ケブザラ皮下注150mgオートインジェクター

添付文書情報2023年02月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 感染症本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的経過をたどることがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと〔2.1、8.4、8.5、9.1.1、11.1.1参照〕。
1.2. 治療開始に際しては、重篤な感染症等の副作用があらわれることがあること及び本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含めて患者に十分説明し、理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。
1.3. 本剤の治療を行う前に、関節リウマチの既存治療薬の使用を十分勘案すること〔5.1参照〕。
1.4. 本剤についての十分な知識と関節リウマチ治療の知識・経験をもつ医師が使用
すること。
- 禁忌
- 2.1. 重篤な感染症を合併している患者[感染症が悪化するおそれがある]〔1.1、8.4、8.5、9.1.1、11.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔8.7、9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 既存治療で効果不十分な関節リウマチ。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること〔1.3参照〕。
- 用法・用量
- 通常、成人にはサリルマブ(遺伝子組換え)として1回200mgを2週間隔で皮下投与する。なお、患者の状態により1回150mgに減量すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 好中球数異常、血小板数異常又は肝機能検査値異常が認められた場合は、減量を考慮すること〔8.10、8.11、9.1.7、9.3肝機能障害患者の項、11.1.2、11.1.6参照〕。
7.2. 本剤による治療反応は、通常投与開始から12週までには得られるため、12週までに治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.3. 本剤と他の抗リウマチ生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、適切な薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬等)や緊急処置を直ちに実施できるようにしておくこと〔11.1.4参照〕。
8.2. 本剤投与により、投与時反応(発熱、悪寒、嘔気、嘔吐、頭痛、発疹等)が発現する可能性があるため、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は、適切な処置を行うこと。
8.3. 本剤投与後、注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位そう痒感、注射部位血腫、注射部位腫脹、注射部位出血、注射部位疼痛等)が発現することが報告されていることから、投与にあたっては、注射部位反応の発現に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと〔14.2.1参照〕。
8.4. 感染症を合併している患者に本剤を投与することにより、感染症が重篤化するおそれがあるため、次記の点に留意すること〔1.1、2.1、8.5、9.1.1、11.1.1参照〕。
・ 投与開始に際しては、肺炎等の感染症の有無を確認すること。なお、関節リウマチの臨床症状(発熱、倦怠感、リンパ節腫脹等)は感染症の症状と類似しているため、鑑別を十分に行うこと。
8.5. 本剤投与により、急性期反応(発熱、CRP増加等)、感染症状が抑制され、感染症発見が遅れる可能性があるため、急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数を定期的に測定し、白血球数変動、好中球数変動及び喘鳴、咳嗽、咽頭痛等の症状から感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し適切な処置を行うこと。また、呼吸器感染のみならず皮膚感染や尿路感染等の自他覚症状についても注意し、異常がみられる場合には、速やかに担当医師に相談するよう患者を指導すること〔1.1、2.1、8.4、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.6. 抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.3参照〕。
8.7. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診(結核の既往歴、結核患者との濃厚接触歴等)及び胸部X線検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
本剤投与中は、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに担当医師に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与せず、結核の治療を優先すること〔2.2、9.1.2参照〕。
8.8. 本剤投与中は、生ワクチン接種により感染するおそれがあるので、生ワクチン接種は行わないこと。
8.9. 総コレステロール値増加、トリグリセリド値増加、LDLコレステロール値増加等の脂質検査値異常があらわれることがあるので、投与開始3ヵ月後を目安に、以後は必要に応じて脂質検査を実施し、臨床上必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。
8.10. 無顆粒球症、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること〔7.1、11.1.2参照〕。
8.11. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること〔7.1、11.1.6参照〕。
