ユーエフティE配合顆粒T150

添付文書情報2025年01月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 〈効能共通〉テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと〔2.5、10.1参照〕。
1.2. 〈テガフール・ウラシル通常療法〉劇症肝炎等の重篤な肝障害が起こることがあるので、定期的(特に投与開始から2ヵ月間は1ヵ月に1回以上)に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、肝障害の早期発見に努めること。テガフール・ウラシル通常療法の場合、肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し、テガフール・ウラシル通常療法で黄疸(眼球黄染)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.5、8.2、11.1.2参照〕。
1.3. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉本療法は、テガフール・ウラシル配合剤の細胞毒性を増強する療法であり、本療法に関連したと考えられる死亡例が認められているので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を有する医師のもとで、「2.禁忌」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項を参照して適応患者の選択を慎重に行い実施すること。
1.4. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉本療法において重篤な下痢が起こることがあり、その結果、致命的経過をたどることがあるので、患者の状態を十分観察し、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、ホリナート・テガフール・ウラシル療法において脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと〔8.3、11.1.4、11.1.5参照〕。
1.5. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉本療法において劇症肝炎等の重篤な肝障害、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、その結果、致命的経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど患者の状態を十分観察し、副作用の早期発見に努めること。また、ホリナート・テガフール・ウラシル療法において肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し、ホリナート・テガフール・ウラシル療法において黄疸(眼球黄染)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.2、8.1、8.4、11.1.1、11.1.2参照〕。
- 禁忌
- 2.1. 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発することがある]。
2.2. 重篤な下痢のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こすことがある]。
2.3. 重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪することがある]。
2.4. 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
2.5. テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及びテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後7日以内の患者〔1.1、10.1参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 〈テガフール・ウラシル通常療法〉
次の疾患の自覚的並びに他覚的症状の寛解:頭頸部癌、胃癌、結腸癌・直腸癌、肝臓癌、胆のう癌・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、前立腺癌、子宮頸癌。
〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
結腸癌・直腸癌。
(効能又は効果に関連する注意)
〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 用法・用量
- 〈テガフール・ウラシル通常療法〉
通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量を1日2~3回に分割経口投与する。
子宮頸癌については通常、1日量として、テガフール600mg相当量を1日2~3回に分割経口投与する。
他の抗悪性腫瘍剤との併用の場合は前記に準じて投与する。
[製剤換算]
1). 1日量(通常):テガフール300~600mg相当量(本剤1.5~3.0g)。
2). 1日量(子宮頸癌の場合):テガフール600mg相当量(本剤3.0g)。
〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
結腸・直腸癌に対して通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量(300mg/㎡を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。
ホリナートの投与量は通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。
以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉ホリナート・テガフール・ウラシル療法の場合、食事の影響を受けるので、食事の前後1時間を避けて投与すること〔16.2.1参照〕。
7.2. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉1日の投与スケジュールは次を参考とする。
1). 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉体表面積<1.17㎡:UFT300mg/日;(1日の投与スケジュール)午前100mg、午後100mg、夜間100mg。
2). 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉体表面積1.17-1.49㎡:UFT400mg/日;(1日の投与スケジュール)午前200mg、午後100mg、夜間100mg。
