ヤーボイ点滴静注液20mg
添付文書情報2024年07月改定(第13版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 本剤投与により、重篤な下痢、大腸炎、消化管穿孔があらわれることがあり、本剤の投与終了から数ヵ月後に発現し、死亡に至った例も報告されているので、投与中だけでなく、投与終了後も観察を十分に行う、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 根治切除不能な悪性黒色腫。
2). 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。
3). がん化学療法後増悪の治癒切除不能な進行・再発MSI-Highがある結腸癌、がん化学療法後増悪の治癒切除不能な進行・再発MSI-Highがある直腸癌(MSI-High:高頻度マイクロサテライト不安定性)。
4). 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
5). 切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫。
6). 根治切除不能な進行・再発の食道癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.2. 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。特に、化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者への本剤単独投与に際しては、他の治療の実施についても慎重に検討すること〔17.1.1-17.1.4参照〕。
5.3. 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.4. 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉IMDC(International Metastatic RCC Database Consortium)リスク分類がintermediate又はpoorリスクの患者を対象とすること。
5.5. 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.5参照〕。
5.6. 〈がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.7. 〈がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤・オキサリプラチン・イリノテカン治療歴なしの患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.8. 〈がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査でMSI-Highが確認された患者に投与すること(検査にはニボルマブ(遺伝子組換え)のMSI-Highがある結腸・直腸癌患者への適応判定の補助を目的に承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
5.9. 〈がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.6参照〕。
5.10. 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.11. 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉臨床試験に組み入れられた患者のEGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.7、17.1.8参照〕。
5.12. 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫〉本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.13. 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.14. 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.10参照〕。
- 用法・用量
- 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
通常、成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。なお、他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用すること。
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。
〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫、根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉副作用が発現した場合には、次記の基準を参考に本剤の投与を延期又は中止すること。
[投与延期及び中止の基準]
1). 〈効能共通〉Grade2の副作用(内分泌障害及び皮膚障害を除く)、Grade3の皮膚障害、症候性の内分泌障害:
①. 〈効能共通〉Grade2の副作用<内分泌障害及び皮膚障害を除く>、Grade3の皮膚障害:Grade1以下又はベースラインに回復するまで投与を延期し、Grade1以下又はベースラインまで回復しない場合は、投与を中止する。
②. 〈効能共通〉症候性の内分泌障害:内分泌障害については、症状が回復するまで投与を延期し、症状が回復しない場合は、投与を中止する。
2). 〈効能共通〉Grade3以上の副作用<内分泌障害及び皮膚障害を除く>、局所的な免疫抑制療法が有効でないGrade2以上の眼障害、Grade4の皮膚障害:投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に準じる。
