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メプセヴィ点滴静注液10mg

販売名
メプセヴィ点滴静注液10mg
薬価
10mg5mL1瓶 259932.00円
製造メーカー
UltragenyxJapan

添付文書情報2022年08月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
その他の酵素製剤
一般名
ベストロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. Infusion reaction、アナフィラキシーが発現する可能性があるので、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与中及び投与終了後は十分な観察を行うこと。また、重篤なinfusion reaction、アナフィラキシーが発現した場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。
1.2. 急性熱性疾患又は呼吸器疾患のある患者に投与した場合、過敏症反応により症状の急性増悪が起こる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。
禁忌
本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
効能・効果
ムコ多糖症7型。
(効能又は効果に関連する注意)
中枢神経系症状に対する有効性は認められていない。
用法・用量
通常、ベストロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、1回体重1kgあたり4mgを隔週点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 日局生理食塩液で希釈した後に投与すること。本剤の投与は輸液ポンプを用いて、総量を4時間以上かけて投与すること。初めの1時間で総量の2.5%を投与し、その後、患者の忍容性を十分確認しながら投与速度を上げて投与すること〔8.1、8.2、14.2.2参照〕。
7.2. 本剤の投与によりinfusion reaction(蕁麻疹、発疹等)が発現することがあり、これらの症状を軽減させるため、抗ヒスタミン剤を単独又は解熱鎮痛剤との併用で本剤投与開始30~60分前に前投与すること〔8.2、11.1.1参照〕。
肝機能障害患者
8.1. 本剤はタンパク質製剤であり、重篤なアナフィラキシー反応が発現する可能性があるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと〔1.1、2.禁忌の項、7.1、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の投与によりinfusion reaction(蕁麻疹、発疹等)が発現する可能性があるので、infusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を下げるか、一旦投与を中止し、適切な薬剤治療(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)や緊急処置を行うこと〔1.1、7.1、7.2、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.3. 脊髄/頚髄圧迫はムコ多糖症7型患者に認められる重篤な合併症であり、本剤の投与により頚部及び脊椎の可動が改善した場合に脊髄損傷を引き起こす可能性があるので、脊髄圧迫又は頚部不安定の徴候や症状(頚部痛、背部痛、四肢脱力、反射の変化、尿・便失禁等)を観察し、適切な処置を行うこと。
8.4. 本剤のワーキングセルバンク調製時に使用されたウシ胎仔血清について、由来するウシの管理に関する情報が遡及不能であるが、伝達性海綿状脳症(TSE)に対する理論的なリスク評価を行い、一定の安全性を確保する目安に達していることを確認している。また、本剤の投与によりTSEが伝播したとの報告はない。これらのことから、本剤によるTSE伝播のリスクは極めて低いものと考えられるが、TSE伝播の理論的リスクを完全には否定できないため、疾患の治療上の必要性を十分に検討した上で、本剤を投与すること。投与に際しては、その旨を患者及びその家族に説明することを考慮すること。
9.1.1. ナトリウム摂取制限をしている患者:本剤は、1バイアルあたり39.4mgの塩化ナトリウムを含有し、投与時は9mg/mL(0.9%)の塩化ナトリウム注射液を用いて倍量に調製されるので、ナトリウム摂取制限の必要な患者に投与する場合は注意すること。
9.1.2. 急性熱性疾患又は呼吸器疾患のある患者:投与前及び投与中は患者の状態を観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと、また、投与日を遅らせることを考慮すること(過敏症反応によって症状の急性増悪が起こる可能性がある)〔1.2参照〕。
9.1.3. 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者〔8.1、8.2参照〕。
腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction(8.7%)、アナフィラキシー(4.3%):呼吸窮迫、チアノーゼ、酸素飽和度低下、血圧低下等が認められた場合には投与を中止し、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤の投与及び気道確保等の適切な処置を行うこと〔1.1、2.禁忌の項、7.2、8.1、8.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸:(10%未満)下痢。
2). 皮膚および皮下組織:(10%以上)蕁麻疹、発疹、(10%未満)皮膚そう痒症。
3). 一般・全身:(10%以上)注入部位血管外漏出、注入部位腫脹。
副作用発現頻度は、海外臨床試験UX003-CL301、CL201、CL203及びCL202試験に基づいて算出した。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行に関するデータはない)。
小児等
1歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 患者の体重に基づいて本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決定すること。
14.1.2. 冷蔵庫より必要なバイアルを取り出し、室温になるまで放置すること。
14.1.3. 調製前に目視にてバイアルを確認し、変色又は異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.4. 本剤は日局生理食塩液で倍量に希釈した後に患者に投与するため、本剤の投与量と同容量の日局生理食塩液を準備すること。
14.1.5. 本剤の必要量をバイアルから抜き取り、必要量の日局生理食塩液が入った点滴バッグにゆっくり添加し、静かに混和すること(急激な振盪は避けること)。
14.1.6. 本剤には防腐剤が含まれていないので、希釈後は速やかに使用すること(希釈後直ちに使用できない場合は、2~8℃で保存し、36時間以内に使用すること)。
14.1.7. 他剤<日局生理食塩液を除く>との混合を行わないこと。
14.1.8. 各バイアルは一回限りの使用とすること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. タンパク質を吸着しにくい0.2μmインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.2. 輸液ポンプを用いて、総量を4時間以上かけて投与すること。初めの1時間で総量の2.5%を投与し、その後、投与速度を上げて投与すること〔7.1参照〕。
凍結、振盪を避けること。開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤はタンパク質製剤であり、本剤に対するIgG抗体産生される可能性がある。海外臨床試験において23例中18例、国内臨床試験において3例中2例に抗ベストロニダーゼアルファ抗体産生が認められた。中和抗体は海外臨床試験の11例に認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
ムコ多糖症VII型患者(8~25歳)に、本剤4mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
表1 本剤4mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの血清中の本薬の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

