ポテリジオ点滴静注20mg
添付文書情報2020年09月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者にのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)等の全身症状を伴う重度皮膚障害が報告されていることから、本剤投与開始時より皮膚科と連携の上、治療を行うこと。また、次の事項に注意すること〔11.1.2参照〕。
・ 重度皮膚障害が本剤投与中だけではなく、投与終了後数週間以降も発現することが報告されているため、観察を十分に行うこと。
・ 皮膚障害発現早期から適切な処置(副腎皮質ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤の使用等)を行うこと。重度皮膚障害が発現した場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫。
2). 再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫。
3). 再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.2. 〈CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)、再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)〉CCR4抗原は、フローサイトメトリー(FCM)又は免疫組織化学染色(IHC)法により検査を行い、陽性であることが確認されている患者のみに投与すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。
5.3. 〈CCR4陽性のATL〉臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.4. 〈再発又は難治性のCCR4陽性のPTCL、再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)〉臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3、17.1.4参照〕。
- 用法・用量
- 〈CCR4陽性のATL〉
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で8回点滴静注する。
他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを2週間間隔で8回点滴静注する。
なお、化学療法未治療例に対しては他の抗悪性腫瘍剤と併用すること。
〈再発又は難治性のCCR4陽性のPTCL〉
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で8回点滴静注する。
〈再発又は難治性のCTCL〉
通常、成人には、モガムリズマブ(遺伝子組換え)として、1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、その後は2週間間隔で点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤投与時にあらわれることがあるInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与の30分前に抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を行うこと。Infusion reactionを認めた場合は、直ちに投与の中断や直ちに投与速度の減速を考慮し、投与再開する場合は、必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること。また、投与再開後にInfusion reactionが再度発現し投与を中止した場合には、本剤を再投与しないこと〔8.1、11.1.1参照〕。
7.2. 〈効能共通〉本剤は2時間かけて点滴静注すること。
7.3. 〈化学療法未治療のCCR4陽性のATL〉本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
7.4. 〈化学療法未治療のCCR4陽性のATL〉本剤を含むがん化学療法は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること〔17.1.2参照〕。
7.5. 〈再発又は難治性のCCR4陽性のATL又はPTCL、再発又は難治性のCTCL〉本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤投与は、重度Infusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。Infusion reactionは初回投与時の投与後8時間以内に多く認められるが、初回投与時の投与後8時間以降や2回目投与以降の本剤投与時にもあらわれることがあり、また、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を行った患者においても、重度のInfusionreactionがあらわれることがあるので、本剤投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)、臨床検査値及び自他覚症状等、患者の状態を十分に観察すること〔7.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与前にB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、適切な処置を考慮すること〔9.1.4、11.1.4参照〕。