3). 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉体表面積1.50-1.83㎡:UFT500mg/日;(1日の投与スケジュール)午前200mg、午後200mg、夜間100mg。
4). 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉体表面積>1.83㎡:UFT600mg/日;(1日の投与スケジュール)午前200mg、午後200mg、夜間200mg。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 〈効能共通〉感染症の発現又は感染症悪化・出血傾向の発現又は出血傾向悪化に十分注意すること〔1.5、9.1.2参照〕。
8.2. 〈テガフール・ウラシル通常療法〉骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与開始から2ヵ月間は1ヵ月に1回以上)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔1.2、9.1.1、9.1.2参照〕。
8.3. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉重篤な下痢・重篤な腸炎等が起こることがあり、致命的経過をたどることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.4、11.1.4、11.1.5参照〕。
8.4. 〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉劇症肝炎、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、致命的経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔1.5、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.1. 骨髄抑制<重篤な骨髄抑制を除く>のある患者:骨髄抑制が増強するおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 感染症<重篤な感染症を除く>を合併している患者:骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。
9.1.3. 心疾患又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.7参照〕。
9.1.4. 消化管潰瘍又は消化管出血のある患者:症状が悪化するおそれがある〔11.1.12参照〕。
9.1.5. 耐糖能異常のある患者:耐糖能異常が悪化するおそれがある。
9.1.6. 水痘患者:致命的全身障害があらわれるおそれがある。
9.1.7. 前化学療法を受けていた患者:下痢・骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。
腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3.1. 肝障害又はその既往歴のある患者:肝障害が悪化するおそれがある。
9.4.1. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。
9.4.2. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2参照〕。
9.4.3. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2参照〕。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤<ティーエスワン>〔1.1、2.5参照〕[早期に重篤な血液障害や下痢・口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと(ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する)]。
10.2. 併用注意:1). フェニトイン[フェニトイン中毒<嘔気・嘔吐・眼振・運動障害等>が発現することがあるので、必要に応じてフェニトインの血中濃度を測定し、フェニトインの用量調節を行い、注意して投与し、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する)]。
2). ワルファリンカリウム[テガフールがワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること(機序は不明である)]。
3). トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤[重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある(本剤との併用により、トリフルリジンのDNA取り込みが増加する可能性があり、チピラシル塩酸塩がチミジンホスホリラーゼを阻害することにより、本剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある)]。
4). 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[血液障害・消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと(副作用が相互に増強される)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制、溶血性貧血等の血液障害:汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少(3.1%)、血小板減少(1.1%)、貧血(0.8%)、出血傾向(0.1%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)等があらわれることがある〔1.5、8.4、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明)〔1.2、1.5、8.4参照〕。
11.1.3. 肝硬変(頻度不明):長期投与においてAST、ALTの明らかな上昇を伴わずに肝硬変があらわれることがあるので、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下、血小板減少等が認められた場合には投与を中止すること。
11.1.4. 脱水症状(頻度不明):激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと〔1.4、8.3参照〕。
11.1.5. 重篤な腸炎:出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等(頻度不明)があらわれることがあるので、激しい腹痛・激しい下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.4、8.3参照〕。
