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リンヴォック錠30mg

販売名
リンヴォック錠30mg
識別コード
30
薬価
30mg1錠 6628.00円
製造メーカー
アッヴィ

添付文書情報2024年09月改定(第14版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないその他の代謝性医薬品
一般名
ウパダシチニブ水和物徐放錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 〈効能共通〉本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは重篤な感染症悪化等や悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等や悪性腫瘍の発現が報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致死的な経過をたどった症例が報告されているので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用すること。また、本剤投与後に有害事象が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること〔1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.7、8.8、9.1.1-9.1.3、9.8高齢者の項、11.1.1、15.1.9-15.1.15参照〕。
1.2. 〈効能共通〉感染症1.2.1. 〈効能共通〉重篤な感染症:肺炎、敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症等の致命的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること〔1.1、2.2、8.1、9.1.1、9.1.3、9.8高齢者の項、11.1.1、15.1.9、15.1.11、15.1.13参照〕。
1.2.2. 〈効能共通〉結核:肺外結核(泌尿生殖器結核、リンパ節結核等)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。ツベルクリン反応検査等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている〔1.1、2.3、8.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
1.3. 〈効能共通〉本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。
1.7. 〈潰瘍性大腸炎〉本剤の治療を行う前に、既存治療薬(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、免疫調節薬又は生物製剤)の使用を十分勘案すること〔5.8参照〕。
1.8. 〈クローン病〉本剤の治療を行う前に、栄養療法、既存治療薬(ステロイド、免疫調節薬又は生物製剤)の使用を十分勘案すること〔5.9参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者〔11.1.7参照〕。
2.2. 重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状が悪化するおそれがある]〔1.1、1.2.1、8.1、9.1.1、9.1.3、9.8高齢者の項、11.1.1、15.1.9、15.1.11、15.1.13参照〕。
2.3. 活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがある]〔1.1、1.2.2、8.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
2.4. 重度肝機能障害を有する患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。
2.5. 好中球数が1000/mm3未満の患者〔8.3、9.1.9、11.1.3参照〕。
2.6. リンパ球数が500/mm3未満の患者〔8.3、9.1.10、11.1.3参照〕。
2.7. ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者〔8.3、9.1.11、11.1.3参照〕。
2.8. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). 既存治療で効果不十分な次記疾患:*アトピー性皮膚炎。
2). 中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
3). 中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。
*)最適使用推進ガイドライン対象。
(効能又は効果に関連する注意)
5.5. 〈アトピー性皮膚炎〉ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。
5.6. 〈アトピー性皮膚炎〉原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
5.7. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の場合、本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
5.8. 〈潰瘍性大腸炎〉過去の治療において、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、免疫調節薬又は生物製剤)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.7参照〕。
5.9. 〈クローン病〉過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(ステロイド、免疫調節薬又は生物製剤)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること〔1.8参照〕。
用法・用量
〈アトピー性皮膚炎〉
通常、成人及び12歳以上かつ体重30kg以上の小児にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
〈潰瘍性大腸炎〉
導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回8週間経口投与する。なお、効果不十分な場合はさらに8週間投与することができる。
維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
〈クローン病〉
導入療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして45mgを1日1回12週間経口投与する。
維持療法では、通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて30mgを1日1回投与することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤と適応疾患<アトピー性皮膚炎>の生物製剤、適応疾患<潰瘍性大腸炎>の生物製剤、適応疾患<クローン病>の生物製剤、他の経口ヤヌスキナーゼ<JAK>阻害剤、タクロリムス<局所製剤以外>、シクロスポリン<局所製剤以外>、アザチオプリン<局所製剤以外>、ミゾリビン<局所製剤以外>等のような免疫抑制剤<局所製剤以外><感染症のリスクが増加>との併用はしないこと(本剤とこれらの薬剤との併用経験はない)〔8.1参照〕。
7.4. 〈アトピー性皮膚炎〉強いCYP3A4阻害剤継続的投与中の患者には、本剤15mgを1日1回投与すること〔10.2、16.7.1参照〕。
