診療点数・診療報酬・レセプト・処方箋・薬価・添付文書のことを調べるならしろぼんねっと

アラバ錠100mg

販売名
アラバ錠100mg
識別コード
ZBP
薬価
100mg1錠 868.60円
製造メーカー
サノフィ

添付文書情報2023年05月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないその他の代謝性医薬品
一般名
レフルノミド錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤の投与において、重篤な副作用(間質性肺炎、汎血球減少症、肝不全、急性肝壊死、感染症等)により、致死的経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
1.2. 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者で間質性肺炎が急速に増悪して致死的経過をたどる症例が報告されている。このため、本剤による治療を開始するにあたり、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を胸部X線検査等で確認し、投与の可否を慎重に判断すること〔8.3、9.1.4参照〕。
1.3. 肝毒性を有する薬剤を最近まで投与されていた、血液毒性を有する薬剤を最近まで投与されていた又は免疫抑制作用を有する薬剤を最近まで投与されていたか又は肝毒性を有する薬剤投与中、血液毒性を有する薬剤投与中又は免疫抑制作用を有する薬剤投与中の患者では、副作用の発現が増加するおそれがあるため、本剤の投与開始にあたっては、リスクとベネフィットの両面から慎重に考慮すること〔9.1.2参照〕。
1.4. 本剤の活性代謝物A771726の消失半減期は約2週間と長いので、本剤の投与中止後、A771726の消失を待たずに肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する薬剤を投与する際にも、副作用の発現が増加するおそれがある〔15.1.1、16.1.1参照〕。
1.5. 本剤投与中に重篤な副作用が発現した場合や他の理由により、速やかに活性代謝物A771726を消失させる必要があるときには、本剤の投与を中止し、薬物除去法を施行すること〔15.1.1参照〕。
1.6. 本剤の投与に際しては、患者に対して本剤の危険性や本剤の投与が長期間にわたることを十分説明した後、患者が理解したことを確認したうえで投与を開始すること。
1.7. 本剤の投与に際しては、副作用の発現の可能性について患者に十分理解させ、咳嗽、発熱、呼吸困難、発疹、皮膚そう痒感、口内炎、倦怠感、黄疸が認められた場合には服用を中止するとともに直ちに医師に連絡し、指示を仰ぐよう注意を与えること。
1.8. 本剤による治療を開始する前に、非ステロイド性抗炎症剤及び他の抗リウマチ剤による治療を検討し、リスクとベネフィットを考慮してから本剤の使用を開始すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳中の女性〔9.4.1、9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。
2.3. 慢性肝疾患のある患者〔9.3.1参照〕。
2.4. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]。
効能・効果
関節リウマチ。
用法・用量
通常、成人にはレフルノミドとして1日1回100mg錠1錠の3日間経口投与から開始し、その後、維持量として1日1回20mgを経口投与する。また、1日1回20mgの経口投与から開始することもできる。なお、維持量は、症状、体重により適宜1日1回10mgに減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 100mg錠の投与にあたっては、初期投与としてのみ使用すること。なお、本剤1日100mgの初期投与を行った患者では、行わない患者よりも副作用の発現率が高かったとする報告があるため、特に注意すること〔17.2.1、17.2.2参照〕。
7.2. 患者背景(例えば体重50kg未満の非喫煙女性)によっては血中濃度が高くなる可能性があるので、リスクとベネフィットを勘案し維持量を選択すること〔16.1.3参照〕。
