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タフィンラーカプセル75mg

販売名
タフィンラーカプセル75mg
識別コード
GSLHF 75mg
薬価
75mg1カプセル 7289.00円
製造メーカー
ノバルティス ファーマ

添付文書情報2024年04月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ダブラフェニブメシル酸塩カプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
1). BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫。
2). BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
3). 標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍<結腸・直腸癌を除く>。
4). BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、BRAF遺伝子変異が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
5.2. 〈悪性黒色腫〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと〔17.1.1-17.1.5参照〕。
5.3. 〈非小細胞肺癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと〔17.1.6参照〕。
5.4. 〈非小細胞肺癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.5. 〈固形腫瘍〉組織球症患者は本剤の投与対象となり得る。
5.6. 〈固形腫瘍〉臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.7、17.1.8参照〕。
5.7. 〈固形腫瘍〉本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.8. 〈有毛細胞白血病〉臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.7参照〕。
用法・用量
〈悪性黒色腫〉
通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。ただし、悪性黒色腫で術後補助療法の場合には、トラメチニブと併用し、投与期間は12ヵ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈非小細胞肺癌、有毛細胞白血病〉
トラメチニブとの併用において、通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈固形腫瘍〉
トラメチニブとの併用において、通常、ダブラフェニブとして次の用量を1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
・ 成人には、1回150mg。
・ 小児には、体重に合わせて次の用量。
1). 体重26kg以上38kg未満:1回75mg。
2). 体重38kg以上43kg未満:1回100mg。
3). 体重43kg以上51kg未満:1回125mg。
4). 体重51kg以上:1回150mg。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉トラメチニブ以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 〈効能共通〉食後に本剤を投与した場合、Cmax低下及びAUC低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。
7.3. 〈効能共通〉本剤投与により副作用(発熱を除く)が発現した場合には、次記の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。ただし、有棘細胞癌(皮膚扁平上皮癌)又は新たな原発性悪性黒色腫が発現した場合には、外科的切除等の適切な処置を行った上で、休薬、減量することなく治療を継続することができる〔7.4参照〕。
[休薬、減量及び中止基準]
1). NCI-CTCAE*によるGrade判定が、忍容不能なGrade2又はGrade3:休薬、Grade1以下まで軽快後、1段階減量して投与を再開。
2). NCI-CTCAE*によるGrade判定が、Grade4:原則投与中止、治療継続が患者にとって望ましいと判断された場合には、Grade1以下まで軽快後、1段階減量して投与を再開。
*)NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定。
[用量調節の目安(成人)]
1). 通常投与量:1回150mg(1日2回)。
2). 1段階減量:1回100mg(1日2回)。
3). 2段階減量:1回75mg(1日2回)。
4). 3段階減量:1回50mg(1日2回)。
5). 4段階減量:投与中止。
[用量調節の目安(小児)]