7.5. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎で高度腎機能障害患者には、本剤15mgを1日1回投与すること〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕。
7.6. 〈アトピー性皮膚炎〉本剤による治療反応は、通常投与開始から12週までには得られるため、12週までに治療反応が得られない場合は、用量調節又は投与中止を考慮すること。
7.7. 〈潰瘍性大腸炎〉強いCYP3A4阻害剤と併用する場合は、導入療法では本剤30mgを1日1回投与し、維持療法では本剤30mgは投与しないこと〔10.2、16.7.1参照〕。
7.8. 〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎で高度腎機能障害患者には、導入療法では本剤30mgを1日1回投与し、維持療法では本剤30mgは投与しないこと〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕。
7.9. 〈潰瘍性大腸炎〉本剤の導入療法の開始後16週時点で治療反応が得られない場合は、他の治療への切り替えを考慮すること。
7.10. 〈クローン病〉強いCYP3A4阻害剤と併用する場合は、導入療法では本剤30mgを1日1回投与し、維持療法では本剤30mgは投与しないこと〔10.2、16.7.1参照〕。
7.11. 〈クローン病〉クローン病で高度腎機能障害患者には、導入療法では本剤30mgを1日1回投与し、維持療法では本剤30mgは投与しないこと〔9.2腎機能障害患者の項、16.6.1参照〕。
7.12. 〈クローン病〉導入療法後に本剤30mgを1日1回投与し、本剤の投与開始24週後までに治療反応が得られない場合は、他の治療への切り替えを考慮すること。
生殖能を有する者
8.1. 〈効能共通〉本剤は、免疫反応に関与するJAKファミリーを阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性があり、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること〔1.1、1.2.1、2.2、7.1、9.1.1、9.1.3、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.2. 〈効能共通〉本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。本剤投与中は胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意すること。患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること〔1.1、1.2.2、2.3、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.3. 〈効能共通〉好中球減少、リンパ球減少及びヘモグロビン減少があらわれることがあるので、投与前の検査値を測定するとともに本剤投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数及びヘモグロビン値を確認すること〔2.5-2.7、9.1.9-9.1.11、11.1.3参照〕。
8.4. 〈効能共通〉播種性帯状疱疹を含む帯状疱疹等のウイルス再活性化が報告されていることから、ヘルペスウイルス再活性化等の徴候や症状の発現に注意すること(ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し速やかに適切な処置を行うこと)。また、ヘルペスウイルス以外のウイルス再活性化にも注意すること〔11.1.1参照〕。
8.5. 〈効能共通〉本剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.5参照〕。
8.6. 〈効能共通〉感染症発現のリスクを否定できないので、本剤開始直前及び投与中の生ワクチン接種は行わないこと。
8.7. 〈効能共通〉非黒色腫皮膚癌を除く、悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、8.8、15.1.10、15.1.12、15.1.14、15.1.15参照〕。
8.8. 〈効能共通〉皮膚有棘細胞癌、基底細胞癌等の非黒色腫皮膚癌があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。臨床試験において本剤15mgと比較して本剤30mgで非黒色腫皮膚癌の発現率が高いことが報告されている〔1.1、8.7、15.1.10、15.1.12、15.1.14、15.1.15参照〕。
8.9. 〈効能共通〉総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、HDLコレステロール上昇及びトリグリセリド上昇等の脂質検査値異常があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること(臨床上必要と認められた場合には、脂質異常症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること)。
8.10. 〈効能共通〉トランスアミナーゼ値上昇があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ値のベースラインを測定するとともに、本剤投与中は観察を十分に行うこと(トランスアミナーゼ値が基準値上限の3倍以上に上昇した症例も報告されている)〔11.1.4参照〕。
8.11. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の場合、本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
8.12. 〈アトピー性皮膚炎〉本剤は免疫抑制作用を有することから、皮膚バリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎患者への投与に際しては十分な観察を行い、皮膚感染症の発現に注意すること(アトピー性皮膚炎患者を対象とした臨床試験において重篤な皮膚感染症が報告されている)。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者〔1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある〔1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること〔1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 易感染性の状態にある患者:感染症を発現するリスクが高い〔1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.4. 静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者〔11.1.6参照〕。
9.1.5. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):肝機能検査値やHBVDNAのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、HBs抗原陽性又はHBV DNA陽性の患者は臨床試験では除外されている〔8.5参照〕。
9.1.6. C型肝炎患者:HCV抗体陽性、HCV RNA陽性の患者は臨床試験から除外されている。
9.1.7. 腸管憩室のある患者:消化管穿孔があらわれるおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.8. 間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎があらわれるおそれがある)〔11.1.5参照〕。
9.1.9. 好中球減少<好中球数1000/mm3未満を除く>のある患者:好中球減少が更に悪化するおそれがある〔2.5、8.3参照〕。
9.1.10. リンパ球減少<リンパ球数500/mm3未満を除く>のある患者:リンパ球減少が更に悪化するおそれがある〔2.6、8.3参照〕。
