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ベバシズマブBS点滴静注100mg「CTNK」

後発医薬品
販売名
ベバシズマブBS点滴静注100mg「CTNK」
薬価
100mg4mL1瓶 8141.00円
製造メーカー
日本化薬

添付文書情報2023年12月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ベバシズマブ(遺伝子組換え)注射液(4)
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されているので、本剤の投与中に、消化管穿孔と診断された場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと〔9.1.1、11.1.2参照〕。
1.3. 創傷治癒遅延による合併症(創し開、術後出血等)があらわれることがある。
1.3.1. 手術後の患者に本剤を投与する場合は、術創の状態を確認し、投与の可否を検討すること。大きな手術の術創が治癒していない場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合を除き、本剤を投与しないこと〔8.1、9.1.2、11.1.4参照〕。
1.3.2. 本剤の投与中に創傷治癒遅延による合併症があらわれた場合は、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.1、9.1.2、11.1.4参照〕。
1.3.3. 本剤の投与終了後に手術を行う場合は、本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおくこと〔8.1、9.1.2、11.1.4参照〕。
1.4. 本剤の投与により腫瘍関連出血のリスクが高まるおそれがある。脳腫瘍(脳転移を含む)を有する患者に本剤を投与した場合、脳出血があらわれるおそれがある。本剤の投与中に重度出血があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと〔8.4、9.1.3、11.1.5参照〕。
1.5. 本剤の投与により、肺出血(喀血)があらわれ、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、肺出血(喀血)があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと〔2.2、11.1.5参照〕。
1.6. 脳血管発作、一過性脳虚血発作、心筋梗塞、狭心症、脳虚血、脳梗塞等の動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと〔9.1.5、11.1.6参照〕。
1.7. 高血圧性脳症又は高血圧性クリーゼがあらわれ、死亡に至る例が報告されているので、これらの事象があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、このような患者には、以降、本剤を再投与しないこと(また、本剤の投与期間中は血圧を定期的に測定すること)〔8.2、11.1.7参照〕。
1.8. 可逆性後白質脳症症候群があらわれることがあるので、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔11.1.8参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 喀血<2.5mL以上の鮮血の喀出>の既往のある患者〔1.5、11.1.5参照〕。
効能・効果
1). 治癒切除不能な進行・再発の結腸癌、治癒切除不能な進行・再発の直腸癌。
2). 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。
3). 手術不能又は再発乳癌。
4). 悪性神経膠腫。
5). 卵巣癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉術後補助療法において、本剤の有効性及び安全性は確認されていない。
5.2. 〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.2、17.1.3参照〕。
5.3. 〈手術不能又は再発乳癌〉術後薬物療法において、本剤の有効性及び安全性は確認されていない。
5.4. 〈手術不能又は再発乳癌〉延命効果は示されていない〔17.1.4参照〕。
5.5. 〈手術不能又は再発乳癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、HER2及びホルモン受容体の発現状況等を踏まえて本剤投与の必要性を検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.4参照〕。
5.6. 〈悪性神経膠腫〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、治療歴、病理組織型等を踏まえて適応患者の選択を行うこと〔17.1.5参照〕。
5.7. 〈卵巣癌〉FIGO Stage3以上の卵巣癌患者に投与すること。
5.8. 〈卵巣癌〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.6参照〕。
用法・用量
〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
〈扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
〈手術不能又は再発乳癌〉
パクリタキセルとの併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
〈悪性神経膠腫〉
通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回10mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回15mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静脈内注射する。なお、患者の状態により投与間隔は適宜延長すること。