11.1.6. 白質脳症等を含む精神神経障害:白質脳症(意識障害、小脳失調、認知症様症状等を主症状とする)(頻度不明)や意識障害(頻度不明)、失見当識(0.1%未満)、傾眠(0.1%未満)、記憶力低下(0.1%未満)、錐体外路症状(0.1%未満)、言語障害(0.1%未満)、四肢麻痺(頻度不明)、歩行障害(0.1%未満)、尿失禁(頻度不明)、知覚障害(0.1%未満)等があらわれることがある。
11.1.7. 狭心症、心筋梗塞、不整脈:狭心症(0.1%未満)、心筋梗塞(頻度不明)、不整脈(心室頻拍等を含む)(頻度不明)があらわれることがあるので、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.3参照〕。
11.1.8. 急性腎障害(0.1%未満)、ネフローゼ症候群(0.1%未満)。
11.1.9. 嗅覚脱失:嗅覚障害(0.1%未満)(長期投与症例に多い)があらわれ、嗅覚脱失(頻度不明)まで至ることがある。
11.1.10. 間質性肺炎:間質性肺炎(0.1%未満)(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
11.1.11. 急性膵炎(頻度不明):腹痛、血清アミラーゼ値上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.12. 重篤な口内炎(頻度不明)、消化管潰瘍(0.1%)、消化管出血(0.1%未満)〔9.1.4参照〕。
11.1.13. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液:(頻度不明)赤血球減少、血色素減少、ヘマトクリット値減少、好中球減少、好酸球増多、リンパ球減少、好塩基球増多、平均赤血球容積増加(MCV増加)。
2). 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)、黄疸、(0.1%未満)脂肪肝、Al-P上昇、(頻度不明)総ビリルビン上昇[肝臓・胆管系障害としての頻度は1.8%であった]。
3). 腎臓:(0.1~5%未満)腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、(0.1%未満)蛋白尿、血尿。
4). 消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、口内炎、腹痛、味覚異常、心窩部痛、胸やけ、(0.1%未満)便秘、腹部膨満感、舌炎、口角炎、口渇、胃炎、嚥下困難、腹鳴、(頻度不明)胃不快感、胃重感、口唇炎。
5). 精神神経系:(0.1~5%未満)倦怠感、眩暈、しびれ、(0.1%未満)頭痛、耳鳴、(頻度不明)興奮、頭重感、末梢性ニューロパチー。
6). 皮膚:(0.1~5%未満)皮膚色素沈着、爪異常、脱毛、皮膚浮腫、(0.1%未満)皮膚び爛・皮膚炎、皮膚角化、紅潮、光線過敏症、皮膚水疱、(頻度不明)DLE様皮疹、皮膚乾燥、手足症候群[色素沈着、皮膚炎等の皮膚障害は手のひら、足裏等に発現しやすいとの報告がある]。
7). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)発赤。
8). 循環器:(0.1%未満)動悸、胸痛、胸内苦悶感、心電図異常(ST上昇等)。
9). その他:(0.1~5%未満)LDH上昇、発熱、(0.1%未満)関節痛、糖尿、血糖値上昇、灼熱感、結膜充血、咳・痰、血清尿酸値上昇、女性型乳房、筋肉痛、(頻度不明)血痰、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、無月経、CK上昇、総蛋白低下、血清ナトリウム低下、血清カルシウム上昇、血清カルシウム低下、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清クロール上昇、血清クロール低下。
・ 頻度は承認時、再審査終了時及びその後の市販後調査(カプセル、細粒、E顆粒)における副作用評価可能症例29586例より算出。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しているので、特に消化器障害(下痢、口内炎等)、骨髄抑制があらわれやすい)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(本剤を投与された女性において奇形を有する児を出産したとの報告があり、また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラットで胎仔骨格変異、胎仔化骨遅延等が認められている)がある)〔2.6、9.4.2参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意原則としてヒートシール包装のまま調剤すること(ヒートシール包装を開封して調剤すると、2種類(テガフールとウラシル)の顆粒が不均一となり、配合比率が変化することがあるので注意すること)。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.2. テガフール顆粒が腸溶性なので、かまずに服用するように注意すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤を投与した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
15.1.2. フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損(DPD欠損)等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験において、遺伝毒性が報告されている〔9.4.2、9.4.3参照〕。
16.1 血中濃度
癌患者12例にユーエフティ(テガフール300mg相当量)を単回経口投与し、血中テガフール、5‐FU及びウラシル濃度を測定した結果、テガフール濃度は投与後2時間で最高値13.7±1.1μg/mLを示し、以後漸次減少し、24時間後では3.6±0.8μg/mLであった。5‐FU及びウラシル濃度はいずれも投与後30分にそれぞれ0.21±0.094μg/mL、3.0±1.8μg/mLの最高値を示し、以後低下して5‐FUは3時間後で0.05±0.019μg/mL、ウラシルは6時間後で0.30±0.23μg/mLの値を示した。
一方、ユーエフティ投与後における5‐FUの血中、腫瘍周辺正常組織及び腫瘍内濃度を比較すると、腫瘍内濃度が高値を示した。
16.2 吸収
〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
16.2.1 食事の影響