7.2. 〈効能共通〉本剤は、30分かけて点滴静注すること。
7.3. 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、併用の必要性について慎重に判断すること。また、本剤のニボルマブ(遺伝子組換え)への上乗せによる延命効果は、PD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合(PD-L1発現率)により異なる傾向が示唆されているので、根治切除不能な悪性黒色腫の場合、ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与に際してPD-L1発現率の測定結果が得られ、PD-L1発現率が高い患者ではニボルマブ(遺伝子組換え)単独投与の実施についても十分検討し慎重に判断すること〔17.1.1-17.1.4参照〕。
7.4. 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉ニボルマブ(遺伝子組換え)を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により投与すること(併用する他の抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験において検討された患者のPD-L1発現率を考慮した上で選択すること)〔17.1.7、17.1.8参照〕。
7.5. 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与の有効性は、PD-L1発現率(TPS)により異なる傾向が示唆されているので、TPSについて、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用療法の必要性について慎重に判断すること〔17.1.10参照〕。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行い、過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。
8.2. 本剤投与終了から数ヵ月後に重篤な副作用(下痢、大腸炎、下垂体機能低下症等)があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されているので、本剤投与終了後も観察を十分に行い、異常が認められた場合は、適切な処置を行うこと〔1.2参照〕。
8.3. 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に確認すること〔11.1.3参照〕。
8.4. 下垂体炎、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、副腎機能不全があらわれることがあるので、定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行い、患者の状態を十分に確認すること(また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること)〔11.1.5参照〕。
8.5. 筋炎があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇等の観察を十分に行うこと〔11.1.9参照〕。
8.6. 心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと〔11.1.10参照〕。
8.7. ぶどう膜炎があらわれることがあるので、眼の異常の有無を定期的に確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること〔11.1.12参照〕。
9.1.1. 自己免疫疾患の合併又は慢性的自己免疫疾患若しくは再発性自己免疫疾患の既往歴のある患者:自己免疫疾患が増悪するおそれがある。
9.1.2. 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者:本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。
9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:重度肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 大腸炎、消化管穿孔1). 〈単独投与〉大腸炎(6.6%)、消化管穿孔(1.3%*):死亡に至った例も報告されている(また、消化管穿孔があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている)〔1.2参照〕。
2). 〈併用投与〉大腸炎(4.2%)、消化管穿孔(0.1%未満):死亡に至った例も報告されている(また、消化管穿孔があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている)〔1.2参照〕。
11.1.2. 〈単独投与、併用投与〉重度下痢(単独投与4.0%、併用投与3.6%)〔1.2参照〕。
11.1.3. 肝不全、肝機能障害1). 〈単独投与〉肝不全、肝機能障害:肝不全(0.7%)、ALT上昇(3.3%)、AST上昇(2.6%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている〔8.3参照〕。
2). 〈併用投与〉肝不全、肝機能障害:肝不全(頻度不明)、ALT上昇(10.1%)、AST上昇(9.9%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている〔8.3参照〕。
11.1.4. 重度の皮膚障害1). 〈単独投与〉重度の皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.3%*)、薬剤性過敏症症候群(頻度不明)等の重度皮膚障害があらわれることがある。
2). 〈併用投与〉重度の皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、薬剤性過敏症症候群(頻度不明)等の重度皮膚障害があらわれることがある。