9.1.11. ヘモグロビン値減少<ヘモグロビン値8g/dL未満を除く>のある患者:ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある〔2.7、8.3参照〕。
腎機能障害患者:腎機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある〔7.5、7.8、7.11、16.6.1参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(臨床試験において除外されている)〔2.4、16.6.2参照〕。
9.3.2. 軽度肝機能障害又は中等度肝機能障害のある患者:肝機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある〔16.6.2参照〕。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1月経周期において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
本剤は主としてCYP3Aで代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). CYP3Aを強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン等)、グレープフルーツ〔7.4、7.7、7.10、16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、これらを長期間併用する場合は副作用の発現等に注意すること(CYP3A阻害作用により本剤のクリアランスが低下するため)]。
2). CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が低下し効果減弱のおそれがあるので、併用する場合は疾患活動性の変化をモニタリングすること(CYP3A誘導作用により本剤のクリアランスが増加するため)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 感染症:帯状疱疹(4.9%)、肺炎(1.1%)、結核(頻度不明)等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれ、致死的経過をたどるおそれがあるので、本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること〔1.1、1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.4、9.1.1-9.1.3、9.8高齢者の項、15.1.9、15.1.11、15.1.13参照〕。
11.1.2. 消化管穿孔(0.1%未満):異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと〔9.1.7参照〕。
11.1.3. 好中球減少(2.9%)、リンパ球減少(1.7%)、ヘモグロビン減少(0.5%)。
好中球数:本剤投与開始後、好中球数が1000/mm3未満になった場合には、1000/mm3以上となるまで本剤の投与を中断すること。
リンパ球数:本剤投与開始後、リンパ球数が500/mm3未満になった場合には、500/mm3以上となるまで本剤の投与を中断すること。
ヘモグロビン値:本剤投与開始後、ヘモグロビン値が8g/dL未満になった場合には、8g/dL以上となるまで本剤の投与を中断すること。
〔2.5-2.7、8.3参照〕。
11.1.4. 肝機能障害:ALT上昇(2.9%)、AST上昇(2.3%)等の肝機能障害があらわれるおそれがある〔8.10参照〕。
11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査、速やかに胸部CT検査及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。
11.1.6. 静脈血栓塞栓症:肺塞栓症(0.1%)及び深部静脈血栓症(0.1%未満)があらわれることがある〔9.1.4参照〕。
11.1.7. 重篤な過敏症:アナフィラキシー(頻度不明)及び血管浮腫(0.1%未満)があらわれるおそれがある〔2.1参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 消化器:(1%~10%未満)悪心、腹痛(上腹部痛を含む)。
2). 呼吸器:(1%~10%未満)咳嗽。
3). 感染症:(10%以上)上気道感染(急性副鼻腔炎、喉頭炎、ウイルス性喉頭炎、上咽頭炎、口腔咽頭痛、咽頭膿瘍、咽頭炎、レンサ球菌性咽頭炎、咽頭扁桃炎、気道感染、ウイルス性気道感染、鼻炎、鼻喉頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎、細菌性扁桃炎、ウイルス性咽頭炎、ウイルス性上気道感染を含む)、(1%~10%未満)気管支炎(ウイルス性気管支炎、細菌性気管支炎、気管気管支炎を含む)、単純ヘルペス(陰部ヘルペス、陰部単純ヘルペス、ヘルペス性皮膚炎、ヘルペス眼感染、鼻ヘルペス、眼部単純ヘルペス、ヘルペスウイルス感染、口腔ヘルペスを含む)、インフルエンザ、毛包炎、(1%未満)口腔カンジダ症。
4). 皮膚及び皮下組織:(1%~10%未満)ざ瘡(嚢胞性ざ瘡、ざ瘡様皮膚炎を含む)、発疹(紅斑性皮疹、毛孔性皮疹、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、丘疹性皮疹、そう痒性皮疹、膿疱性皮疹を含む)、(1%未満)蕁麻疹、皮膚有棘細胞癌、基底細胞癌、皮膚乳頭腫。
5). 神経系障害:(1%~10%未満)頭痛。
6). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(1%未満)発熱、疲労。
7). 臨床検査値:(1%~10%未満)CK上昇、高コレステロール血症(血中コレステロール増加を含む)、高脂血症(脂質異常症、低比重リポ蛋白増加を含む)、(1%未満)高トリグリセリド血症、体重増加。
副作用の発現頻度は、関節リウマチ(投与期間1.36年(中央値)の安全性データ)、乾癬性関節炎(投与期間1.32年(中央値)の安全性データ)、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(投与期間0.87年(中央値)の安全性データ)、強直性脊椎炎(投与期間0.82年(中央値)の安全性データ)、アトピー性皮膚炎(投与期間2.57年(中央値)の安全性データ)、潰瘍性大腸炎(投与期間1.66年(中央値)の安全性データ)及びクローン病(投与期間0.939年(中央値)の安全性データ)を対象とし、本剤との関連性が否定できない事象につき、当該臨床試験の統合データに基づいて算出した。
高齢者
高齢者:患者の状態を観察しながら、用量に留意して慎重に投与すること(臨床試験では非高齢者と比較して重篤な感染症等の有害事象の発現率の上昇が認められている)。また、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎及びクローン病を対象とした臨床試験では、65歳以上の患者において、15mg1日1回投与と比較して、30mg1日1回投与で重篤な有害事象の発現率の上昇が認められている〔1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラット及びウサギでヒト臨床用量15mg、30mg、45mg(母体経口投与量は4mg/kg/日及び25mg/kg/日)のそれぞれ1.2倍、0.7倍、0.56倍及び11倍、6.6倍、5.3倍に相当する曝露量で催奇形性が確認されている)〔2.8、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
本剤投与中は授乳しないことが望ましい(ラットで乳汁中へ移行することが報告されているが、本剤のヒト乳汁中への移行は不明である)。
小児等