1). 通常投与量:1回75mg(1日2回):
①. 1段階減量:1回50mg(1日2回)。
②. 2段階減量:投与中止。
2). 通常投与量:1回100mg(1日2回):
①. 1段階減量:1回75mg(1日2回)。
②. 2段階減量:1回50mg(1日2回)。
③. 3段階減量:投与中止。
3). 通常投与量:1回125mg(1日2回)、1回150mg(1日2回):
①. 1段階減量:1回100mg(1日2回)。
②. 2段階減量:1回75mg(1日2回)。
③. 3段階減量:1回50mg(1日2回)。
④. 4段階減量:投与中止。
適切な処置により副作用が管理できた場合には、減量時と逆の段階を経て増量可。
7.4. 〈効能共通〉38.0℃以上の発熱が認められた場合には、本剤を休薬すること(発熱の回復後、24時間以上発熱がない場合には、休薬前と同一の用量で投与を再開すること)、38.0℃未満の発熱又は悪寒、戦慄、寝汗、インフルエンザ様症状等の発熱の初期症状の再発が認められた時点で本剤の休薬を検討すること(必要に応じて、7.3項の用量調節の目安を参考に、本剤を減量すること(本剤を休薬しても4週間以内に発熱がGrade1以下又はベースラインに軽快しない場合は、本剤の投与を中止すること))〔7.3、8.1参照〕。
7.5. 〈固形腫瘍〉26kg未満の小児患者における有効性及び安全性は確立していない。
生殖能を有する者
8.1. 発熱が高頻度に認められ、重度脱水、低血圧を伴う例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬や解熱剤の投与など適切な処置を行い、感染症等の有無を評価すること(解熱剤で効果が不十分な場合には、経口ステロイド剤の投与を検討すること)〔7.4参照〕。
8.2. 有棘細胞癌(皮膚扁平上皮癌)、新たな原発性悪性黒色腫があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること〔11.1.1参照〕。
8.3. 皮膚以外の部位に悪性腫瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと〔11.1.2参照〕。
8.4. 心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には、患者の心機能を確認し、本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること〔9.1.1、11.1.3参照〕。
8.5. ぶどう膜炎(虹彩炎を含む)等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
8.6. 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと〔9.3.1、11.1.4参照〕。
9.1.1. 心疾患又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.4、11.1.3参照〕。
9.3.1. 中等度以上の肝機能障害患者:本剤の曝露量が増加する可能性がある〔8.6、11.1.4参照〕。
9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊を行うよう指導すること(マウス、ラット及びイヌでは雄性生殖器に悪影響が認められている)〔15.2.2参照〕。
相互作用
本剤はCYP2C8及び3A4の基質となる。また、本剤はCYP2C9及び3A4を誘導することが示されている〔16.7.1参照〕。
10.2. 併用注意:1). CYP3A阻害剤(ケトコナゾール(経口剤は国内未承認)、クラリスロマイシン、リトナビル等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮し、やむを得ずCYP3A阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある)]。
2). CYP2C8阻害剤(ゲムフィブロジル(国内未承認)等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮し、やむを得ずCYP2C8阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること(これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある)]。
3). CYP3A誘導剤及びCYP2C8誘導剤(リファンピシン等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、CYP3A及びCYP2C8誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3A及びCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). CYP3A基質(ミダゾラム、経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)、デキサメタゾン等)〔16.7.2参照〕[CYP3Aにより代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し有効性が減弱する可能性がある(本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