〈卵巣癌〉
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続4]として1回10mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回15mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静脈内注射する。なお、患者の状態により投与間隔は適宜延長すること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること〔17.1.2-17.1.6参照〕。
7.2. 〈効能共通〉再発悪性神経膠腫以外における本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
7.3. 〈効能共通〉初回投与時は90分かけて点滴静注する(初回投与の忍容性が良好であれば、2回目の投与は60分間で行っても良く、2回目の投与においても忍容性が良好であれば、それ以降の投与は30分間投与とすることができる)。
7.4. 〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉本剤は、フッ化ピリミジン系薬剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により投与すること〔17.1.2参照〕。
7.5. 〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤及び患者のがん化学療法歴に応じて選択すること〔17.1.2参照〕。
7.6. 〈扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉本剤は白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により開始すること〔17.1.3参照〕。
7.7. 〈手術不能又は再発乳癌〉本剤はパクリタキセルとの併用により開始すること〔17.1.4参照〕。
7.8. 〈悪性神経膠腫〉初発悪性神経膠腫の場合は、本剤は放射線照射及びテモゾロミドとの併用により開始すること〔17.1.5参照〕。
7.9. 〈悪性神経膠腫〉本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の治療歴に応じて選択すること〔17.1.5参照〕。
7.10. 〈卵巣癌〉本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、国内外の最新のガイドライン等を参考にした上で選択すること〔17.1.6参照〕。
7.11. 〈卵巣癌〉本剤とカルボプラチン及びパクリタキセルを併用する場合は、併用投与終了後も本剤単独投与を継続すること(本剤を継続投与しない場合の有効性は確認されていない)〔17.1.6参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 創傷治癒遅延による合併症があらわれることがあるので、本剤の投与終了後に手術を行う場合は、本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおくこと(本剤の最終投与から手術までの適切な間隔は明らかになっていないが、本剤の半減期を考慮すること)〔1.3.1-1.3.3、9.1.2、11.1.4、16.1.2参照〕。
8.2. 高血圧があらわれることがあるので、投与期間中は血圧を定期的に測定し、適切な処置を行うこと〔1.7、11.1.7参照〕。
8.3. 蛋白尿があらわれることがあるので、投与期間中は尿蛋白を定期的に検査することが望ましい〔11.1.9参照〕。
8.4. 脳転移を疑う症状がなく本剤を含むがん化学療法が開始された患者においても、慎重に患者を観察し、神経学的異常が疑われた場合には脳転移及び脳出血の可能性を考慮して、本剤の投与中止を含めて適切な対応を行うこと〔1.4、9.1.3、11.1.5参照〕。
8.5. 骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.10参照〕。
8.6. 血栓性微小血管症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.14参照〕。
8.7. 卵巣癌に対して、他の抗悪性腫瘍剤との併用において本剤を1回10mg/kg(体重)、2週間間隔で使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」等)を熟読すること。
9.1.1. 消化管炎症など腹腔内炎症を合併している患者:消化管穿孔があらわれるおそれがある〔1.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 大きな手術の術創が治癒していない患者:創傷治癒遅延による合併症があらわれるおそれがある(臨床試験において大きな手術後28日間経過していない患者に本剤を投与した経験はない)〔1.3.1-1.3.3、8.1、11.1.4参照〕。
9.1.3. 脳転移を有する患者:脳腫瘍(脳転移を含む)を有する患者に本剤を投与する場合は、観察を十分に行い、脳出血が疑われるような症状が認められた場合は、本剤の投与中止を含めて適切な対応を行うこと。脳転移を有する患者で脳出血を認めた例が報告され、また、初発膠芽腫患者を対象とした国際共同臨床試験において、本剤の投与により脳出血の発現率が高くなる傾向が認められている〔1.4、8.4、11.1.5参照〕。
9.1.4. 先天性出血素因、凝固系異常のある患者:出血があらわれるおそれがある。
9.1.5. 血栓塞栓症の既往のある患者:心筋梗塞、脳梗塞、深部静脈血栓症、肺塞栓症などがあらわれるおそれがある〔1.6、11.1.6参照〕。
9.1.6. 糖尿病の患者:動脈血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。
9.1.7. 高血圧症の患者:高血圧が悪化するおそれがあり、蛋白尿の発現率が上昇することがある。
9.1.8. うっ血性心不全又は冠動脈疾患などの重篤な心疾患のある患者:うっ血性心不全が悪化又はあらわれるおそれがある〔11.1.12参照〕。