9.7.1. 〈潰瘍性大腸炎、クローン病〉潰瘍性大腸炎の小児等、クローン病の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎の体重30kg以上40kg未満の小児に投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること。アトピー性皮膚炎の12歳未満の小児等、又はアトピー性皮膚炎の体重40kg未満の小児等を対象とした臨床試験は実施されていない〔17.1.12、17.1.13参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意粉砕して使用しないこと。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.2.2. かみ砕いて服用しないように患者に指導すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.9. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎患者を対象とした第3相試験における本剤15mg及び30mg併合解析(長期、3試験)において、重篤な感染症の発現率は15mg群で2.4件/100人・年、30mg群で2.9件/100人・年であった〔1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照〕。
15.1.10. 〈アトピー性皮膚炎〉アトピー性皮膚炎患者を対象とした第3相試験における本剤15mg及び30mg併合解析(長期、3試験)において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率は15mg群で0.3例/100人・年、30mg群で0.2例/100人・年であった〔1.1、8.7、8.8参照〕。
15.1.11. 〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎を対象とした第2b/3相試験における導入療法期に本剤45mgを8週間(3試験)及び16週間(2試験:投与8週時点で臨床的改善を達成しなかった場合、更に8週間)投与した併合解析において、重篤な感染症の発現率はプラセボ8週間投与群では10.8件/100人・年であったのに対し、本剤8週間投与及び16週間投与でそれぞれ9.1件/100人・年及び2.6件/100人・年であった。第2b/3相試験における導入療法期に本剤45mgにより改善し、第3相試験(1試験)における維持療法期に本剤15mg及び30mgを投与した併合解析において、重篤な感染症の発現率はプラセボ群では6.2件/100人・年であったのに対し、15mg併合群で4.9件/100人・年、30mg併合群で3.0件/100人・年であった〔1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照〕。
15.1.12. 〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎を対象とした第2b/3相試験における導入療法期に本剤45mgを8週間(3試験)及び16週間(2試験:投与8週時点で臨床的改善を達成しなかった場合、更に8週間)投与した併合解析において、悪性腫瘍の発現はなかった(第3相試験における導入療法期に本剤45mgにより改善し、第3相試験(1試験)における維持療法期に本剤15mg及び30mgを投与した併合解析において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率はプラセボ群では0.8例/100人・年であったのに対し、15mg併合群で0.5例/100人・年、30mg併合群で1.0例/100人・年であった)〔1.1、8.7、8.8参照〕。
15.1.13. 〈クローン病〉クローン病患者を対象とした第3相導入療法試験でプラセボ又は本剤45mgを12週間投与した集団における併合解析(2試験)において、重篤な感染症の発現率はプラセボ12週間投与では7.9件/100人・年であったのに対し、本剤12週間投与では9.3件/100人・年であった。第3相導入療法試験で本剤45mgの12週間投与により臨床的改善を達成し、第3相維持療法試験でプラセボ、本剤15mg又は30mgを投与した併合解析(長期、1試験)において、重篤な感染症の発現率はプラセボ群では7.2件/100人・年であったのに対し、15mg併合群で4.0件/100人・年、30mg併合群で5.7件/100人・年であった〔1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照〕。
15.1.14. 〈クローン病〉クローン病患者を対象とした第3相導入療法試験でプラセボ又は本剤45mgを12週間投与した集団における併合解析(2試験)において、悪性腫瘍の発現はなかった(第3相導入療法試験で本剤45mgの12週間投与により臨床的改善を達成し、第3相維持療法試験でプラセボ、本剤15mg又は30mgを投与した併合解析(長期、1試験)において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率はプラセボ群では0.7例/100人・年であったのに対し、15mg併合群で0.4例/100人・年、30mg併合群で1.5例/100人・年であった)〔1.1、8.7、8.8参照〕。
15.1.15. 〈効能共通〉心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(Major Adverse Cardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91,1.94)及び1.48(1.04,2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。また、本剤でも、国内市販後の自発報告において、心血管系事象の発現が認められている〔1.1、8.7、8.8参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報本剤はJAK阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床試験ではリンパ球数減少及び赤血球数減少等に加え、免疫抑制に起因する二次的な作用(毛包虫症(疥癬)など)がみられた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康被験者に本剤7.5~30mgを空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータを次表に示す(外国人データ)。
表1:本剤単回経口投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.2 反復投与
日本人関節リウマチ患者に本剤を1日1回7.5~30mg空腹時反復経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータは次表のとおりであり、投与開始後4日以内で定常状態に到達し、蓄積はほとんど認められなかった(日本人データ)。
表2:本剤反復経口投与時の定常状態における薬物動態パラメータ
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第III相臨床試験のデータを用いた母集団薬物動態解析から推定された、日本人乾癬性関節炎患者に本剤を1日1回15mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、Cmax42.4[28.5、52.3]ng/mL、AUCτ365[259、542]ng・h/mLであった。
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者における薬物動態は強直性脊椎炎患者と類似しており、強直性脊椎炎患者を含む第III相臨床試験のデータを用いた母集団薬物動態解析から推定された、日本人患者に本剤を1日1回15mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、Cmax42.0[30.3、51.0]ng/mL、AUCτ443[359、608]ng・h/mLであった。
