テネリア錠40mg

添付文書情報2021年07月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
- 効能・効果
- 2型糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはテネリグリプチンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら40mg1日1回に増量することができる。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.2、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。
8.3. 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しており、本剤とGLP-1受容体作動薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確立されていない。
8.5. 急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔11.1.6参照〕。
9.1.1. 心不全<NYHA分類3~4>のある患者:使用経験がなく、安全性が確立していない。
9.1.2. 次に掲げる患者又は状態:低血糖を起こすおそれがある[1)脳下垂体機能不全又は副腎機能不全、2)栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態、3)激しい筋肉運動、4)過度のアルコール摂取者]〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.3. 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者:腸閉塞を起こすおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.4. QT延長を起こしやすい患者(先天性QT延長症候群等QT延長の既往歴又はTorsades de pointesの既往歴のある患者、重度徐脈等の不整脈又はその既往歴のある患者、うっ血性心不全等の心疾患のある患者、低カリウム血症の患者等):QT延長を起こすおそれがある。海外臨床試験において本剤160mgを1日1回投与したときにQT延長が報告されている〔17.3.1参照〕。
本剤の承認用量は通常、20mg/日であり、最大用量は40mg/日である。
9.3.1. 高度肝機能障害のある患者:これらの患者(Child-Pugh分類で合計スコア9超)を対象とした臨床試験は実施していない〔16.6.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、主としてCYP3A4及びフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)により代謝される〔16.4.2参照〕。
10.2. 併用注意:1). 糖尿病用薬(スルホニルウレア系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)〔11.1.1参照〕[低血糖症状が起こるおそれがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強される)。特に、スルホニルウレア系薬剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること(血糖降下作用が増強される)]。
2). 血糖降下作用を増強する薬剤(β-遮断剤、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等)[更に血糖が低下する可能性があるため、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強される)]。
3). 血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)[血糖が上昇する可能性があるため、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が減弱される)]。
4). QT延長を起こすことが知られている薬剤(クラス1A抗不整脈薬(キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩等)、クラス3抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩、ソタロール塩酸塩等))[QT延長等が起こるおそれがある(これらの薬剤では単独投与でもQT延長がみられている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(1.1~8.9%):低血糖があらわれることがある。特に、インスリン製剤との併用又はスルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来たす例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用
時に低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること〔8.1、8.3、9.1.2、10.2、17.1.2、17.1.3、17.2.1参照〕。
11.1.2. 腸閉塞(0.1%):高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.3参照〕。
11.1.3. 肝機能障害(頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.4. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。