癌患者25例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食摂取後)にホリナート30mg及びテガフール・ウラシル配合剤(テガフール200mg相当量)を投与した場合、空腹時に比べて食後投与時のウラシルのAUC、テガフールから変換されたフルオロウラシルのAUCはそれぞれ66%、37%減少し、ホリナートのAUCは61%上昇した。一方、テガフールのAUCには著明な変化は認められなかった(外国人データ)。[7.1参照]
16.4 代謝
テガフールから5‐FUへの代謝に関与するヒト肝チトクロームP‐450分子種としてCYP2A6が主であるとの報告がある(in vitro)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈テガフール・ウラシル通常療法〉
17.1.1 国内臨床試験
ユーエフティ(テガフール300~600mg相当量)、1日2~3回分割経口投与による臨床成績を集計した結果、効果判定可能例数は699例であり、奏効率は23.3%(163/699例)であった。
癌種別奏効率は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
〈非小細胞肺癌〉
17.1.2 術後補助化学療法の大規模比較試験
I期の原発性肺腺癌(完全切除例)を対象とし、ユーエフティ(テガフール250mg/m2相当量)の2年間経口投与による術後補助化学療法群と手術単独の経過観察群を比較(評価対象症例:それぞれ491例及び488例、追跡期間の中央値:それぞれ72ヵ月及び73ヵ月)した結果、生存期間のハザード比は0.71(95%信頼区間0.52-0.98、層別ログランク検定P=0.04)で、特にpT2(ユーエフティ群129例、経過観察群134例)において、生存期間のハザード比0.48(95%信頼区間0.29-0.81、ログランク検定P=0.005)と、ユーエフティは死亡リスクを低下させた。
〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
本療法は国内外のブリッジング試験(国内:44例、外国:45例)及び外国臨床試験で検討されたものである。
17.1.3 国内第II相試験(ブリッジング試験)
結腸・直腸癌患者44例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は36.4%(16/44例)であった。
副作用評価可能症例数は44例であり、副作用発現率は95.5%(42/44例)であった。主な副作用は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
※1:LV:75mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
17.1.4 海外第II相試験(ブリッジング試験)
結腸・直腸癌患者45例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は34.1%(15/44例)であった。
副作用評価可能症例数は45例であり、副作用発現率は100%(45/45例)であった。主な副作用は、下痢68.9%(31/45例)、倦怠感66.7%(30/45例)、悪心64.4%(29/45例)、嘔吐31.1%(14/45例)、腹痛26.7%(12/45例)であった。このうちグレード3以上の副作用は、下痢22.2%(10/45例)、腹痛6.7%(3/45例)、悪心及び嘔吐4.4%(2/45例)であった。
※1:LV:75mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
17.1.5 海外第III相試験
結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5‐FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との生存期間の同等性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は次のとおりで、生存期間はUFT/LVと5‐FU/LVで同等であった。
→図表を見る(PDF)
生存曲線
無増悪生存曲線
17.1.6 海外第III相試験
結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5‐FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との病勢進行までの期間の優越性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は次のとおりで、病勢進行までの期間はUFT/LVと5‐FU/LVで有意差は認められなかった。
→図表を見る(PDF)
生存曲線
無増悪生存曲線
18.1 作用機序
ユーエフティの抗腫瘍効果は体内でテガフールから徐々に変換される5‐FUに基づいている。
5‐FUの作用機序は活性代謝物であるFdUMPがdUMPと拮抗し、thymidylate synthaseを抑制することによるDNAの合成阻害と、FUTPがRNAに取込まれることによるRNAの機能障害に起因するものと考えられている(in vitro)。
ユーエフティに含有されるウラシルによるテガフールの抗腫瘍効果の増強はリン酸化及び分解酵素に対する5‐FUとウラシルの酵素親和性の差により5‐FUの分解が抑制されることに起因し、特に腫瘍内において5‐FUとそのリン酸化活性代謝物が高濃度に維持されることによるものと考えられている(in vitro)。
18.2 抗腫瘍効果
Walker‐256、吉田肉腫、腹水肝癌(ラット)及びSarcoma‐180、Ehrlich腫瘍、Lewis肺癌、B‐16メラノーマ(マウス)等の各種皮下移植腫瘍、また、ヒト胃癌、乳癌、膵癌皮下移植腫瘍(ヌードマウス)に対して腫瘍増殖抑制効果を示し、さらにL‐1210移植担癌動物(マウス)に対しても延命効果を示した。
- 一包可:不可
抗悪性腫瘍剤@原則としてヒートシール包装のまま調剤する。ヒートシール包装を開封して調剤すると、2種類(テガフールとウラシル)顆粒が不均一となり、配合比率が変化することがあるので注意する。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
抗悪性腫瘍剤@原則としてヒートシール包装のまま調剤する。ヒートシール包装を開封して調剤すると、2種類(テガフールとウラシル)顆粒が不均一となり、配合比率が変化することがあるので注意する。@腸溶性なので、かまずに服用するように注意する。
- 製造販売会社
- 大鵬薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
入院でブルキンザカプセルを内服予定ですが、高額薬剤としてDPCは出来高になりますでしょうか。2025年4月15日の高額薬剤一覧には載っていなく、診断群分類...
以前まで、フェロミア処方すると自動的にコメントもついてきたのですが、最近からコメントがつかなくなり、レセプト請求の際にエラーがでます。コメント算定お願いし...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。