第II/III相臨床試験のデータを用いた母集団薬物動態解析から推定された、日本人強直性脊椎炎患者に本剤を1日1回15mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、Cmax40.0[34.8、53.4]ng/mL、AUCτ416[337、494]ng・h/mLであった。
臨床試験のデータを用いた母集団薬物動態解析から推定された日本人アトピー性皮膚炎患者に本剤を1日1回15mg又は30mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、15mg投与時でCmax34.8[24.9、43.4]ng/mL、AUCτ370[231、535]ng・h/mL、30mg投与時でCmax72.6[57.6、85.2]ng/mL、AUCτ643[422、1130]ng・h/mLであった。
日本人潰瘍性大腸炎患者に本剤を1日1回15mg、30mg又は45mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、15mg投与時でCmax46.1[37.8、55.3]ng/mL、AUCτ358[302、535]ng・h/mL、30mg投与時でCmax92.6[71.9、143]ng/mL、AUCτ737[451、1260]ng・h/mL、45mg投与時でCmax133[99.1、185]ng/mL、AUCτ1114[761、1663]ng・h/mLであった。
臨床試験のデータを用いた母集団薬物動態解析から推定された日本人クローン病患者に本剤を1日1回15mg、30mg又は45mg反復経口投与したときの定常状態におけるウパダシチニブの血漿中曝露量(中央値[90%信頼区間])は、15mg投与時でCmax53.4[38.7、81.0]ng/mL、AUCτ369[264、592]ng・h/mL、30mg投与時でCmax79.1[51.7、115]ng/mL、AUCτ618[274、872]ng・h/mL、45mg投与時でCmax113[90.4、253]ng/mL、AUCτ940[597、2318]ng・h/mLであった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康被験者42例に本剤30mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してAUC∞及びCmaxがそれぞれ29%及び39%増加した(外国人データ)。健康被験者66例に本剤45mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してAUC∞及びCmaxがそれぞれ26%及び60%増加した(外国人データ)。
16.3 分布
ウパダシチニブのヒト血漿蛋白結合率は52%であった。ウパダシチニブの血液/血漿濃度比は1.0であり、血球及び血漿分画への移行は同程度であった(in vitro)。
16.4 代謝
ウパダシチニブはCYP3A4により代謝され、CYP2D6の寄与もわずかに認められる。ウパダシチニブの薬理活性は未変化体に起因している。放射性標識体を用いたヒト試験から、ウパダシチニブの未変化体は血漿中総放射能の79%を占めたほか、一酸素付加後のグルクロン酸抱合体が13%及び一酸素付加後の開環体が7.1%検出された。ウパダシチニブの薬理活性代謝物は認められていない(in vitro及び外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
ウパダシチニブの終末相における平均消失半減期は8~14時間であった。健康成人被験者に14C‐ウパダシチニブを単回経口投与したとき、投与放射能の24%が尿中に、38%が糞中にウパダシチニブ未変化体として排泄され、34%が代謝物として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
ウパダシチニブのAUC∞は腎機能正常被験者(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)と比較して、軽度(eGFR:60~89mL/min/1.73m2)、中等度(eGFR:30~59mL/min/1.73m2)及び高度(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)の腎機能障害被験者でそれぞれ18%、33%及び44%高かった。ウパダシチニブのCmaxは、腎機能正常被験者と腎機能障害被験者で同程度であった(外国人データ)。[7.5、7.8、7.11、9.2参照]
表3:本剤15mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
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16.6.2 肝機能障害患者
ウパダシチニブのAUC∞は肝機能正常被験者と比較して、軽度(Child‐Pugh分類A)及び中等度(Child‐Pugh分類B)の肝機能障害被験者でそれぞれ28%及び24%高かった。ウパダシチニブのCmaxは、肝機能正常被験者と比較して、軽度肝機能障害被験者では同程度、中等度肝機能障害被験者では43%高かった。重度肝機能障害被験者(Child‐Pugh分類C)における試験は実施していない(外国人データ)。[2.4、9.3.1、9.3.2参照]
表4:本剤15mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
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16.7 薬物相互作用
16.7.1 併用薬がウパダシチニブの薬物動態に及ぼす影響
In vitro試験の結果、ウパダシチニブはCYP3A4により代謝され、CYP2D6の寄与もわずかに認められる。ウパダシチニブの血漿曝露量に及ぼす併用薬の影響を次表に示す(外国人データ)。[7.4、7.7、7.10、10.2参照]
表5:併用薬がウパダシチニブの薬物動態に及ぼす影響
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母集団薬物動態解析の成績より、pH調整剤(制酸剤、プロトンポンプ阻害薬など)やCYP2D6表現型は、ウパダシチニブの薬物動態に影響を及ぼさなかった。
16.7.2 ウパダシチニブが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
ウパダシチニブが併用薬の薬物動態に及ぼす影響を次表に示す(外国人データ)。
表6:ウパダシチニブが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈関節リウマチ〉
17.1.1 国内試験:第IIb/III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐SUNRISE(M14‐663試験)
一定用量のcsDMARDで効果不十分な中等症から重症の日本人関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。csDMARD併用下、本剤7.5mg、15mg、30mg(1日1回)又はプラセボを投与した。投与12週時のACR20改善率(主要評価項目)は次表のとおりであり、統計学的に有意に用量反応関係が認められた。
表1:投与12週時のACR20、50及び70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における12週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2例以上)は、本剤15mg投与群で鼻咽頭炎3例(6.1%)、好中球減少症2例(4.1%)、本剤7.5mg投与群で鼻咽頭炎5例(10.2%)、口腔ヘルペス2例(4.1%)であった。
表2:投与12週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.2 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐MONOTHERAPY(M15‐555試験)
