コルヒチン錠0.5mg「タカタ」

添付文書情報2023年06月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈効能共通〉肝臓障害又は腎臓障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤を服用中又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の患者〔9.2.1、9.3.1、10.2参照〕。
2.3. 〈痛風発作の緩解及び予防〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 痛風発作の緩解及び予防。
2). 家族性地中海熱。
- 用法・用量
- 〈痛風発作の緩解及び予防〉
通常、成人にはコルヒチンとして1日3~4mgを6~8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5~1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。
〈家族性地中海熱〉
通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は1.5mgまでとする。
通常、小児にはコルヒチンとして1日0.01~0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大投与量を超えないこととする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈痛風発作の緩解及び予防〉痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。
7.2. 〈痛風発作の緩解及び予防〉大量使用又は誤用により、服用後数時間以内に急性中毒症状があらわれることがあるので、用法及び用量を厳守し、次の事項に注意すること〔13.1、15.1.1参照〕。
・ 〈痛風発作の緩解及び予防〉痛風発作の治療には1回0.5mgを投与し、疼痛発作が緩解するまで3~4時間ごとに投与する(投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、1日量は1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい)。
・ 〈痛風発作の緩解及び予防〉痛風発作の緩解及び予防の場合、発作3~4時間前に先行する予兆を感知したらできるだけ早く服用することが望ましい。
7.3. 〈痛風発作の緩解及び予防〉長期間にわたる痛風発作の予防的投与は、血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、有用性が少なくすすめられない。
- 肝機能障害患者
- 血液障害、腎障害、肝障害、横紋筋融解症、ミオパチー、末梢神経障害等があらわれることがあるので、投与中はこれらの異常の有無を定期的な血液検査、生化学検査、尿検査等を施行して注意深く観察すること〔11.1.1-11.1.3参照〕。
9.1.1. 衰弱の著しい患者(特に腎疾患、胃腸疾患、心疾患を有する患者):腎疾患、胃腸疾患、心疾患を悪化させるおそれがある。
9.2.1. 肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤を服用中又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の腎機能障害患者:投与しないこと〔2.2、10.2参照〕。
9.2.2. 9.2.1に述べた併用薬を服用していない腎機能障害患者:投与する場合には、ごく少量から開始すること(本剤の血漿中濃度が上昇し、早期に重篤な副作用があらわれるおそれがある)〔16.1.3、16.5.2参照〕。
9.3.1. 肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤を服用中又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の肝機能障害患者:投与しないこと〔2.2、10.2参照〕。
9.3.2. 9.3.1に述べた併用薬を服用していない肝機能障害患者:投与する場合には、ごく少量から開始すること(本剤の血漿中濃度が上昇し、早期に重篤な副作用があらわれるおそれがある)〔16.1.4参照〕。
- 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、P糖蛋白の基質でもある。
10.2. 併用注意:1). 肝代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤等:①. 肝代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤等〔2.2、9.2.1、9.3.1参照〕(肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤(アタザナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、リトナビルを含有する製剤、ダルナビルを含有する製剤、コビシスタットを含有する製剤、エンシトレルビル)、肝代謝酵素CYP3A4を中等度阻害する薬剤(アプレピタント、ジルチアゼム、エリスロマイシン、フルコナゾール、ホスアンプレナビル、ベラパミル)、グレープフルーツジュース)[本剤の作用が増強することがあるので、併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること(肝代謝酵素CYP3A4を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある)]。
②. 肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤(アタザナビル、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、リトナビルを含有する製剤、ダルナビルを含有する製剤、コビシスタットを含有する製剤、エンシトレルビル)[本剤の作用が増強することがあるので、肝臓又は腎臓に障害のある患者には肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤は投与しないこと(肝代謝酵素CYP3A4を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある)]。
2). P糖蛋白を阻害する薬剤:①. P糖蛋白を阻害する薬剤〔2.2、9.2.1、9.3.1参照〕(シクロスポリン)[本剤の作用が増強することがあるので、併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること(P糖蛋白の活性を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある)]。