8.12. 他の抗リウマチ生物製剤から本剤に切り替える際には、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.13. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。
自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。また、自己投与適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者に指導を行うこと。
さらに、使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>を合併している患者又は感染症が疑われる患者:感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること(感染症が悪化するおそれがある)〔1.1、2.1、8.4、8.5、11.1.1参照〕。
9.1.2. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部X線上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者〔2.2、8.7参照〕。
(1). 結核の既感染者では、結核を活動化させる可能性が否定できない。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤の投与開始前に適切に抗結核薬を投与すること[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている〔8.6参照〕。
9.1.4. 易感染性の状態にある患者:投与を避けることが望ましく、なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと(日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある)。
9.1.5. 間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎が増悪又は再発することがある)〔11.1.5参照〕。
9.1.6. 腸管憩室のある患者〔11.1.3参照〕。
9.1.7. 白血球減少、好中球数減少又は血小板減少のある患者:白血球減少、好中球数減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある〔7.1、11.1.2参照〕。
肝機能障害患者:トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと〔7.1、11.1.6参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). CYP3A4基質(経口避妊薬、シンバスタチン、ミダゾラム等)[CYP3A4基質の薬剤の血中濃度が減少するおそれがある(リウマチ患者ではIL-6値の上昇に伴いCYP活性が下方制御を受け、CYPにより代謝を受ける薬剤の血中濃度が上昇するが、本剤などのIL-6Rα受容体阻害剤によりIL-6シグナル伝達が抑制されると、CYP活性が非炎症状態のレベルに回復し、その結果、CYPにより代謝を受ける薬剤の血中濃度が減少する可能性がある)]。
2). 肝機能障害を起こす可能性のある薬剤〔11.1.6参照〕[肝機能障害があらわれるおそれがある(機序不明)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 感染症:蜂巣炎(1.2%)、肺炎(0.6%)、憩室炎(頻度不明)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的経過をたどることがある〔1.1、2.1、8.4、8.5、9.1.1参照〕。
11.1.2. 無顆粒球症(頻度不明)、白血球減少症(1.8%)、好中球減少症(12.3%)、血小板減少症(2.8%)〔7.1、8.10、9.1.7参照〕。
11.1.3. 腸管穿孔:消化管穿孔(頻度不明)が報告されており、本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと〔9.1.6参照〕。
11.1.4. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅等があらわれることがあるので、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること(また、投与終了後も症状のないことを確認すること)〔8.1参照〕。
11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかにCT及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと〔9.1.5参照〕。
11.1.6. 肝機能障害:AST上昇(1.2%)、ALT上昇(3.4%)等の肝機能障害があらわれることがある〔7.1、8.11、9.3肝機能障害患者の項、10.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(5%以上)鼻咽頭炎、(1~5%未満)上気道感染、口腔ヘルペス、(1%未満)尿路感染。
2). 代謝:(1~5%未満)高コレステロール血症、(1%未満)高トリグリセリド血症。
3). 肝臓:(1~5%未満)肝機能異常、ALT増加。
4). 循環器:(1~5%未満)高血圧。
5). 消化器:(5%以上)口内炎。
6). その他:(5%以上)注射部位紅斑、(1~5%未満)注射部位そう痒感。
- 高齢者
- 十分な観察を行い、感染症等の副作用に留意すること(高齢者において重篤な有害事象の発現率の上昇が認められている、一般に生理機能(免疫機能等)が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はIgG1モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 投与に先立ち、室温に戻しておくこと。
14.1.2. 溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。