一定用量のメトトレキサート(MTX)で効果不十分な中等症から重症の関節リウマチ患者を対象とした本剤単独投与時のMTX対照二重盲検比較試験を実施した(日本人を含む)。本剤15mg又は30mg(1日1回)の単独療法への切り替え群とMTX継続単独療法群を比較した。本剤15mg投与群における14週時のACR20改善率(主要評価項目)は、MTX投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表3:投与14週時のACR20、50及び70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における14週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、尿路感染6例(2.8%)であった。
表4:投与14週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.3 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐EARLY(M13‐545試験)
MTXによる治療経験がない中等症から重症の関節リウマチ患者を対象とした本剤単独投与療法のMTX対照二重盲検比較試験を実施した(日本人を含む)。本剤7.5mg(日本人のみ)、15mg、30mg(1日1回)又はMTXを投与した。本試験の国内主要評価項目は、投与12週時のACR20反応率及び投与24週時のmodified Total Sharp Score(以下「mTSS」)のベースラインからの変化量であった。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、MTX投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。また、24週時の関節破壊進展を手及び足のX線スコア(mTSS)で評価した結果、MTX群に比べて本剤での増加が小さく、統計学的な有意差が認められた。
表5:投与12週時のACR20、50、70改善率及び投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量(FAS集団)
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表6:投与12週時のACR20、50、70改善率及び投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量(FAS集団)日本人部分集団
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本剤15mg投与群における24週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。本剤7.5mg投与群(日本人のみ)における24週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合は、それぞれ43例(78.2%)、5例(9.1%)及び5例(9.1%)であった。各投与群で発現割合が高かった副作用(2%以上)は、本剤15mg投与群でアラニンアミノトランスフェラーゼ増加15例(4.7%)、上気道感染11例(3.5%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加及び悪心10例(それぞれ3.2%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、好中球減少症、尿路感染及び高トリグリセリド血症7例(それぞれ2.2%)、本剤7.5mg投与群(日本人のみ)で鼻咽頭炎及び咽頭炎4例(それぞれ7.3%)、上気道感染、口腔ヘルペス、脂質異常症及び口内炎3例(それぞれ5.5%)であった。
表7:投与24週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.4 海外試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐COMPARE(M14‐465試験)
一定用量のMTX(15-25mg/週)で効果不十分な中等症から重症の関節リウマチ患者を対象としたプラセボ及び実薬(アダリムマブ)対照二重盲検比較試験を実施した。一定用量のMTX併用下、本剤15mgを1日1回投与、アダリムマブ40mgを二週間に一回皮下投与、又はプラセボを投与した。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表8:投与12週時のACR20、50及び70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における26週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加20例(3.1%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加16例(2.5%)、気管支炎15例(2.3%)及び血中クレアチンホスホキナーゼ増加13例(2.0%)であった。
表9:投与26週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.5 海外試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐BEYOND(M13‐542試験)
生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(以下「bDMARD」)で効果不十分又は不耐容であった中等症から重症の関節リウマチ患者を対象とした一定用量のcsDMARD併用投与時のプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。csDMARD併用下、本剤15mg、30mg(いずれも1日1回)、又はプラセボを投与した。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表10:投与12週時のACR20、50及び70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における12週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、上気道感染6例(3.7%)、尿路感染及び悪心5例(それぞれ3.0%)であった。
表11:投与12週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.6 海外試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐NEXT(M13‐549試験)
一定用量のcsDMARDで効果不十分な中等症から重症の関節リウマチ患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。csDMARD併用下、ウパダシチニブ15mg、30mg、プラセボ(いずれも1日1回)を投与した。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表12:投与12週時のACR20、50及び70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における12週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、悪心9例(4.1%)及び頭痛5例(2.3%)であった。
表13:投与12週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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〈乾癬性関節炎〉
17.1.7 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐PsA1(M15‐572試験)