5). CYP2C9基質(ワルファリン等)〔16.7.2参照〕[CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し有効性が減弱する可能性がある(本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
6). OATP1B1基質及びOATP1B3基質(HMG-CoA還元酵素阻害剤(ロスバスタチン)等)〔16.7.2参照〕[OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(本剤がOATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 有棘細胞癌1). 〈トラメチニブとの併用時〉有棘細胞癌:皮膚有棘細胞癌(0.5%)、ケラトアカントーマ(0.2%)、ボーエン病(0.5%)があらわれることがある。トラメチニブとの併用時、臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも有棘細胞癌の発現頻度に高い傾向が認められた(*皮膚有棘細胞癌(5.5%)、*扁平上皮癌(5.5%))〔8.2参照〕。
2). 〈本剤単独投与時〉有棘細胞癌:皮膚有棘細胞癌(1.6%)、ケラトアカントーマ(3.7%)、ボーエン病(頻度不明)があらわれることがある。単独投与時、臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも有棘細胞癌の発現頻度に高い傾向が認められた(*皮膚有棘細胞癌(頻度不明)、*扁平上皮癌(頻度不明))〔8.2参照〕。
11.1.2. 悪性腫瘍(二次発癌)1). 〈トラメチニブとの併用時〉悪性腫瘍(二次発癌):原発性悪性黒色腫(0.1%)等の悪性腫瘍(二次発癌)があらわれることがある。トラメチニブとの併用時、臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも悪性腫瘍(二次発癌)の発現頻度に高い傾向が認められた(*基底細胞癌(12.7%))〔8.3参照〕。
2). 〈本剤単独投与時〉悪性腫瘍(二次発癌):原発性悪性黒色腫(1.1%)等の悪性腫瘍(二次発癌)があらわれることがある。単独投与時、臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも悪性腫瘍(二次発癌)の発現頻度に高い傾向が認められた(*基底細胞癌(頻度不明))〔8.3参照〕。
11.1.3. 心障害1). 〈トラメチニブとの併用時〉心障害:心不全(0.1%)、左室機能不全(0.2%)、駆出率減少(5.9%)等の重篤な心障害があらわれることがある〔8.4、9.1.1参照〕。
2). 〈本剤単独投与時〉心障害:心不全(0.5%)、左室機能不全(1.4%)、駆出率減少(4.7%)等の重篤な心障害があらわれることがある〔8.4、9.1.1参照〕。
11.1.4. 肝機能障害1). 〈トラメチニブとの併用時〉肝機能障害:ALT上昇(11.3%)、AST上昇(11.5%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.6、9.3.1参照〕。
2). 〈本剤単独投与時〉肝機能障害:ALT上昇(1.6%)、AST上昇(0.5%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.6、9.3.1参照〕。
11.1.5. 静脈血栓塞栓症1). 〈トラメチニブとの併用時〉静脈血栓塞栓症(0.3%)。
2). 〈本剤単独投与時〉静脈血栓塞栓症(頻度不明)。
11.1.6. 脳血管障害1). 〈トラメチニブとの併用時〉脳血管障害:脳出血(0.1%)、脳血管発作(頻度不明)等の脳血管障害があらわれることがある。
2). 〈本剤単独投与時〉脳血管障害:脳出血(頻度不明)、脳血管発作(頻度不明)等の脳血管障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 〈トラメチニブとの併用時〉①. 〈トラメチニブとの併用時〉感染症:(1%~10%未満)毛包炎、膿疱性皮疹、(1%未満)蜂巣炎、尿路感染、上咽頭炎、爪囲炎。
②. 〈トラメチニブとの併用時〉血液:(1%~10%未満)好中球減少症、貧血、血小板減少症、白血球減少症。
③. 〈トラメチニブとの併用時〉代謝:(1%~10%未満)食欲減退、脱水、低ナトリウム血症、低リン血症、高血糖。
④. 〈トラメチニブとの併用時〉神経系:(10%以上)頭痛、(1%~10%未満)浮動性めまい。
⑤. 〈トラメチニブとの併用時〉眼:(1%~10%未満)霧視、ぶどう膜炎、視力障害、(1%未満)網膜色素上皮剥離、網脈絡膜症、網膜剥離、眼窩周囲浮腫。
⑥. 〈トラメチニブとの併用時〉心・血管:(1%~10%未満)高血圧、低血圧、出血(鼻出血、歯肉出血等)、(1%未満)リンパ浮腫、徐脈、QT間隔延長/QTc間隔延長、(頻度不明)心拍数減少。
⑦. 〈トラメチニブとの併用時〉呼吸器:(1%~10%未満)咳嗽、呼吸困難、(1%未満)肺臓炎、間質性肺炎。
