ナグラザイム点滴静注液5mg
添付文書情報2022年08月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤の投与中又は投与終了後の当日の本剤に関連するinfusion reactionのうち、アナフィラキシー反応があらわれる可能性があるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与中及び投与終了後も十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reactionが発生した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1、11.1.1参照〕。
1.2. 重症呼吸不全又は重症急性呼吸器疾患のある患者に投与した場合、infusion reactionによって症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔9.1.1、11.1.1参照〕。
- 禁忌
- 本剤の成分に対してアナフィラキシーショックの既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
- 効能・効果
- ムコ多糖症6型。
- 用法・用量
- 通常、ガルスルファーゼ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり1mgを週1回、点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。本剤の投与は注入ポンプを用いて、総量を4時間以上かけて投与すること。投与速度は、体重が20kg以下の患者の場合、初めの1時間は3mL/時とし忍容性が良好なら38mL/時に投与速度を上げ、投与を終了する。体重が20kgを超える患者の場合は、初めの1時間は6mL/時とし忍容性が良好なら80mL/時に投与速度を上げ、投与を終了する〔14.2.3、14.3参照〕。
7.2. 本剤の投与によりinfusion reaction(発熱、頭痛、発疹等)が発現する可能性があり、これらの症状発現の予防及び発現時の症状を軽減させるために、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤又はその両方を本剤投与開始の30~60分前に前投与することが望ましい〔8.3、11.1.1参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤はたん白質製剤であり、アナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと〔1.1、2.禁忌の項、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の投与によりinfusion reaction(発熱、頭痛、発疹等)が発現する可能性があるので、Infusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)や緊急処置を行うこと。
8.3. 睡眠時無呼吸はムコ多糖症6型患者によく認められる症状であり、抗ヒスタミン剤の前投与が無呼吸のリスクを増加させる可能性があるため、本剤の投与開始前に気道開存性の評価を行うことが望ましい。睡眠時に酸素補給又は睡眠時に持続的気道陽圧等の睡眠時に呼吸補助を実施している患者では、本剤投与中にinfusion reactionが発現した場合や抗ヒスタミン剤投与に起因する極端な傾眠状態が発現した場合に備え、これらの呼吸補助処置を直ちに実施できるように準備をしておくこと〔7.2参照〕。
8.4. ほとんどの患者に抗ガルスルファーゼ抗体産生が予測されるため、定期的にガルスルファーゼ(遺伝子組換え)に対する抗体検査を行うことが望ましい〔17.1.1、17.1.2参照〕。
9.1.1. 重症呼吸不全又は重症急性呼吸器疾患のある患者:Infusion reactionによって症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔1.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 急性熱性疾患又は呼吸器疾患のある患者:投与日を遅らせることを考慮すること。
9.1.3. 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者〔8.1参照〕。