1種類以上のcsDMARD等(csDMARD及びPDE4阻害薬)で効果不十分又は不耐容であった中等症から重症の活動性乾癬性関節炎患者(腫脹関節数が3関節以上、圧痛関節数が3関節以上)を対象としたプラセボ及び実薬(アダリムマブ)対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mgを1日1回投与、アダリムマブ40mgを2週間に1回皮下投与、又はプラセボを1日1回投与した。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。また、画像診断に基づく進行の抑制については、24週時のmTSSのベースラインからの変化量がプラセボ投与群に比べて本剤15mg投与群で統計学的に有意に小さかった。[5.2参照]
表14:投与12週時のACR20、50、70改善率及び投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量(FAS集団)
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本剤15mg投与群における24週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、血中クレアチンホスホキナーゼ増加28例(6.5%)、上気道感染24例(5.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加18例(4.2%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加13例(3.0%)、尿路感染及び白血球減少症10例(それぞれ2.3%)であった。
表15:投与24週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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17.1.8 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐PsA2(M15‐554試験)
少なくとも1剤のbDMARDで効果不十分又は不耐容であった中等症から重症の活動性乾癬性関節炎患者(腫脹関節数が3関節以上、圧痛関節数が3関節以上)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mg、プラセボ(いずれも1日1回)を投与した。本剤15mg投与群における12週時のACR20改善率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表16:投与12週時のACR20、50、70改善率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における24週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、尿路感染6例(2.8%)及び気管支炎5例(2.4%)であった。
表17:投与24週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
17.1.9 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐AXIS2(M19‐944試験Study 2)
非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti‐inflammatory drugs:NSAIDs)で効果不十分又は不耐容であった活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mg、プラセボ(いずれも1日1回)を投与した。本剤15mg投与群における14週時のASAS40反応率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表18:投与14週時のASAS40反応率(FAS集団)
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投与52週時注1)のASAS40反応率は、本剤15mg投与群で62.8%(98/156例)、プラセボ群で42.7%(67/157例)であり、本剤15mgの長期投与による有効性の維持が示された。
本剤15mg投与群における14週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は頭痛6例(3.8%)であった。
表19:投与14週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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本剤15mgが投与された長期投与集団注2)における有害事象の発現割合は62.2%(178/286例)であった。重篤な有害事象の発現割合は6.6%(19/286例)、治験薬の投与中止に至った有害事象の発現割合は4.2%(12/286例)であった。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、上咽頭炎8例(2.8%)及び頭痛6例(2.1%)であった。
注1)COVID‐19による欠測データを処理するために多重補完法を組み込んだノンレスポンダー補完法。反応例数は反応率から算出した。
注2)52週時にプラセボから本剤に切り替えた患者も含む。本剤曝露期間344.0日(平均値)。
〈強直性脊椎炎〉
17.1.10 国際共同試験:第II/III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐AXIS1(M16‐098試験)
非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti‐inflammatory drugs:NSAIDs)で効果不十分又は不耐容であったbDMARDによる治療経験のない活動性の強直性脊椎炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mg、プラセボ(いずれも1日1回)を投与した。本剤15mg投与群における14週時のASAS40反応率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表20:投与14週時のASAS40及び20反応率(FAS集団)
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本剤15mg投与群の投与64週時注3)のASAS40反応率及びASAS20反応率はそれぞれ72.0%(67/93例)及び79.6%(74/93例)であり、長期投与による有効性の維持が示された。
本剤15mg投与群における14週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、血中クレアチンホスホキナーゼ増加4例(4.3%)、上咽頭炎、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、高コレステロール血症及び頭痛2例(それぞれ2.2%)であった。
表21:投与14週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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本剤15mgが投与された長期投与集団注4)における有害事象の発現割合は80.2%(146/182例)であった。重篤な有害事象の発現割合は6.6%(12/182例)、治験薬の投与中止に至った有害事象の発現割合は6.6%(12/182例)であった。発現割合が高かった副作用(5%以上)は、血中クレアチンホスホキナーゼ増加14例(7.7%)及び上気道感染10例(5.5%)であった。
17.1.11 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:SELECT‐AXIS2(M19‐944試験Study 1)
NSAIDs及びbDMARDに対して効果不十分な活動性の強直性脊椎炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mg、プラセボ(いずれも1日1回)を投与した。本剤15mg投与群における14週時のASAS40反応率(主要評価項目)は、プラセボ投与群に比べて高く、統計学的な有意差が認められた。