11.1.5. 下垂体炎、下垂体機能低下症、甲状腺機能低下症、副腎機能不全1). 〈単独投与〉下垂体炎(1.3%)、下垂体機能低下症(2.0%)、甲状腺機能低下症(1.3%)、副腎機能不全(1.3%):異常が認められた場合には、本剤の投与延期、副腎皮質ホルモン剤の投与、ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと〔8.4参照〕。
2). 〈併用投与〉下垂体炎(3.4%)、下垂体機能低下症(1.3%)、甲状腺機能低下症(14.0%)、副腎機能不全(4.1%):異常が認められた場合には、本剤の投与延期、副腎皮質ホルモン剤の投与、ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと〔8.4参照〕。
11.1.6. 末梢神経障害1). 〈単独投与〉末梢神経障害:ギラン・バレー症候群(0.3%*)等の末梢神経障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
2). 〈併用投与〉末梢神経障害:ギラン・バレー症候群(0.1%未満)等の末梢神経障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
11.1.7. 〈単独投与、併用投与〉腎障害:腎不全(単独投与1.3%、併用投与1.9%)等の腎障害があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
11.1.8. 間質性肺疾患1). 〈単独投与〉間質性肺疾患:急性呼吸窮迫症候群(0.3%*)、肺臓炎(0.3%*)、間質性肺疾患(頻度不明)等があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
2). 〈併用投与〉間質性肺疾患:急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)、肺臓炎(6.0%)、間質性肺疾患(0.9%)等があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
11.1.9. 筋炎1). 〈単独投与〉筋炎(頻度不明)〔8.5参照〕。
2). 〈併用投与〉筋炎(0.4%)〔8.5参照〕。
11.1.10. 心筋炎1). 〈単独投与〉心筋炎(頻度不明)〔8.6参照〕。
2). 〈併用投与〉心筋炎(0.2%)〔8.6参照〕。
11.1.11. 〈単独投与、併用投与〉Infusion reaction(単独投与0.7%、併用投与3.4%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。
11.1.12. 〈単独投与、併用投与〉ぶどう膜炎(単独投与1.3%、併用投与0.4%)〔8.7参照〕。
11.1.13. 脳炎、髄膜炎、脊髄炎1). 〈単独投与〉脳炎(頻度不明)、髄膜炎(0.7%)、脊髄炎(頻度不明)。
2). 〈併用投与〉脳炎(0.3%)、髄膜炎(0.2%)、脊髄炎(頻度不明)。
*:単独投与における海外第3相試験(MDX010-20試験)の本剤+gp100併用群での発現頻度。
- 11.2. その他の副作用
11.2.1. 単独投与1). 〈単独投与〉皮膚:(5%以上)皮膚そう痒症(21.9%)、発疹、(5%未満)そう痒性皮疹、全身性皮疹、斑状丘疹状皮疹、紅斑、全身性そう痒症、尋常性白斑、脱毛症、寝汗、(頻度不明)皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、皮膚剥脱、皮膚乾燥、白血球破砕性血管炎、毛髪変色。
2). 〈単独投与〉消化器:(5%以上)悪心、嘔吐、腹痛、(5%未満)腹部不快感、下腹部痛、便秘、放屁、(頻度不明)胃腸出血、胃食道逆流性疾患、食道炎、腹膜炎、胃腸炎、憩室炎、膵炎、腸炎、胃潰瘍、大腸潰瘍、イレウス、リパーゼ上昇、血中アミラーゼ上昇、口内炎。
3). 〈単独投与〉内分泌:(5%未満)甲状腺機能亢進症、(頻度不明)性腺機能低下、血中甲状腺刺激ホルモン上昇、血中コルチゾール減少、血中コルチコトロピン減少、血中テストステロン減少、血中プロラクチン異常。
4). 〈単独投与〉肝臓:(5%未満)ALP上昇、血中ビリルビン上昇、(頻度不明)肝炎、肝腫大、黄疸、γ-GTP上昇。
5). 〈単独投与〉腎臓:(頻度不明)糸球体腎炎、腎尿細管性アシドーシス、血中クレアチニン上昇。
6). 〈単独投与〉呼吸器:(5%未満)咳嗽、呼吸困難、(頻度不明)呼吸不全、肺浸潤、肺水腫、アレルギー性鼻炎。
7). 〈単独投与〉筋骨格系:(5%未満)関節痛、筋肉痛、背部痛、頚部痛、(頻度不明)関節炎、筋骨格痛、筋痙縮、リウマチ性多発筋痛。
8). 〈単独投与〉全身・投与部位:(5%以上)疲労(21.2%)、発熱、(5%未満)悪寒、無力症、倦怠感、浮腫、体重減少、インフルエンザ様疾患、局所腫脹、注射部位疼痛、注射部位反応、(頻度不明)粘膜炎症、疼痛、多臓器不全、全身性炎症反応症候群。
9). 〈単独投与〉代謝:(5%以上)食欲減退、(5%未満)脱水、(頻度不明)腫瘍崩壊症候群、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、アルカローシス。
10). 〈単独投与〉眼:(5%未満)霧視、(頻度不明)眼痛、硝子体出血、視力低下、結膜炎、眼異物感、フォークト・小柳・原田病。
11). 〈単独投与〉神経系:(5%未満)頭痛、味覚異常、(頻度不明)末梢性ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、浮動性めまい、嗜眠、失神、構語障害、脳浮腫、脳神経障害、運動失調、振戦、ミオクローヌス、重症筋無力症様症状。
12). 〈単独投与〉精神:(頻度不明)錯乱状態、精神状態変化、うつ病、リビドー減退。
13). 〈単独投与〉心・血管系:(5%未満)潮紅、低血圧、ほてり、(頻度不明)血管炎、血管障害、末梢性虚血、起立性低血圧、不整脈、心房細動。
14). 〈単独投与〉血液:(5%未満)貧血、(頻度不明)溶血性貧血、リンパ球減少症、好中球減少症、血小板減少症、好酸球増加症。
15). 〈単独投与〉感染症:(5%未満)感染、(頻度不明)尿路感染、気道感染。
16). 〈単独投与〉生殖器:(頻度不明)無月経。