8.3. 重度血液毒性があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.6参照〕。
8.4. 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、血液毒性が増強されることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、感染症の発現に注意し、必要に応じて、G-CSF製剤や抗生剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔11.1.6参照〕。
8.5. 本剤投与後に腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.5参照〕。
8.6. 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.7参照〕。
9.1.1. 感染症を合併している患者:好中球減少により感染症が増悪するおそれがある〔11.1.3、11.1.6参照〕。
9.1.2. 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者:本剤投与中又は投与後に不整脈悪化、心不全悪化又は不整脈再発、心不全再発等させるおそれがある。
9.1.3. 重篤な骨髄機能低下のある患者:好中球減少増悪及び血小板減少増悪させ重症化させるおそれがある〔11.1.6参照〕。
9.1.4. 肝炎ウイルス感染、結核等の感染又は既往を有する患者:本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。肝炎ウイルス感染を有する患者に本剤を投与した場合、ウイルスの増殖により肝炎があらわれるおそれがある。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの増殖による劇症肝炎又は肝炎があらわれることがある〔8.2、11.1.4参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). 不活化ワクチン[ワクチンの効果を減弱させるおそれがある(ワクチン接種に対する応答が不明である)]。
2). 生ワクチン又は弱毒生ワクチン[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う(ワクチン接種に対する応答が不明であり、また、生ワクチンによる二次感染が否定できない)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 〈単独投与、併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉Infusion reaction(40.9%:単、44.8%:併):発熱、悪寒、頻脈、血圧上昇、悪心、低酸素血症、嘔吐等があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、重度Infusion reactionを認めた場合は直ちに投与を中断し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行い、また、異常が認められた場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.1、8.1参照〕。
11.1.2. 重度の皮膚障害1). 〈単独投与〉重度皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.4%)、薬疹(3.0%)、発疹(1.9%)、丘疹性皮疹(0.4%)、紅斑性皮疹(0.4%)等が本剤単独投与中又は投与終了後にあらわれることがあるので、皮膚障害発現早期から適切な処置(副腎皮質ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤の使用等)を行うこと〔1.2参照〕。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉重度皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、発疹(3.4%)、丘疹性皮疹(20.7%)、紅斑性皮疹(6.9%)等が本剤併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与中又は投与終了後にあらわれることがあるので、皮膚障害発現早期から適切な処置(副腎皮質ホルモン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤の使用等)を行うこと〔1.2参照〕。