7.3. 本剤1日20mg投与中にALTが基準値上限の2倍以上3倍以下に上昇した場合には、1日10mgに減量し、より頻回に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。ALTが基準値上限の3倍以上に上昇した場合、本剤の投与を中止し、薬物除去法を施行する等、適切な処置を行い、又は1日10mg投与中においてもALTが基準値上限の2~3倍の上昇が持続した場合、本剤の投与を中止し、薬物除去法を施行する等、適切な処置を行うこと〔15.1.1参照〕。
7.4. 本剤の効果は、通常、投与開始後2週間~3ヵ月で発現するので、少なくとも3ヵ月間は継続投与し、効果をみることが望ましい。
生殖能を有する者
8.1. 重篤な肝障害(肝不全、急性肝壊死等)が起こることがあるので本剤投与開始時、投与開始後6ヵ月間は少なくとも1ヵ月に1度、その後は1~2ヵ月に1度、肝機能検査を行うこと〔9.1.2、10.2、11.1.4参照〕。
8.2. 骨髄抑制の重篤な副作用が起こることがあるので本剤投与開始時、投与開始後6ヵ月間は2週間に1度、その後は1~2ヵ月に1度、白血球分画を含む血液学的検査を行うこと。特に、免疫抑制剤を最近まで投与されていた患者や血液毒性を有する薬剤を最近まで投与されていた患者か又は現在免疫抑制剤投与中の患者や血液毒性を有する薬剤投与中の患者、貧血、白血球減少症、血小板減少症、骨髄機能低下、骨髄抑制のある患者、及びこれらの既往歴のある患者では、本剤の投与開始後6ヵ月以降も、血液学的検査を頻回に行うこと〔9.1.1、11.1.3参照〕。
8.3. 間質性肺炎の発症又は間質性肺炎増悪が起こることがあり、急速に悪化し、致死的経過をたどる例が報告されている(これらの症例の中には、間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往歴のある患者、もしくはメトトレキサートを最近まで投与されていた、ブシラミンを最近まで投与されていた患者を含む他の抗リウマチ剤を最近まで投与されていた(DMARDを最近まで投与されていた)患者か又は抗リウマチ剤投与中(DMARD投与中)の患者が含まれていた)。本剤の投与に際しては間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎の合併又は既往の有無を確認した上で投与を開始すること〔1.2、9.1.4、11.1.7、15.1.1参照〕。
8.4. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬の投与をした上で、本剤を投与すること〔9.1.5参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこと。
8.5. 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること(また、本剤の投与中止後に生ワクチンを接種する場合も、本剤の体内からの消失が遅いことを考慮すること)。
8.6. 血圧上昇することがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血圧を測定すること。
8.7. 本剤並びに疾患の特性を考慮して、治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しないこと。
9.1.1. 貧血、白血球減少症、血小板減少症を伴う患者、骨髄機能低下患者、骨髄抑制の起こりやすい患者:血液障害の発現が増加するおそれがある〔8.2参照〕。
9.1.2. 肝毒性を有する薬剤を最近まで投与されていた、血液毒性を有する薬剤を最近まで投与されていた又は免疫抑制作用を有する薬剤を最近まで投与されていたか、又は現在肝毒性を有する薬剤投与中、血液毒性を有する薬剤投与中又は免疫抑制作用を有する薬剤投与中の患者:本剤の投与開始にあたっては、リスクとベネフィットの両面から慎重に考慮すること(副作用の発現を助長するおそれがある)〔1.3、8.1、10.2参照〕。
9.1.3. 重症感染症又は重症免疫不全(AIDS等)の患者:免疫機能を抑制し、感染症増悪させるおそれがある。
9.1.4. 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害、日和見感染による肺炎又はそれらの既往歴のある患者:間質性肺炎が増悪し致死的経過をたどる例が報告されている〔1.2、8.3参照〕。
9.1.5. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線検査上結核治癒所見のある患者):胸部X線検査等を定期的に行うなど、結核症状の発現に十分注意すること(結核を活動化させるおそれがある)〔8.4参照〕。