11.2.2. 併用投与1). 〈併用投与〉皮膚:(5%以上)皮膚そう痒症(21.3%)、発疹(20.1%)、斑状丘疹状皮疹、(5%未満)脱毛症、皮膚炎、ざ瘡様皮膚炎、湿疹、紅斑、毛髪変色、多汗症、寝汗、紅斑性皮疹、斑状皮疹、丘疹性皮疹、そう痒性皮疹、皮膚色素減少、蕁麻疹、乾癬、尋常性白斑、皮膚乾燥。
2). 〈併用投与〉消化器:(5%以上)下痢(23.5%)、腹痛、便秘、悪心、嘔吐、(5%未満)口内乾燥、腹部不快感、消化不良、胃食道逆流性疾患、口内炎、膵炎、胃炎、腹部膨満、嚥下障害、十二指腸炎。
3). 〈併用投与〉内分泌:(5%以上)甲状腺機能亢進症、(5%未満)甲状腺炎、血中甲状腺刺激ホルモン減少、血中甲状腺刺激ホルモン増加、自己免疫性甲状腺障害、副甲状腺機能低下症。
4). 〈併用投与〉肝臓:(5%未満)肝炎、高ビリルビン血症、高トランスアミナーゼ血症、ALP上昇、γ-GTP上昇。
5). 〈併用投与〉腎臓:(5%未満)血中クレアチニン上昇、尿細管間質性腎炎、腎炎。
6). 〈併用投与〉呼吸器:(5%未満)咳嗽、口腔咽頭痛、胸水、発声障害、呼吸困難。
7). 〈併用投与〉筋骨格系:(5%以上)関節痛、(5%未満)筋痙縮、筋力低下、四肢痛、筋骨格痛、脊椎関節障害、関節炎、背部痛、横紋筋融解症、関節硬直、壊死性筋炎、リウマチ性多発筋痛、ミオパチー、筋肉痛、(頻度不明)シェーグレン症候群。
8). 〈併用投与〉全身・投与部位:(5%以上)疲労(21.8%)、無力症、発熱、(5%未満)インフルエンザ様疾患、倦怠感、粘膜炎症、疼痛、口渇、浮腫、胸痛、悪寒、体重減少、顔面浮腫。
9). 〈併用投与〉代謝:(5%以上)食欲減退、高アミラーゼ血症、高リパーゼ血症、(5%未満)脱水、糖尿病、高血糖、低アルブミン血症、低カルシウム血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、高カリウム血症、低マグネシウム血症、低リン酸血症、糖尿病性ケトアシドーシス。
10). 〈併用投与〉眼:(5%未満)眼乾燥、霧視、視力障害、上強膜炎。
11). 〈併用投与〉神経系:(5%以上)頭痛、(5%未満)味覚不全、感覚鈍麻、嗜眠、末梢性ニューロパチー、錯感覚、失神、多発ニューロパチー、神経炎、腓骨神経麻痺、浮動性めまい、回転性めまい、重症筋無力症、(頻度不明)自己免疫性ニューロパチー。
12). 〈併用投与〉精神:(5%未満)不安、うつ病、不眠症、錯乱状態。
13). 〈併用投与〉心・血管系:(5%未満)頻脈、ほてり、高血圧、低血圧、不整脈、動悸、心房細動、徐脈。
14). 〈併用投与〉血液:(5%以上)貧血、(5%未満)好酸球増加症、好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、リンパ球減少症。
15). 〈併用投与〉感染症:(5%未満)結膜炎、肺炎、気道感染、気管支炎。
16). 〈併用投与〉その他:(5%未満)過敏症、LDH上昇、CRP上昇、サルコイドーシス。
- 高齢者
- 患者の状態を確認しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠中に本剤を投与するか、本剤投与中の患者が妊娠した場合は、本剤投与による催奇形性、流産等が生じる可能性があることについて、患者に十分説明すること)、ヒトIgGは胎盤を通過することが報告されており、本剤は胎児へ移行する可能性がある。また、動物実験(サル)で器官形成期から分娩までの投与により、AUC比較で臨床曝露量の約8.3倍に相当する投与量で、泌尿生殖器系奇形、早産、出生仔低体重が認められ、AUC比較で臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で、流産、死産、出生仔早期死亡等の発現頻度の増加が認められている〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(サル)における妊娠期間中の投与で、乳汁中への移行が認められており、また、ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため、本剤も移行する可能性がある)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤投与前に、溶液を目視により確認すること(本剤は半透明~白色の微粒子を認めることがあるが、微粒子はインラインフィルターにより除去される、なお、着色異物又は明らかな変色が認められる場合は使用しないこと)。
14.1.2. 本剤は、そのまま、もしくは生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を用いて1~4mg/mLの濃度に希釈し、投与すること。
14.1.3. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること(また、残液は廃棄すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は、0.2~1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
14.2.2. 本剤は、独立したラインにより投与すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外及び国内の臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
15.1.2. 本剤とダカルバジンを併用投与した国内第2相試験において、重度の肝機能障害が高頻度に発現し、忍容性が認められなかった。また、本剤とベムラフェニブを併用投与した海外第1相試験において、重度の肝機能障害が高頻度に発現し、忍容性が認められなかった。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
根治切除不能な悪性黒色腫患者12例に本剤3mg/kgを投与したときの血漿中濃度から算出した薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を次に示す(外国人における成績)。