11.1.5. 類天疱瘡(頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.6. 急性膵炎(頻度不明):持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.5参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神・神経系:(頻度不明)浮動性めまい。
2). 消化器:(0.1~1%未満)便秘、腹部膨満、腹部不快感、悪心、腹痛、鼓腸、口内炎、胃ポリープ、結腸ポリープ、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、下痢、食欲減退、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇。
3). 肝臓:(0.1~1%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、(0.1%未満)ALP上昇。
4). 腎臓・泌尿器系:(0.1~1%未満)蛋白尿、尿ケトン体陽性、尿潜血。
5). 皮膚:(0.1~1%未満)湿疹、発疹、皮膚そう痒、アレルギー性皮膚炎。
6). 筋骨格系:(頻度不明)関節痛。
7). その他:(0.1~1%未満)CK上昇、血清カリウム上昇、倦怠感、アレルギー性鼻炎、血清尿酸上昇、(頻度不明)末梢性浮腫。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報カニクイザルを用いた52週間反復経口投与毒性試験において、75mg/kg/日投与で尾表皮剥脱・尾表皮痂皮・尾表皮潰瘍、四肢表皮剥脱・四肢表皮痂皮・四肢表皮潰瘍及び耳介表皮剥脱・耳介表皮痂皮・耳介表皮潰瘍等の皮膚症状が認められた。このときのAUC0-24hrは、1日40mgをヒトに投与したときの約45倍に達していた。なお、同様の毒性所見は、他の動物種(ラット、マウス及びウサギ)及びヒトでは報告されていない。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に、テネリグリプチンとして20mg及び40mgを空腹時に単回経口投与したときのテネリグリプチンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりである。
(平均値+標準偏差、n=6)
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16.1.2 反復投与
健康成人に、テネリグリプチンとして20mgを1日1回7日間朝食開始30分前に反復経口投与したときのテネリグリプチンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、7日間以内に定常状態に達するものと考えられた。
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に、テネリグリプチンとして20mgを食後に単回経口投与した場合、空腹時に比べてCmaxは20%低下し、tmaxは1.1時間から2.6時間に延長したが、AUCに差は認められなかった。
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16.3 分布
テネリグリプチンのヒト血漿蛋白結合率は77.6~82.2%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 健康成人(外国人、6例)に、[14C]標識テネリグリプチン20mgを単回経口投与したとき、血漿中に未変化体、及び代謝物M1、M2、M3、M4及びM5が認められた。また、投与後72時間までの血漿中放射能濃度から算出したAUC0-∞に対するテネリグリプチン、M1、M2、M3、M4及びM5のAUC0-∞の割合はそれぞれ71.1%、14.7%、1.3%、1.3%、0.3%及び1.1%であった。
16.4.2 テネリグリプチンの代謝には主にCYP3A4、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)が関与する。また、テネリグリプチンはCYP2D6、CYP3A4及びFMOに対して弱い阻害作用を示したが(IC50値:489.4、197.5及び467.2μmol/L)、CYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C8/9、CYP2C19、CYP2E1に対して阻害作用を示さず、CYP1A2及びCYP3A4を誘導しなかった(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
16.5.1 健康成人に、テネリグリプチンとして20及び40mgを空腹時に単回経口投与したとき(各6例)、投与量の21.0~22.1%が尿中に未変化体として排泄され、腎クリアランスは37~39mL/hr/kgであった。
16.5.2 健康成人(外国人、6例)に、[14C]標識テネリグリプチン20mgを単回経口投与したとき、投与後216時間までに投与放射能の45.4%が尿中に、46.5%が糞中に排泄された。また、投与後120時間までの投与量に対する未変化体、M1、M2及びM3の累積尿中排泄率は、それぞれ14.8%、17.7%、1.4%、1.9%であり、未変化体、M1、M3、M4及びM5の累積糞中排泄率は、それぞれ26.1%、4.0%、1.6%、0.3%及び1.3%であった。
