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ジェセリ錠40mg

販売名
ジェセリ錠40mg
識別コード
40 P116
薬価
40mg1錠 6265.00円
製造メーカー
大鵬薬品

添付文書情報2024年06月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ピミテスピブ錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. イマチニブ、スニチニブ及びレゴラフェニブによる治療後の患者を対象とすること。
5.2. 本剤の手術の補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 食後に本剤を投与した場合、Cmax上昇及びAUC上昇する。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。
7.3. 副作用がみられた場合は、症状、重症度に応じて次の基準を考慮して、本剤を休薬・減量すること。
[減量する場合の投与量]
1). 通常投与量:160mg/日。
2). 1段階減量:120mg/日。
3). 2段階減量:80mg/日。
4). 3段階減量:40mg/日。
[副作用発現時の休薬・減量基準]
1). 下痢:
①. 下痢<グレード2>:管理困難で忍容不能な場合は、グレード1以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与を再開できる。
②. 下痢<グレード3以上>:グレード1以下に回復するまで休薬し、回復後、1段階減量した用量又は同一用量で投与を再開できる。
2). 眼障害<グレード2以上>:グレード1以下に回復するまで休薬し、回復後、1段階減量した用量又は同一用量で投与を再開できる。
3). 前記以外の副作用<グレード3以上>:グレード2又はグレード1以下に回復するまで休薬し、グレード2に回復後、1段階減量した用量又はグレード1以下に回復後、同一用量で投与を再開できる。
グレードはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。
生殖能を有する者
8.1. 重度下痢があらわれることがあるので、定期的に症状を確認するなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 眼障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に眼の異常の有無を確認し、必要に応じて検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。
肝機能障害患者:本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。
なお、中等度肝機能障害(総ビリルビンが基準値上限1.5倍より高い)患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4.1. 生殖可能な患者に投与する必要がある場合には、生殖機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(動物実験(ラット)で膣上皮アポトーシス小体増加、卵巣多巣性嚢胞、白斑、黄体減少及び間質腺増生が報告されており、動物実験(ラット及びイヌ)で精細管変性及び副生殖腺萎縮性変化、精巣上体精子減少を伴う胚上皮変性/胚上皮壊死が報告されている)。
9.4.2. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2参照〕。
9.4.3. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2参照〕。
相互作用
本剤は、CYP3A、MATE1及びMATE2-Kの阻害作用を示す。
10.2. 併用注意:1). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、アルプラゾラム、アトルバスタチン等)〔16.7.1参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). MATE1の基質となる薬剤及びMATE2-Kの基質となる薬剤(メトホルミン、ピルシカイニド、プロカインアミド等)〔16.7.1参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重度の下痢:重度下痢(16.0%)により脱水をきたし、重篤な腎障害があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 眼障害:夜盲(12.0%)、霧視(5.3%)、視力障害(5.3%)、網膜静脈閉塞(1.3%)、網膜症(1.3%)、後天性色覚異常(1.3%)等があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.3. 出血:腹腔内出血(1.3%)、出血性十二指腸潰瘍(1.3%)等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%未満)発声障害。
2). 血液:(5~10%未満)貧血、(5%未満)血小板数減少。
3). 感覚器:(10%以上)味覚障害。
4). 肝臓:(5~10%未満)ALT上昇、AST上昇、肝障害、(5%未満)血中ビリルビン増加、ALP増加。
5). 呼吸器:(5%未満)肺炎。
6). 腎臓・泌尿器:(10%以上)腎機能障害、血中クレアチニン増加(28.0%)、(5%未満)膀胱炎、排尿困難、蛋白尿。
7). 消化器:(10%以上)下痢(72.0%)、食欲減退(29.3%)、悪心(25.3%)、(5~10%未満)嘔吐、(5%未満)腹部不快感、腹痛、口内乾燥、消化不良、腸炎、口内炎。
8). 皮膚:(5~10%未満)発疹、(5%未満)脱毛症、ざ瘡様皮膚炎、湿疹、皮膚そう痒症、斑状丘疹状皮疹。
9). その他:(10%以上)倦怠感(26.7%)、(5%未満)甲状腺機能低下症、浮腫、発熱、LDH増加、体重減少、脱水、低カリウム血症、血中リン減少。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラットの胚・胎仔発生試験において、臨床曝露量(AUC)以下の曝露量で胚に対して発育抑制・胎仔に対して発育抑制、催奇形性及び胎生致死が認められている)〔9.4.2参照〕。
授乳しないことが望ましい(本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報遺伝毒性試験成績から、染色体構造異常誘発作用が認められた〔9.4.2、9.4.3参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
日本人進行固形癌患者22例に、本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときのピミテスピブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差、n=22)

