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トルカプ錠200mg

販売名
トルカプ錠200mg
識別コード
CAV 200
薬価
200mg1錠 11244.30円
製造メーカー
アストラゼネカ

添付文書情報2024年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
カピバセルチブ錠
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
内分泌療法後に増悪したPIK3CA遺伝子変異HR陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、AKT1遺伝子変異HR陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌又はPTEN遺伝子変異HR陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌(HR:ホルモン受容体)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者の内分泌療法歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
5.3. 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PIK3CA、AKT1又はPTEN遺伝子変異が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
用法・用量
フルベストラントとの併用において、通常、成人にはカピバセルチブとして1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の目安を考慮して、休薬・減量・中止すること。
[減量の目安]
1). 通常投与量:1回400mg。
2). 1段階減量:1回320mg。
3). 2段階減量:1回200mg。
4). 3段階減量:投与中止。
[副作用発現時の用量調節基準]
1). 高血糖:
①. 症候性のGrade2の高血糖:Grade1以下に回復するまで休薬する(21日以内に回復した場合、同一用量で投与を再開し、21日を過ぎてから回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する)。
②. Grade3の高血糖:Grade1以下に回復するまで休薬する(21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開し、21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する)。
③. Grade4の高血糖:投与を中止する。
2). 下痢:
①. Grade2の下痢:Grade1以下に回復するまで休薬する(21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開し、21日以内に回復しなかった場合、又は再発した場合、1段階減量した用量で投与を再開する)。
②. Grade3の下痢:Grade1以下に回復するまで休薬する(21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開し、21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する)。
③. Grade4の下痢:投与を中止する。
3). 発疹及びその他の皮膚障害:
①. Grade2の発疹及びその他のGrade2の皮膚障害:持続する場合、休薬する(再開する場合、同一用量で投与する)。
②. Grade3の発疹及びその他のGrade3の皮膚障害:Grade1以下に回復するまで休薬する(28日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開し、28日以内に回復しなかった場合、投与を中止する)。Grade3以上の忍容不能な発疹再発又はその他のGrade3以上の忍容不能な皮膚障害再発した場合、投与の中止を検討する。
③. Grade4の発疹及びその他のGrade4の皮膚障害:投与を中止する。
4). 前記以外の副作用:
①. Grade2の副作用<忍容不能な場合>及びGrade3の副作用:Grade1以下又は忍容可能なGrade2に回復するまで休薬する(21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開し、21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する)。
②. Grade4の副作用:投与を中止する。
高血糖のGradeはNCI-CTCAE ver4.03に、その他の副作用のGradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。
7.3. 強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を320mgに減量すること〔10.2、16.7.1参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に空腹時血糖値及びHbA1cの測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
9.1.1. 糖尿病若しくはその既往を有する患者又は血糖コントロールが不良な患者:高血糖が発現又は悪化するおそれがある(臨床試験においては、1型糖尿病又はインスリンの投与を必要とする2型糖尿病患者及びHbA1c≧8.0%の患者は除外された)〔8.1、11.1.1参照〕。
9.2.1. 重度の腎機能障害のある患者:重度腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある(なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量の1.3倍(ラット)又は0.9倍(イヌ)の曝露量で雄生殖器への影響(精巣精細管変性/精巣精細管萎縮性変化、精巣上体精子数減少、細胞残渣等)が認められ、4週間の休薬後においても回復性は認められなかった)。
相互作用
本剤は、主にCYP3Aにより代謝され、CYP3Aに弱い阻害作用を示す。また、本剤はMATE1、MATE2-K及びOCT2に阻害作用を示す〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 強いCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、ボリコナゾール等)〔7.3、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). グレープフルーツ含有食品〔7.3、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). 中程度のCYP3A阻害剤(ベラパミル、エリスロマイシン、フルコナゾール等)〔16.7.3参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮し、やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
4). 強いCYP3A誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)〔16.7.3参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用
は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
5). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔16.7.3参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
6). 中程度のCYP3A誘導剤(モダフィニル、フェノバルビタール、リファブチン等)〔16.7.3参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
7). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、カルバマゼピン、シクロスポリン等)〔16.7.2参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
8). MATE1の基質となる薬剤、MATE2-Kの基質となる薬剤及びOCT2の基質となる薬剤(メトホルミン、プロカインアミド等)〔16.7.3参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がMATE1、MATE2-K及びOCT2を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高血糖(14.1%)〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 重度下痢(9.3%)。
11.1.3. 重度の皮膚障害:多形紅斑(1.7%)、全身性剥脱性皮膚炎(0.6%)等の重度皮膚障害があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 感染症および寄生虫症:(1%~10%未満)尿路感染。
2). 血液およびリンパ系障害:(1%~10%未満)貧血、(1%未満)好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、リンパ球減少症。
3). 免疫系障害:(1%未満)過敏症。
4). 代謝および栄養障害:(10%以上)食欲減退。
5). 神経系障害:(1%~10%未満)味覚不全、頭痛。
6). 胃腸障害:(10%以上)下痢(67.3%)、悪心(27.3%)、嘔吐、口内炎、(1%~10%未満)消化不良。
7). 皮膚および皮下組織障害:(10%以上)発疹(34.1%)、(1%~10%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、薬疹、(1%未満)皮膚炎。
8). 腎および尿路障害:(1%~10%未満)急性腎障害、(1%未満)腎不全、腎機能障害。
9). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)疲労、(1%~10%未満)粘膜炎症、無力症、発熱。
10). 臨床検査:(1%~10%未満)血中クレアチニン増加、グリコヘモグロビン増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、白血球数減少、(1%未満)心電図QT延長、糸球体濾過率減少。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(ラットにおける胚・胎仔発生試験において、AUC比較で臨床曝露量の約0.7倍に相当する用量で胚致死作用及び胎仔発育抑制が認められた)〔9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(授乳中のラット新生仔において本剤の曝露が確認されており、成長への悪影響が認められており、ヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットの骨髄小核試験において、総AUC比較で臨床曝露量の約1.3倍に相当する用量で遺伝毒性(異数性誘発作用)が認められたものの、in vitro試験においては変異原性又は染色体構造異常誘発性は認められなかった。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人進行固形癌患者(5例)にカピバセルチブのカプセル剤注1)400mgを単回経口投与し、3~7日間経過した後、カピバセルチブのカプセル剤注1)400mgを1日2回連日反復経口投与注2)したときの、初回投与後及び反復投与8日目のカピバセルチブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
<単回経口投与>
図 日本人進行固形癌患者にカピバセルチブのカプセル剤注1)400mgを単回経口投与注2)したときの血漿中カピバセルチブ濃度推移(平均値±標準偏差)
注1)カプセル剤は未承認である。
注2)本剤の承認用法・用量は「1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する」である。

