.1%~1%未満)、視神経炎(0.01%~0.1%未満)〔8.4参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 代謝及び栄養障害:(頻度不明)食欲不振。
2). 精神障害:(0.1~1%未満)不安、睡眠障害。
3). 神経系障害:(1~10%未満)頭痛、(0.1~1%未満)浮動性めまい。
4). 眼障害:(0.1~1%未満)黄斑症。
5). 呼吸器系障害:(0.1~1%未満)咽喉頭痛。
6). 胃腸障害:(1~10%未満)下痢、便秘、嘔吐、悪心、腹痛、腹部膨満、消化不良、(0.1~1%未満)胃炎、急性膵炎、(0.01~0.1%未満)食道炎。
7). 肝胆道系障害:(1~10%未満)臨床検査値異常(AST増加、ALT増加、γ-GTP増加、ALP増加、LDH増加、血中ビリルビン増加)、(0.1~1%未満)胆石症。
8). 皮膚及び皮下組織障害:(1~10%未満)発疹[重度発疹があらわれたときには休薬し、適切な処置を行うこと(投与を再開する場合には、低用量から開始すること)]、皮膚そう痒症、(0.1~1%未満)皮膚色素沈着障害、(頻度不明)白血球破砕性血管炎、蕁麻疹、脱毛症。
9). 腎及び尿路障害:(10%以上)血中クレアチニン増加、(1~10%未満)蛋白尿。
10). 全身障害:(0.1~1%未満)発熱、浮腫、疲労。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している、重篤な副作用が発現するおそれがある)、なお、海外において、デフェラシロクス製剤の投与によって、消化器症状(特に下痢)が高齢者で多くあらわれることが報告されている。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットにおいて、高用量で胎仔骨格変異の発現頻度(100mg/kg/日)及び死産仔数増加(90mg/kg/日)したとの報告があり、動物実験において、胎仔へ移行したとの報告がある(ラット・30mg/kg投与・母体の15%量の移行、ウサギ・40mg/kg投与・母体の1.2%量の移行))。
授乳しないことが望ましい(ラットで母乳中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. デフェラシロクス懸濁用錠の海外臨床試験において、小児患者に投与した場合、小児患者の曝露量の方が成人の曝露量に比べて約20~30%低かったとの報告がある。
9.7.2. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.7.3. 小児の投与量については、体重の変化を考慮すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 因果関係は明らかではないが、デフェラシロクス製剤の投与中に好中球減少、血小板減少、貧血増悪等の血球減少が、主として骨髄不全を合併しやすい血液疾患患者においてあらわれたとの報告がある。本剤投与中は、定期的に血液検査を行い、原因が明らかでない血球減少があらわれた場合には休薬し、本剤による治療の再開については、血球減少の原因が本剤以外の要因であることが判明した場合とすること。
15.1.2. 1日500mg以上<経口>のビタミンCと類薬であるデフェロキサミンとの併用では心機能の低下がみられたとの報告がある。
16.1 血中濃度
〈輸血による鉄過剰症〉
輸血による鉄過剰症患者(26例)にデフェラシロクス懸濁用錠5~30mg/kgを単回及び1日1回7日間反復経口投与したとき、血漿中デフェラシロクス濃度は添付文書の図のように推移した。反復投与時には投与開始4日でほぼ定常状態に到達し、AUC0-24の比から求めた累積率は1.2~2.3であった。
輸血による鉄過剰症患者(26例)にデフェラシロクス懸濁用錠5~30mg/kgを単回(左)及び1日1回7日間反復(右)経口投与したときの血漿中デフェラシロクス濃度推移(平均値+標準偏差)
●:5mg/kg(n=6)、□:10mg/kg(n=7)、◆:20mg/kg(n=6)、△:30mg/kg(n=7)
輸血による鉄過剰症患者にデフェラシロクス懸濁用錠を単回及び1日1回7日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