妊娠する可能性がある女性:妊娠する可能性がある女性には、本剤投与中、適切な避妊法を用いるよう指導する(また、本剤投与終了後も最低6カ月間は避妊法を用いるよう指導する)〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:抗凝固剤(ヘパリン、ワルファリン等)[出血があらわれるおそれがある(出血リスクを増強させるおそれがある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(1.9%):ショック、アナフィラキシー・infusion reaction(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)があらわれることがあるので、過敏症状が認められた場合は、本剤の投与を中止し、薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド剤、抗ヒスタミン剤等)等の適切な処置をすること。
11.1.2. 消化管穿孔(0.9%):死亡に至る例が報告されている。消化管穿孔と診断された場合は、重篤な消化管穿孔が再発するおそれがあるので、本剤を再投与しないこと〔1.2、9.1.1参照〕。
11.1.3. 瘻孔(0.3%):消化管瘻(腸管皮膚瘻、腸管瘻、気管食道瘻等)又は消化管以外の瘻孔(気管支胸膜瘻、泌尿生殖器瘻、胆管瘻等)があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。また、気管食道瘻又は重度瘻孔があらわれた患者では、本剤を再投与しないこと。子宮頸癌を対象とした海外臨床試験では、消化管腟瘻(直腸腟瘻等)(8.3%)、消化管瘻(直腸瘻)(0.5%)、消化管以外の瘻(膀胱腟瘻等)(1.8%)が認められており、また発現例の多くは、骨盤部への放射線治療歴のある患者であったことが報告されている。
11.1.4. 創傷治癒遅延:創傷治癒に影響を及ぼす可能性が考えられ、創傷治癒遅延による創し開(0.5%)及び術後出血(0.4%)等の合併症があらわれることがあるので、創傷治癒遅延による合併症があらわれた場合は、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.3.1-1.3.3、8.1、9.1.2参照〕。
11.1.5. 出血(19.3%):腫瘍関連出血を含む、消化管出血(吐血、下血)(2.0%)、肺出血(血痰・喀血)(1.2%)、脳出血(0.1%)等があらわれることがあり、また、鼻出血(15.1%)、歯肉出血(1.4%)、腟出血(0.1%未満)等の粘膜出血があらわれることがある。重度出血においては死亡に至る例が報告されているため、肺出血(喀血)又は重度の出血があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(また、このような出血があらわれた患者では、重度の出血が再発するおそれがあるので、本剤を再投与しないこと)〔1.4、1.5、2.2、8.4、9.1.3参照〕。
11.1.6. 血栓塞栓症:脳血管発作(頻度不明)、一過性脳虚血発作(0.1%)、心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%)、脳虚血(頻度不明)、脳梗塞(0.2%)等の動脈血栓塞栓症、及び深部静脈血栓症(0.2%)、肺塞栓症(0.1%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。動脈血栓塞栓症があらわれた患者では、再発時に死亡に至る可能性もあるので、本剤を再投与しないこと〔1.6、9.1.5参照〕。
11.1.7. 高血圧性脳症(頻度不明)、高血圧性クリーゼ(頻度不明):コントロール不能の高血圧、高血圧性脳症、高血圧性クリーゼがあらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(また、高血圧性脳症、高血圧性クリーゼが再発するおそれがあるので、このような患者には本剤を再投与しないこと)。高血圧の発現率は本剤の用量に相関して上昇する傾向が示唆されている〔1.7、8.2参照〕。
11.1.8. 可逆性後白質脳症症候群(0.1%未満):可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣発作、頭痛、精神状態変化、視覚障害、皮質盲等)があらわれることがあり、高血圧を伴う例と伴わない例が報告されているので、観察を十分に行い、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合は、本剤の投与を中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等の適切な処置を行うこと〔1.8参照〕。
11.1.9. ネフローゼ症候群(0.1%未満):高度の蛋白尿等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。蛋白尿の発現率は本剤の用量に相関して上昇する傾向が示唆されている〔8.3参照〕。
11.1.10. 骨髄抑制:他の抗悪性腫瘍剤との併用において汎血球減少症(0.1%未満)、好中球減少(24.5%)、白血球減少(24.3%)、貧血(8.7%)、血小板減少(10.4%)があらわれることがある。なお、臨床試験で他の抗悪性腫瘍剤に本剤を併用した群において、併用していない群と比較して、高度好中球減少症、発熱性好中球減少症の発現頻度が高まることが報告されている〔8.5参照〕。
11.1.11. 感染症(10.0%):好中球減少の有無にかかわらず肺炎(0.6%)、敗血症(0.2%)、壊死性筋膜炎(頻度不明)等の感染症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。なお、壊死性筋膜炎については、創傷治癒遅延、消化管穿孔、瘻孔に続発した例が報告されている。
11.1.12. うっ血性心不全(0.1%未満):乳癌を対象とした海外臨床試験では、グレード3以上の左室機能不全が2.2%の頻度で認められており、また発現例の多くは、アントラサイクリン系薬剤投与歴、左胸壁への放射線治療歴等のある患者であったことが報告されている〔9.1.8参照〕。
