注射用メソトレキセート5mg

添付文書情報2023年06月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 〈M-VAC療法〉M-VAC療法は毒性を有する薬剤の併用療法であるので、緊急時に十分対応できる医療施設において、癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ本療法を実施すること(また、各併用薬剤の電子添文を参照して適応患者の選択に十分注意すること)。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 肝障害のある患者〔9.3肝機能障害患者の項参照〕。
2.3. 腎障害のある患者〔9.2腎機能障害患者の項参照〕。
2.4. 胸水、腹水等のある患者[胸水、腹水等に長時間貯留して毒性が増強されることがある]。
- 効能・効果
- 〈メトトレキサート通常療法〉
次記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解:1)急性白血病、2)慢性リンパ性白血病、3)慢性骨髄性白血病、4)絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)。
〈CMF療法〉
乳癌。
〈M-VAC療法〉
尿路上皮癌。
- 用法・用量
- 〈メトトレキサート通常療法〉
本剤は静脈内、髄腔内又は筋肉内に注射する。
また、必要に応じて動脈内又は腫瘍内に注射する。
・ 急性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病
メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として、1週間に3~6回注射する。
幼児1.25~2.5mg。
小児2.5~5mg。
成人5~10mg。
白血病の髄膜浸潤による髄膜症状(髄膜白血病)には、1回の注射量を体重1kg当たり0.2~0.4mgとして、髄腔内に2~7日ごとに1回注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
・ 絨毛性疾患
1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10~30mgを注射する。休薬期間は通常、7~12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈CMF療法〉
シクロホスファミド及びフルオロウラシルとの併用において、メトトレキサートとして、通常、成人1回40mg/㎡を静脈内注射する。前回の投与によって副作用があらわれた場合は、減量するか又は副作用が消失するまで休薬する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
標準的な投与量及び投与方法は、シクロホスファミドを1日量として65mg/㎡を14日間連日経口投与、メトトレキサートを1日量として40mg/㎡を第1日目と第8日目に静脈内投与、及びフルオロウラシルを1日量として500mg/㎡を第1日目と第8日目に静脈内投与する。これを1クールとして4週ごとに繰り返す。
〈M-VAC療法〉
ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、メトトレキサートとして、通常、成人1回30mg/㎡を静脈内注射する。前回の投与によって副作用があらわれた場合は、減量するか又は副作用が消失するまで休薬する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
標準的な投与量及び投与方法は、治療1、15及び22日目にメトトレキサート30mg/㎡、治療2、15及び22日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/㎡、治療2日目にドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/㎡及びシスプラチン70mg/㎡を静脈内投与する。これを1クールとして4週ごとに繰り返す。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 骨髄機能抑制、肝機能障害・腎機能障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと〔11.1.2、11.1.4、11.1.5参照〕。
8.2. 出血性腸炎、消化管潰瘍・消化管出血等の消化管障害があらわれることがあるので、口内炎、激しい腹痛、嘔吐、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること〔11.1.8参照〕。
8.3. 感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意すること。また、患者に対し発熱、倦怠感があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること〔11.1.3参照〕。
8.4. 免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
8.5. 本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.4、11.1.4参照〕。
9.1.1. 骨髄機能抑制のある患者:骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.2. 感染症を合併している患者:骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある〔11.1.3参照〕。
9.1.3. 水痘患者:致命的全身障害があらわれることがある。
9.1.4. B型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者:B型肝炎ウイルスキャリアの患者及びB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること(重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。またB型肝炎ウイルスキャリアの患者の場合、本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている)〔8.5、11.1.4参照〕。
腎機能障害患者:投与しないこと(本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.3参照〕。
肝機能障害患者:投与しないこと(肝障害を増悪させるおそれがある)〔2.2参照〕。
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること〔9.7小児等の項参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害等>が増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている)]。