16.5.3 テネリグリプチンはP‐糖蛋白質の基質であり、99μmol/Lの濃度でP‐糖蛋白質を介するジゴキシンの輸送を42.5%まで阻害した。また、テネリグリプチンは、腎臓に発現している有機アニオントランスポーターOAT3に対して弱い阻害作用を示した(IC50値:99.2μmol/L)が、OAT1及び有機カチオントランスポーターOCT2に対し阻害作用を示さなかった(in vitro)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者に、テネリグリプチンとして20mgを単回経口投与したとき、テネリグリプチンのCmax及びt1/2は腎機能障害の程度に応じた顕著な変化は認められなかった。一方、AUC0-∞は健康成人と比較して、軽度腎機能障害者(50≦Ccr≦80mL/min)、中等度腎機能障害者(30≦Ccr<50mL/min)及び高度腎機能障害者(Ccr<30mL/min)でそれぞれ約1.25倍、約1.68倍及び約1.49倍であり、末期腎不全患者のAUC0-43hrは健康成人と比較して、約1.16倍であった。また、血液透析によってテネリグリプチンは投与量の15.6%が除去された(外国人のデータ)。[13.1参照]
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16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害者に、テネリグリプチンとして20mgを単回経口投与したとき、テネリグリプチンのCmaxは健康成人と比較して、軽度肝機能障害者(Child‐Pugh分類で合計スコア5~6)及び中等度肝機能障害者(Child‐Pugh分類で合計スコア7~9)でそれぞれ約1.25倍及び約1.38倍であり、AUC0-∞はそれぞれ約1.46倍及び約1.59倍であった(外国人のデータ)。なお、高度肝機能障害者(Child‐Pugh分類で合計スコア9超)での臨床経験はない。[9.3.1参照]
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16.6.3 高齢者における薬物動態
健康な高齢者(65歳以上75歳以下、12例)と非高齢者(45歳以上65歳未満、12例)に、テネリグリプチンとして20mgを空腹時に単回経口投与したとき、Cmax、AUC0-∞及びt1/2の非高齢者に対する高齢者の幾何最小二乗平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.006(0.871-1.163)、1.090(0.975-1.218)及び1.054(0.911-1.219)であり、ほぼ同様であった(外国人のデータ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾールとの併用
ケトコナゾールを併用したとき、テネリグリプチンの薬物動態への影響は次表のとおりであった(外国人のデータ)。
表 テネリグリプチンの薬物動態に及ぼすケトコナゾールの影響
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16.7.2 他の糖尿病用薬との併用
テネリグリプチンとカナグリフロジン注)、ピオグリタゾン注)、グリメピリド注)又はメトホルミンを併用したとき、テネリグリプチン及びこれらの薬剤の薬物動態に併用投与による明らかな影響は認められなかった(外国人のデータ)。
注)カナグリフロジン、ピオグリタゾン、グリメピリドは日本人のデータ
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 単独療法
(1)国内第II相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験:用量設定試験)
食事療法及び運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、テネリグリプチンとして10mg、20mg、40mg又はプラセボを1日1回12週間投与した。12週時における投与開始からのHbA1c(NGSP値)の変化量のプラセボ群との差(最小二乗平均値[95%信頼区間])は、20mg投与群(79例)で-0.90[-1.06、-0.75]%、40mg投与群(81例)で-1.01[-1.16、-0.86]%であった。
低血糖の副作用発現割合は、20mg投与群で0%(0例/79例)、40mg投与群で3.7%(3例/81例)であった。
(2)国内第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験:検証的試験)
食事療法及び運動療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(203例)を対象に、テネリグリプチンとして20mg又はプラセボを1日1回12週間投与した。結果は次表のとおりであった。
低血糖の副作用はテネリグリプチン投与群に認められなかった。
表 プラセボ対照二重盲検比較試験(12週時)の結果
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17.1.2 他の血糖降下薬との併用療法
(1)国内第III相試験(スルホニルウレア系薬剤との併用療法)
食事療法及び運動療法に加えてグリメピリドで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(194例)を対象に、テネリグリプチンとして20mg又はプラセボを1日1回12週間投与した。結果は次表のとおりであった。
表 グリメピリドとの併用試験(12週時)(二重盲検比較試験)の結果
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12週以降、テネリグリプチンとして20mg又は40mg(増量時)を1日1回グリメピリドと併用し52週まで継続投与したとき、52週時における投与開始からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は、-0.56±0.87%(96例)であった。
52週までの低血糖の副作用発現割合は、7.3%(7例/96例)であった。[11.1.1参照]