9.2.1. 腎機能に高度障害のある患者:当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.3.1. 肝機能に高度障害のある患者:当該患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤なinfusion reaction(頻度不明):重度アナフィラキシー様反応(呼吸困難等)を投与中に起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は直ちに投与を中止し、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤や副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、2.禁忌の項、7.2、8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. ネフローゼ症候群(膜性腎症等)(頻度不明):免疫複合体を介した反応としてネフローゼ症候群(膜性腎症等)があらわれることがある(なお、投与の継続及び再投与の際はリスクとベネフィットを考慮すること)。
- 11.2. その他の副作用
1). 全身障害及び投与局所様態:(5%以上)発熱、悪寒、胸痛、注入部位疼痛、(5%未満)顔面浮腫。
2). 神経系障害:(5%以上)頭痛、(5%未満)振戦。
3). 皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)発疹、蕁麻疹、皮膚そう痒症、丘疹、紅斑、(5%未満)血管神経性浮腫、アレルギー性皮膚炎、斑状皮疹。
4). 胃腸障害:(5%以上)腹痛、嘔吐、悪心。
5). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満)関節痛、靭帯弛緩。
6). 血管障害:(5%以上)低血圧、高血圧、(5%未満)充血。
7). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(5%以上)呼吸困難、咳嗽、(5%未満)呼吸窮迫。
8). 血液及びリンパ系障害:(5%未満)貧血、白血球減少症、(頻度不明)血小板減少症。
9). 眼障害:(5%以上)結膜炎。
10). 臨床検査:(5%未満)ALP上昇、好中球数増加。
- 高齢者
- 副作用の発現に注意すること(生理機能が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 5歳未満の小児を対象とした安全性及び有効性を検討した臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 他剤<日局生理食塩液を除く>との混合は行わないこと。
14.1.2. 各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.1.3. 本剤には防腐剤が含まれていないので、希釈後は速やかに使用すること(希釈後直ちに使用できない場合は、2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること)。
14.2. 薬剤調製方法に関する注意14.2.1. 患者の体重に基づいて本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決定する。冷蔵庫より必要バイアルを取り出し、室温になるまで放置する。
14.2.2. 調製前に、微粒子の存在や変色がないか、各バイアルを目視にて観察すること(本剤は無色から微黄色の澄明又はわずかに乳白色の液であり、微粒子の混入が認められたものや変色が見られるものは使用しないこと)。
14.2.3. 本剤は日局生理食塩液で希釈した後に患者に投与するため、患者の体重に基づいて投与する薬液総量を決定し、相当する容量の日局生理食塩液を準備する。体重が20kg以下の患者には100mLとし、体重が20kgを超える患者の場合には250mLとする〔7.1参照〕。
14.2.4. 体重が20kg以下の患者の場合は、本剤の必要量をバイアルから抜き取り、日局生理食塩液100mLにゆっくりと添加する。体重が20kgを超える患者の場合は、日局生理食塩液250mLから本剤の必要量と等量を抜き取って廃棄した後、本剤の必要量をバイアルから抜き取り、日局生理食塩液にゆっくりと添加する。
14.2.5. 本剤を日局生理食塩液に添加後、穏やかに回転させ、薬剤を均一に混和させる(急激な振盪撹拌をしないこと)。
14.2.6. 患者に投与する前に微粒子等の混入がないか希釈液を目視にて確認する(肉眼で確認できる粒子のない無色透明な液のみを使用すること)。
14.3. 薬剤投与速度の注意次を参考に、注入ポンプを用いて4時間以上かけて投与すること〔7.1参照〕。
[体重が20kg以下の患者]投与総量=120mL(体重が概ね20kgの場合)1). 投与開始~60分:3mL/時(約25μg/kg/時):バイタルサインを測定し、安定していれば次の速度に上げる。
2). 60~約250分:38mL/時(約320μg/kg/時):バイタルサインが安定していれば投与終了までこの速度で投与する。
[体重が20kgを超える患者]投与総量=250mL1). 投与開始~60分:6mL/時(約25μg/kg/時):バイタルサインを測定し、安定していれば次の速度に上げる。
2). 60~約250分:80mL/時(約320μg/kg/時):バイタルサインが安定していれば投与終了までこの速度で投与する。
凍結、振盪を避けること。
16.1 血中濃度