表1:単回投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
図1:単回投与時の血漿中イピリムマブ濃度推移(平均値+標準偏差)
16.1.2 反復投与
日本人根治切除不能な悪性黒色腫患者20例に本剤3mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注したときの血清中濃度を次に示す。
表2:反復投与時の血清中イピリムマブのピーク濃度及びトラフ濃度
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
17.1.1 国内第2相試験(CA184396試験)
根治切除不能なIII期/IV期の悪性黒色腫患者20例(前治療歴を有する患者16例、前治療歴のない患者4例)を対象として、本剤3mg/kgを3週間間隔で4回点滴静注した。有効性評価項目であった奏効率(修正WHO規準に基づく主治医判定による完全奏効(CR)又は部分奏効(PR))は10.0%(95%信頼区間:1.2、31.7%)であった。
本剤が単独投与された60.0%(12/20例)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹35.0%(7/20例)、発熱、AST上昇、ALT上昇各15.0%(3/20例)、そう痒症、食欲減退、下痢各10.0%(2/20例)であった。[5.2、7.3参照]
17.1.2 海外第3相試験(MDX010‐20試験)
前治療歴を有する根治切除不能なIII期/IV期の悪性黒色腫患者*1 676例を対象として、本剤3mg/kgとgp100*2、本剤3mg/kg又はgp100を3週間間隔で4回投与した(本剤は点滴静注、gp100は皮下注射)。主要評価項目とされた全生存期間の結果は次のとおりであった。
*1:HLA‐A2*0201陽性患者のみが対象
*2:悪性黒色腫由来の抗原ペプチド、未承認
図1:全生存期間のKaplan‐Meier曲線(MDX010‐20試験)
表1:既治療患者に対する効果(MDX010‐20試験)
→図表を見る(PDF)
本剤が単独投与された80.2%(105/131例)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢27.5%(36/131例)、そう痒症、疲労各24.4%(32/131例)、悪心23.7%(31/131例)、発疹19.1%(25/131例)、嘔吐12.2%(16/131例)、食欲減退11.5%(15/131例)であった。[5.2、7.3参照]
17.1.3 国内第2相試験(ONO‐4538‐17試験)
化学療法未治療の根治切除不能なIII期/IV期又は再発の悪性黒色腫患者30例を対象として、本剤とニボルマブ(遺伝子組換え)を併用投与*3した。主要評価項目である奏効率(RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定によるCR又はPR)は33.3%(95%信頼区間:17.3、52.8%)であった。なお、事前に設定した閾値は23.8%であった。
表2:有効性成績(ONO‐4538‐17試験)
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*3:本剤1回3mg/kg及びニボルマブ(遺伝子組換え)1回1mg/kgを同日に3週間間隔で4回点滴静注した後、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された100%(30/30例)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹60.0%(18/30例)、下痢53.3%(16/30例)、発熱、高リパーゼ血症各40.0%(12/30例)、AST上昇、ALT上昇各36.7%(11/30例)、そう痒症33.3%(10/30例)、食欲減退26.7%(8/30例)、甲状腺機能低下症、倦怠感、肝機能異常各23.3%(7/30例)、嘔吐20.0%(6/30例)、低ナトリウム血症、高アミラーゼ血症、γ‐GTP上昇、便秘、疲労、関節痛、頭痛各16.7%(5/30例)、ALP上昇、斑状丘疹状皮疹、悪心各13.3%(4/30例)、口内炎10.0%(3/30例)であった。[5.2、7.3参照]
17.1.4 海外第3相試験(CA209067試験)
化学療法未治療の根治切除不能なIII期/IV期の悪性黒色腫患者945例(本剤及びニボルマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*4群314例、ニボルマブ(遺伝子組換え)単独(N単独)群316例、本剤単独群315例)を対象に、本剤単独群を対照としてN+I併用群とN単独群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I併用群でNE*5[NE、NE]ヵ月、本剤単独群で19.98[17.08、24.61]ヵ月であり、N+I併用群は本剤単独群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.55[98%信頼区間:0.42、0.72]、p<0.0001[層別log‐rank検定]、2016年8月1日データカットオフ)。
図2:全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209067試験)
また、腫瘍組織においてPD‐L1を発現した腫瘍細胞が占める割合(以下、「PD‐L1発現率」)に関する情報が得られた一部の患者のデータに基づき、PD‐L1発現率別に探索的に解析を行った。PD‐L1発現率別(1%未満及び1%以上)の全生存期間の結果を次に示す。
図3:PD‐L1発現率1%未満の全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209067試験)
図4:PD‐L1発現率1%以上の全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209067試験)
表3:PD‐L1発現率別の全生存期間(CA209067試験)
→図表を見る(PDF)