11.1.3. 〈単独投与、併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉感染症(23.9%:単、58.6%:併):細菌、真菌又はウイルスによる感染症があらわれることがあり、重篤な感染症として帯状疱疹が報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.1参照〕。
11.1.4. B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎1). 〈単独投与〉B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(0.4%):異常が認められた場合は、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔8.2、9.1.4参照〕。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎(頻度不明):異常が認められた場合は、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔8.2、9.1.4参照〕。
11.1.5. 腫瘍崩壊症候群1). 〈単独投与〉腫瘍崩壊症候群(1.1%):異常が認められた場合は直ちに投与を中断し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.5参照〕。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉腫瘍崩壊症候群(20.7%):異常が認められた場合は直ちに投与を中断し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.5参照〕。
11.1.6. 重度の血液毒性1). 〈単独投与〉重度血液毒性:リンパ球減少(71.3%)、白血球減少(5.7%)、好中球減少(5.7%)、血小板減少(2.3%)、発熱性好中球減少症(0.8%)、貧血(1.1%)及びヘモグロビン減少(0.4%)があらわれることがある〔8.3、8.4、9.1.1、9.1.3参照〕。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉重度血液毒性:リンパ球減少(96.6%)、白血球減少(100%)、好中球減少(100%)、血小板減少(89.7%)、発熱性好中球減少症(89.7%)、貧血(96.6%)があらわれることがある〔8.3、8.4、9.1.1、9.1.3参照〕。
11.1.7. 肝機能障害1). 〈単独投与〉肝機能障害:ALT上昇(12.9%)、AST上昇(10.6%)、Al-P上昇(9.1%)、LDH上昇(5.3%)、高ビリルビン血症(2.7%)、γ-GTP上昇(1.9%)及び肝機能異常(0.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.6参照〕。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉肝機能障害:ALT上昇(37.9%)、AST上昇(27.6%)、Al-P上昇(17.2%)、LDH上昇(24.1%)、高ビリルビン血症(13.8%)、γ-GTP上昇(6.9%)及び肝機能異常(13.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.6参照〕。
11.1.8. 間質性肺疾患1). 〈単独投与〉間質性肺疾患:間質性肺炎(0.4%)、肺臓炎(0.4%)等があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合は、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと)。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉間質性肺疾患:間質性肺炎(10.3%)、肺臓炎(3.4%)等があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合は、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと)。
11.1.9. 高血糖1). 〈単独投与〉高血糖(2.3%)。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉高血糖(37.9%)。
- 11.2. その他の副作用
11.2.1. 単独投与1). 〈単独投与〉精神・神経系:(5~10%未満)頭痛、(5%未満)味覚異常、感覚鈍麻、錯感覚、末梢性ニューロパチー、不眠症。
2). 〈単独投与〉眼:(5%未満)霧視。
3). 〈単独投与〉血液:(5%未満)好酸球増加、赤血球減少、ヘマトクリット減少。
4). 〈単独投与〉循環器:(5~10%未満)血圧上昇、頻脈、(5%未満)血圧低下、ほてり、潮紅、左室機能不全、心拍数増加、心室性期外収縮、心電図QT延長、急性心筋梗塞。
5). 〈単独投与〉呼吸器:(5%未満)低酸素血症、咳嗽、口腔咽頭痛、呼吸困難、鼻閉、胸水、喘鳴。
6). 〈単独投与〉消化器:(10%以上)悪心、(5~10%未満)下痢、(5%未満)便秘、嘔吐、口内炎、口内乾燥、腹痛、腹部不快感。
7). 〈単独投与〉泌尿器:(5%未満)蛋白尿、クレアチニン上昇、尿中血陽性、急性腎障害、血中尿素増加、尿中ウロビリノーゲン増加。
8). 〈単独投与〉皮膚:(5%未満)皮膚そう痒症、脱毛症、多汗症。