ムコ多糖症VII型患者(1~5歳)に、本剤4mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
表2 本剤4mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの血清中の本薬の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
ムコ多糖症VII型患者(3例、4~36歳)を対象とした非盲検非対照試験において、本剤の安全性及び有効性を検討した。本剤4mg/kgを隔週で52週間点滴静脈内投与した結果、被験者ごとの尿中デルマタン硫酸濃度、6分間歩行試験の歩行距離及び努力性肺活量の推移は、表3のとおりであった。
表3 本剤投与後の尿中デルマタン硫酸濃度、6分間歩行試験の歩行距離及び努力性肺活量の推移
→図表を見る(PDF)

副作用は認められなかった。
17.1.2 海外第III相無作為化試験
ムコ多糖症VII型患者(12例、8~25歳)を対象に、プラセボ対照開始時二重盲検試験注)において、本剤の有効性及び安全性を検討した。本剤4mg/kgを隔週で48週間点滴静脈内投与を行った。主要評価項目である投与24週における尿中デルマタン硫酸濃度のベースラインからの変化率は、表4のとおりであった。
表4 ベースラインから本剤投与24週までの尿中デルマタン硫酸濃度の変化率
→図表を見る(PDF)

また、副次評価項目である投与24週における6分間歩行試験の歩行距離のベースラインからの変化量は、20.8±16.75m(最小二乗平均値±標準誤差、n=6)であった。
副作用の発現頻度は66.7%(8/12例)であった。主な副作用(2例以上に発現)は、アナフィラキシー様反応16.7%(2/12例)であった。
注)プラセボの投与期間が異なる投与群が4群(①本剤を48週間投与、②プラセボを8週間投与後に本剤を40週間投与、③プラセボを16週間投与後に本剤を32週間投与、④プラセボを24週間投与後に本剤を24週間投与)設定され、それぞれに対して被験者を無作為に割り付け、各群においてプラセボの投与期間が満了した時点で盲検下でプラセボから本剤に切り替える試験。

18.1 作用機序
ムコ多糖症VII型は、ライソゾーム酵素であるβ‐グルクロニダーゼ(GUS)の遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。GUSはグリコサミノグリカン(GAG)のデルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸及びヘパラン硫酸のグルクロニダーゼ残基を加水分解するが、ムコ多糖症VII型ではGUSが欠損あるいは欠乏しているため、GAGが蓄積し、胎児水腫、骨変形等を呈する。遺伝子組換えGUS製剤である本剤をムコ多糖症VII型患者に投与すると、オリゴ糖鎖上にあるマンノース‐6‐リン酸(M6P)部分を介して、酵素が細胞表面のM6P受容体と特異的に結合して細胞内に取り込まれ、蓄積したGAGを分解する。
18.2 薬理作用
ムコ多糖症VII型モデルマウスに反復静脈内投与した結果、肝臓、脾臓、副腎、腎臓等においてGUS酵素活性が認められた。また、尿中GAGの減少が認められた。

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