アルギU点滴静注20g
添付文書情報2023年10月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- アルギナーゼ欠損症の患者[アルギニン血症を増悪させる]。
- 効能・効果
- 次記疾患における高アンモニア血症の急性増悪において経口製剤により調節不能な場合の緊急的血中アンモニア濃度の低下:先天性尿素サイクル異常症[カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(シトルリン血症)、アルギニノコハク酸分解酵素欠損症(アルギニノコハク酸尿症)]又はリジン尿性蛋白不耐症。
(効能又は効果に関連する注意)
原則として、診断が確定し、アルギニン製剤等の補助療法により治療が行われている患者に投与する。ただし、先天性尿素サイクル異常症が予測される患者で緊急に投与する場合は、血中アンモニア濃度、自他覚症状を参考にしながら投与する。
- 用法・用量
- 通常、1日量として、体重1kg当たり2~10mLを1時間以上かけて点滴静注する。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤により高アンモニア血症の改善がみられなかった場合、腹膜透析、血液透析あるいは交換輸血等の治療も行い適切な併用処置を講ずること。
8.2. 塩酸塩を大量に投与することにより高クロール性アシドーシスになることがあるので、血液pH等を観察し、投与すること(なお、アシドーシスの可能性がある場合は本剤の投与を中止し、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ化剤を投与する等の適切な処置を講ずること)〔9.1.1参照〕。
9.1.1. 高クロール性アシドーシスの患者:本剤に含まれるクロールによりアシドーシスが悪化するおそれがある〔8.2参照〕。
9.1.2. 気管支喘息の患者:症状が一時的に悪化することがある。
腎機能障害患者:アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹。
2). 消化器:(頻度不明)一過性嘔気。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 全般的な注意針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと(斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある)、また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
14.2.2. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと(輸液セット内に空気が流入するおそれがある)。
14.2.3. 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.2.4. 残液は使用しないこと。
20.1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
20.2. 次の場合には使用しないこと。
・ 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合には使用しないこと。
・ 容器から薬液が漏れている場合には使用しないこと。
・ 性状その他薬液に異状が認められる場合には使用しないこと。
・ ゴム栓部のシールがはがれている場合には使用しないこと。
16.1 血中濃度
健康成人(外国人8名)にL‐アルギニン塩酸塩を3、9、15及び21mg/kg/minの投与速度で30分間静脈内に持続投与したとき、投与終了後のアルギニンの血清中濃度はそれぞれ1.17、3.44、6.84及び9.25mmol/Lであった。代謝クリアランスは10.6~12.8mL/min/kgであり、消失半減期は15mg/kg/min以下の投与速度で約15分、分布容積は約290mL/kgであったが、21mg/kg/minの投与速度では約27分及び466mL/kgと増加した。
16.5 排泄
マウスにアミジン基を標識した14C‐アルギニン塩酸塩を500mg/kgの用量で静脈内投与した場合、尿中には投与後3時間までに54%、投与後24時間までに74%の放射能が排泄され、呼気中には投与後24時間までに8.3%、糞中には投与後48時間までに0.53%の放射能が排泄された。また、投与後24時間までに排泄された尿中代謝物は、尿素75%、その他の代謝物16%、未変化のアルギニン9%であったとの報告がある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
先天性尿素サイクル異常症7例(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症4例、アルギニノコハク酸尿症1例、リジン尿性蛋白不耐症2例)を対象とした一般臨床試験において、1日当たり3~10mL/kg注)を1時間以上かけて静脈内投与した。血中アンモニア濃度、血中アルギニン濃度及び自他覚症状等の経時的変化をみた有効率(「有効」以上)は71.4%(5/7例)であった。副作用は認められなかった。
注)承認用量は2~10mL/kgである。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内使用成績調査
使用成績調査において、血中アンモニア値総合改善度は91.7%(33/36例)、総合全般改善度は86.5%(32/37例)であった。安全性解析対象症例54例の副作用発現頻度は5.6%(3/54例)で、その内訳は高アンモニア血症、皮膚潰瘍、血中尿素増加、各1例であった。
18.1 作用機序
尿素サイクルではオルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸、アルギニンの4種類のアミノ酸が酵素を利用しサイクルを形成している。
アルギナーゼ欠損症を除く尿素サイクル異常症については、基質であるアルギニンを外部から補充することにより、残存酵素が活性化され、部分的に欠損している尿素サイクルが円滑に回転して、尿中排泄性の高い尿素、シトルリン、アルギニノコハク酸による窒素排泄が促進され、血中アンモニアが減少する。
18.2 血中アンモニア濃度の上昇抑制
カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、シトルリン血症及びアルギニノコハク酸尿症の患者において蛋白制限治療とともにアルギニンを投与した結果、臨床症状の改善、血中アンモニア及びグルタミン濃度の低下、尿素生成量の増加並びに尿中オロト酸排泄量の減少などの生化学的指標の改善が認められている。
18.3 アンモニア代謝促進
18.3.1 ラット肝ホモジネートあるいは単離ミトコンドリアを用いたin vitroでのオルニチントランスカルバミラーゼ及びカルバミルリン酸合成酵素活性に対するアルギニン添加試験において、いずれの酵素活性も有意に上昇させることが認められた。
18.3.2 ラット及びマウスの肝ミトコンドリアを用いたin vitro試験において、アルギニンがN‐アセチルグルタミン酸合成酵素活性を亢進することが認められた。
- 製造販売会社
- エイワイファーマ
- 販売会社
- EAファーマ
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