ジョイクル関節注30mg
添付文書情報2022年04月改定(第4版)
商品情報
- 警告
- 本剤投与により重篤なショック、アナフィラキシーが発現することがあるので、本剤は、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与し、投与後も十分な観察を行うこと〔8.1、11.1.1参照〕。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分、ジクロフェナクナトリウム及びヒアルロン酸ナトリウムに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者〔9.1.2参照〕。
- 効能・効果
- 変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症)。
- 用法・用量
- 通常、成人1回1シリンジ(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウムとして1回30mg)を4週間ごとに関節腔内に投与する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤投与により重篤なショック、アナフィラキシーが発現することがあるので、投与に際しては、緊急処置を取れる準備をすること。投与中及び投与後は患者の状態を十分に観察すること。
また、ショック、アナフィラキシーが発現する可能性があること、及びその徴候や症状について患者又は家族等に十分に説明し、異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう、患者等を指導すること〔1.警告の項、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の投与により、ときに局所痛があらわれることがあるので、投与後の局所安静などを患者に指示すること。
8.3. 本剤が関節腔外に漏れると疼痛を起こすおそれがあるので、関節腔内に確実に投与すること。
8.4. 投与関節の炎症が著しい又は関節液貯留が著しい場合は、本剤の投与により局所炎症症状悪化を招くおそれがあるので、炎症症状を抑えてから本剤を投与することが望ましい。
9.1.1. 投与関節部に皮膚疾患又は投与関節部に感染のある患者:関節内感染を誘発するおそれがある。
9.1.2. 気管支喘息<アスピリン喘息又はその既往歴を除く>のある患者:アスピリン喘息でないことを十分に確認すること(気管支喘息患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重症喘息発作を誘発するおそれがある)〔2.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ニューキノロン系抗菌剤(ノルフロキサシン、シプロフロキサシン等)[痙攣を起こすおそれがあるので、痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う(ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性消炎鎮痛剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(0.4%)〔1.警告の項、8.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 神経系障害:(0.1%~1%未満)頭痛、振戦。
2). 心臓障害:(0.1%~1%未満)動悸。
3). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.1%~1%未満)呼吸困難。
4). 胃腸障害:(0.1%~1%未満)悪心、嘔吐。
5). 皮膚および皮下組織障害:(頻度不明)蕁麻疹、皮膚そう痒症、発疹、紅斑、血管性浮腫。
6). 筋骨格系および結合組織障害:(0.1%~1%未満)筋骨格痛、筋肉痛、四肢不快感。
7). 一般・全身障害および投与部位の状態:(1%~5%未満)注射部位関節痛、(0.1%~1%未満)倦怠感、発熱、注射部位関節腫脹。
8). 臨床検査:(0.1%~1%未満)γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝機能検査異常。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、本剤を単回膝関節腔内投与したラットにおいて、胎盤・胎仔移行性が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のラットにおける単回膝関節腔内投与時に乳汁中への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 本剤を箱又はブリスター包装の状態で冷蔵庫から取り出し、遮光下で室温に戻してから投与すること。
14.1.2. 関節液の貯留があるときには、必要に応じ穿刺により排液すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は関節腔内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。
14.2.2. 本剤は粘稠なため、22~23G程度の注射針を用いて投与することが望ましい。
14.2.3. 注射針をルアーロックにしっかり固定すること。
14.2.4. ブリスター包装を開封後は速やかに使用すること。
14.3. 薬剤投与後の注意14.3.1. 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
20.1. 外箱開封後は、遮光して保存すること。
20.2. ブリスター包装が開封していたり、破損している場合、又はシリンジにひび・破損等の異常が認められるときは使用しないこと。
16.1 血中濃度
健康成人(6例)に本剤30mgを単回膝関節腔内投与したときの血漿中ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム及びジクロフェナクの薬物動態パラメータは次のとおりであった(日本人データ)。
薬物動態パラメータ(6例)
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
ウサギに14C‐ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム5mgを単回膝関節腔内投与したとき、放射能は速やかに膝関節組織に分布した。
16.4 代謝
ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウムは、主にジクロフェナクの遊離とヒアルロン酸の低分子化により代謝される。
健康成人(6例)に本剤60mg注)を単回膝関節腔内投与したとき、主な血漿中代謝物は低分子化したヒアルロン酸が結合しているジクロフェナク、ジクロフェナク及びその類縁体(代謝物)であった(外国人データ)。
注)承認を受けた用法及び用量:30mgを4週間ごとに関節腔内に投与
16.5 排泄
健康成人(6例)に本剤30mgを単回膝関節腔内投与したとき、投与されたジクロフェナクの2.8%が、投与後7日までにジクロフェナク又は低分子化したヒアルロン酸が結合しているジクロフェナク等として尿中に排泄された(日本人データ)。
ラットに14C‐ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム0.5mgを単回膝関節腔内投与したとき、投与後70日までの尿中及び糞中への放射能排泄率は、それぞれ52.5%及び43.0%であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(613/1031試験)
変形性関節症(膝関節)の患者440例を対象に無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施し、本剤30mgを膝関節腔内に4週間ごとに繰り返し投与したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるWOMAC painスコア(100mmVAS)の初回投与後12週間の平均のベースラインからの変化量はプラセボ-17.1mm、本剤-23.2mmであった。群間差は-6.1mm[95%信頼区間:-9.4、-2.8mm]であり、プラセボに対する本剤の優越性が検証された(p<0.001)。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、4.1%(9/220例)であり、主に認められた副作用は、注射部位関節痛1.8%(4/220例)であった。
重篤な副作用として、アナフィラキシーショック及びアナフィラキシー反応が各0.5%(1/220例)認められた。
17.1.2 国内第III相試験(613/1033試験)
変形性関節症(肩注)、肘注)、股、足関節注))の患者290例を対象に無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施し、本剤30mgを対象関節腔内に4週間ごとに3回投与したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である被験者日誌による対象部位の痛みスコア(11points NRS)の初回投与後12週間の平均のベースラインからの変化量の群間差[95%信頼区間]は、股関節で-0.81[-1.48、-0.13]であり、群間差の点推定値が0を下回った。
注)承認を受けた効能又は効果:変形性関節症(膝関節、股関節)
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、4.1%(6/146例)であり、主に認められた副作用は、倦怠感1.4%(2/146例)であった。
18.1 作用機序
本剤は、滑膜細胞での高分子量ヒアルロン酸の産生促進、軟骨細胞でのマトリックスメタロプロテアーゼの産生抑制及びシクロオキシゲナーゼ阻害によるプロスタグランジン類の産生抑制を介して、変形性関節症の臨床症状を改善すると考えられる。
18.2 疼痛抑制作用
関節疼痛モデルラットにおいて、炎症足への荷重負荷の増加及び歩行状態の改善が認められた。
18.3 抗炎症作用
関節炎モデルラットにおいて、関節腫脹の軽減が認められ、また関節炎モデルウサギにおいて、関節液中のプロスタグランジンE2濃度の低下が認められた。
18.4 関節軟骨に対する作用
IL‐1で刺激した正常ヒト軟骨細胞において、マトリックスメタロプロテアーゼの産生抑制が認められた(in vitro)。
18.5 滑膜に対する作用
変形性関節症患者由来の滑膜細胞において、高分子量ヒアルロン酸の産生亢進が認められた(in vitro)。
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