9). 〈単独投与〉筋・骨格系:(5%未満)筋骨格痛、関節痛、筋痙縮、背部痛、四肢痛、筋力低下、頚部痛。
10). 〈単独投与〉代謝:(10%以上)電解質異常(ナトリウム異常、カリウム異常、カルシウム異常、クロール異常、マグネシウム異常)、(5~10%未満)低アルブミン血症、(5%未満)高尿酸血症、低リン酸血症、総蛋白減少、尿中ブドウ糖陽性。
11). 〈単独投与〉その他:(10%以上)発熱、疲労、悪寒、(5%未満)食欲減退、浮腫、倦怠感、体重増加、無力症、めまい、体重減少、CRP上昇、低体温、サイトカイン放出症候群。
11.2.2. 併用投与(VCAP/AMP/VECP療法)1). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉精神・神経系:(40%以上)頭痛、(20~40%未満)味覚異常、末梢性ニューロパチー、(20%未満)振戦、不眠症、感覚鈍麻。
2). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉血液:(20%未満)赤血球減少、ヘマトクリット減少。
3). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉循環器:(20%未満)血圧上昇、血管炎、血管障害、心電図QT延長、駆出率減少、血圧低下、心拍数増加、ほてり。
4). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉呼吸器:(20~40%未満)口腔咽頭痛、(20%未満)咳嗽、鼻出血、酸素飽和度低下、口腔咽頭不快感。
5). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉消化器:(40%以上)悪心、便秘、口内炎、嘔吐、(20~40%未満)下痢、(20%未満)腹痛、口腔内出血、口唇炎、口内乾燥、痔核、歯肉痛、口腔障害、消化不良、腹部不快感。
6). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉泌尿器:(20%未満)クレアチニン上昇、蛋白尿、排尿困難、血中尿素上昇、腎障害。
7). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉皮膚:(40%以上)脱毛症、(20%未満)紫斑。
8). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉筋・骨格系:(20%未満)四肢痛、背部痛。
9). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉代謝:(40%以上)電解質異常(ナトリウム異常、カリウム異常、カルシウム異常、マグネシウム異常)、低アルブミン血症、(20~40%未満)低リン酸血症、(20%未満)総蛋白減少、脱水。
10). 〈併用(VCAP/AMP/VECP療法)投与〉その他:(40%以上)発熱、食欲減退、体重減少、倦怠感、(20~40%未満)浮腫、悪寒、(20%未満)CRP上昇、体重増加、注入部位血管外漏出、めまい、胸痛、疼痛、注射部位反応。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた動物実験(サル)において、妊娠期間中に本剤を投与した場合の妊娠動物及び胚・胎仔発生に及ぼす影響等は認められなかったが、本剤は胎仔へ移行することが報告されている。また、出生児に及ぼす影響は検討していない)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. バイアルは振盪しないこと(また、激しく攪拌しないこと)。
14.1.2. 本剤投与時には必要量を注射筒で抜き取り、日局生理食塩液200~250mLに添加する。
14.1.3. 調製時には、日局生理食塩液以外は使用しないこと。
14.1.4. 添加後は静かに混和し、急激な振盪は避けること。
14.1.5. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。
14.1.6. 他の薬剤<日局生理食塩液以外>との混注はしないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 国内外の臨床試験において本剤に対する中和抗体産生が報告されている。
15.1.2. 本剤を造血幹細胞移植前に投与した患者では、本剤を投与しなかった患者と比較して、造血幹細胞移植後の重篤な急性移植片対宿主病の発現割合が高かったとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
CCR4陽性ATL患者、CCR4陽性PTCL患者又はCCR4陽性CTCL患者に本剤0.01~1mg/kg注1)を単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差、各採血時点での被験者数n=2~6)
単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
CCR4陽性ATL患者、CCR4陽性PTCL患者又はCCR4陽性CTCL患者に本剤1mg/kgを1週間間隔で8回反復静脈内投与注2)したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