表22:投与14週時のASAS40及び20反応率(FAS集団)
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本剤15mg投与群における14週時の有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次の表に示した。発現割合が高かった副作用(2%以上)は、好中球減少症6例(2.8%)であった。
表23:投与14週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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注3)ノンレスポンダー補完法
注4)14週時にプラセボから本剤に切り替えた患者も含む。本剤曝露期間476.9日(平均値)。
〈アトピー性皮膚炎〉
17.1.12 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:Measure Up 1(M16‐045試験)
ステロイド外用剤若しくはタクロリムス外用剤等で効果不十分であった、アトピー性皮膚炎(AD)に対する全身療法歴を有する、又は外用療法が医学的に推奨できない中等症から重症注5)で12歳以上のAD患者注6)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤15mg、30mg、又はプラセボを1日1回投与した。投与16週時における主要評価項目のEASI75注7)及びvIGA‐AD0/1注8)を達成した被験者の割合は次表のとおりであり、ITT集団において、プラセボ群と比較して本剤15mg群及び30mg群で統計学的に有意に高かった。[9.7.2参照]
表24:投与16週時にEASI75、vIGA‐AD0/1、かゆみのNRS4以上改善を達成した被験者の割合(ITT集団)
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表25:投与16週時にEASI75、vIGA‐AD0/1、かゆみのNRS4以上改善を達成した被験者の割合(ITT_A集団a)
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投与16週時までの有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次表に示す。安全性解析対象集団において発現割合が高かった副作用(5%以上)は、本剤15mg群並びに30mg群でざ瘡(それぞれ15例(5.3%)、36例(12.6%))のみであった。
表26:投与16週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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表27:投与16週時までの有害事象の概要(青少年安全性解析対象集団a)
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17.1.13 国際共同試験:第III相ランダム化、二重盲検、比較試験:AD Up(M16‐047試験)
ステロイド外用剤若しくはタクロリムス外用剤等で効果不十分であった、又はADに対する全身療法歴を有する中等症から重症注5)で12歳以上のAD患者注6)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。ステロイド外用剤併用下で本剤15mg、30mg又はプラセボを1日1回投与した。投与16週時における主要評価項目のEASI75注7)及びvIGA‐AD0/1注8)を達成した被験者の割合は次表のとおりであり、ITT集団において、プラセボ群と比較して本剤15mg群及び30mg群で統計学的に有意に高かった。[9.7.2参照]
表28:投与16週時にEASI75及びvIGA‐AD0/1、かゆみのNRS4以上の改善を達成した被験者の割合(ITT集団)
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表29:投与16週時にEASI75及びvIGA‐AD0/1、かゆみのNRS4以上の改善を達成した被験者の割合(ITT_A集団a)
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投与16週時までの有害事象、重篤な有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の人数及び発現割合を次表に示す。安全性解析対象集団において発現割合が高かった副作用(5%以上)は、本剤15mg群でざ瘡27例(9.0%)、本剤30mg群でざ瘡36例(12.1%)及び口腔ヘルペス16例(5.4%)であった。
表30:投与16週時までの有害事象の概要(安全性解析対象集団)
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表31:投与16週時までの有害事象の概要(青少年安全性解析対象集団a)
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注5)EASIスコアが16以上、vIGA‐ADスコアが3以上、及び体表面積に占めるAD病変の割合が10以上、及び毎日の最悪のかゆみのNRSのベースライン時の週平均値4以上
注6)12歳以上18歳未満の場合は体重40kg以上の患者
注7)EASI75:湿疹面積重症度

18.1 作用機序
ヤヌスキナーゼ(JAK)は炎症応答、造血、及び免疫監視を含む広範囲の細胞プロセスに関与するサイトカインまたは増殖因子シグナルを伝達する重要な細胞内酵素である。JAKファミリーの酵素には、JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2があり、シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)のリン酸化及び活性化に関わる。JAK1は炎症性サイトカインシグナルにおいて重要であるが、JAK2は赤血球成熟にとって重要であり、JAK3シグナルは免疫監視及びリンパ球機能において重要な役割を示す。ウパダシチニブは選択的かつ可逆的にJAKを阻害し、STATリン酸化の阻害を介して炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制する。
アトピー性皮膚炎の病因は、JAK1経路を介してシグナルを伝達する炎症誘発性サイトカイン(IL‐4、IL‐13、IL‐22、TSLP、IL‐31及びIFN‐γを含む)によって引き起こされる。ウパダシチニブによるJAK阻害は、湿疹性皮膚病変及びそう痒症などのアトピー性皮膚炎の徴候及び症状を誘発する多くのメディエーターのシグナル伝達を減少させる。
炎症性サイトカイン(主にIL‐6、IL‐7、IL‐15及びIFNγ)はJAK1経路を介してシグナルを伝達し、炎症性腸疾患の病因に関与する。ウパダシチニブによるJAK阻害は炎症性腸疾患の炎症負荷、徴候及び症状の原因であるJAK依存性サイトカインのシグナル伝達を調節する。
18.2 JAK阻害活性
ウパダシチニブは、細胞アッセイ系においてJAK1及びJAK2を阻害し、EC50はそれぞれ9nmol/L及び628nmol/Lであった。また、キナーゼアッセイにおいて、JAK1、JAK2、JAK3及びTyk2酵素活性を阻害し、IC50はそれぞれ0.043μmol/L、0.12μmol/L、2.3μmol/L及び4.69μmol/Lであった。
18.3 アジュバント誘導関節炎に対する足浮腫抑制作用
ウパダシチニブはアジュバント誘導ラット関節炎モデルにおいて、後足浮腫及び骨侵食を用量依存的に抑制した。

一包可:不可
分割:不可
粉砕:不明

【添】粉砕して使用しない。@かみ砕いて服用しないように患者に指導する。@【IF】徐放性製剤であるため、乳鉢などで粉砕して調剤しない。

製造販売会社
アッヴィ
販売会社
 

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