14.1.3. 投与直前まで本剤の注射針のキャップを外さない(キャップを外したら直ちに投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 注射部位反応が報告されているので、投与毎に注射部位を変えること。
注射部位は、腹部、大腿部又は上腕部を選び、同一箇所へ繰り返し注射することは避け、新たな注射部位は前回の注射部位から少なくとも3cm離すこと〔8.3参照〕。
14.2.2. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発疹・発赤・硬結等>には注射しないこと。
14.2.3. 他の薬剤と混合しないこと。
14.2.4. 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 国内のプラセボ対照第2/3相臨床試験では、投与開始後24週までに抗サリルマブ抗体は本剤200mg+メトトレキサート投与群、本剤150mg+メトトレキサート投与群及びプラセボ+メトトレキサート投与群でそれぞれ1.3%(1/80)、1.2%(1/81)、1.2%(1/81)で持続的に認められ、そのうち中和抗体は本剤200mg+メトトレキサート投与群1.3%(1/80)に認められた。海外試験併合安全性集団では、抗サリルマブ抗体は本剤200mg+DMARDs投与群、本剤150mg+DMARDs投与群及びプラセボ+DMARDs投与群でそれぞれ4.0%(24/607)、5.6%(34/607)、2.0%(12/608)で持続的に認められ、そのうち中和抗体はそれぞれ1.0%(6/607)、1.6%(10/607)、0.2%(1/608)に認められた。抗サリルマブ抗体形成は本剤の薬物動態に影響を及ぼす可能性が示唆された。
15.1.2. 海外試験併合安全性集団における曝露期間で調整した非黒色腫皮膚癌を含む全悪性腫瘍の発現率は、サリルマブ200mg併用群0.9件/100人年、サリルマブ150mg併用群1.1件/100人年及びプラセボ群1.0件/100人年、非黒色腫皮膚癌を除く全悪性腫瘍の発現率は、サリルマブ200mg併用群0.5件/100人年、サリルマブ150mg併用群1.1件/100人年及びプラセボ群0.3件/100人年であった。
DMARDs併用長期安全性集団では、全悪性腫瘍の発現率は0.8件/100人年であり、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の発現率は0.5件/100人年であった。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人関節リウマチ患者にサリルマブ150mg(単剤投与)又は200mg(メトトレキサート併用投与)を単回皮下投与した。血清中サリルマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示した。
日本人関節リウマチ患者にサリルマブ150mg又は200mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移(平均値+SD)
日本人関節リウマチ患者にサリルマブ150mg又は200mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
日本人関節リウマチ患者にメトトレキサート併用下でサリルマブ150mg又は200mgを2週に1回皮下投与したとき、24週時までの血清中サリルマブのトラフ濃度推移を次に示した。初回投与24週後の血清中サリルマブ濃度は16.1±10.6mg/L(150mg皮下投与、67例)及び30.5±16.9mg/L(200mg皮下投与、57例)であった。
日本人関節リウマチ患者にサリルマブ150mg又は200mgを2週に1回反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度推移(平均値+SD)(150mg:67-81例、200mg:57-80例)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 薬物代謝酵素に関わる相互作用
シンバスタチンはCYP3A4代謝を受ける基質である。17名の外国人関節リウマチ患者に本剤200mg単回皮下投与後の1週後にシンバスタチンを投与したとき、シンバスタチン及びシンバスタチン酸の曝露量はそれぞれ45%及び36%減少した。(外国人データ)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第2/3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)
メトトレキサートにより十分な効果が得られなかった関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート併用下で実施したプラセボ対照二重盲検比較試験における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)注1)を次に示す。24週時のACR20改善率は、プラセボ群14.8%に対し、本剤150mg q2w群67.9%及び200mg q2w群57.5%といずれも有意に高かった(P<0.0001注2))。
24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)-(国内臨床試験:MTX併用試験)
→図表を見る(PDF)
注1)ACRコアセットのうち、圧痛関節数及び腫脹関節数ともにそれぞれ20%、50%、70%以上改善し、またその他の5評価項目のうち3項目以上で20%、50%、70%以上改善した症例の割合。
注2)生物学的製剤治療歴の有無及び体重(55kg未満、55kg以上)を考慮したMantel‐Haenszelの方法による推測