9.1.6. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがある)〔11.1.5参照〕。
9.1.7. C型肝炎ウイルスキャリアの患者:本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、C型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(C型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがある)〔11.1.5参照〕。
腎機能障害患者:副作用の発現を助長するおそれがある。
9.3.1. 慢性肝疾患のある患者:投与しないこと(副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.3参照〕。
9.3.2. 肝疾患の既往歴のある患者:副作用の発現を助長するおそれがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、投与中及び、投与終了後安全な妊娠が可能になるまでの期間、避妊をさせること〔2.2、9.4.2、9.4.3、9.5妊婦の項、15.1.1、16.7.2参照〕。
9.4.2. 生殖能を有する者:本剤の投与を開始する前に、患者が妊娠していないことを確認すること〔9.4.1、9.4.3、9.5妊婦の項、16.7.2参照〕。
9.4.3. 本剤投与中に妊娠を希望する女性には、投与を中止すること(なお、薬物除去法を施行することが望ましい)〔9.4.1、9.4.2、9.5妊婦の項、15.1.1、16.7.2参照〕。
9.4.4. 男性:男性に投与する場合には、投与期間中避妊するよう注意を与えること〔15.1.1参照〕。
相互作用
本剤及び本剤の活性代謝物A771726は、主に代謝酵素CYP3A4により代謝されるが、他のP450分子種も活性を有する。
活性代謝物A771726は、CYP2C9を阻害する〔16.7.3参照〕。
10.2. 併用注意:1). ワルファリン[プロトロンビン時間が延長したとの報告症例があり、血中プロトロンビン活性を基に、ワルファリンを減量する(A771726がワルファリンの主代謝酵素であるCYP2C9を阻害することにより、ワルファリンの血中濃度が上昇するおそれがある)]。
2). コレスチラミン<経口>、薬用炭<経口>〔15.1.1参照〕[A771726の体内からの消失を促進し本剤の作用を減弱させることがある(コレスチラミン(陰イオン交換樹脂)は本剤の活性代謝物A771726を吸着し、A771726は体内で腸肝循環しているため、腸管内でA771726を吸着し、血中濃度を低下させる(薬用炭についても、同様の作用機序と考えられる))]。
3). 免疫抑制剤(副腎皮質ホルモン剤等)〔9.1.2参照〕[免疫抑制作用が増強され感染症を誘発する可能性がある(共に免疫抑制作用を有するため)]。
4). 抗リウマチ剤<DMARD>(メトトレキサート等)〔9.1.2参照〕[骨髄抑制・肝障害の副作用が増強される可能性がある(共に骨髄抑制、肝障害の副作用を有するため)]。
5). リファンピシン〔16.7.1参照〕[外国人健康成人を対象に行った併用試験(単回経口投与)において、A771726のCmaxが上昇したとの報告がある(リファンピシンがCYP3A4を誘導することによりレフルノミドからA771726への代謝が促進されると考えられる)]。
6). アルコール〔8.1、11.1.4参照〕[本剤の投与中はアルコール摂取を避けることが望ましい(アルコールによる肝障害を助長させるおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、これらの副作用は早期(投与開始後8週間以内)にあらわれる傾向があり、軽度又は中等度でかつ可逆的であることが多かったが、観察を十分に行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(0.06%)。
11.1.2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.06%)、中毒性表皮壊死融解症(頻度不明)、皮膚潰瘍(頻度不明):本剤の投与を中止すること(なお、薬物除去法を施行することが望ましい)〔15.1.1参照〕。