*4:本剤1回3mg/kg及びニボルマブ(遺伝子組換え)1回1mg/kgを同日に3週間間隔で4回点滴静注した後、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
*5:NEは推定不能
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された95.8%(300/313例)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢45.4%(142/313例)、疲労37.7%(118/313例)、そう痒症35.8%(112/313例)、発疹29.1%(91/313例)、悪心28.1%(88/313例)、発熱、食欲減退各19.2%(60/313例)、ALT上昇18.8%(59/313例)、AST上昇、甲状腺機能低下症各16.3%(51/313例)、嘔吐16.0%(50/313例)、高リパーゼ血症14.4%(45/313例)、関節痛13.4%(42/313例)、大腸炎13.1%(41/313例)、斑状丘疹状皮疹12.1%(38/313例)、呼吸困難11.5%(36/313例)、頭痛、甲状腺機能亢進症各10.9%(34/313例)であった。[5.2、7.3参照]
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
17.1.5 国際共同第3相試験(CA209214試験)
化学療法未治療の進行性又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者1096例(日本人患者72例を含む。ニボルマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*6群550例、スニチニブ群546例)を対象に、スニチニブを対照として、N+I併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるIMDC*7リスク分類Intermediate及びPoorリスク患者(N+I併用群425例、スニチニブ群422例)の全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I併用群でNE*8[28.16、NE]ヵ月、スニチニブ群で25.95[22.08、NE*8]ヵ月であり、N+I併用投与はスニチニブに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.63[99.8%信頼区間:0.44、0.89]、p<0.0001[層別log‐rank検定]、2017年8月7日データカットオフ)。
図5:Intermediate及びPoorリスク患者の全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209214試験)
*6:本剤1回1mg/kgとニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを同日に3週間間隔で4回点滴静注した後、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
*7:International Metastatic RCC Database Consortium
*8:NEは推定不能
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された93.1%(509/547例)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労36.9%(202/547例)、そう痒症28.2%(154/547例)、下痢26.5%(145/547例)、発疹21.6%(118/547例)、悪心19.9%(109/547例)、リパーゼ増加16.5%(90/547例)、甲状腺機能低下症15.5%(85/547例)、発熱14.4%(79/547例)、関節痛13.9%(76/547例)、食欲減退13.7%(75/547例)、無力症13.2%(72/547例)、アミラーゼ増加13.0%(71/547例)、ALT増加11.0%(60/547例)、嘔吐及び甲状腺機能亢進症10.8%(59/547例)及びAST増加10.6%(58/547例)であった。[5.5参照]
〈がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI‐High)を有する結腸・直腸癌〉
17.1.6 海外第2相試験(CA209142試験)
①フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤及び②オキサリプラチン又はイリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法歴のある治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI‐High)又はミスマッチ修復欠損(dMMR)を有する結腸・直腸癌患者119例を対象に、本剤とニボルマブ(遺伝子組換え)を併用投与*9した。主要評価項目である奏効率(RECISTガイドライン1.1版に基づく治験責任医師判定によるCR又はPR)の結果は、54.6%(95%信頼区間:45.2~63.8%、2017年7月6日データカットオフ)であった。
表4:有効性成績(CA209142試験)
→図表を見る(PDF)
*9:本剤1回1mg/kgとニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを同日に3週間間隔で4回点滴静注した後、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された73.1%(87/119例)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢21.8%(26/119例)、疲労17.6%(21/119例)、そう痒症16.8%(20/119例)、発熱15.1%(18/119例)、AST増加14.3%(17/119例)、甲状腺機能低下症13.4%(16/119例)、悪心12.6%(15/119例)、ALT増加11.8%(14/119例)、甲状腺機能亢進症10.9%(13/119例)及び発疹10.9%(13/119例)であった。[5.9参照]