⑧. 〈トラメチニブとの併用時〉消化器:(10%以上)悪心、下痢、嘔吐、(1%~10%未満)便秘、腹痛、口内乾燥、口内炎、(1%未満)膵炎。
⑨. 〈トラメチニブとの併用時〉肝胆道系:(1%~10%未満)ALP増加、γ-GTP増加。
⑩. 〈トラメチニブとの併用時〉皮膚:(10%以上)発疹、皮膚乾燥、(1%~10%未満)皮膚そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、紅斑、日光角化症、寝汗、皮膚過角化、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚病変、多汗症、脂肪織炎、皮膚亀裂、光線過敏症。
⑪. 〈トラメチニブとの併用時〉筋骨格系:(10%以上)関節痛、筋肉痛、(1%~10%未満)四肢痛、筋痙縮、血中CK増加、(1%未満)横紋筋融解症。
⑫. 〈トラメチニブとの併用時〉腎:(1%未満)腎炎、腎不全、尿細管間質性腎炎、急性腎障害。
⑬. 〈トラメチニブとの併用時〉全身:(10%以上)発熱(50.1%)、疲労、悪寒、無力症、(1%~10%未満)末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、粘膜炎症、(1%未満)顔面浮腫。
⑭. 〈トラメチニブとの併用時〉その他:(1%~10%未満)脂漏性角化症、(1%未満)乳頭腫、アクロコルドン、過敏症。
2). 〈本剤単独投与時〉①. 〈本剤単独投与時〉感染症:(1%~10%未満)鼻咽頭炎。
②. 〈本剤単独投与時〉代謝:(1%~10%未満)高血糖、食欲減退、低リン酸血症。
③. 〈本剤単独投与時〉神経系:(10%以上)頭痛。
④. 〈本剤単独投与時〉心・血管:(頻度不明)QT間隔延長/QTc間隔延長。
⑤. 〈本剤単独投与時〉眼:(頻度不明)ぶどう膜炎。
⑥. 〈本剤単独投与時〉呼吸器:(1%~10%未満)咳嗽。
⑦. 〈本剤単独投与時〉消化器:(1%~10%未満)悪心、嘔吐、下痢、便秘、(1%未満)膵炎。
⑧. 〈本剤単独投与時〉皮膚:(10%以上)発疹、皮膚過角化(34%)、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、(1%~10%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、日光角化症、皮膚病変、紅斑、光線過敏症、(頻度不明)脂肪織炎。
⑨. 〈本剤単独投与時〉筋骨格系:(10%以上)関節痛、(1%~10%未満)筋肉痛、四肢痛。
⑩. 〈本剤単独投与時〉腎:(頻度不明)腎不全、急性腎障害、尿細管間質性腎炎。
⑪. 〈本剤単独投与時〉全身:(10%以上)疲労、発熱、無力症、(1%~10%未満)悪寒、インフルエンザ様疾患。
⑫. 〈本剤単独投与時〉その他:(1%~10%未満)乳頭腫、アクロコルドン、脂漏性角化症、(頻度不明)過敏症。
トラメチニブとの併用時の副作用頻度は臨床試験(MEK115306試験、MEK116513試験、F2301試験、E2201試験及びX2201試験)に基づき記載した。
本剤単独投与時の副作用頻度は海外臨床試験(BRF113683試験)に基づき記載した。
*)X2201試験の有毛細胞白血病患者(55例)で発現した副作用頻度に基づき記載した。
高齢者
患者の状態を観察しながら注意して投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験では、ラットにおいて母動物体重増加量低値・胎仔体重低値、骨化遅延が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.3倍)以上の群でみられ、黄体数低値・着床数低値、着床前死亡率高値・着床後死亡率高値、生存胎仔数低値、心室中隔欠損及び胸腺分離が300mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約1.9倍)群で認められている)〔2.2、9.4.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトの乳汁中への移行は不明である)。
小児等
〈悪性黒色腫、非小細胞肺癌、有毛細胞白血病〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
〈固形腫瘍〉低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。また、固形腫瘍の場合、6歳未満の患者に対する本剤の用法及び用量について、十分な検討は行われていない。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 臨床試験において、RAS遺伝子変異を有する腫瘍の発現が報告されている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 変異型RASを伴う野生型BRAF細胞をBRAF阻害剤で処理することにより、MAPKシグナル伝達活性化が示されている。
15.2.2. マウス、ラット及びイヌにおいて精巣に悪影響/精巣上体に悪影響(精上皮変性、精細管萎縮、精子数減少等)が5mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.2倍)以上の群でみられ、ラット及びイヌでは休薬後においても回復性は認められなかった〔9.4.2参照〕。
