オファコルカプセル50mg
添付文書情報2023年06月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 先天性胆汁酸代謝異常症。
(効能又は効果に関連する注意)
一次胆汁酸のアミノ酸抱合不全をきたす次の欠損症は本剤の効果は期待できない。
1). bile acid-CoA:amino acid N-acyltransferase欠損症(BAAT欠損症)は本剤の効果は期待できない。
2). bile acid CoA ligase欠損症(SLC27A5欠損症、BACL欠損症)は本剤の効果は期待できない。
- 用法・用量
- 通常、コール酸として1日量5~15mg/kgを1回又は数回に分けて食事中に経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 通常、本剤は1日1回又は1日2回に分けて投与するが、乳幼児等で必要な場合には1日3回以上に分けて投与できる。なお、投与の時間帯は原則一定とすること。
7.2. 定期的に肝機能(AST、ALT、γ-GTP等)や総胆汁酸濃度等を確認し、用量調整を行うこと(また、必要に応じて、血清又は尿中の胆汁酸分画(コール酸や胆汁酸異常代謝産物を含む)の濃度も確認すること)。
7.3. 投与量の決定に際しては、次の点も考慮の上で、各患者に対して適切な用量を決定すること。
1). 通常は1日投与量として500mgまでの範囲で用量調整が可能である。1日投与量として500mgを超える用量を投与する場合には肝機能(AST、ALT、γ-GTP等)や総胆汁酸濃度等を確認すること。
2). 先天性胆汁酸代謝異常症患者に対して1日750mgを超える投与経験は報告されていない。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。また、重度肝機能障害が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。
8.2. 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と投与しないこと。
9.1.1. 家族性4型高脂血症を有する患者:回腸末端部に発現する胆汁酸トランスポーター(IBAT)の発現が低下しているとの報告があり、本剤を含む胆汁酸の取り込みが低下しているおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). フェノバルビタール、プリミドン:①. フェノバルビタール<フェノバール等>〔16.7.1参照〕[肝毒性のある胆汁酸異常代謝産物が増加することで肝トランスアミナーゼの上昇が認められることがあるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(フェノバルビタールの投与により健康成人において内因性の一次胆汁酸(コール酸及びケノデオキシコール酸)のプールサイズ及び合成速度を増加させることが報告されている)]。
②. フェノバルビタール<フェノバール等>、プリミドン〔16.7.1参照〕[肝毒性のある胆汁酸異常代謝産物が増加することで肝トランスアミナーゼの上昇が認められることがあるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(フェノバルビタール、プリミドン(投与後その一部がフェノバルビタールへ代謝される)は、患者においてコレステロールから胆汁酸異常代謝産物の合成を促進する作用を有していると考えられることから、原疾患を悪化させるおそれがある)]。
2). シクロスポリン〔16.7.2参照〕[投与する場合、総胆汁酸濃度を慎重にモニタリングし、必要に応じて本剤の用量を調整すること(また、必要に応じて血清又は尿中における各胆汁酸(コール酸や胆汁酸異常代謝産物を含む)の濃度も確認すること)(胆汁酸の肝臓取込み及び肝胆汁分泌を阻害することから、本剤の薬物動態を変化させるおそれがある)]。
3). コレスチラミン<経口>、コレスチミド<経口>[本剤の効果が減弱するおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること(陰イオン交換樹脂であるこれらの薬剤は本剤を吸着するため、本剤の吸収が阻害されるおそれがある)]。
4). 制酸剤<アルミニウム含有><経口>、水酸化アルミニウムゲル<経口>等[本剤の効果が減弱するおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること(アルミニウムを含有する制酸剤は本剤を吸着するため、本剤の吸収が阻害されるおそれがある)]。
5). ウルソデオキシコール酸<経口>〔16.7.3参照〕[本剤及びウルソデオキシコール酸の効果が減弱するおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること(本剤及びウルソデオキシコール酸の吸収が競合するおそれがある)]。
6). エロビキシバット[本剤の効果が減弱するおそれがある(回腸末端部に発現する胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害作用により、本剤の吸収が阻害されるおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(頻度不明*)下痢。
2). 肝胆道系障害:(頻度不明*)胆石症。
3). 皮膚および皮下組織障害:(頻度不明*)皮膚そう痒症。
4). 臨床検査:(頻度不明*)トランスアミナーゼ上昇。
5). 代謝および栄養障害:(1%以上)低カルシウム血症。