11.1.3. 汎血球減少症(0.06%):初期症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し血液検査を行うなど適切な処置を行うこと(薬物除去法を施行することが望ましい)〔8.2、15.1.1参照〕。
11.1.4. 肝不全(頻度不明)、急性肝壊死(頻度不明)、肝炎(0.06%)、肝機能障害(0.3%)、黄疸(0.06%):致死的肝不全、急性肝壊死が報告されており、ALTが基準値上限の2~3倍に持続的に上昇した場合又はALTが基準値上限の3倍以上に上昇した場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(薬物除去法を施行することが望ましい)〔8.1、10.2、15.1.1参照〕。
11.1.5. 感染症(0.65%):重篤な感染症(肺炎(カリニ肺炎を含む)(0.29%)、敗血症(0.06%)等)があらわれることがあり、致死的感染症、敗血症、日和見感染が報告されており、また、B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎やC型肝炎悪化も報告されているので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと(薬物除去法を施行することが望ましいが、薬物除去法を施行する場合、経口の抗生物質製剤は吸収が阻害されるおそれがあるため、注射剤を使用すること)〔9.1.6、9.1.7、15.1.1参照〕。
11.1.6. 結核(頻度不明)〔15.1.1参照〕。
11.1.7. 間質性肺炎(頻度不明):致死的間質性肺炎が報告されているので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状やKL-6、CRP、LDH等の検査値に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査、速やかに動脈血酸素分圧(PaO2)の検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにカリニ肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ、薬物除去、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.3、15.1.1参照〕。
11.1.8. 膵炎(頻度不明):重篤な膵炎が報告されている〔15.1.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(10%以上)下痢、(1~10%未満)嘔気、腹痛、口内炎、胃腸障害、嘔吐、口腔内潰瘍形成、食欲不振、消化不良、(1%未満)大腸炎、便秘、胃炎、腹部膨満、(頻度不明)顕微鏡的大腸炎。
2). 肝臓:(1~10%未満)ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、血中アルカリホスファターゼ増加、(1%未満)血中ビリルビン増加、血中乳酸脱水素酵素増加。
3). 循環器:(1~10%未満)高血圧、(1%未満)胸痛。
4). 血液:(1~10%未満)白血球減少症、(1%未満)貧血、好酸球増加症、血小板減少症。
5). 精神神経系:(1~10%未満)頭痛、めまい、(1%未満)口内乾燥、多汗症、不安、(頻度不明)感覚異常。
6). 皮膚:(1~10%未満)脱毛症、発疹、皮膚そう痒症、爪障害、皮膚乾燥、(1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)皮膚エリテマトーデス、膿疱性乾癬。
7). 代謝:(1%未満)低カリウム血症、高脂血症。
8). 呼吸器系:(1~10%未満)上気道感染、咳嗽、気管支炎、(1%未満)鼻炎。
9). 泌尿器・生殖器系:(1~10%未満)蛋白尿、尿沈渣異常、(1%未満)尿路感染、月経障害。
10). その他:(1~10%未満)発熱、体重減少、無力症、(1%未満)味覚異常、血管炎、末梢性ニューロパシー。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット及びウサギ)で催奇形性作用が報告されている)〔2.2、9.4.1-9.4.3参照〕。
授乳中の女性には投与しないこと(ラットにおいて、乳汁中に移行すること及び授乳期間中に出生仔毒性が発現することが報告されている)〔2.2参照〕。