15.2.3. マウス、ラット及びイヌにおいて心臓への悪影響又は血管への悪影響(冠動脈変性/冠動脈壊死、出血、房室弁肥大/房室弁出血、心房の線維血管性増殖、肝動脈変性、血管炎/血管周囲炎等)が15mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.5倍)以上の群でみられた。
15.2.4. イヌにおいて気管支肺胞炎症が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約8.4倍)以上の群でみられた。
15.2.5. In vitro3T3光毒性試験陽性を示し、また、ヘアレスマウスを用いたin vivo試験で100mg/kg(臨床曝露量(Cmax)の約31倍)以上の群で光毒性反応がみられた。
15.2.6. 幼若ラットにおいて、成長への影響・発達への影響(骨長短縮、膣開口早期化)が1mg/kg/日/3mg/kg/日(生後7~21日の投与量/生後22~35日の投与量)(成人の臨床曝露量(AUC)の約0.2倍)以上の群でみられた。また、同用量群で成熟動物では認められなかった腎臓への影響(尿細管変性等)等がみられた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人固形癌患者12例にダブラフェニブ75~150mg(ヒプロメロースカプセル)を空腹時に単回経口投与した時、血漿中ダブラフェニブ濃度は投与1.0~4.0時間後に最大となった。その後、血漿中ダブラフェニブ濃度は二相性を示して低下し、消失半減期は約5~15時間であった。Cmax及びAUC0-12hは75mg群と100mg群の間では投与量増加に伴い増加したが、100mg群と150mg群は同程度であった。反復投与後の血漿中ダブラフェニブのAUC0-12hは単回投与時と比べて約40%減少し、ダブラフェニブ代謝の自己誘導が示唆された。血漿中ダブラフェニブ濃度は、投与開始後21日目までには定常状態に達すると考えられた。外国人固形癌患者4例のマイクロドーズ試験で、ダブラフェニブ150mgを単回経口投与した時の、[14C]ダブラフェニブ50μgを単回静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは94.5%であった。
日本人固形癌患者にダブラフェニブ150mgを単回及び反復経口投与したときの血漿中ダブラフェニブ濃度推移(平均値+標準偏差、1日目:n=6、21日目:n=5)

日本人固形癌患者にダブラフェニブ75~150mgを単回及び反復経口投与したときの血漿中ダブラフェニブの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgを高脂肪・高カロリー食摂食後に単回経口投与した時、AUC及びCmaxは絶食下に比べてそれぞれ約31及び51%低下した。また、食後のTmax(6時間)は絶食下(2時間)に比べて遅延した。[7.2参照]
16.3 分布
ダブラフェニブのヒト血漿蛋白結合率は99.7%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 In vitro
ダブラフェニブは主にCYP2C8及び3A4により水酸化体に代謝され、更にCYP3A4によりカルボン酸体に代謝された。また、カルボン酸体は非酵素的に脱メチル化された。
16.4.2 In vivo
血漿中には、主にカルボン酸体が検出された(血中放射能の約54%)(外国人)。その他にはt‐ブチル基が酸化された水酸化体、脱カルボン酸化された脱メチル体が検出された(外国人及び日本人)。
16.5 排泄
外国人固形癌患者4例に[14C]ダブラフェニブの95mg(懸濁液)を単回経口投与した時、尿糞中には投与量の93.8%が回収された(投与後240時間)。放射能の主排泄経路は糞中(投与量の約71.1%)であり、尿中には22.7%が回収された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児
海外第I相試験(A2102試験及びX2101試験)及び国際共同第II相試験(G2201試験)に組み入れられた109例(6歳以上18歳未満)のデータを用いた母集団薬物動態解析の結果、①26kg以上38kg未満の患者に75mg、②38kg以上43kg未満の患者に100mg、③43kg以上51kg未満の患者に125mg、④51kg以上の患者に150mgをそれぞれ1日2回反復経口投与した際の、ダブラフェニブのCmax(μg/mL)及びAUC0-12h(μg・hr/mL)の中央値は、①1.29及び4.35、②1.48及び5.20、③1.65及び6.05並びに④1.50及び5.25と推定された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
ダブラフェニブはCYP2B6及び3A4を誘導した。また、ダブラフェニブはCYP2C8及び2C19を阻害した(IC50値:それぞれ8.2及び22.4μmol/L)。ダブラフェニブはPgp及びBCRPの基質であった。[10.参照]
16.7.2 In vivo
(1)ケトコナゾール