海外において、ムコ多糖症VI型患者を対象として本剤1mg/kgを24週間にわたり週1回、4時間以上かけて静脈内投与したときの第1週及び第24週の薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
ムコ多糖症VI型モデルネコに本剤0.5~1.5mg/kgを静脈内投与したところ、肝臓、脾臓、肺、腎臓、心臓、皮膚、大動脈及びリンパ節において酵素活性が認められた。また、病態モデルネコに出生時から本剤を投与したところ、関節軟骨を除く全ての臓器で酵素活性が認められた。組織内半減期は肝臓、脾臓、肺、腎臓及び心臓で2~4日と推定された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 外国第三相臨床試験
外国において、ムコ多糖症VI型患者39例を対象とした本剤の第三相プラセボ対照二重盲検比較臨床試験(以下、第三相試験)を行い、本剤1mg/kg又はプラセボを24週間にわたって週1回投与した。「12分間歩行試験での歩行距離」を主要有効性評価項目、「3分間階段昇段試験での昇段速度」及び「尿中グリコサミノグリカン濃度」を副次的有効性評価項目とし、投与前から24週後のそれぞれの評価項目の変化量を本剤群とプラセボ群で比較した。その結果、本剤群はプラセボ群に比べて、12分間歩行試験で平均92m、3分間階段昇段試験で平均5.7段/分の改善が認められ、尿中グリコサミノグリカン濃度は平均227μg/mgクレアチニンの低下が認められた。
→図表を見る(PDF)
本剤投与患者19例全例が、24週間の第三相試験中に検出可能な総抗体反応を発現した。総抗体はGAG減少率と相関しないようであった。本剤投与患者のうち4例を除く全例が24週時までにIgE反応が認められた。総抗体反応またはIgE反応の発現とinfusion reactionとの間に相関は認められなかった。[8.4、17.1.2参照]
2mg/kg/週群の19例中19例に副作用が認められた。2mg/kg/週群で認められた主な副作用は、腹痛9例(47%)、耳痛8例(42%)、関節痛8例(42%)、疼痛6例(32%)、結膜炎4例(21%)、呼吸困難4例(21%)、発疹4例(21%)及び悪寒4例(21%)であった。Infusion reactionは10例(53%)に認められた。
17.1.2 外国第三相継続臨床試験
第三相試験に参加した患者39例中38例を対象とした第三相非盲検継続試験(以下第三相継続試験)において本剤1mg/kgを週1回投与した。「12分間歩行試験」はベースライン時(二重盲検試験開始時)から本剤/本剤群で平均183±26m、プラセボ/本剤群で平均141±25mの距離の延長が認められ、「3分間階段昇段試験」は本剤/本剤群で平均13.1±2.0段/分、プラセボ/本剤群で平均13.7±1.7段/分の改善が認められた。「尿中グリコサミノグリカン濃度」は本剤/本剤群では二重盲検終了時の値を96週まで維持しており、プラセボ/本剤群では二重盲検終了時から96週にかけて224±19μg/mgクレアチニンの低下が認められた。また、第1/2相試験及び第2相試験に参加し、168週以上投与を継続した患者14例においても尿中グリコサミノグリカン濃度の低下は継続していた。
肺機能について、最大随意換気量は、第三相試験の本剤群でベースライン時から24週後の差が2.5±1.9L/分と改善を認めたが、プラセボ群では0.0±1.5L/分と変化はなかった。第三相継続試験では本剤/本剤群はベースライン時から96週後の差が6.0±1.9L/分で二重盲検終了時よりも改善し、プラセボ/本剤群でも2.8±1.5L/分へと改善が認められた。また、努力肺活量及び1秒量もベースライン時から96週間で改善が認められた。
本剤投与24週後に酵素免疫測定法で評価したところ、38例中1例を除く全例に本剤に対するIgG抗体が認められた。延長試験の96週目に、4例を除く全例が総抗ガルスルファーゼ抗体検査で陽性であった。[8.4、17.1.1参照]
2mg/kg/週群の19例中12例に副作用が認められた。主な副作用は、呼吸困難3例(15.8%)、そう痒4例(21.1%)、発疹(丘疹性、全身性を含む)4例(21.1%)及び嘔吐3例(15.8%)であった。Infusion reactionは10例(53%)に認められた。
17.2 製造販売後調査等
特定使用成績調査(長期使用)での調査例7例中5例(71%)に副作用が認められた。主な副作用は、蕁麻疹3例(43%)であった。Infusion Reactionが7例中4例に認められた。(再審査終了時)
18.1 作用機序
本剤は、ムコ多糖症VI型の組織及び細胞内に蓄積するグリコサミノグリカンの一種であるデルマタン硫酸のライソゾーム内加水分解酵素N‐アセチルガラクトサミン‐4‐スルファターゼの遺伝子組換え製剤である。ムコ多糖症VI型モデルネコに本剤を静脈内投与した結果、ライソゾーム中のグリコサミノグリカン蓄積は、心臓弁、大動脈、皮膚、硬膜、肝臓及び大脳の周囲血管細胞では、ほぼ正常に回復したか、あるいは完全に消失した。なお、軟骨及び角膜では変化が認められなかった。
- 製造販売会社
- BioMarin
- 販売会社
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