2). スルホンアミド系薬剤、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、フェニトイン、バルビツール酸誘導体[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる)]。
3). スルファメトキサゾール・トリメトプリム[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている)]。
4). ペニシリン(ピペラシリン等)、プロベネシド[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている)]。
5). シプロフロキサシン[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている)]。
6). レフルノミド[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている)]。
7). プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ラベプラゾール、ランソプラゾール等)[メトトレキサートの副作用<骨髄抑制・肝・腎・消化管障害・血液障害等>増強されることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行い、また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること(機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある)]。
8). ポルフィマーナトリウム[光線過敏症を起こすことがある(ポルフィマーナトリウムは光感受性を高める作用があるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する)]。
9). 放射線療法[軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある(機序不明)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。骨髄抑制、肝機能障害、粘膜障害・消化管障害等の細胞毒性に起因する副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):冷感、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。
11.1.2. 骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制、再生不良性貧血があらわれることがある〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 感染症(頻度不明):呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、抗生剤、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.3、9.1.2参照〕。
11.1.4. 劇症肝炎、肝不全(いずれも頻度不明):劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・肝組織の線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型肝炎ウイルスによる肝障害又はC型肝炎ウイルスによる肝障害を含む)があらわれることがある〔8.1、8.5、9.1.4参照〕。
11.1.5. 急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー(いずれも頻度不明):急性腎障害、尿細管壊死、重症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.6. 間質性肺炎、肺線維症、胸水(いずれも頻度不明):間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 出血性腸炎、壊死性腸炎(いずれも頻度不明):出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.9. 膵炎(頻度不明)。
11.1.10. 骨粗鬆症(頻度不明):骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.11. 脳症(白質脳症を含む)、その他の中枢神経障害、ギランバレー症候群(いずれも頻度不明):脳症(白質脳症を含む)、その他の中枢神経障害(痙攣、麻痺、失語、認知症、昏睡)、ギランバレー症候群があらわれることがある。
11.1.12. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉①. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒、発熱。
②. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉血液:(頻度不明)出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹。
③. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉肝臓:(頻度不明)黄疸、脂肪肝、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇。
④. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉腎臓:(頻度不明)血尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。
⑤. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉消化器:(頻度不明)消化管潰瘍・消化管出血、口内炎、腹痛、下痢、食欲不振、嘔気・嘔吐、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹。
⑥. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉皮膚:(頻度不明)光線過敏症、紅斑、皮膚色素沈着、皮膚色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、脱毛、結節、皮膚潰瘍。
⑦. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉精神神経系:(頻度不明)頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚。
⑧. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難。
⑨. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉生殖器:(頻度不明)無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産。
⑩. 〈メトトレキサート通常療法、M-VAC療法〉その他:(頻度不明)膀胱炎、倦怠感、耳下腺炎、結膜炎、低蛋白血症、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫、悪寒。
