イブトロジーカプセル200mg

添付文書情報2025年11月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った例が報告されているので、初期症状(息切れ、咳嗽、発熱等の有無)の確認及び胸部CT検査等の実施など、十分に観察すること(異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと)。また、治療初期は入院又はそれに準じる管理の下で、間質性肺疾患等の重大な副作用発現に関する観察を十分に行うこと〔8.2、9.1.1、11.1.2参照〕。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ROS1融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
5.2. 本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 用法・用量
- 通常、成人にはタレトレクチニブとして1日1回600mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 食後に本剤を投与した場合、本剤のCmax上昇及びAUC上昇するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の前後2時間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。
7.2. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。
[減量する場合の投与量]
1). 通常投与量:600mg1日1回。
2). 1段階減量:400mg1日1回。
3). 2段階減量:200mg1日1回。
4). 中止:200mg1日1回で忍容不能な場合、投与を中止する。
[休薬・減量・中止の基準]
1). 肝機能障害〔11.1.1参照〕:
①. Grade3のAST増加又はGrade3のALT増加:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(a.6週間以内に回復した場合は減量して投与を再開できる、b.6週間以内に回復しない場合は投与を中止する)。
②. Grade4のAST増加又はGrade4のALT増加:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(a.6週間以内に回復した場合は減量して投与を再開できる、b.6週間以内に回復しない場合は投与を中止する、c.再発した場合は投与を中止する)。
③. ASTが基準値上限の3倍以上かつ血清総ビリルビンが基準値上限の2倍以上又はALTが基準値上限の3倍以上かつ血清総ビリルビンが基準値上限の2倍以上:投与を中止する。
2). 間質性肺疾患〔11.1.2参照〕:
①. Grade1の間質性肺疾患:ベースラインに回復するまで休薬する(a.6週間以内に回復した場合は同じ用量で投与を再開できる、b.6週間以内に回復しない場合は投与を中止する、c.再発した場合は投与を中止する)。
②. Grade2~4の間質性肺疾患:投与を中止する。
3). QT間隔延長〔11.1.3参照〕:
①. Grade2のQT間隔延長:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(同じ用量で投与を再開できる)。
②. Grade3のQT間隔延長:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(減量して投与を再開できる)。
③. Grade4のQT間隔延長:投与を中止する。
4). 前記以外の副作用:
①. Grade3の副作用:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(a.同じ用量又は減量して投与を再開できる、b.Grade3以上の再発が認められた場合は減量して投与を再開又は投与を中止する)。
②. Grade4の副作用:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(a.患者の状態により、減量して投与を再開又は投与を中止する、b.再発した場合は投与を中止する)。
GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、咳嗽、発熱等の有無)の確認及び胸部CT検査等の実施など、十分に観察すること。また、患者に対して、間質性肺疾患の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること〔1.2、9.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に確認すること(また、必要に応じて、電解質を補正すること)〔9.1.2、10.2、11.1.3参照〕。
9.1.1. 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者:間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある〔1.2、8.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者:QT間隔延長が発現又は悪化するおそれがある〔8.3、10.2、11.1.3参照〕。
9.3.1. 中等度以上の肝機能障害のある患者:本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある(中等度以上(総ビリルビン値が基準値上限の1.5倍超)の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない)〔16.6.2参照〕。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後3週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、主にCYP3Aによって代謝される。また、CYP1A2に対して誘導作用を示し、CYP2D6、BCRP、MATE1及びMATE2-Kに対して阻害作用を示す。
10.2. 併用注意:1). 強いCYP3A阻害剤又は中程度のCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン、フルコナゾール等)、グレープフルーツジュース〔16.7.1、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). CYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等)〔16.7.2、16.7.4参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
3). プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等)、H2受容体拮抗剤(ファモチジン、シメチジン等)〔16.7.3参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること(これらの薬剤による胃内pHの上昇により本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). 制酸剤<PPI・H2ブロッカー以外>(炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等)[本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、本剤との投与間隔を2時間以上あけて投与すること(これらの薬剤による胃内pHの上昇により本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
5). CYP1A2の基質となる薬剤(カフェイン、テオフィリン、チザニジン等)〔16.7.4参照〕[これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある(本剤がCYP1A2誘導作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
6). CYP2D6の基質となる薬剤(デキストロメトルファン、イミプラミン、アミトリプチリン等)〔16.7.4参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP2D6阻害作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
7). BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン、サラゾスルファピリジン、イマチニブ等)〔16.7.4参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がBCRP阻害作用
を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
8). MATE1の基質となる薬剤及びMATE2-Kの基質となる薬剤(メトホルミン、プロカインアミド、シメチジン等)〔16.7.4参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がMATE1及びMATE2-K阻害作用を有するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
9). QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(クラリスロマイシン、ハロペリドール、メサドン等)〔8.3、9.1.2、11.1.3参照〕[QT間隔延長作用を増強するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること(本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝不全(0.3%)、肝機能障害(13.4%)〔7.3、8.1参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患(1.8%)〔1.2、7.3、8.2、9.1.1参照〕。
11.1.3. QT間隔延長(19.1%)〔7.3、8.3、9.1.2、10.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(10%以上)下痢(60.8%)、悪心(44.4%)、嘔吐(41.9%)、便秘、腹痛、(1~10%未満)胃食道逆流性疾患、消化不良、腹部膨満、口内乾燥、鼓腸、胃腸障害、口内炎、嚥下障害、(1%未満)胃炎、消化管運動障害。
2). 代謝及び栄養障害:(10%以上)食欲減退、高コレステロール血症、高尿酸血症、高トリグリセリド血症、(1~10%未満)低アルブミン血症、低カリウム血症、高脂血症、高血糖、低カルシウム血症、低ナトリウム血症。
3). 神経系障害:(10%以上)末梢性ニューロパチー、味覚異常、めまい、(1~10%未満)頭痛、(1%未満)注意力障害、神経毒性。
4). 皮膚及び皮下組織障害:(10%以上)発疹、(1~10%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、皮膚色素沈着障害、皮膚色素過剰、ざ瘡様皮膚炎、皮膚疼痛、光線過敏性反応、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚炎、(1%未満)爪障害、多汗症、皮膚剥脱、皮膚亀裂、薬疹、斑状出血、紅斑、蕁麻疹。
5). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)貧血(32.2%)、好中球数減少、白血球数減少、(1~10%未満)リンパ球数減少、血小板数減少、白血球数増加、血小板数増加、好中球数増加。
6). 筋骨格系及び結合組織障害:(1~10%未満)筋肉痛、関節痛、筋力低下、四肢痛、背部痛、(1%未満)筋骨格硬直。
7). 心臓障害:(1~10%未満)徐脈、上室性期外収縮、洞性頻脈、(1%未満)心房頻脈、第一度房室ブロック、洞性不整脈、動悸、心室性期外収縮。
8). 腎臓及び尿路障害:(10%以上)血中クレアチニン増加、蛋白尿、(1~10%未満)血尿、尿中蛋白陽性、血中尿素増加、尿中白血球陽性、アルブミン尿、(1%未満)排尿困難。
9). 肝胆道系障害:(10%以上)AST増加(69.6%)、ALT増加(66.6%)、血中ビリルビン増加、γ-GTP上昇、(1~10%未満)血中ALP増加、血中LDH増加、(1%未満)胆嚢炎、肝損傷。
10). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1~10%未満)咳嗽、呼吸困難、(1%未満)発声障害、口腔咽頭不快感、喀血、しゃっくり、胸水、喘鳴。
11). 眼障害:(1~10%未満)霧視、(1%未満)白内障、眼球乾燥症。
12). 感染症及び寄生虫症:(1~10%未満)尿路感染、肺炎、(1%未満)上気道感染、咽頭炎。
13). 血管障害:(1~10%未満)高血圧、低血圧。
14). 精神障害:(1~10%未満)不眠症。
15). 耳及び迷路障害:(1~10%未満)耳鳴。
16). その他:(10%以上)疲労、血中CPK増加、(1~10%未満)体重減少、浮腫、倦怠感、体重増加、発熱、疼痛、胸部不快感、(1%未満)腋窩痛、胸痛、インフルエンザ様疾患、非心臓性胸痛。
