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ルタテラ静注

販売名
ルタテラ静注
薬価
7.4GBq25mL1瓶 2647734.00円
製造メーカー
ノバルティス ファーマ

添付文書情報2023年03月改定(第5版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び放射線治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項、15.1参照〕。
効能・効果
ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者の原発部位、ソマトスタチン受容体陽性の判定方法、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。特に、消化管以外を原発とする神経内分泌腫瘍患者への投与については、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
用法・用量
通常、成人にはルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)として1回7.4GBqを30分かけて8週間間隔で最大4回まで点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤投与による腎被曝の低減のため、1000mL中にアミノ酸としてL-リシン塩酸塩及びL-アルギニン塩酸塩をそれぞれ25gのみを含有する輸液製剤を本剤投与30分前から投与すること。
7.2. 副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること〔8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
[副作用発現時の休薬・減量・投与中止の目安]
血小板数減少<Grade2以上>の場合、腎機能障害<クレアチニンクリアランスが40mL/min未満>(腎機能障害<Ccrが40mL/min未満>)の場合、腎機能障害<ベースラインからCcr40%以上低下・SCr40%以上上昇>の場合、前記以外の副作用<Grade3以上>の場合:3.7GBqに減量する、減量後に再発が認められない場合、7.4GBqに再増量することができる、前回投与から16週以内に回復しない場合又は減量後に再発した場合、投与中止する(Ccr:クレアチニンクリアランス、SCr:血清クレアチニン値)。
GradeはNCI-CTCAE ver.4.0に準じる。
生殖能を有する者
8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.2、11.1.1参照〕。
8.2. 腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.2、11.1.2参照〕。
8.3. 骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病があらわれることがあるので、本剤投与中及び投与後は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.3参照〕。
本剤は主に腎臓から排泄される(腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)〔16.5参照〕。
9.4.1. 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、放射線に起因する生殖細胞への影響等があらわれる可能性があることを考慮すること〔15.1参照〕。
9.4.2. 妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性:妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること〔15.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:ソマトスタチンアナログ製剤(オクトレオチド酢酸塩、ランレオチド酢酸塩等)〔17.1.1、17.1.2参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用する場合は、臨床試験におけるこれらの薬剤の休薬期間について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、投与すること(これらの薬剤がソマトスタチン受容体で競合することにより、本剤の腫瘍への集積が低下する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制:リンパ球減少(28.3%)、血小板減少(22.8%)、貧血(11.8%)等があらわれることがある〔7.2、8.1参照〕。
11.1.2. 腎機能障害:急性腎不全(4.7%)、血中クレアチニン増加(3.1%)等があらわれることがある〔7.2、8.2参照〕。
11.1.3. 骨髄異形成症候群(1.6%)、急性骨髄性白血病(頻度不明)〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(5%未満)過敏症、蕁麻疹、紅斑、発疹。
2). 循環器:(5%未満)心房細動、動悸、心電図QT延長、低血圧、失神、潮紅、血管拡張、ほてり、高血圧、高血圧クリーゼ。
3). 腎臓:(5%未満)血中尿素増加、血尿、頻尿、蛋白尿、尿失禁、白血球尿。
4). 肝臓:(5%未満)肝性脳症、ALP増加、ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、トランスアミナーゼ上昇。
5). 代謝・内分泌:(5%以上)食欲減退、(5%未満)糖尿病、甲状腺機能低下症、グリコヘモグロビン増加、高血糖、低血糖、アシドーシス、低マグネシウム血症、低リン酸血症、脱水、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症、血中カリウム減少、(頻度不明)ホルモン分泌異常。
6). 消化器:(5%以上)悪心(60.6%)、嘔吐(42.5%)、下痢、腹部膨満、腹痛、(5%未満)胃炎、便秘、腸閉塞、腹部不快感、消化不良、おくび、鼓腸、消化器痛、軟便、口内炎、腹水、膵酵素減少。
7). 精神・神経系:(5%以上)頭痛、浮動性めまい、味覚障害、(5%未満)嗅覚錯誤、蟻走感、嗜眠、錯感覚、失神、不安、幻覚、睡眠障害。
8). 呼吸器:(5%未満)胸水、咳嗽、呼吸困難、喀痰増加、口腔咽頭痛。
9). 筋骨格系:(5%未満)骨痛、関節痛、筋痙縮、筋肉痛、背部痛、側腹部痛、筋骨格痛、頚部痛、四肢痛、筋骨格系胸痛。
10). 投与部位:(5%以上)注射部位反応(過敏反応、硬結、腫瘤、疼痛、腫脹)、(5%未満)注入部位血管外漏出。
11). その他:(5%以上)脱毛症、疲労、(5%未満)回転性めまい、眼障害、眼脂、結膜出血、結膜炎、気道感染、発熱、無力症、胸部不快感、胸痛、悪寒、インフルエンザ様疾患、倦怠感、末梢性浮腫、口渇、体重減少、皮膚乾燥。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(放射線による胎児発育への影響や胎児遺伝子への影響が懸念される)〔2.2、15.1参照〕。
投与中又は投与終了後一定期間は、授乳を避けさせること〔15.1参照〕。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意次の方法等により投与すること。
バイアルの内容液を生理食塩液により投与ラインへ押し出し、希釈しながら投与する。本剤3.7GBqを投与する場合には、バイアル内容液を抜き取り、液量を12.5mLに事前に調整する。
本剤は、医療法その他の放射線防護に関する法令、関連する告示及び通知(患者退出等を含む)等を遵守し、適正に使用すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報放射線曝露により、二次発癌や遺伝子異常のリスクが増加する可能性がある〔2.2、9.4.1、9.4.2、9.5妊婦、9.6授乳婦の項参照〕。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したときの血液中放射能濃度推移及び放射能の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
図1 本剤7.4GBqを単回投与した際の血液中放射能濃度の推移(n=6)