メトトレキサート通常療法、M-VAC療法においては、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
2). 〈CMF療法〉①. 〈CMF療法〉過敏症:(5%未満)発熱、(頻度不明)発疹、蕁麻疹、そう痒。
②. 〈CMF療法〉血液:(頻度不明)出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹。
③. 〈CMF療法〉肝臓:(5~50%未満)ALT上昇、AST上昇、LDH上昇、(5%未満)Al-P上昇、(頻度不明)黄疸、脂肪肝。
④. 〈CMF療法〉腎臓:(頻度不明)血尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿。
⑤. 〈CMF療法〉消化器:(50%以上)嘔気・嘔吐、食欲不振、(5~50%未満)口内炎、下痢、(頻度不明)消化管潰瘍・消化管出血、腹痛、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹。
⑥. 〈CMF療法〉皮膚:(5~50%未満)脱毛、(頻度不明)光線過敏症、紅斑、皮膚色素沈着、皮膚色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、結節、皮膚潰瘍。
⑦. 〈CMF療法〉精神神経系:(頻度不明)頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚。
⑧. 〈CMF療法〉呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難。
⑨. 〈CMF療法〉生殖器:(頻度不明)無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産。
⑩. 〈CMF療法〉その他:(5~50%未満)低蛋白血症、(5%未満)膀胱炎、倦怠感、(頻度不明)耳下腺炎、結膜炎、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫、悪寒。
- 高齢者
- 腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること(腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすい)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている)。
授乳しないことが望ましい(母乳中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。低出生体重児、新生児、乳児<1歳未満>に対する臨床試験は実施していない〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 〈メトトレキサート通常療法〉メトトレキサート通常療法の場合、通常、本剤に注射用蒸留水2mLを加えて溶解し、1mL中メトトレキサートとして2.5mgになるように調製する。
14.1.2. 〈CMF療法、M-VAC療法〉CMF療法、M-VAC療法の場合、通常、本剤に注射用蒸留水2mLを加えて溶解し用いるか、あるいは生理食塩液又は5%ブドウ糖液20mLを加え溶解して用いる。
14.1.3. 〈効能共通〉調製した注射液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
なお、本剤は防腐剤を含有しないので、調製にあたっては細菌汚染に注意すること。
14.2. 薬剤投与時の注意筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため次記の点に注意すること。
・ 筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、特に筋肉内投与時同一部位への反復注射は行わないこと。また、新生児、低出生体重児、乳児、小児には特に注意すること。
・ 筋肉内投与時神経走行部位を避けるよう注意すること。
・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤を長期使用した患者あるいは本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)等の二次発癌が発生したとの報告がある。
15.1.2. 免疫機能が抑制された患者にワクチンを接種した場合、抗体反応の欠如が報告されている。
16.1 血中濃度
〈メトトレキサート通常療法〉
腎機能が正常な悪性腫瘍患者延べ98例にメトトレキサートの5、10、25、50mgを単回静脈内投与した。投与後のメトトレキサートの血中濃度は、投与1~2時間後をピークに徐々に減少し、投与24時間後で、いずれの投与量でも5.5×10の-8乗mol/L以下になった(外国人データ)。
16.5 排泄
腎機能が正常な悪性腫瘍患者延べ98例にメトトレキサートの5、10、25、50mgを単回静脈内投与した。尿中排泄率は、投与後4時間で平均65%、24時間で平均90%あるいはそれ以上であった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈メトトレキサート通常療法〉
17.1.1 白血病
急性白血病、特に小児の急性白血病の寛解維持療法において、他の抗悪性腫瘍剤との併用により有用性が認められている。また、本剤に感受性の髄膜白血病に髄腔内単独投与又は放射線頭蓋照射との組合せにより、有用性が認められている。
17.1.2 絨毛性疾患
非転移性のみならず、転移性の絨毛性疾患に有用性が認められている。
〈CMF療法〉
17.1.3 国内延べ26施設で完全例61例について行われた臨床試験成績の概要は、次のとおりである。
進行・再発乳癌の患者に対し、通常、シクロホスファミドを連日14日間65mg/m2経口投与し、メトトレキサート及びフルオロウラシルはいずれも第1日目及び第8日目にそれぞれ40mg/m2、500mg/m2静脈内投与する。
これを1クールとして4週ごとに繰り返し行ったときの奏効率は36.1%(有効以上22例)である。
(進行・再発乳癌患者における臨床効果の判定基準による)
18.1 作用機序
18.1.1 メトトレキサートは、葉酸を核酸合成に必要な活性型葉酸に還元させる酵素dihydrofolate reductase(DHFR)の働きを阻止し、チミジル酸合成及びプリン合成系を阻害して、細胞増殖を抑制する。
〈メトトレキサート通常療法〉
18.1.2 正常細胞や感受性の高い癌細胞には、能動的に取り込まれ、殺細胞作用を示す。
18.2 抗腫瘍効果
〈CMF療法〉
各種抗癌剤の抗腫瘍効果をSRC法(Subrenal capsule assay)で検討した結果、シクロホスファミド、メトトレキサート、フルオロウラシルの3剤併用の腫瘍増殖抑制率は、各単剤の腫瘍増殖抑制率を上回り68%まで上昇すると予測される。
- 製造販売会社
- ファイザー
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
わからないことがあったら、
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