小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は十分量の水で噛まずに服用するよう指導すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 薬物除去法:血漿中A771726の体外排泄を促進させるためには、本剤の投与を中止し、コレスチラミン無水物4gを1日3回、17日間を目安として反復経口投与する(投与期間に関しては、患者の症状及び検査所見を参考に調節する)。また、薬物除去法として薬用炭の反復経口投与により血漿中A771726の消失半減期を短縮させたとの報告がある。絶飲食の病態にある患者に対する薬物除去法としては、経鼻胃管による薬用炭の投与を考慮すること〔1.5、7.3、8.3、10.2、13.2、16.8.1、16.8.2参照〕。
(1). 重篤な副作用発現時:血漿中A771726の除去効率を高めるために、コレスチラミン無水物8gを1日3回、11日間を目安として反復経口投与することを考慮する(なお、臨床症状に応じて、コレスチラミンの投与期間を調節する)〔11.1.2-11.1.8参照〕。
(2). 妊娠を希望する場合の薬物除去法:コレスチラミン無水物4gを1日3回、17日間反復経口投与し、コレスチラミンによる薬物除去法施行後、少なくとも2回、血漿中A771726濃度を測定し、血漿中A771726濃度の2回の測定値が胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満であることを確認する(血漿中A771726濃度の測定間隔は、14日間以上とする)、血漿中A771726濃度が0.02μg/mL以上であった場合、コレスチラミンの投与を継続する(薬物除去法を実施しない場合は、本剤投与中止後、血漿中A771726濃度を胎児へのリスクが極めて低いと考えられる0.02μg/mL未満に低下させるためには、妊娠を希望するが薬物除去法を実施しない場合は、投与中止後、最長2年間の待機期間が必要な場合があることを説明し、確実な避妊を行うよう注意を与え、2年間の待機期間が実際的でないと思われる場合は、薬物除去法を行うことが望ましい)〔9.4.1、9.4.3参照〕。
(3). 挙児を希望する男性:ラットにおける雄性生殖能試験において胎仔に影響はみられなかったが、リスクを最小限にするために、挙児を希望する男性には、本剤の投与の中止及び薬物除去を考慮すること〔9.4.4参照〕。
(4). 他剤への切り替え:肝毒性、血液毒性又は免疫抑制作用を有する他の薬物に切り替える際は、薬物除去を行うことにより、副作用発現のリスクを軽減できる可能性がある〔1.4参照〕。
15.1.2. メトトレキサートとの併用
本剤とメトトレキサートを併用した際の有効性及び安全性は確立していない。
なお海外で、一定量のメトトレキサート(10~20mg/週)で治療中だが、活動性が高く、かつ肝酵素が上昇していないRA患者263例を対象とした24週間の二重盲検プラセボ対照併用試験と、それに続く24週間の非盲検併用試験が行われた。初期投与量として本剤100mg錠1日1錠を2日間、その後維持量として本剤1日10mgを投与した。ただし、症状に基づいて10mgを2日に1回に減量、又は1日20mgに増量した*。二重盲検相での成績では、肝炎、黄疸等の肝疾患は報告されなかったが、ALTが基準値上限の3倍、もしくは2~3倍に上昇した例は本剤併用群で130例中5例(3.8%)及び8例(6.2%)、プラセボ併用群で133例中1例(0.8%)及び2例(1.5%)にそれぞれ認められた。2~3倍のALT上昇は、本剤の減量もしくは投与中止により正常値に回復した。2倍までの軽度の上昇は多くの場合本剤を減量することなく回復したが、減量又は投与中止後に回復しない症例もわずかにあった。
*)本剤の承認された用法・用量は、初期投与量として1日1回100mg(又は20mg)を3日間、維持量として1日1回20又は10mgである。
15.1.3. 臨床試験は国内で1年間、海外で2年間までの期間で実施されており、この期間を超えた本剤の長期投与時の安全性は確立していない。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男子17例にレフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したとき、速やかに吸収され活性代謝物A771726に代謝された。A771726の半減期は14.9±5.7~16.3±3.4日であった(次表参照)。[1.4参照]
レフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726濃度推移
(平均±S.D.、n=6、100mg投与群のみn=5)