1週間間隔で8回反復静脈内投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差、各採血時点での被験者数n=3~27)
1週間間隔で8回反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
注1)本剤の承認用量は1回量1mg/kgである。
注2)本剤のCTCLに対する承認用量は、1回量1mg/kgを1週間間隔で5回点滴静注し、その後は2週間間隔で点滴静注である。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
CCR4陽性ATL患者、CCR4陽性PTCL患者又はCCR4陽性CTCL患者に本剤0.01~1mg/kgを1週間間隔で4回反復静脈内投与したときの分布容積は102.7~115.8mL/kgであり、おおむね血液容量に相当した。
16.3.2 体組織への分布
125I標識したモガムリズマブ1mg/kgを雄性カニクイザルに単回静脈内投与したとき、血漿と血液を除く組織への放射能の分布量は最大で投与量の4.86%であり、血漿中濃度に対する組織中濃度比は最大で0.26(脾臓)であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈CCR4陽性のATL〉
17.1.1 国内第II相試験
前治療としての化学療法によって寛解に到達しなかった治療抵抗例を除く、急性型、リンパ腫型又は予後不良因子(LDH高値、BUN高値及びアルブミン低値)を有する慢性型のCCR4陽性注1)の再発・再燃ATL患者27例を対象に、本剤1mg/kgを1週間間隔で8回、点滴静注を行った。有効性解析対象26例を対象とした奏効率は50.0%(95%信頼区間:29.9~70.1%)であった。26例の内訳は、急性型14例、リンパ腫型6例、予後不良因子を有する慢性型6例であり、病型別での奏効率は、急性型42.9%(6/14例)、リンパ腫型33.3%(2/6例)、予後不良因子を有する慢性型83.3%(5/6例)であった。
副作用の発現は、27例全例に認められた。主な副作用は、リンパ球数減少96.3%(26/27例)、注入に伴う反応88.9%(24/27例)、発熱85.2%(23/27例)、白血球数減少66.7%(18/27例)、悪寒59.3%(16/27例)、好中球数減少、血小板数減少及び発疹各51.9%(14/27例)、ALT増加40.7%(11/27例)、AST増加及び血中LDH増加各37.0%(10/27例)、頻脈及びヘモグロビン減少各29.6%(8/27例)、血圧上昇及び血中Al‐P増加各22.2%(6/27例)であった。
→図表を見る(PDF)
本試験において、本剤8回投与を完遂し奏効に至った後に再燃した1例に本剤が再投与され、部分寛解を認めた。また、副作用は、Infusion reaction、リンパ球減少、白血球減少、頻脈、AST上昇、ALT上昇、発熱及び体重増加であった。
なお、本試験では造血幹細胞移植実施例は対象から除外した。[5.2、5.3参照]
17.1.2 国内第II相試験
急性型、リンパ腫型又は予後不良因子(LDH高値、BUN高値及びアルブミン低値)を有する慢性型のCCR4陽性注1)の化学療法未治療ATL患者54例を対象に、化学療法(VCAP、AMP、VECP療法)と化学療法+本剤を比較する第II相試験を実施した。化学療法は、VCAP療法(ビンクリスチン硫酸塩、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、プレドニゾロン:Day1)、AMP療法(ドキソルビシン塩酸塩、ラニムスチン、プレドニゾロン:Day8)及びVECP療法(ビンデシン硫酸塩、エトポシド、カルボプラチン、プレドニゾロン:Day15)の他、シタラビン、メトトレキサート及びプレドニゾロンの髄腔内投与(2、4コース:Day-2~1)を4週(Day28)1コースとして合計4コース行った。化学療法+本剤は、化学療法に加え本剤1mg/kgをVCAP療法投与開始日(1コース目はVCAP投与日の翌日(4日後まで可)に投与し、2コース目以降はVCAP投与日の前日(3日前まで可)に投与)及びVECP療法投与開始日(VECP投与日の前日(3日前まで可)に投与)を基準として2週間間隔で8回、点滴静注を行った。有効性解析対象53例を対象とした完全寛解率は、化学療法+本剤が51.7%(15/29例)(95%信頼区間:32.5~70.6%)、化学療法が33.3%(8/24例)(95%信頼区間:15.6~55.3%)であった。病型別での完全寛解率は、化学療法+本剤及び化学療法の順に、急性型が55.0%(11/20例)及び29.4%(5/17例)、リンパ腫型が50.0%(3/6例)及び42.9%(3/7例)、予後不良因子を有する慢性型が33.3%(1/3例)及び該当被験者なしであった。
→図表を見る(PDF)
副作用の発現は、化学療法+本剤において29例全例に認められた。主な副作用は、好中球数減少、血小板数減少及び白血球数減少各100%(29/29例)、貧血及びリンパ球数減少各96.6%(28/29例)、発熱性好中球減少症89.7%(26/29例)、発熱82.8%(24/29例)、脱毛症79.3%(23/29例)、食欲減退72.4%(21/29例)、体重減少65.5%(19/29例)、悪心及び便秘各62.1%(18/29例)、口内炎55.2%(16/29例)、嘔吐及び倦怠感各44.8%(13/29例)、頭痛及び丘疹性皮疹各41.4%(12/29例)、ALT増加、高血糖及び味覚異常各37.9%(11/29例)、下痢及び血中アルブミン減少各34.5%(10/29例)、浮腫、AST増加、血中ナトリウム減少及び末梢性ニューロパチー各27.6%(8/29例)、悪寒、血中カリウム減少、血中LDH増加、口腔咽頭痛及び紅斑性皮疹各24.1%(7/29例)、発疹20.7%(6/29例)であった。[5.2、5.3、7.4参照]