表1 本剤7.4GBqを単回投与した際の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
16.3.1 吸収線量
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したときの各組織における吸収線量は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

16.3.2 血漿タンパク結合
非放射性ルテチウムオキソドトレオチドのヒト血漿タンパク非結合率は56.9~72.3%であった(in vitro)。
16.5 排泄
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したとき、投与48時間後までに投与した放射能の73.8%が尿中に排泄された。[9.2参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相臨床試験(P‐1515‐12)
ソマトスタチン受容体陽性注1)の切除不能又は遠隔転移を有する消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者注2)を対象に、リシン/アルギニン含有輸液注3)併用下で本剤(7.4GBqを8週間間隔で最大4回まで点滴静脈内投与)の有効性及び安全性を検討することを目的とした非盲検非対照国内第I/II相試験を実施した注4)、5)。
主要評価項目とされた全体集団(15例)及び中腸神経内分泌腫瘍集団(5例)における奏効率[90%信頼区間](%)はそれぞれ46.7[24.4、70.0]及び60.0[18.9、92.4]であった。なお、全体集団のうち膵神経内分泌腫瘍患者及び肺神経内分泌腫瘍患者における奏効率はそれぞれ37.5%(3/8例)及び50%(1/2例)であった。
副作用は15例に認められた。主な副作用は悪心11例(73.3%)、リンパ球減少11例(73.3%)であった。[5.、10.2参照]
注1)インジウムペンテトレオチド(111In)を用いたシンチグラフィにおいて、CT又はMRIにより確認されたすべての標的病変に、正常肝実質以上の集積が認められることとされた。
注2)標準的治療の施行後に増悪した又は標準的治療の適応がない、かつKi‐67 index≦20%の患者が対象とされた。
注3)注射用水1000mL中にL‐リシン塩酸塩25g及びL‐アルギニン塩酸塩25gのみを含有する輸液。
注4)オクトレオチド製剤又はランレオチド製剤を併用する場合は、次の期間は避けることとされた。
・長時間作用型徐放性オクトレオチド製剤又はランレオチド製剤:本剤投与の6週間前から投与日まで。
・短時間作用型オクトレオチド製剤:本剤投与の24時間前から4時間後まで。
注5)原発部位が中腸の神経内分泌腫瘍患者は徐放性オクトレオチド製剤30mgを本剤投与の翌日及び本剤投与終了後は4週間間隔で初回投与から最大60週間筋肉内投与することとされた。
17.1.2 海外第III相臨床試験(NETTER‐1)
オクトレオチド投与中に増悪した注6)ソマトスタチン受容体陽性注1)の切除不能又は遠隔転移を有する消化管神経内分泌腫瘍患者注7)(229例)を対象に、本剤(7.4GBqを8週間間隔で最大4回まで点滴静脈内投与)とリシン/アルギニン含有輸液注8)との併用投与注9)、10)と高用量オクトレオチド(徐放性オクトレオチド60mgを4週間間隔で筋肉内投与)の有効性及び安全性を比較することを目的とした非盲検無作為化海外第III相試験を実施した。
主要評価項目とされた無増悪生存期間(PFS)の中央値[95%信頼区間](カ月)は、本剤群で未到達、対照群で8.5[5.8、9.1]であり、本剤群で対照群と比較して統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.177[0.108、0.289]p(両側)<0.0001、非層別log‐rank検定、有意水準(両側)0.05)。
図1 PFSのKaplan‐Meier曲線

本剤が投与された112例において、副作用は102例(91.1%)に認められた。主な副作用は悪心66例(58.9%)、嘔吐51例(45.6%)であった。[5.、10.2参照]
注6)徐放性オクトレオチド製剤20又は30mgを3~4週間間隔で投与中に疾患進行が認められた患者が対象とされた。
注7)原発部位が中腸かつKi‐67 index≦20%の患者が対象とされた。
注8)市販のアミノ酸輸液製剤(2000mL以下)のうち、L‐リシン及びL‐アルギニンの含有量の合計が36g以上、かつそれぞれの含有量が24gを上限として最も多いものを用いることとされた。
注9)オクトレオチド製剤の併用投与は、次の期間は避けることとされた。
・長時間作用型徐放性オクトレオチド製剤:本剤投与の6週間前から投与日まで。
・短時間作用型オクトレオチド製剤:本剤投与の24時間前から4時間後まで。
注10)徐放性オクトレオチド製剤30mgを本剤投与の翌日及び本剤投与終了後は4週間間隔で無作為化から最大72週間筋肉内投与することとされた。

18.1 作用機序
ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)は、ソマトスタチン誘導体であるDOTA0‐Tyr3‐Octreotateと177Lu(ルテチウムの放射性同位体)の錯体である。ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)はソマトスタチン受容体サブタイプ1~5(SSTR1~5)のうち主にSSTR2との結合を介して腫瘍細胞に集積し、177Luから放出されるベータ線により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍効果
ルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)は、SSTR2陽性のラット膵癌由来CA20948細胞株を皮下移植したラットにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した。

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