レフルノミド10、20及び100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.1.2 反復投与
日本人関節リウマチ患者を対象に、レフルノミドを初期投与量として100mg1日1回3日間(10mg投与群では100mg1日1回2日間)、その後維持量として20mg1日1回(10mg投与群では10mg1日1回)約28週間反復経口投与したとき、血漿中A771726は10mg群では2週時以降ほとんど安定した濃度を示していたが、20mg群では投与後約16週以降、定常状態に達し、定常状態の血漿中A771726濃度は10mg群及び20mg群でそれぞれ約23.9μg/mL及び約43.0μg/mL(28週時の平均値)を示した。
レフルノミド10及び20mgを反復経口投与したときの血漿中A771726濃度推移(平均±S.D.)

16.1.3 患者背景因子による定常状態血漿中A771726濃度の比較
患者の背景因子別に定常状態血漿中A771726濃度の層別解析を行った。対象は国内試験の20mg群(78例)及び海外の2試験(133例及び501例)とし、それぞれの結果を次表に示した。[7.2参照]
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
外国人健康成人男子にA771726を経口投与したときのバイオアベイラビリティが95.8%と高かったことより、胆汁中に排泄されたA771726が腸管から再吸収を受けること(腸肝循環)が示唆された。
16.2.2 食事の影響
日本人健康成人男子5例にレフルノミド20mgをクロスオーバー法にて空腹時及び食後に単回経口投与したとき、食後投与でTmaxが2.1時間から6.4時間へ、Lag timeが0.1時間から1.1時間に延長したが、Cmax及びAUCには有意な差が認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
A771726(100μg/mL)の健康成人における蛋白結合率は99.38%であった。結合蛋白はアルブミンであることが示唆された。
A771726と他剤とのヒト血漿蛋白結合における競合について検討した結果、臨床的血漿中濃度の範囲においてワルファリン、イブプロフェン及びジクロフェナクはA771726の結合率にほとんど影響を及ぼさなかったが、トルブタミドでは400μg/mL添加時にA771726の非結合率が約3倍に増加した。
16.4 代謝
日本人健康成人男子にレフルノミドを単回又は反復経口投与した結果、速やかに代謝され、血漿中には大部分が活性代謝物A771726として存在した。また、極めて微量の中間代謝物4‐TFMA(4‐trifluoromethylaniline)が測定されたが、未変化体はほとんど検出されなかった。
16.5 排泄
外国人健康成人男子3例に14C‐レフルノミド100mgを単回経口投与した結果、投与後28日までの尿中累積放射能回収率は42.8%であり、糞便中からは48.2%回収された。尿中及び糞便中に未変化体は存在しなかった。
日本人健康成人男子にレフルノミド投与後コレスチラミンを経口投与することによって血漿中A771726の消失半減期が1/10以下(22.5時間)に短縮したことから、A771726が胆汁中に排泄され、腸管から再吸収される過程で、コレスチラミンに吸着され糞便中に排泄されるものと考えられた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者での体内動態
外国人肝機能障害患者(Child‐pugh分類でA又はB)20例を対象にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の薬物動態パラメータ(平均±S.D.)は、Cmax9.9±2.9(μg/mL)、AUC3319±1561(μg・h/mL)、消失半減期11.8±5.0(day)であった。
16.6.2 高齢者での体内動態
日本人関節リウマチ患者を対象として実施された二重盲検用量反応性試験における高齢者の薬物動態パラメータは、非高齢者とほぼ同様であった。
高齢者及び非高齢者における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
外国人健康成人男子を対象に、レフルノミド100mgを単独経口投与したときと、リファンピシン600mgを1日1回12日間反復投与しその8日目にレフルノミド100mgを単回経口投与したときの血漿中A771726の濃度推移を比較した。その結果、併用投与時のCmax及びAUCは、単独投与時の8.17μg/mL及び732μg・h/mLから11.4μg/mL及び810μg・h/mLにそれぞれ上昇した。[10.2参照]
16.7.2 経口避妊薬
外国人健康成人女性32例を対象に、レフルノミドと経口避妊薬併用投与時の血清中プロゲステロン濃度に及ぼす影響を検討した。レフルノミドと経口避妊薬併用時において、排卵を認めなかった。[9.4.1-9.4.3参照]
16.7.3 薬物代謝酵素に関わる薬物相互作用試験
ヒトP450分子種の遺伝子発現系及び肝組織標本を用いたin vitro試験系において、レフルノミドからA771726への変換活性はCYP3A4が最も高かったが、他のP450分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19及びCYP2D6)も活性を有すること、及びA771726の代謝においてもCYP3A4が関与することが確認された。
また、A771726がCYP2C9による代謝反応(トルブタミド4‐水酸化酵素活性及びジクロフェナク4’‐水酸化酵素活性)を阻害することが示されたが、それらのIC50値(それぞれ17.7及び63.7μmol/L)はin vivoにおけるヒト血漿中のA771726遊離濃度に比べて高かった。[10.参照]
16.8 その他
16.8.1 血漿中A771726の除去法(コレスチラミン)
日本人健康成人男子12例にレフルノミド100mgを3日間反復経口投与し、その後コレスチラミン無水物として4g1日3回、8g1日3回を10日間反復投与した。その結果、A771726濃度は速やかに低下し、消失半減期は通常の約14日間からそれぞれ35.7±8.7時間及び22.5±2.8時間(平均±S.D.)に短縮した。[15.1.1参照]
16.8.2 血漿中A771726の除去法(薬用炭)
外国人健康成人にレフルノミド投与後、薬用炭(50g×3回)を投与したとき、血漿中A771726濃度は速やかに低下した(消失半減期が240時間から29時間に短縮)。[15.1.1参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
国内で関節リウマチ患者256例(解析対象235例)を対象とした二重盲検用量反応性試験(28週間投与)を実施した。
(1)関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善
関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善をACR20反応率で評価した結果を次表に示す。
国内二重盲検用量反応性試験でのACR20反応率
→図表を見る(PDF)