〈再発又は難治性のCCR4陽性のPTCL及び再発又は難治性のCTCL〉
17.1.3 国内第II相試験
前治療としての化学療法によって寛解に到達しなかった治療抵抗例を除くCCR4陽性注2)の再発・再燃PTCL患者29例及びCTCL患者8例(合計37例)を対象に、本剤1mg/kgを1週間間隔で8回、点滴静注を行った。有効性解析対象37例を対象とした奏効率は35.1%(13/37例)(95%信頼区間:20.2~52.5%)であった。
副作用発現頻度は、97.3%(36/37例)であった。主な副作用は、リンパ球数減少81.1%(30/37例)、白血球数減少43.2%(16/37例)、血小板数減少及び好中球数減少各37.8%(14/37例)、発熱29.7%(11/37例)、ALT増加及び血中Al‐P増加各21.6%(8/37例)であった。
→図表を見る(PDF)
本試験において、本剤8回投与を完遂し奏効に至った後に再発又は再燃した6例に本剤が再投与された。6例のうち3例(PTCL2例及びCTCL1例)は再投与を含め治験を完了し、うち2例に部分寛解を認めた。また、副作用は、リンパ球減少及び丘疹性皮疹(各2例)、Al‐P上昇、そう痒症、電解質異常(カリウム)、多汗症、白血球減少、好中球減少、紅斑性皮疹及び血小板減少(各1例)であった。
なお、本試験では造血幹細胞移植実施例は対象から除外としたが、化学療法後の自家造血幹細胞移植療法実施例は対象とし、該当症例は2例(いずれもPTCL)であった。[5.2、5.4参照]
〈再発又は難治性のCTCL〉
17.1.4 国際共同第III相試験
前治療として全身療法を1レジメン以上受けた菌状息肉腫患者及びセザリー症候群患者372例(うち日本人患者15例)を対象に、本剤とボリノスタットを比較する国際共同第III相試験を実施した。本剤は4週(Day28)を1コースとして、1コース目は1mg/kgをDay1、8、15、22、2コース目以降はDay1、15に静脈内投与した。ボリノスタットは400mgを1日1回経口投与した。投与期間は、疾患進行、薬剤不耐性若しくは忍容できない有害事象が認められるまで、又はその他の中止基準に該当するまでとした。Intention‐to‐treat解析対象372例(本剤群:186例、ボリノスタット群:186例)における治験責任医師判定による無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目とした。Kaplan‐Meier法で推定されるPFS中央値は、本剤群が7.70ヵ月(95%信頼区間:5.67~10.33ヵ月)、ボリノスタット群が3.10ヵ月(95%信頼区間:2.87~4.07ヵ月)、ハザード比は0.53(95%信頼区間:0.41~0.69)、P<0.0001(層別ログランク検定)であり、本剤はボリノスタットと比較してPFSを有意に延長した。
副作用発現頻度は、本剤群において84.8%(156/184例)であった。主な副作用は、注入に伴う反応33.2%(61/184例)及び薬疹22.8%(42/184例)であった。[5.4参照]
注1)CCR4抗原検査はFCM又はIHC法により実施することが規定され、いずれの検査法も用いられた。
注2)CCR4抗原検査は原則としてIHC法により実施し、セザリー症候群で末梢血に異常リンパ球が多い場合はFCM法による検査も可能としていた。本試験ではセザリー症候群の患者は登録されなかったため、FCM法による検査の経験はない。
18.1 作用機序
モガムリズマブは、主に抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を介して、CCR4陽性細胞を傷害すると考えられる。
18.2 抗腫瘍作用
18.2.1 in vitro試験
(1)モガムリズマブは、CCR4陽性のヒトATL由来細胞株(TL‐Om1、ATN‐1及びATL102)及びCTCL由来細胞株(HH及びHut78)(ターゲット細胞)に対して、ヒト末梢血単核細胞(エフェクター細胞)存在下でADCC活性を示した。
(2)モガムリズマブは、ATL患者由来のCD3陽性細胞注)(ターゲット細胞)に対して、同一患者由来のCD3陰性細胞(autologousなエフェクター細胞)存在下でADCC活性を示した。更に、モガムリズマブは、PTCL‐NOS患者由来のCD3陽性注)(ターゲット細胞)に対して、健康成人由来のCD3陰性細胞(allogeneicなエフェクター細胞)存在下でADCC活性を示した。
18.2.2 in vivo試験
モガムリズマブは、CCR4陽性のヒトATL由来細胞株(TL‐Om1)及びCTCL由来細胞株(HH)を皮下移植した重症複合免疫不全マウスモデルにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した。
注)CCR4陽性細胞を含む。
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