②. P糖蛋白を阻害する薬剤〔2.2、9.2.1、9.3.1参照〕(シクロスポリン)[本剤の作用が増強することがあるので、肝臓又は腎臓に障害のある患者には投与しないこと(P糖蛋白の活性を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある)]。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1. 再生不良性貧血、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少(頻度不明)〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
11.1.2. 横紋筋融解症、ミオパチー(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、筋肉痛、筋力低下、CK上昇等を伴うミオパチーがあらわれることがある〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
11.1.3. 末梢神経障害(頻度不明)〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)全身そう痒、発疹、発熱。
2). 消化器:(頻度不明)下痢、悪心・嘔吐、腹痛、腹部疝痛。
3). 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、血尿、乏尿。
4). 肝臓:(頻度不明)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇)、Al-P上昇。
5). その他:(頻度不明)脱力感、脱毛。
- 高齢者
- 用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(高齢者を対象とした薬物動態試験で、高い血中濃度が持続する傾向が認められている)〔16.1.2参照〕。
- 授乳婦
- 〈痛風発作の緩解及び予防〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(マウスに単回腹腔内投与した試験において、最低投与量の4.9mg(体重60kgのヒトに換算した用量)相当から用量依存的な催奇形性(髄膜脳瘤、小眼、無眼等)が報告されている)〔2.3参照〕。
〈家族性地中海熱〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を服用した家族性地中海熱の患者において明確な催奇形性を示唆する報告はないが、ヒトでの使用経験は限られている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること〔16.6.2参照〕。
- 小児等
- 9.7.1. 〈痛風発作の緩解及び予防〉小児等の痛風発作の緩解及び予防を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈家族性地中海熱〉家族性地中海熱で2歳未満の小児に投与した事例は報告されていない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外の臨床試験において、コルヒチン低用量(1.8mg/日)群と高用量(4.8mg/日)群の疼痛発作に関する有効性を比較したところ、両群に差がなかった。また高用量群の方が下痢等の胃腸系有害事象の発現は高かった〔7.2参照〕。
15.1.2. 父親が本剤を服用した場合、その配偶者より、ダウン症候群児及びその他の先天異常児が出生する可能性があるとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットにおいて精巣毒性(精上皮細胞脱落等)を引き起こすことが報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人(外国人データ)
表16‐1 薬物動態パラメータ(健康成人、単回経口投与)
→図表を見る(PDF)
16.1.2 高齢者
6例の健康成人男性と4例の高齢女性に1mg単回経口投与時の血清中濃度(mean±S.D.)はそれぞれ5.5±1.4ng/mL、12±4ng/mLと高齢者で高い濃度を示し、また高齢者でピーク到達時間の延長傾向がみられた(外国人データ)。[9.8参照]
16.1.3 腎障害患者
4例の腎機能正常患者及び4例の腎機能障害患者(血液透析患者3例及びクレアチニンクリアランス15mL/min患者1例)に1mg単回経口投与したときの血漿中濃度半減期(mean±S.D.)はそれぞれ4.4±1.0hr、18.8±1.2hrであった(外国人データ)。[9.2.2、16.5.2参照]
16.1.4 肝障害患者
8例の肝障害を有する患者に1mg単回経口投与時のCmax(mean±S.D.)は3.60±1.04ng/mL、Tmax(mean±S.D.)は2.16±0.34hrであった(外国人データ)。[9.3.2参照]
16.2 吸収
生物学的利用率(mean±S.D.):37±12%
16.3 分布
分布容積(Vd/F)4.87L/kg:1mg単回経口投与(外国人データ)
16.4 代謝
消化管より吸収された後、一部は肝臓で脱アセチル化を受ける。大部分の未変化体と代謝物は腸肝循環する。
16.5 排泄
16.5.1 部位:胆汁中及び尿中
16.5.2 総クリアランス
(1mg単回経口投与 外国人データ)
腎機能正常患者:0.726L/hr/kg
腎機能障害患者:0.168L/hr/kg[9.2.2、16.1.3参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 妊婦への投与
胎盤通過性:胎盤を通過し、新生児の臍帯血からも検出された(外国人データ)。
16.6.2 授乳婦への投与時のデータ
乳汁移行:コルヒチン1~1.5mg/日を服用中の家族性地中海熱の患者(4例)における乳汁中濃度は1.9~8.6ng/mLであり、血漿中濃度と同様に推移した。乳児の平均母乳摂取量を150mL/kgと仮定すると、コルヒチンの乳児1日摂取量は1.29μg/kg(成人の約10%)と推定される。[9.6参照]
16.6.3 腎不全患者への投与時のデータ
血液透析:透析されない(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 作用持続時間:3~4時間
18.1 作用機序
コルヒチンは微小管タンパク質(チューブリン)に結合することにより顆粒球(主として好中球)及びその他の運動性細胞の繊維性微小管の収縮(脱重合)と消滅を起こし、炎症域への顆粒球の遊走阻害と顆粒球の代謝活性、食活性の減少を起こす。その結果、尿酸結晶の貪食により惹起される乳酸や炎症前期の酵素の遊離を抑制し、炎症反応が抑制される。
コルヒチンは肥満細胞からのヒスタミン含有顆粒遊離を抑制する。
コルヒチンは細胞の有糸核分裂抑制作用を有するが、この作用は痛風発作の抑制作用と無関係であり、またこの作用に基づく抗悪性腫瘍効果は少ないとされる。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- 高田製薬
- 販売会社
おくすりのQ&A
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。