(2)日常生活機能に関するQOLの改善
MHAQ調査票を用いて患者の日常生活の身体機能に関するQOLを評価した結果を次表に示す。
日常生活機能に関するMHAQスコア注3)
→図表を見る(PDF)

解析対象235例中、副作用は5mg群42例(51.9%)、10mg群51例(67.1%)及び20mg群54例(69.2%)に発現した。主な副作用は下痢24例(10.2%)、発疹21例(8.9%)、脱毛症20例(8.5%)、γ‐GTP上昇17例(7.2%)、肝機能検査異常(尿酸値又はBUN低下)17例(7.2%)であった。
17.1.2 海外第III相試験:プラセボ、スルファサラジンを対照とした二重盲検比較試験(MN301)
関節リウマチ患者359例(有効性解析対象353例)を対象とした二重盲検比較(本剤初期投与量を3日間の後、維持量として本剤20mg/日を24週間投与)を実施した。
(1)関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善
関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善をACR20反応率で評価した結果を次表に示す。
プラセボと比較したACR20反応率
→図表を見る(PDF)

(2)関節破壊進行の抑制
X線像による手・足の関節破壊の進行度をLarsenスコアで評価した結果を次表に示す。
プラセボと比較した関節破壊に関するX線スコア注7)
→図表を見る(PDF)

(3)日常生活機能に関するQOLの改善
HAQ調査票を用いて患者の日常生活の身体機能に関するQOLを評価した結果を次表に示す。
日常生活機能に関するHAQスコア注9)
→図表を見る(PDF)

安全性評価対象症例358例中、本剤投与群88例(66.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢21例(15.8%)、嘔気12例(9.0%)、発疹10例(7.5%)、脱毛症10例(7.5%)、頭痛8例(6.0%)であった。
17.1.3 海外第III相試験:プラセボ、メトトレキサートを対照とした二重盲検比較試験(US301)
関節リウマチ患者485例(有効性解析対象480例)を対象とした二重盲検比較(本剤初期投与量を3日間の後、維持量として本剤10-20mg/日を52週間投与)を実施した。
(1)関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善
関節リウマチに基づく自・他覚症候の改善をACR20反応率で評価した結果を次表に示す。
プラセボと比較したACR20反応率
→図表を見る(PDF)

(2)関節破壊進行の抑制
X線像による手・足の関節破壊の進行度をSharpスコアで評価した結果を次表に示す。
プラセボと比較した関節破壊に関するX線スコア注13)
→図表を見る(PDF)

(3)日常生活機能に関するQOLの改善
HAQ調査票を用いて患者の日常生活の身体機能に関するQOLを評価した結果を次表に示す。
日常生活機能に関するMHAQスコア注15)
→図表を見る(PDF)