〈健康成人〉
健康成人(96例)にデフェラシロクス懸濁用錠1,500mg及びデフェラシロクス顆粒900mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態をクロスオーバー法により比較した。懸濁用錠1,500mgに対する顆粒900mgのCmax及びAUClastの対数値の平均値の差の90%信頼区間は、いずれもlog(0.80)~log(1.25)の範囲内であり生物学的に同等であった。
本剤はデフェラシロクスのバイオアベイラビリティが高められた製剤であり、本剤の12mg/kgはデフェラシロクス懸濁用錠の20mg/kgに相当することが生物学的同等性試験により確認されている。
健康成人(96例)にデフェラシロクス懸濁用錠及び顆粒を単回経口投与したときの血漿中デフェラシロクス濃度推移(平均値+標準偏差)
□:デフェラシロクス懸濁用錠1,500mg(n=96)、●:デフェラシロクス顆粒900mg(n=95)
健康成人にデフェラシロクス懸濁用錠及び顆粒を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(24例)にデフェラシロクス顆粒1,200mgを低脂肪食もしくは高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時に対するCmaxの幾何平均比はそれぞれ0.89及び0.96、AUClastの幾何平均比はそれぞれ0.91及び1.19であった。また、健康成人(24例)にデフェラシロクス顆粒1,200mgをアップルソースもしくはヨーグルトに混和して単回経口投与したとき、空腹時に水で投与した時に対するCmaxの幾何平均比はそれぞれ0.97及び0.98、AUClastの幾何平均比はそれぞれ1.01及び1.00であった(外国人のデータ)。(本剤の承認された用法及び用量は、デフェラシロクスとして12mg/kgを1日1回である。)
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人(17例)にデフェラシロクス懸濁用錠375mg(約5mg/kg)を単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは73.5%であった(外国人のデータ)。
16.3 分布
デフェラシロクスの血漿蛋白結合率は約99%であり、主な結合蛋白は血清アルブミンである(in vitro)。
健康成人(17例)にデフェラシロクス130mgを静脈内投与したときの分布容積は14Lであった(外国人のデータ)。
16.4 代謝
デフェラシロクスは主にUGT1A1及びUGT1A3によりグルクロン酸抱合を受け、また一部CYP1A2及びCYP2D6により酸化代謝を受ける(in vitro)。
βサラセミア患者(5例)に[14C]デフェラシロクス懸濁用錠1,000mg(約15mg/kg)を経口投与したとき、血漿中放射能の大部分は未変化体(総放射能のAUCの約90%)であり、血漿中に認められた主代謝物はデフェラシロクスのアシルグルクロン酸抱合体(総放射能のAUCの約3%)であった。尿及び糞中に排泄された放射能の多くは未変化体であり、酸化代謝物はわずかであった(投与量の約8%)(外国人のデータ)。
16.5 排泄
βサラセミア患者(5例)に[14C]デフェラシロクス懸濁用錠1,000mg(約15mg/kg)を経口投与したとき、投与後168時間までに投与量の約84%が糞中に排泄され、約8%が尿中に排泄された(外国人のデータ)。
(参考)[14C]デフェラシロクス10mg/kgを静脈内投与したラットから投与後24時間までに排泄された胆汁を、別のラットに十二指腸内投与したところ、胆汁中に排泄された放射能の約39%が投与後48時間までに再吸収された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度(Child‐Pugh分類クラスA)、中等度(Child‐Pugh分類クラスB)の肝機能障害を有する患者(それぞれ6例)にデフェラシロクス懸濁用錠を単回経口投与したときのAUCは、健康成人(6例)に比べそれぞれ1.2倍及び1.8倍に増加した。高度(Child‐Pugh分類クラスC)の肝機能障害を有する患者は1例のみであったが、AUCは健康成人の2.8倍であった(外国人のデータ)。[7.2、9.3.1、9.3.2参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I相臨床試験