<1日2回連日反復経口投与(8日目)>
図 日本人進行固形癌患者にカピバセルチブのカプセル剤注1)400mgを1日2回連日反復経口投与注2)したときの血漿中カピバセルチブ濃度推移(平均値±標準偏差)
注1)カプセル剤は未承認である。
注2)本剤の承認用法・用量は「1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する」である。

表 日本人進行固形癌患者にカピバセルチブのカプセル剤注1)400mgを単回及び1日2回連日反復経口投与注2)したときのカピバセルチブの薬物動態パラメータ(幾何平均値[幾何変動係数])
→図表を見る(PDF)

また、進行固形癌患者におけるカピバセルチブのCmax及びAUCは80~800mgの用量範囲注2)で概ね用量に比例して増加した(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 絶対バイオアベイラビリティ
健康成人(6例)に本剤400mgを単回経口投与及びカピバセルチブ100μgを静脈内投与注3)したときの絶対バイオアベイラビリティは29%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人に本剤400mgを単回経口投与したとき、短時間絶食(投与2時間前から投与1時間後まで絶食)(21例)に対する空腹時投与(22例)におけるカピバセルチブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.72及び0.84であった。また、健康成人に本剤400mgを単回経口投与したとき、短時間絶食(投与2時間前から投与1時間後まで絶食)(21例)に対する高脂肪・高カロリー食後投与(22例)におけるカピバセルチブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.85及び1.13であった(外国人データ)。
16.3 分布
健康成人(6例)にカピバセルチブ100μgを単回静脈内投与注3)したときの分布容積は205Lであった(外国人データ)。カピバセルチブのヒト血漿タンパク結合率は76.8~78.9%であった(in vitro)。カピバセルチブの血液/血漿中濃度比は1.402であった(in vitro)。
16.4 代謝
カピバセルチブの代謝に寄与する主なCYP分子種はCYP3Aであり、UGT2B7もカピバセルチブの代謝に寄与する(in vitro)。血漿中の主代謝物はエーテル型グルクロン酸抱合体と同定され、未変化体及び代謝物の総和の83%に相当した。また、血漿中に存在する未変化体及び代謝物の総和のうち、未変化体の占める割合は15%であった。活性代謝物は同定されなかった(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人(5例)に[14C]‐カピバセルチブ400mgを単回経口投与したとき、投与168時間後までに投与放射能の45%が尿中に、50%が糞中に排泄された。尿中には投与168時間後までに投与放射能の7.4%が未変化体として排泄された。腎クリアランスは全身クリアランスの21%を占めた(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人(11例)にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日目は1日2回、2~5日目は1日1回で反復経口投与し、本剤80mg注2)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のカピバセルチブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.70及び1.95であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.2 ミダゾラム
進行固形癌患者(21例)に本剤400mgを1日2回、4日間連続して経口投与、その後3日間休薬し、ミダゾラム(CYP3A基質)1mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時(間欠投与スケジュールの4日目)のミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.25及び1.75であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションにより、本剤400mgを1日2回、4日間連続して経口投与、その後3日間休薬したときの薬物相互作用を推定した。
(1)本剤単独投与時に対するベラパミル及びエリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)併用投与時のカピバセルチブのAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.40~1.41及び1.41~1.42と推定された。[10.2参照]