安全性評価対象症例482例中、重篤な副作用は本剤群で2例(1.1%)、プラセボ群で2例(1.7%)認められた。本剤投与群182例中、138例(75.8%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢(26.9%)、肝機能検査異常(14.8%)、頭痛(11.5%)、嘔気(11.5%)、発疹(11.0%)であった。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 海外市販後臨床試験成績
海外で、DMARD使用経験のない初期のRA患者121例を対象に、二重盲検期として本剤20mg/日又は100mg/日を3日間投与し、その後、非盲検期として20mg/日を3ヵ月間投与する試験を実施した。本試験における有害事象発現率を次表に示す。
なお、本試験で認められた有害事象のうち、胃腸障害及び肝酵素上昇の発現率は100mg/日で投与を開始した群で高い傾向が認められた。[7.1参照]
海外市販後臨床試験
→図表を見る(PDF)

17.2.2 国内使用成績調査(再審査期間終了時)
観察期間24週間の国内使用成績調査における、副作用発現率を次表に示す。
なお、本調査で認められた副作用のうち、肝機能障害、血球減少及び下痢の発現率は100mg/日で投与を開始した群で高かった。[7.1参照]
国内使用成績調査
→図表を見る(PDF)

18.1 作用機序
本剤の活性代謝物A771726は、de novoピリミジン生合成に関与する酵素ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)を標的分子とし、同酵素活性を阻害する。また、in vitro試験において、A771726は、フィトヘマグルチニン(PHA)刺激によるヒト末梢血T細胞のピリミジンヌクレオチド濃度の上昇、リポ多糖(LPS)刺激によるマウス脾細胞の増殖を抑制する。
以上のことから、本剤の関節炎モデルにおける薬効や免疫異常を改善する作用には、DHODH活性阻害によりde novoピリミジン生合成が抑制され、de novo経路からのピリミジンヌクレオチドの供給に依存している活性化リンパ球の増殖が抑制されるという機序が関与していると考えられる。
18.2 関節炎モデルに対する作用
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、予防的又は治療的に投与した場合に、それぞれ発症又は症状の進行を抑制した。
ラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは足浮腫の増加を抑制した。
18.3 免疫系に対する作用
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、予防的又は治療的に投与した場合に、遅延型過敏反応及び抗II型コラーゲンIgG産生を抑制した。
18.4 骨吸収及び骨破壊に対する作用
マウスII型コラーゲン誘発関節炎モデル及びラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは関節破壊を抑制した。
ラットアジュバント関節炎モデルにおいて、レフルノミドは、骨密度及び力学的強度の低下、骨の構造破壊、骨吸収の増加及び骨形成の低下を抑制した。
ウサギ全骨細胞及び単離破骨細胞を用いたin vitro試験において、活性代謝物A771726は骨吸収を抑制した。また、関節リウマチ患者由来滑膜組織を用いたin vitro試験においても、A771726は骨吸収を抑制した。
マウス骨髄細胞を用いたin vitro試験において、A771726は破骨細胞の形成を抑制した。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明

十分量の水でかまずに服用するよう指導する。

製造販売会社
サノフィ
販売会社
 

おくすりのQ&A

受付中回答1

溶解後の遮光カバーは必要か?

ソルデム3Aやポタコール輸液にビタメジン静注用を溶解した際、遮光カバーは必要ですか。
時間にもよると思いますが、6~8時間程度の場合...

薬価・添付文書 製品

受付中回答1

DPCのコーディングについて

お世話になっております。...

薬価・添付文書 製品

受付中回答1

塩酸ブロムヘキシン注の適応症について

お世話になります。...

薬価・添付文書 製品

受付中回答5

薬剤残量廃棄について

いつもお世話になっております。
よくお目にかかる
質問ですが薬剤残量廃棄につきましてお問い合わせさせていただきます。...

薬価・添付文書 

解決済回答2

化学療法薬の返戻

月をまたいで化学療法剤を使用したところ、返戻されました。...

薬価・添付文書 製品

わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!

質問する

このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。