輸血による鉄過剰症患者(26例)にデフェラシロクス懸濁用錠5~30mg/kgを1日1回7日間反復経口投与したとき、尿及び糞中への鉄排泄は次の通りであった。
デフェラシロクス懸濁用錠を1日1回7日間反復経口投与時の鉄排泄
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、23.1%(6/26例)であった。主な副作用は、下痢7.7%(2/26例)、悪心7.7%(2/26例)及び血中クレアチニン増加7.7%(2/26例)であった。
17.1.2 海外第III相臨床試験(0107試験)
デフェラシロクス懸濁用錠の有効性は、肝鉄濃度(肝臓の乾燥重量1gあたりの鉄含有量、以下LICとする)を指標に、投与1年後のLICが7mg/g未満に減少した場合を有効(治療開始前のLICが10mg/g以上の場合、開始前と比較して1年で3mg/g以上の減少を有効)と定義し、有効率を評価した。
βサラセミア患者にデフェラシロクス懸濁用錠(5~30mg/kg)及びデフェロキサミン(20~50mg/kg以上)を1年間投与したとき、有効率はそれぞれ52.9%(146/276例)及び66.4%(184/277例)であった。
デフェラシロクス懸濁用錠の副作用発現頻度は、36.5%(108/296例)であった。主な副作用は、血中クレアチニン増加9.8%(29/296例)、発疹5.7%(17/296例)、悪心5.4%(16/296例)であった。
17.1.3 海外第II相臨床試験(0108試験)
難治性貧血患者及びβサラセミア患者にデフェラシロクス懸濁用錠(5~30mg/kg)を1年間投与したときの有効率は50.5%(93/184例)であった。
難治性貧血患者でのデフェラシロクス懸濁用錠の副作用発現頻度は、64.6%(64/99例)であった。主な副作用は、下痢25.3%(25/99例)、悪心19.2%(19/99例)、血中クレアチニン増加16.2%(16/99例)であった。
17.1.4 海外第II相臨床試験及び海外第III相試験(0106、0107、0108及び0109の計4試験)
1ヵ月あたりの輸血量の違いによるLIC及び血清フェリチンの変化は次のとおりであった。
デフェラシロクス及びデフェロキサミンを1年間投与時のLIC変化量
●デフェラシロクス ○デフェロキサミン (平均値及び95%信頼区間)
投与量
a)デフェラシロクス:30mg/kg、デフェロキサミン:50mg/kg以上
b)デフェラシロクス:20mg/kg、デフェロキサミン:35mg/kg以上50mg/kg未満
c)デフェラシロクス:10mg/kg、デフェロキサミン:25mg/kg以上35mg/kg未満
デフェラシロクス及びデフェロキサミンを1年間投与時の血清フェリチン変化量
●デフェラシロクス ○デフェロキサミン (平均値及び95%信頼区間)
投与量
a)デフェラシロクス:30mg/kg、デフェロキサミン:50mg/kg以上
b)デフェラシロクス:20mg/kg、デフェロキサミン:35mg/kg以上50mg/kg未満
c)デフェラシロクス:10mg/kg、デフェロキサミン:25mg/kg以上35mg/kg未満
デフェラシロクス懸濁用錠の30mg/kg、20mg/kg、10mg/kgはそれぞれ本剤の18mg/kg、12mg/kg、6mg/kgに相当する。
18.1 作用機序
デフェラシロクスは3価の鉄に高い選択性を示す3座キレート剤であり、3価の鉄と2:1で結合し、肝臓・心臓・細網内皮系細胞などに存在する過剰な鉄とキレートを形成し、主に胆汁を介し糞中に鉄を排泄させる。
18.2 肝臓鉄への影響
デフェラシロクスは、ラット及びマーモセットへの経口投与により、主要な鉄貯蔵臓器である肝臓の鉄濃度を低下させる。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- ノバルティス ファーマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
わからないことがあったら、
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