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
17.1.7 国際共同第3相試験(CA209227試験)
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異陰性及びALK融合遺伝子陰性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者1,166例(日本人患者143例を含む。ニボルマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*10群583例、プラチナ製剤を含む化学療法群583例)を対象に、化学療法を対照として、N+I併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるPD‐L1発現率が1%以上の患者(N+I併用群396例、化学療法群397例)における全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I併用群で17.08[14.95、20.07]ヵ月、化学療法群で14.88[12.71、16.72]ヵ月であり、N+I併用投与は化学療法に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.79[97.72%信頼区間:0.65、0.96]、p=0.0066[層別log‐rank検定]、2019年7月2日データカットオフ)。
図6:PD‐L1発現率が1%以上の全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209227試験)
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された77.2%(302/391例)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹18.7%(73/391例)、下痢17.9%(70/391例)、そう痒症15.9%(62/391例)、疲労14.3%(56/391例)、甲状腺機能低下症13.6%(53/391例)、食欲減退13.6%(53/391例)、悪心10.7%(42/391例)であった。
検定対象とされなかったPD‐L1発現率が1%未満の患者(N+I併用群187例、化学療法群186例)における全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I併用群で17.15[12.85、22.05]ヵ月、化学療法群で12.19[9.17、14.32]ヵ月であり、ハザード比0.62[95%信頼区間:0.48、0.78]であった(2019年7月2日データカットオフ)。
*10:本剤1回1mg/kgを6週間間隔、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを同日に2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された75.7%(140/185例)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢15.1%(28/185例)、疲労14.6%(27/185例)、発疹13.5%(25/185例)、食欲減退12.4%(23/185例)、無力症11.4%(21/185例)、ALT増加11.4%(21/185例)、リパーゼ増加11.4%(21/185例)、そう痒症10.8%(20/185例)、AST増加10.8%(20/185例)、甲状腺機能低下症10.3%(19/185例)であった。[5.11、7.4参照]
17.1.8 国際共同第3相試験(CA2099LA試験)
化学療法未治療のEGFR遺伝子変異陰性及びALK融合遺伝子陰性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者719例(日本人患者50例を含む。ニボルマブ(遺伝子組換え)及びプラチナ製剤を含む化学療法併用(N+I+C併用)*11群361例、プラチナ製剤を含む化学療法群358例)を対象に、化学療法を対照として、N+I+C併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])は、N+I+C併用群で14.13[13.24、16.16]ヵ月、化学療法群で10.74[9.46、12.45]ヵ月であり、N+I+C併用投与は化学療法に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.69[96.71%信頼区間:0.55、0.87]、p=0.0006[層別log‐rank検定]、2019年10月3日データカットオフ)。
図7:全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA2099LA試験)
*11:扁平上皮癌に対しては、本剤1回1mg/kgを6週間間隔、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回360mgを3週間間隔、パクリタキセル1回200mg/m2、カルボプラチン1回AUC6(mg/mL・min)を3週間間隔で2サイクル点滴静注した後、本剤1回1mg/kgを6週間間隔及びニボルマブ(遺伝子組換え)1回360mgを3週間間隔で点滴静注した。
非扁平上皮癌に対しては、本剤1回1mg/kgを6週間間隔、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回360mgを3週間間隔、ペメトレキセド1回500mg/m2、シスプラチン1回75mg/m2又はカルボプラチン1回AUC5若しくは6(mg/mL・min)を3週間間隔で2サイクル点滴静注した後、本剤1回1mg/kgを6週間間隔及びニボルマブ(遺伝子組換え)1回360mgを3週間間隔で点滴静注した。
併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