副作用の発現頻度は、G208試験コホート1~5における本剤600mg1日1回投与群の患者(159例)及びC203試験における本剤600mg1日1回投与群の患者(170例)を集計対象とした。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で臨床曝露量(600mg1日1回)の約0.9倍に相当する量で胎仔骨格異常(胎仔骨盤骨化異常)が認められており、また、動物実験(ウサギ)において臨床曝露量(600mg1日1回)の約0.03倍に相当する量で母動物死亡及び流産が認められている)〔9.4.1、9.4.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明である)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 湿気を避けるため、乾燥剤を同封したボトル包装品のまま患者に交付すること。
14.1.2. 湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓するよう患者に指導すること。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報In vitro光毒性試験陽性結果が得られた。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
ROS1融合遺伝子を有する日本人非小細胞肺癌患者に本剤を空腹時1日1回連日21日間反復投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを次に示す。
血漿中濃度推移(21日反復投与の1日目)
血漿中濃度推移(21日反復投与の15日目)
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人32例に本剤400mg注2)を空腹時及び食後(高脂肪、高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるタレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.47及び1.49であった(外国人データ)。
進行固形癌患者11例に本剤400mg注2)を空腹時及び食後(低脂肪、低カロリー標準食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるタレトレクチニブのCmax及びAUC0-24hの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.45及び1.23であった(外国人データ)。[7.1参照]
16.3 分布
16.3.1 分布容積
母集団薬物動態解析により、タレトレクチニブの定常状態での見かけの分布容積(Vss/F)は9820Lと推定された。
16.3.2 タンパク結合率
タレトレクチニブのヒト血漿タンパク結合率は92.6~96.5%であった(in vitro)。
16.4 代謝
CYP3Aがタレトレクチニブの代謝に関与する主要な酵素である(in vitro)。健康成人8例に14C標識-タレトレクチニブ200mg注2)を単回経口投与したとき、血漿中には主にM348(N-脱アルキル化、O-脱アルキル化体のN-アセチル化硫酸抱合体)、未変化体及びM306(N-脱アルキル化、O-脱アルキル化体の硫酸抱合体)が検出された(血漿中総放射能のAUC0-336hに対する割合は、それぞれ40.7、23.2及び16.4%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人8例に14C標識-タレトレクチニブ200mg注2)を単回経口投与したとき、糞中には75.1%、尿中には11.1%の放射能が排泄された。糞中に排泄されたM421(水酸化体)及び未変化体の割合は、投与量のそれぞれ30.7及び15.3%であり、尿中に排泄された未変化体の割合は投与量の2.88%であった。また、タレトレクチニブの終末相の半減期は97.9時間であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
母集団薬物動態解析により、腎機能が正常な患者(305例)、軽度の腎機能障害患者(84例)及び中等度の腎機能障害患者注3)(16例)の定常状態におけるタレトレクチニブの平均血漿中濃度(幾何平均値)は、それぞれ495、472及び378ng/mLと推定された。
注3)eGFR(mL/min/1.73m2)が90以上では正常、60以上90未満では軽度、30以上60未満では中等度と分類
16.6.2 肝機能障害患者
母集団薬物動態解析により、肝機能が正常な患者(319例)及び軽度の肝機能障害患者注4)(86例)の定常状態におけるタレトレクチニブの平均血漿中濃度(幾何平均値)は、それぞれ482及び494ng/mLと推定された。[9.3.1参照]
注4)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人27例に、強いCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回反復投与し、本剤200mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%信頼区間(CI)]は、それぞれ1.76[1.62,1.91]及び3.28[2.97,3.63]であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人27例に、強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回反復投与し、本剤200mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.58[0.50,0.67]及び0.14[0.13,0.15]であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 オメプラゾール
健康成人22例に、プロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾール40mgを1日1回反復投与し、本剤400mg注2)を単回投与したとき、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.35[0.29,0.42]及び0.60[0.53,0.67]であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション
(1)フルコナゾール、ベラパミル
中程度のCYP3A阻害剤であるフルコナゾール又はベラパミルの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれフルコナゾール併用で1.24及び1.91、ベラパミル併用で1.51及び2.64と推定された。[10.2参照]