外国人固形癌患者16例にCYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤は国内未承認)400mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したときのダブラフェニブのAUC及びCmaxは、ダブラフェニブ単独投与に比べてそれぞれ約71及び33%増加した。[10.2参照]
(2)ゲムフィブロジル
外国人固形癌患者17例にCYP2C8の阻害作用を有するゲムフィブロジル(国内未承認)600mgの1日2回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは約47%増加したものの、Cmaxは変化しなかった。[10.2参照]
(3)ワルファリン
外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とワルファリン(S体:CYP2C9の基質、R体:CYP3A4及びCYP1A2の基質)15mg単回経口投与を併用したときのワルファリンのAUCは、ワルファリン単独投与に比べて、S体で約37%、R体で約33%減少した。また、ワルファリンのCmaxはワルファリン単独投与に比べて、S体で約18%、R体で約19%増加した。[10.2参照]
(4)ミダゾラム
外国人固形癌患者12例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とミダゾラム(CYP3Aの基質)3mgの単回経口投与を併用したときのミダゾラムのAUC及びCmaxは、ミダゾラム単独投与に比べてそれぞれ約74及び61%減少した。[10.2参照]
(5)リファンピシン
外国人固形癌患者17例にCYP3A及びCYP2C8の誘導作用を有するリファンピシン600mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べて、ダブラフェニブのCmaxは27%、AUCは34%減少した。[10.2参照]
(6)ロスバスタチン
外国人がん患者16例にロスバスタチン(OATP1B1及びOATP1B3の基質)10mgの単回経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは94%、AUCは22%増加した。また、ダブラフェニブ150mgを1日2回14日間反復投与した後にロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは156%増加、AUCは7%増加した。[10.2参照]
(7)その他の薬剤
トラメチニブ
外国人固形癌患者17例にトラメチニブ2mgの1日1回反復経口投与とダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与を併用した時、血漿中ダブラフェニブのCmax及びAUCは、ダブラフェニブ単独投与時に比べて、それぞれ約16及び23%増加した。
ラベプラゾール
外国人固形癌患者17例にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは3%増加し、Cmaxは12%減少した。
注)本剤の承認用法・用量は、ダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時経口投与である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
17.1.1 国内第I/II相臨床試験(MEK116885試験)
BRAF V600E/K変異を有する①進行固形癌患者(第I相パート)及び②根治切除不能な悪性黒色腫患者(第II相パート)(症例数:①6例及び②6例)を対象にダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)を併用する第I/II相非盲検非対照試験を実施した。第II相パートにおける奏効率注1)は83%(5/6例)であった。
副作用発現頻度は、100%(12/12例)であった。主な副作用は、発熱66.7%(8/12例)、AST増加及び末梢性浮腫各50.0%(6/12例)であった。[5.2参照]
注1)RECIST(ver 1.1)ガイドラインによる治験責任医師に基づく判定(CR+PR)
17.1.2 海外第III相臨床試験(MEK116513試験、COMBI‐v)
BRAF V600E/K変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者704例を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)を併用する群(併用療法群352例)とベムラフェニブ(1回960mgを1日2回連日投与)を投与する群(ベムラフェニブ群352例)と比較した第III相非盲検無作為化比較試験を実施した。全生存期間(OS)の中間解析において、ベムラフェニブ群と比較して併用療法群において統計学的に有意な延長が認められた[Kaplan‐Meier法で推定した中央値:併用療法群未到達、ベムラフェニブ群17.2ヵ月、ハザード比0.69(95%信頼区間:0.53-0.89)、層別log‐rank検定 p=0.005]。
全生存期間(OS)のKaplan‐Meier曲線(MEK116513試験ITT集団、2014年4月17日カットオフ)

ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、91%(320/350例)であった。主な副作用は、発熱47%(163/350例)、悪寒28%(98/350例)及び悪心23%(81/350例)であった。[5.2参照]
17.1.3 海外第III相臨床試験(MEK115306試験、COMBI‐d)
BRAF V600E/K変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者423例を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)を併用する群(併用療法群211例)と、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)を投与する群(単剤療法群212例)を比較した第III相二重盲検無作為化比較試験を実施した。無増悪生存期間(PFS)の解析において、単剤療法群と比較して併用療法群において統計学的に有意な延長が認められた[Kaplan‐Meier法で推定した中央値:併用療法群9.3ヵ月、単剤療法群8.8ヵ月、ハザード比0.75(95%信頼区間:0.57-0.99)、層別log‐rank検定 p=0.035]。なお、OSの最終解析において、Kaplan‐Meier法で推定した中央値は併用療法群で25.1ヵ月、単剤療法群で18.7ヵ月であった[ハザード比0.71(95%信頼区間:0.55-0.92)]。
ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、併用療法群では、86%(179/209例)であった。主な副作用は、発熱47%(98/209例)、悪寒27%(57/209例)及び疲労25%(52/209例)であった。単剤療法群では、88%(186/211例)であった。主な副作用は、過角化30%(63/211例)、疲労27%(56/211例)及び脱毛症25%(52/211例)であった。[5.2参照]
17.1.4 海外第III相臨床試験(BRF113683試験、BREAK‐3)
BRAF V600E変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者250例を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)を投与する群(187例)とダカルバジン1,000mg/m2(体表面積)を3週毎に静脈内投与する群(63例)を比較した第III相非盲検無作為化比較試験を実施した。PFSの解析において、ダカルバジン群と比較してダブラフェニブ投与群における統計学的に有意な延長が認められた[Kaplan‐Meier法で推定した中央値:ダブラフェニブ投与群5.1ヵ月、ダカルバジン群2.7ヵ月、ハザード比0.30(95%信頼区間:0.18-0.51)、層別log‐rank検定 p<0.0001]。
無増悪生存期間(PFS)のKaplan‐Meier曲線(BRF113683試験ITT集団、2011年12月19日カットオフ)

ダブラフェニブ投与群における副作用発現頻度は、88%(164/187例)であった。主な副作用は、過角化34%(63/187例)、皮膚乳頭腫21%(40/187例)、脱毛症20%(37/187例)であった。[5.2参照]
〈悪性黒色腫の術後補助療法〉
17.1.5 国際共同第III相臨床試験(F2301試験、COMBI‐AD)
BRAF V600E/K変異を有する再発ハイリスク(American Joint Committee on Cancer(AJCC)Melanoma of the Skin Staging version 7に基づく病期IIIa:リンパ節転移1mm超、IIIb、IIIc)の悪性黒色腫の術後患者870例(日本人患者5例を含む)を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)を併用する群(併用療法群438例)とプラセボ群(432例)を比較した第III相二重盲検無作為化比較試験を実施した。併用療法もしくはプラセボの投与期間は12ヵ月間とした。無再発生存期間(RFS)の解析において、プラセボ群と比較して併用療法群において統計学的に有意な延長が認められた[Kaplan‐Meier法で推定したRFSの中央値:併用療法群未到達、プラセボ群16.6ヵ月、ハザード比0.47(95%信頼区間:0.39-0.58)、層別log‐rank検定 p=1.53×10の-14乗]。
無再発生存期間(RFS)のKaplan‐Meier曲線(2017年6月30日カットオフ)

ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、91.5%(398/435例(日本人患者3例を含む))であった。主な副作用は、発熱56.1%(244/435例)、疲労39.1%(170/435例)、悪寒35.6%(155/435例)であった。[5.2参照]
〈非小細胞肺癌〉
17.1.6 国際共同第II相臨床試験(E2201試験)