投与24週時までの副作用は、本剤150mg q2w群81例中42例(51.9%)、本剤200mg q2w群80例中39例(48.8%)及びプラセボ群81例中22例(27.2%)にみられた。主な副作用としては、本剤150mg q2w群、200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎9例(11.1%)/3例(3.8%)、好中球減少症6例(7.4%)/9例(11.3%)、注射部位紅斑6例(7.4%)/7例(8.8%)、肝機能異常5例(6.2%)/6例(7.5%)、注射部位そう痒感4例(4.9%)/4例(5.0%)がみられた。投与52週時までの副作用は、本剤150mg q2w群では81例中57例(70.4%)に、本剤200mg q2w群では80例中47例(58.8%)にみられた。本剤の主な副作用として、本剤150mg q2w群及び200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎15例(18.5%)/6例(7.5%)、好中球減少症10例(12.3%)/9例(11.3%)、注射部位紅斑7例(8.6%)/7例(8.8%)、肝機能異常7例(8.6%)/5例(6.3%)、注射部位そう痒感5例(6.2%)/4例(5.0%)がみられた。
17.1.2 国内第3相二重盲検試験(メトトレキサート以外のDMARDs併用又は単剤投与試験)
関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート以外のDMARDs併用下で本剤を投与したとき、又は本剤を単剤投与したときの安全性及び有効性を検討した二重盲検試験における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)を次に示す。
24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)-(国内臨床試験:MTX以外のDMARDs併用又は単剤投与試験)
→図表を見る(PDF)
投与52週までの副作用は、単剤投与時で150mg q2w群30例中18例(60.0%)及び200mg q2w群31例中23例(74.2%)に、DMARDs併用投与時で150mg q2w群及び200mg q2w群ともに、それぞれ15例中9例(60.0%)にみられた。主な副作用として、単剤投与時で本剤150mg q2w群及び200mg q2w群に、それぞれ鼻咽頭炎4例(13.3%)/6例(19.4%)、高コレステロール血症0例/2例(6.5%)、注射部位紅斑1例(3.3%)/6例(19.4%)、口内炎3例(10.0%)/4例(12.9%)、好中球減少症1例(3.3%)/3例(9.7%)、好中球数減少2例(6.7%)/1例(3.2%)及び肝機能異常0例/2例(6.5%)、DMARDs併用投与時では本剤150mg q2w群/200mg q2w群で好中球減少症5例(33.3%)/3例(20.0%)がみられた。
17.1.3 海外第3相プラセボ対照二重盲検比較試験(メトトレキサート併用試験)
メトトレキサートにより十分な効果が得られなかった関節リウマチ患者を対象にメトトレキサート併用下で実施したプラセボ対照二重盲検比較試験(MOBILITY)における24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)を次に示す。24週時のACR20改善率は、プラセボ群33.4%に対し、本剤150mg q2w群58.0%及び200mg q2w群66.4%といずれも有意に高かった(P<0.0001注4))。
24週時のACR改善率(ACR20、ACR50、ACR70)-(海外臨床試験:MTX併用試験MOBILITY Part‐B)
→図表を見る(PDF)
注4)生物製剤治療歴の有無及び地域を考慮したMantel‐Haenszelの方法による推測
16週時のHAQ‐DIのベースラインからの変化量は、プラセボ群-0.29±0.028(最小二乗平均値±SE注6))に対し、本剤150mg q2w群-0.53±0.029及び200mg q2w群-0.55±0.029といずれも有意に高かった(P<0.0001注6))。
注6)HAQ‐DIのベースライン値、投与群、生物学的製剤治療歴の有無、地域、時点、及び投与群と時点の交互作用を用いたmixed model repeated measures(MMRM)による解析
投与52週間までの副作用は、本剤150mg q2w群431例中164例(38.1%)、本剤200mg q2w群424例中197例(46.5%)及びプラセボ群427例中102例(23.9%)にみられた。主な副作用として、本剤150mg q2w群、200mg q2w群に、それぞれ好中球減少症36例(8.4%)/52例(12.3%)、注射部位紅斑24例(5.6%)/27例(6.4%)、ALT増加24例(5.6%)/25例(5.9%)がみられた。
18.1 作用機序
IL‐6高値は関節リウマチ患者の滑液にみられ、関節リウマチの特徴である病的炎症及び関節破壊の両方に重要な役割を果たしている。IL‐6は、関節リウマチ患者の全身性炎症、滑膜炎及び骨びらんにつながるT細胞、B細胞、単核細胞及び破骨細胞の遊走や活性化などの多様な生理的プロセスに関与している。
本剤は可溶性及び膜結合型IL‐6受容体αサブユニット(IL‐6Rα)に特異的に結合し、IL‐6を介するシグナル伝達を阻害する。
18.2 薬理作用
18.2.1 IL‐6受容体に対する結合
・本剤のヒトIL‐6Rαに対するKD値は54pmol/Lであった。
18.2.2 IL‐6受容体を介したシグナル伝達阻害作用
・本剤はIL‐6刺激による細胞のシグナル伝達を阻害し、B細胞株の増殖を抑制した(シス‐シグナリング阻害)。
・本剤はIL‐6/可溶型IL‐6Rαによるgp130発現/IL‐6Rα非発現細胞のシグナル伝達を阻害した(トランス‐シグナリング阻害)。
18.2.3 エフェクター活性に対する影響
・本剤はFcエフェクター活性を示さず、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導しなかった。
18.2.4 抗炎症作用
・ヒトIL‐6とヒトIL‐6Rαを共発現するトランスジェニックマウスにおいて、本剤はテレビン油誘発炎症モデルの血清アミロイドA上昇を抑制した。
・野生型マウスの試験で、マウスIL‐6Rαに対するマウス相同抗体は、テレビン油誘発炎症モデルの血清アミロイドA上昇を抑制し、コラーゲン誘発関節炎モデルの炎症及び骨侵食を抑制した。
- 製造販売会社
- サノフィ
- 販売会社
- 旭化成ファーマ
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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