(2)本剤単独投与時に対するリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)併用投与時のカピバセルチブのAUCの幾何平均値の比は0.27~0.31と推定された。[10.2参照]
(3)本剤単独投与時に対するモダフィニル(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のカピバセルチブのAUCの幾何平均値の比は0.76~0.79と推定された。[10.2参照]
(4)メトホルミン(MATE1、MATE2‐K及びOCT2基質)単独投与時と比較して本剤併用投与時にメトホルミンの曝露量が上昇する可能性が示唆された。[10.2参照]
16.7.4 その他
(1)ラベプラゾール
健康成人(22例)にラベプラゾール20mgを1日2回で3日間投与し、本剤400mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するラベプラゾール併用投与時のカピバセルチブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.73及び0.94であった(外国人データ)。
(2)カピバセルチブはCYP2C9、CYP2D6、UGT1A1、UGT1A4、BCRP、OATP1B1、OATP1B3及びOAT3を阻害した(in vitro)。
(3)カピバセルチブはP‐gp及びOCT2の基質であることが示された(in vitro)。
注1)カプセル剤は未承認である。
注2)本剤の承認用法・用量は「1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する」である。
注3)注射剤は未承認である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(CAPItello‐291試験)
アロマターゼ阻害剤を含む内分泌療法後に増悪した、エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者注1)708例(本剤+フルベストラント併用投与群355例[日本人37例]、プラセボ+フルベストラント併用投与群353例[日本人41例])を対象に、本剤+フルベストラント併用投与とプラセボ+フルベストラント併用投与の有効性及び安全性を比較する無作為化二重盲検国際共同第III相試験を実施した。
注1)性別、閉経状況にかかわらず対象とされた。
本剤1回400mg又はプラセボ(1日2回、4日間投与3日間休薬)とフルベストラント500mg(1サイクルを28日間として、第1サイクルの1及び15日目並びに第2サイクル以降の1日目)を病勢進行等が認められるまで投与を継続した。閉経前の乳癌患者にはLH‐RHアゴニストが併用投与された。
主要評価項目の一つであるPIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子変異陽性集団における治験責任(分担)医師評価による無増悪生存期間について、本剤+フルベストラントの併用投与により、プラセボ+フルベストラントの併用投与と比較して統計学的に有意な延長が認められた。
表 国際共同第III相試験(CAPItello‐291試験)における成績
→図表を見る(PDF)

図 無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線(PIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子変異陽性集団、治験責任[分担]医師評価)

本剤とフルベストラントが併用投与された355例(日本人37例を含む)中343例(96.6%)に有害事象が認められた。主な有害事象は、下痢257例(72.4%)、悪心123例(34.6%)、発疹78例(22.0%)、疲労74例(20.8%)及び嘔吐73例(20.6%)等であった。[5.2参照]

18.1 作用機序
カピバセルチブは、AKTのキナーゼ活性を阻害する。カピバセルチブは、AKT及びその下流のシグナル伝達分子を阻害することにより、腫瘍増殖抑制効果を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
18.2.1 In vitro
カピバセルチブは、PIK3CA/PTEN遺伝子変異陽性、PIK3CA遺伝子変異陽性、及びPTEN遺伝子変異陽性の乳癌由来細胞株に対して増殖抑制作用を示した。
18.2.2 In vivo
カピバセルチブは、PIK3CA/PTEN遺伝子変異陽性、PIK3CA遺伝子変異陽性、AKT1遺伝子変異陽性、及びPTEN遺伝子変異陽性の乳癌患者由来腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した。

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分割:不可
粉砕:不明

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