BRAF V600E変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)の併用投与(①白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法歴のある患者57例(日本人患者1例を含む)、②化学療法歴のない患者36例)を検討する第II相非盲検非対照試験を実施した。奏効率注1)(%)はそれぞれ①63.2(95%信頼区間:49.3-75.6)及び②61.1(95%信頼区間:43.5-76.9)であった。
ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、89.2%(83/93例(日本人患者1例を含む))であった。主な副作用は、発熱49.5%(46/93例)、悪心38.7%(36/93例)、嘔吐及び皮膚乾燥26.9%(25/93例)であった。[5.3参照]
〈固形腫瘍、有毛細胞白血病〉
17.1.7 国際共同第II相臨床試験(X2201試験、ROAR)
標準的な治療選択肢のないBRAF V600E変異を有する固形腫瘍患者、BRAF V600E変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病患者注2)等(18歳以上)を対象に、ダブラフェニブ(1回150mgを1日2回連日投与)とトラメチニブ(2mgを1日1回連日投与)の併用投与を検討する第II相非盲検非対照試験を実施した。奏効率は、表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、88.8%(174/196例(日本人患者7例を含む))であった。主な副作用は、発熱41.8%(82/196例)、疲労27.0%(53/196例)、悪寒26.0%(51/196例)であった。[5.6、5.8参照]
注2)プリンアナログによる一次治療に不応若しくは当該治療の1年以内に再発した、又は2つ以上の治療後に増悪した有毛細胞白血病患者が対象とされた。
17.1.8 海外第I/II相試験(小児X2101試験、パートD)
BRAF V600変異を有するLGG及びランゲルハンス細胞組織球症(LCH)患者(1歳以上18歳未満)を対象に、ダブラフェニブ(12歳未満:2.625mg/kg、12歳以上:2.25mg/kgを1日2回連日投与)注6)とトラメチニブ(6歳未満:0.032mg/kg、6歳以上:0.025mg/kgを1日1回連日投与)の併用投与(①LGG:20例、②LCH:10例)を検討する第I/II相非盲検非対照試験を実施した。奏効率注7)(%)はそれぞれ①25.0(95%信頼区間:8.7-49.1)及び②60.0(95%信頼区間:26.2-87.8)であった。
ダブラフェニブとトラメチニブ併用療法群における副作用発現頻度は、100%であった。主な副作用は発熱53.3%(16/30例)、疲労36.7%(11/30例)、皮膚乾燥36.7%(11/30例)であった。[5.6参照]
注6)小児に対する本剤の承認用法・用量は、体重26kg以上38kg未満の患者は75mg、38kg以上43kg未満の患者は100mg、43kg以上51kg未満の患者は125mg、51kg以上の患者は150mgを1回投与量とし、1日2回経口投与である。
注7)①はRANO LGG(2011)基準による独立画像判定に基づく判定(CR+PR)、②はHistiocyte Society Evaluations and Treatment Guidelines(Apr. 2009)(Minkov et al. 2009)による治験責任医師に基づく判定(CR+Regressive disease)。

18.1 作用機序
ダブラフェニブは、BRAF変異型(V600E、V600K及びV600D)のキナーゼ活性を阻害した。また、ダブラフェニブは、A375P F11細胞株を移植したマウスの腫瘍組織において、RAFシグナル経路下流のERKのリン酸化を阻害した。
18.2 抗腫瘍効果
18.2.1 In vitro
(1)ダブラフェニブは、BRAF V600E変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来細胞株(UACC‐257、SK‐MEL‐1、COLO‐829等)、ヒト非小細胞肺癌由来MV522細胞株及びヒト甲状腺未分化癌由来細胞株(8505C及び8305C)、BRAF V600K変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来細胞株(WW165、YUMAC、YULAC及びYUSIT1)並びにBRAF V600D変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来WM‐115細胞株の増殖を抑制した。
(2)ダブラフェニブを、MEK1及びMEK2阻害薬であるトラメチニブと併用することにより、UACC‐257、SK‐MEL‐1、COLO‐829、MV522、8505C、8305C細胞株等に対する増殖抑制作用は各薬剤単独処理と比較して増強した。
18.2.2 In vivo
ダブラフェニブは、BRAF V600E変異型を発現するヒト悪性黒色腫由来A375P F11細胞株を皮下移植したマウスにおいて、腫瘍増殖を抑制した。また、ダブラフェニブとトラメチニブを併用投与することにより、各薬剤単独投与と比較して腫瘍増殖抑制作用が増強した。

一包可:不明

抗悪性腫瘍剤@バラ包装

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