ハイドレアカプセル500mg
添付文書情報2023年08月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 慢性骨髄性白血病。
2). 本態性血小板血症。
3). 真性多血症。
- 用法・用量
- ヒドロキシカルバミドとして、通常成人1日500~2000mgを1~3回に分けて経口投与する。寛解後の維持には1日500~1000mgを1~2回に分けて経口投与する。
なお、血液所見、症状、年齢、体重により初回量、維持量を適宜増減する。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれることがあるので、投与は慎重に行うこと〔11.1.1、11.2参照〕。
8.2. 感染症の発現又は感染症増悪、出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意すること。
8.3. 本態性血小板血症、真性多血症に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」等)を熟読すること。
9.1.1. 骨髄機能抑制のある患者:骨髄機能抑制を増悪させることがある〔11.1.1参照〕。
9.1.2. 感染症を合併している患者:骨髄機能抑制により感染症を増悪させることがある〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 水痘患者:致命的全身障害があらわれることがある。
腎機能障害患者:腎からの排泄が遅れ、副作用が強くあらわれることがある。
肝機能障害患者:代謝機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導すること(細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス、ラットを用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている)。
9.4.3. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄抑制等を増強することがあるので、併用を行う場合、減量するなど用量に注意すること(副作用が相互に増強される)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄機能抑制:汎血球減少(0.3%)、白血球減少(4.4%)、好中球減少(0.5%)、血小板減少(6.1%)、貧血(4.4%)(ヘモグロビン減少、赤血球減少、ヘマトクリット値減少)等があらわれることがある〔8.1、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 間質性肺炎(0.2%):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線写真で肺浸潤影等の異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.3. 皮膚潰瘍(0.7%):本剤を長期に投与した症例で皮膚潰瘍(下肢に好発する)があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). *血液:(0.1~5%未満)出血、(0.1%未満)巨赤芽球症。
2). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、腹痛、口内炎、食欲不振、胃炎、嘔気、嘔吐、(0.1%未満)便秘、胃痛、消化管潰瘍。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、(0.1%未満)黄疸。
4). 腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇、(0.1%未満)排尿困難。
5). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹[このような症状があらわれた場合には投与を中止すること]。
6). 皮膚:(0.1~5%未満)皮膚色素沈着、脱毛、紅斑、爪変色、皮膚そう痒、(0.1%未満)皮膚萎縮及び爪萎縮、鱗屑形成、紫色丘疹、皮膚乾燥、発汗減少、(頻度不明)皮膚エリテマトーデス。
7). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、しびれ、(0.1%未満)眩暈、舌のしびれ感、眠気、幻覚、見当識障害、痙攣。
8). その他:(0.1~5%未満)発熱、倦怠感、浮腫、関節痛、筋肉痛、(0.1%未満)不快感、悪寒、(頻度不明)無精子症。
*)〔8.1参照〕。
「重大な副作用」及び「その他の副作用」の発現頻度は、承認時の国内臨床試験425例及び製造販売後の使用成績調査1806例を含めた総症例2231例による。ただし、骨髄機能抑制関連の発現頻度は使用成績調査の結果に基づく。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(妊娠中に本剤を投与された患者で児の奇形が報告されており、動物実験(ラット、ウサギ等)において、催奇形作用及び胚死亡・胎仔死亡が報告されている)〔2.2、9.4.1参照〕。
授乳を避けさせること(ヒト母乳中へ移行することがある)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
20.1. 長期保存する場合は高湿を避けること。
20.2. アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の長期維持療法で皮膚癌が発生したとの報告がある。
15.1.2. 真性多血症や血小板血症等の骨髄増殖性疾患で本剤の長期投与を受けている患者で二次性白血病が報告されている。
15.1.3. 本剤と抗レトロウイルス剤が併用されたHIV感染患者、特にジダノシンとサニルブジンが併用されたHIV感染患者で、死亡を含む重篤な膵炎、重篤な肝障害及び高度末梢神経障害が発現したとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
患者にヒドロキシカルバミド1,000mgを経口投与した場合、本剤の血清中濃度は投与1~3時間後に20~30μg/mLの最高値を示し、その後緩徐に減少した(外国人データ)。
16.1.2 反復投与
患者にヒドロキシカルバミド26又は28mg/kgを1日1回、6日間反復経口投与した場合の1日目及び6日目の本剤の血清中濃度推移に変化は認められなかった(外国人データ)。
16.5 排泄
患者に本剤26又は28mg/kgを単回経口投与した場合、投与後24時間までの尿中排泄率は、各々投与量の53%及び70%であった。また、患者にそれぞれ本剤26、28及び60mg/kgを反復経口投与した場合の投与後24時間までの各回の尿中排泄率は49%~76%を示し各個体で投与回数と関係なく一定であった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈慢性骨髄性白血病〉
17.1.1 国内臨床試験
慢性骨髄性白血病に対する国内第II相及び第III相臨床試験の成績は奏効率91.7%(222/242例)であり、そのうち完全寛解は54.1%(131/242例)であった。
副作用解析対象症例における自他覚的副作用症状の発現率は5.6%(24/425例)であり、主なものは発疹・皮疹が2.4%(10/425例)、嘔気・嘔吐等の消化器症状が2.1%(9/425例)であった。また、臨床検査値異常の発現率は3.8%(16/425例)であり、ALT上昇1.9%(8/425例)、AST上昇0.9%(4/425例)、Al‐P上昇0.5%(2/425例)、ビリルビン上昇0.2%(1/425例)、クレアチニン上昇0.2%(1/425例)であった。
18.1 作用機序
本剤は細胞周期上のS期の細胞に作用し、リボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドに変換する酵素であるリボヌクレオチドレダクターゼを阻害することによりDNAの合成を阻害するとされている。
18.2 可移植性腫瘍に対する抗腫瘍効果
18.2.1 L1210白血病細胞を移植したマウスに対して優れた抗腫瘍効果を示した他、軽度ではあるが各種可移植性腫瘍に対しても抗腫瘍効果が認められた。
18.2.2 他剤耐性白血病に対する抗腫瘍効果
8‐アザグアニン、メトトレキサート及び2‐アミノ‐6‐プリンチオールの各々に耐性を獲得したL1210白血病細胞を移植したマウスに対して優れた抗腫瘍効果が認められた。
- 一包可:不可
抗悪性腫瘍剤
- 分割:不可
- 粉砕:不明
抗悪性腫瘍剤
- 製造販売会社
- クリニジェン
- 販売会社
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