(2)国内第III相試験(チアゾリジン系薬剤との併用療法)
食事療法及び運動療法に加えてピオグリタゾンで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(204例)を対象に、テネリグリプチンとして20mg又はプラセボを1日1回12週間投与した。結果は次表のとおりであった。
表 ピオグリタゾンとの併用試験(12週時)(二重盲検比較試験)の結果
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12週以降、テネリグリプチンとして20mg又は40mg(増量時)を1日1回ピオグリタゾンと併用し52週まで継続投与したとき、52週時における投与開始からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は、-0.86±0.66%(103例)であった。
52週までの低血糖の副作用発現割合は、1.9%(2例/103例)であった。[11.1.1参照]
17.1.3 国内第III相試験(長期投与試験)
(単独及びグリニド系薬剤、ビグアナイド系薬剤又はα-グルコシダーゼ阻害剤との併用)
食事療法及び運動療法、又は食事療法及び運動療法に加えてグリニド系薬剤、ビグアナイド系薬剤あるいはα-グルコシダーゼ阻害剤で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(462例)を対象に、テネリグリプチンとして20mg又は40mg(増量時)を1日1回52週間投与した。52週時における投与開始からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は、単独療法で-0.63±0.64%(212例)、グリニド系薬剤併用で-0.76±0.70%(80例)、ビグアナイド系薬剤併用で-0.78±0.75%(95例)、α‐グルコシダーゼ阻害剤併用で-0.89±0.64%(75例)であった。
52週までの低血糖の副作用発現割合は、単独療法で1.4%(3例/212例)、グリニド系薬剤併用で3.8%(3例/80例)、ビグアナイド系薬剤併用で1.1%(1例/95例)、α‐グルコシダーゼ阻害剤併用で1.3%(1例/75例)であった。[11.1.1参照]
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 製造販売後臨床試験(インスリン製剤との併用療法)
食事療法及び運動療法に加えてインスリン製剤単剤治療(混合型(速効型又は超速効型のインスリンの含有率が25%又は30%)、中間型又は持効型溶解のいずれかを単剤で使用、1日投与量は8単位以上40単位以下)で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(148例)を対象に、テネリグリプチンとして20mg又はプラセボを1日1回16週間投与した。結果は次表のとおりであった。
表 本剤とインスリン製剤との併用試験(16週時)の結果
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16週以降、テネリグリプチンとして20mg又は40mg(増量時)を1日1回インスリン製剤と併用し52週まで継続投与したとき、52週時における投与開始からのHbA1c(NGSP値)の変化量(平均値±標準偏差)は、-0.81±0.93%(77例)であった。
52週までの低血糖の副作用発現割合は、15.6%(12例/77例)であった。[11.1.1参照]
17.3 その他
17.3.1 心電図に対する影響
健康成人にテネリグリプチンとして40mg又は160mgを1日1回4日間、反復経口投与したときのプラセボ補正したQTcI(個人ごとに補正したQTc)間隔変化の最大平均値(及び90%信頼区間上限値)は、40mg群の投与終了後3時間で3.9(7.6)msec、160mg群の投与終了後1.5時間で9.3(13.0)msecであった(外国人のデータ)。[9.1.4参照]
本剤の承認用量は通常、20mg/日であり、最大用量は40mg/日である。
18.1 作用機序
グルカゴン様ペプチド‐1(GLP‐1)は、食事に応答して消化管から分泌され、膵臓からのインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制することで、食後血糖を調節している。テネリグリプチンは、ジペプチジルペプチダーゼ‐4(DPP‐4)活性の阻害によりGLP‐1の分解を抑制し、活性型GLP‐1の血中濃度を増加させることにより、血糖低下作用を発揮する。
18.2 DPP‐4阻害作用及びGLP‐1分解抑制作用
・テネリグリプチンはヒト血漿中DPP‐4活性を濃度依存的に阻害し、そのIC50値は1.75nmol/Lであった(in vitro)。
・テネリグリプチンはラット血漿中の活性型GLP‐1の分解を濃度依存的に抑制した(in vitro)。
・インスリン抵抗性及び耐糖能異常を示す肥満モデルであるZucker Fattyラットを用いた糖負荷試験において、テネリグリプチンは単回投与により血漿中活性型GLP‐1濃度及び血漿中インスリン濃度を増加させた。
・2型糖尿病患者において、テネリグリプチン20mgの1日1回投与は血漿中DPP‐4活性を阻害し、血漿中活性型GLP‐1濃度を増加させた。
18.3 耐糖能改善作用
・インスリン抵抗性及び耐糖能異常を示す肥満モデルであるZucker Fattyラットを用いた糖負荷試験において、テネリグリプチンは単回投与により血糖値上昇を抑制した。
・2型糖尿病患者において、テネリグリプチン20mgの1日1回投与は、朝食、昼食及び夕食後血糖並びに空腹時血糖を改善した。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- 田辺三菱製薬
- 販売会社
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