*)コール酸製剤としての投与経験に基づく。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中にコール酸が投与された先天性胆汁酸代謝異常症患者において、正常な出産が認められたとの報告があるが、妊婦に本剤を含むコール酸製剤を投与した経験は限られている)。また、妊娠ヒツジ又はヒツジ胎仔にコール酸を投与した際に早産が、妊娠ハムスターにコール酸を投与した際に肝障害が認められたことが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(健康な授乳婦28例における乳汁中コール酸濃度は、0.89μmol/L(平均値)であったことが報告されている)。
- 小児等
- 新生児を対象とした臨床試験は実施されていない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
日本人先天性胆汁酸代謝異常症患者(3β‐ヒドロキシ‐Δ5‐ステロイドデヒドロゲナーゼ(以下、「3β‐HSD」)2例、Δ4‐3‐オキソステロイド‐5β‐リダクターゼ(以下、「Δ4‐3‐oxoR」)2例の計4名)に本剤5~15mg/kg/日を26週間経口投与したとき、いずれの患者においても、本剤投与前と比較して、血清中コール酸(投与前:0.00~0.57μmol/L、投与26週時:1.58~4.68μmol/L)及びデオキシコール酸(投与前:0.00~0.13μmol/L、投与26週時:0.05~3.52μmol/L)濃度が増加した。
16.2 吸収
コール酸は、胆汁酸トランスポーターであるIBAT及び受動輸送により、主に回腸末端部より吸収され、NTCP等を介して肝臓に取り込まれる。肝臓においてアミノ酸抱合されたコール酸は主にBSEPにより胆汁中に排泄され、小腸内へと分泌された後、回腸末端部において再吸収される(腸肝循環)。
16.3 分布
コール酸及びタウロコール酸のヒト血清におけるタンパク結合率は90~95%(血清中コール酸として0.31μmol/L未満)及び46~49.5%(血清中タウロコール酸として0.12~0.72μmol/L)であった。
16.4 代謝
コール酸は、肝臓においてbile acid‐CoA synthase、bile acid‐CoA amino acid N‐acetyltransferase等によりアミノ酸(タウリン又はグリシン)抱合される。小腸内へ分泌された後、回腸末端部から再吸収されなかったアミノ酸抱合型コール酸(タウロコール酸、グリココール酸)は、腸内細菌によるアミノ酸の脱抱合、脱水酸化によってデオキシコール酸へと変換される。
16.5 排泄
腸管から吸収されなかった胆汁酸(コール酸及びデオキシコール酸等)は糞中へと排泄される。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フェノバルビタール
外国人健康成人4例を対象に、フェノバルビタール60mgを1日4回、最大18日間反復投与したとき、コール酸のプールサイズ及び合成速度はフェノバルビタール投与前と比較して増加した。[10.2参照]
表1 外国人健康成人4例のフェノバルビタール投与前後におけるコール酸のプールサイズ及び合成速度
→図表を見る(PDF)
16.7.2 シクロスポリン
ラットにシクロスポリン(0.1~10mg/kg)又はクレモフォール油を1日1回4日間反復投与したとき、シクロスポリンは、コール酸、タウロコール酸及びデオキシコール酸の血清中濃度を用量依存的に増加させた。ラット肝スライスを用いたin vitro試験の結果、シクロスポリンは、コール酸の肝臓内への取込みを阻害し、コール酸及びアミノ酸抱合型コール酸の肝臓からの排出を阻害すると考えられた。[10.2参照]
16.7.3 ウルソデオキシコール酸
回腸瘻を施した外国人被験者8例を対象に、ウルソデオキシコール酸500mgを単回経口投与したとき、投与後8時間までの回腸におけるコール酸量(平均値±標準誤差)は、ウルソデオキシコール酸投与前で327±91μmol、投与後で517±96μmolと増加した。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
先天性胆汁酸代謝異常症患者4例(Δ4‐3‐oxoR欠損症及び3β‐HSD欠損症各2例)を対象に、本剤5~15mg/kg/日(1日投与量として50mg~500mg)を1日1~2回に分けて食事と共に、74週間経口投与した。
主な有効性の評価項目は表2のとおりであった。なお、4例全例が本剤投与開始前までケノデオキシコール酸による治療を受けていた症例であった。
表2 尿中及び血清中異常代謝産物並びに肝機能検査値の推移
→図表を見る(PDF)
認められた副作用は低カルシウム血症1例であった。
18.1 作用機序
先天性胆汁酸代謝異常症の患者では、コレステロールから胆汁酸に代謝されるまでの生合成経路におけるいずれかの酵素の欠損により、胆汁酸の生成まで反応が進まず、毒性の強い中間代謝産物(異常胆汁酸等)が蓄積されることにより肝機能障害が生じる。また、コール酸の不足により、胆汁酸生合成経路の律速酵素であるcholesterol 7α‐hydroxylase(CYP7A1)に対する負のフィードバック制御が機能せず、胆汁酸生合成経路が亢進し、異常な中間代謝産物がさらに増加する。本剤の経口投与は、肝臓においてCYP7A1をダウンレギュレーションさせ、異常な中間代謝産物の産生を抑制する。さらに、胆汁流量を増加させ、異常な中間代謝産物やビリルビン等の肝クリアランスを促進する。また、コール酸の不足により吸収が低下する脂溶性ビタミンと脂肪の吸収を促進する。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- レクメド
- 販売会社
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