また、化学療法はニボルマブ(遺伝子組換え)又は本剤(本剤の投与を予定している場合)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)とプラチナ製剤を含む化学療法と併用投与された89.9%(322/358例)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心26.3%(94/358例)、貧血22.3%(80/358例)、下痢20.4%(73/358例)、無力症20.4%(73/358例)、そう痒症18.4%(66/358例)、発疹17.9%(64/358例)、疲労16.5%(59/358例)、食欲減退15.6%(56/358例)、甲状腺機能低下症14.5%(52/358例)、嘔吐13.1%(47/358例)であった。[5.11、7.4参照]
〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫〉
17.1.9 国際共同第3相試験(CA209743試験)
化学療法未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫605例(日本人患者60例を含む。ニボルマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*12群303例、化学療法群302例)を対象に、ペメトレキセドナトリウム水和物及びプラチナ製剤(シスプラチン又はカルボプラチン)併用療法を対照として、N+I併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])の中間解析結果は、N+I併用群で18.07[16.82、21.45]ヵ月、化学療法群で14.09[12.45、16.23]ヵ月であり、N+I併用投与は化学療法に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比0.74[96.6%信頼区間:0.60、0.91]、p=0.002[層別log‐rank検定]、2020年3月25日データカットオフ)。
図8:全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209743試験)
*12:本剤1回1mg/kgを6週間間隔、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された80.0%(240/300例)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢20.7%(62/300例)、そう痒症16.3%(49/300例)、発疹14.3%(43/300例)、疲労13.7%(41/300例)、甲状腺機能低下症10.7%(32/300例)及び悪心10.0%(30/300例)であった。
〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
17.1.10 国際共同第3相試験(CA209648試験)
化学療法未治療の根治切除不能な進行・再発の食道癌患者*13 970例(日本人患者394例を含む。本剤とニボルマブ(遺伝子組換え)併用(N+I併用)*14群325例、ニボルマブ(遺伝子組換え)と化学療法(フルオロウラシルとシスプラチンとの併用)併用(N+C併用)群321例、化学療法群324例)を対象に、化学療法を対照として、N+I併用群の有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるTPS≧1%集団における全生存期間について、N+I併用群は化学療法群に対し、統計学的に有意な延長を示した。さらに、事前に規定された検定手順及び有意水準の割当てに従って検定が行われた結果、副次評価項目とされたITT集団における全生存期間について、N+I併用群は化学療法群に対し統計学的に有意な延長を示した。もう一つの主要評価項目であるTPS≧1%集団における無増悪生存期間について、N+I併用群は化学療法群に対し統計学的に有意な延長を示さなかった(2021年1月18日データカットオフ)。
表5:TPS≧1%集団及びITT集団における有効性成績(CA209648試験)
→図表を見る(PDF)
図9:ITT集団における全生存期間のKaplan‐Meier曲線(CA209648試験)
また、全生存期間及び無増悪生存期間について、TPS<1%集団に対して探索的に解析を行った結果を次に示す。
表6:TPS<1%集団における有効性成績(CA209648試験)
→図表を見る(PDF)
*13:病理組織学的検査において扁平上皮癌又は腺扁平上皮癌(主に扁平上皮癌が分化)と診断され、大動脈、気管等への明らかな浸潤を認めない患者が対象とされた。
*14:本剤1回1mg/kgを6週間間隔、ニボルマブ(遺伝子組換え)1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。併用投与時においては、ニボルマブ(遺伝子組換え)を最初に投与し、本剤はニボルマブ(遺伝子組換え)の投与終了から30分以上の間隔をおいて投与を開始した。
本剤がニボルマブ(遺伝子組換え)と併用投与された79.5%(256/322例)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹17.1%(55/322例)、そう痒症13.4%(43/322例)及び甲状腺機能低下症13.4%(43/322例)であった。[5.14、7.5参照]
18.1 作用機序
イピリムマブは細胞傷害性Tリンパ球抗原‐4(CTLA‐4)に対する抗体であり、CTLA‐4とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80)及びB7.2(CD86)分子との結合を阻害することにより、活性化T細胞における抑制的調節を遮断し、腫瘍抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び細胞傷害活性の増強により腫瘍増殖を抑制する。また、本薬は、制御性T細胞(Treg)の機能低下及び腫瘍組織におけるTreg数の減少により腫瘍免疫反応を亢進させ、抗腫瘍効果を示すと考えられる。
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