本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与5日目におけるピミテスピブの蓄積率は1.27であった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人進行固形癌患者16例に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるピミテスピブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.92及び1.64であった。[7.2参照]
16.3 分布
ピミテスピブのヒト血漿蛋白結合率は93.1~93.6%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)。ピミテスピブのヒト血液/血漿中濃度比は0.525~0.630であった(in vitro)。
16.4 代謝
ピミテスピブは主にCES1によって代謝される(in vitro)。進行固形癌患者3例に本剤150.5mg/m2注)を反復経口投与したとき、投与24時間後までの尿中に未変化体、アミド加水分解体、N‐脱メチル体等が検出された。
16.5 排泄
日本人進行固形癌患者6例に本剤107.5mg/m2注)を経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の2.2%が尿中に未変化体として排泄された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ミダゾラム及びメトホルミン
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ミダゾラム(CYP3Aの基質)及びメトホルミン(MATE1及びMATE2‐Kの基質)単独投与時と比較して本剤併用時にミダゾラム及びメトホルミンの曝露量が上昇する可能性が示唆された。[10.2参照]
16.7.2 その他
(1)ピミテスピブはP‐gp及びBCRPの基質である(in vitro)。
(2)ピミテスピブはP‐gp、BCRP及びOATP1B1を阻害する(in vitro)。
注)本剤の承認された用法・用量は次記のとおりである。
通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(10058030試験)
イマチニブ、スニチニブ及びレゴラフェニブによる治療後に増悪した注1)切除不能又は遠隔転移を有する消化管間質腫瘍患者86例を対象に、本剤160mg又はプラセボを1日1回5日間連続経口投与したのち2日間休薬するスケジュールで繰り返し投与した結果、本剤はプラセボと比較して主要評価項目である改変RECIST ver.1.1注2)に基づく無増悪生存期間を有意に延長した(2020年6月23日データカットオフ)。
注1)イマチニブ、スニチニブ及びレゴラフェニブによる治療に対して、RECISTに基づく進行、又は臨床的な増悪若しくは不耐と判定された患者が対象とされた。
注2)通常のRECIST ver.1.1から次の点が改変された基準が用いられた。
①リンパ節病変を標的病変として選択しない。
②既存の腫瘍内に新たに出現した腫瘍結節を新規病変と判定する基準について、(i)最長径が2cm以上で、ダイナミックCTで造影される病変であること、かつ(ii)21日以上の撮像間隔かつ2回以上連続した腫瘍評価で認められることと定義する。
無増悪生存期間の結果
→図表を見る(PDF)

無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

副作用は本剤が投与された注5)75例中70例(93.3%)に認められた。主な副作用の発現例数(発現率)は、下痢54例(72%)、食欲減退22例(29.3%)、血中クレアチニン増加21例(28%)、倦怠感20例(26.7%)、悪心19例(25.3%)、腎機能障害10例(13.3%)、夜盲9例(12%)であった。
注5)本剤群58例及びプラセボから本剤への切替え例17例

18.1 作用機序
ピミテスピブは、HSP90によるクライアントタンパクの高次構造の形成を阻害することにより、腫瘍の増殖に関与するタンパクの発現量の減少、アポトーシスの誘導等を介して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍効果
18.2.1 ピミテスピブは、ヒト消化管間質腫瘍由来GIST‐T1細胞株に対して増殖抑制作用を示した(in vitro)。
18.2.2 ピミテスピブは、GIST‐T1細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。

一包可:不可

抗悪性腫瘍剤

分割:不可
粉砕:不明

抗悪性腫瘍剤

製造販売会社
大鵬薬品
販売会社
 

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