(2)エファビレンツ
中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれ0.60及び0.34と推定された。[10.2参照]
(3)デキサメタゾン
弱いCYP3A誘導剤であるデキサメタゾンの併用が本剤600mg単回投与の薬物動態に及ぼす影響について、タレトレクチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)は、それぞれ0.83及び0.64と推定された。[10.2参照]
(4)カフェイン
本剤600mgをCYP1A2基質であるカフェインと併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にカフェインの血中濃度が低下する可能性が示唆された。[10.2参照]
(5)デキストロメトルファン、ロスバスタチン、メトホルミン
本剤600mgをCYP2D6基質であるデキストロメトルファン、BCRP基質であるロスバスタチン、又はMATE1及びMATE2-K基質であるメトホルミンと併用投与したとき、単独投与時と比較して本剤併用投与時にデキストロメトルファン、ロスバスタチン又はメトホルミンの血中濃度が上昇する可能性が示唆された。[10.2参照]
16.7.5 その他
(1)健康成人13例に本剤600mgを単回投与(11日目)し、P-gp基質であるジゴキシン0.25mgを単回投与(1及び11日目)したとき、ジゴキシンのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ1.18[0.98,1.43]及び1.12[1.04,1.22]であった(外国人データ)。
(2)タレトレクチニブはP-gpの基質である(in vitro)。
注2)本剤の承認用法用量は600mgを1日1回経口投与である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第II相臨床試験(AB-106-G208試験/TRUST-II)
ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者及びその他の固形癌患者を対象とした国際共同第II相臨床試験において、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者105例(ROS1チロシンキナーゼ阻害剤(ROS1 TKI)未治療群55例(うち日本人14例)及び、ROS1 TKI既治療群注5)50例(うち日本人11例))に本剤600mgを1日1回投与した。有効性の解析対象とされた101例(ROS1 TKI未治療群54例(うち日本人14例)、ROS1 TKI既治療群47例(うち日本人10例))における、主要評価項目とされたRECIST ver.1.1に基づく独立評価委員会判定による奏効率の結果を次表に示す。(2024年6月7日カットオフ)
有効性
→図表を見る(PDF)
注5)1つのROS1 TKIによる前治療歴のある患者。なお、ROS1 TKI以外の化学療法歴は1つ以下の患者が対象とされた。
副作用発現頻度は98.1%(103/105例)であった。主な副作用は、AST増加74.3%(78/105例)、ALT増加73.3%(77/105例)、下痢52.4%(55/105例)、悪心39.0%(41/105例)、嘔吐25.7%(27/105例)であった。
17.1.2 海外第II相臨床試験(AB-106-C203試験/TRUST-I)
ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者注6)を対象とした海外第II相臨床試験において、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者173例注7)(ROS1 TKI未治療群106例及びROS1 TKI既治療群67例)に本剤600mgを1日1回投与した。ステージ2パート2の有効性の解析対象とされた104例(ROS1 TKI未治療群60例、ROS1 TKI既治療群44例)における、主要評価項目とされたRECIST ver.1.1に基づく独立評価委員会判定による奏効率の結果を次表に示す。(2024年6月7日カットオフ)
有効性
→図表を見る(PDF)
注6)クリゾチニブ以外のROS1 TKIの治療歴がある患者は除外され、ROS1 TKI以外の化学療法歴は2つ以下の患者が対象とされた。
注7)本剤の第II相試験以降の推奨用量(RP2D)を決定することを目的としたステージ1において400mg1日1回投与群に組み入れられ、RP2D決定後に本剤600mg1日1回投与に増量された患者(3例)を含む。副作用発現頻度は当該症例を除いて集計した。
副作用発現頻度は100%(170/170例)であった。主な副作用は、AST増加75.3%(128/170例)、下痢69.4%(118/170例)、ALT増加67.6%(115/170例)、嘔吐52.9%(90/170例)、貧血48.2%(82/170例)、悪心40.6%(69/170例)、血中ビリルビン増加25.9%(44/170例)、好中球数減少25.9%(44/170例)、白血球数減少25.3%(43/170例)、肝機能異常24.1%(41/170例)、心電図QT延長22.9%(39/170例)、血中クレアチニン増加20.6%(35/170例)、蛋白尿20.0%(34/170例)であった。
18.1 作用機序
タレトレクチニブは、ROS1等に対するチロシンキナーゼ阻害剤であり、ROS1融合タンパク等のリン酸化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
18.2.1 In vitro
タレトレクチニブは、他のROS1 TKIに耐性となったG2032R、L2026M、L1951R等の変異を有する又は有しないROS1融合タンパクを発現させたマウスpro-B細胞由来Ba/F3細胞株等に対して増殖抑制作用を示した。
18.2.2 In vivo
タレトレクチニブは、CD74-ROS1融合遺伝子を有する非小細胞肺癌患者由来CTG-0848腫瘍組織片を皮下移植したヌードマウスに対して、腫瘍増殖抑制作用を示した。また、タレトレクチニブは、SDC4-ROS1融合遺伝子を有する非小細胞肺癌患者由来LU-01-0414腫瘍細胞を頭蓋内に移植したヌードマウスにおいて、生存期間の延長を示した。
- 一包可:不可
抗悪性腫瘍剤@湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓するよう患者に指導する。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
抗悪性腫瘍剤@湿気を避けるため、乾燥剤を同封した元の容器にて保存し、使用の都度、密栓するよう患者に指導する。
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