11.1.13. 間質性肺炎(0.4%)。
11.1.14. 血栓性微小血管症(頻度不明):血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群等の血栓性微小血管症があらわれることがあるので、破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.6参照〕。
11.1.15. 動脈解離(0.1%未満):大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(5%以上)神経毒性(末梢性感覚ニューロパシー、末梢性運動ニューロパシー、感覚神経障害等)(15.8%)、(1~5%未満)味覚異常、頭痛、不眠症、浮動性めまい、(1%未満)神経痛、体位性めまい、不安、嗅覚錯誤、失神、痙攣、傾眠、構語障害。
2). 消化器:(5%以上)食欲減退(14.7%)、悪心(14.1%)、口内炎(11.7%)、下痢、嘔吐、便秘、(1~5%未満)腹痛、歯肉炎、口唇炎、胃不快感、(1%未満)歯周病、消化不良、胃炎、消化管潰瘍、歯痛、痔核、腸炎、歯肉痛、齲歯、逆流性食道炎、腸閉塞、胃腸炎、舌炎、肛門周囲痛、歯の脱落、(頻度不明)胃腸障害。
3). 泌尿器:(5%以上)尿蛋白陽性(10.5%)、(1~5%未満)尿中血陽性、(1%未満)BUN増加、血中クレアチニン増加。
4). 肝臓:(5%以上)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP増加、LDH増加等)、(1~5%未満)血中ビリルビン増加。
5). 血液・凝固:(1~5%未満)リンパ球数減少、フィブリンDダイマー増加、(1%未満)INR増加、フィブリノゲン増加、白血球数増加、APTT延長、好中球数増加、プロトロンビン時間延長。
6). 心・血管系:(5%以上)高血圧(18.2%)、(1%未満)動悸、洞性頻脈、(頻度不明)上室性頻脈。
7). 皮膚:(5%以上)脱毛症(10.7%)、発疹、(1~5%未満)皮膚色素沈着、手足症候群、爪障害、皮膚そう痒症、(1%未満)紅斑、蕁麻疹、皮膚乾燥、皮膚剥脱、皮膚炎、爪囲炎、爪色素沈着、皮膚過角化、(頻度不明)皮膚変色、剥脱性皮膚炎。
8). 筋・骨格:(5%以上)関節痛、(1~5%未満)筋痛、背部痛、(1%未満)四肢痛、筋骨格硬直、筋骨格痛(肩部痛、殿部痛等)、筋力低下、側腹部痛。
9). 呼吸器:(1~5%未満)発声障害、しゃっくり、咽頭喉頭痛、鼻漏、(1%未満)咳嗽、呼吸困難、鼻炎、気管支炎、低酸素症、(頻度不明)肺高血圧症。
10). 眼:(1%未満)結膜炎、流涙増加、霧視、(頻度不明)眼障害。
11). 代謝:(1~5%未満)血中コレステロール増加、血中アルブミン減少、(1%未満)血中ナトリウム減少、血中リン減少、血中尿酸増加、高カリウム血症、総蛋白減少、高脂血症、血中カルシウム減少、尿中ブドウ糖陽性、高カルシウム血症、血中クロール減少、高血糖、高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症、血中ナトリウム増加、低マグネシウム血症、低カリウム血症。
12). その他:(5%以上)疲労感・倦怠感(15.5%)、発熱、(1~5%未満)上気道感染(鼻咽頭炎等)、体重減少、Al-P上昇、末梢性浮腫、潮紅、CRP上昇、注射部位反応(注射部位疼痛等)、(1%未満)膀胱炎、無力症、ほてり、体重増加、胸痛、胸部不快感、膿瘍、脱水、耳鳴、カテーテル関連合併症(カテーテル関連感染、カテーテル関連炎症等)、口腔ヘルペス、回転性めまい、毛包炎、顔面浮腫、熱感、静脈炎、帯状疱疹、感染性腸炎、不規則月経、耳不快感、疼痛、尿路感染、(頻度不明)蜂巣炎、鼻中隔穿孔、卵巣機能不全(無月経等)、骨盤痛。
発現頻度は先行バイオ医薬品における治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する国内臨床試験[JO18157試験、JO18158試験及びJO19380試験]、未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌に対する国内臨床試験[JO19907試験]、手術不能又は再発乳癌に対する国内臨床試験[JO19901試験]、初発の膠芽腫に対する国際共同臨床試験[BO21990試験](国内症例)、再発悪性神経膠腫に対する国内臨床試験[JO22506試験]、卵巣癌に対する国際共同臨床試験[GOG-0218試験](国内症例)、進行又は再発の子宮頸癌に対する国内臨床試験[JO29569試験]、切除不能な肝細胞癌に対する国際共同臨床試験[YO40245試験](国内症例)及び製造販売後の特定使用成績調査を含む。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(海外臨床試験において、65歳未満の患者と比較し、65歳以上の患者で本剤投与による脳血管発作、一過性脳虚血発作、心筋梗塞等の動脈血栓塞栓症の発現率の上昇が認められた)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を投与された患者で奇形を有する児の出産が報告されている。また、本剤をウサギ(器官形成期)に投与したところ、胚毒性・胎仔毒性及び催奇形性が認められた)〔9.4生殖能を有する者の項、15.2.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行性については不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている)。
小児等
9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 小児等で骨壊死<顎以外の部位>があらわれるとの報告がある。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤の投与時には必要量を注射筒で抜き取り、日局生理食塩液に添加して約100mLとする。
[必要抜き取り量計算式]抜き取り量(mL)=体重(kg)×1回投与量(mg/kg)/25(mg/mL)。
1). 1回投与量5mg/kg:抜き取り量(mL)=体重(kg)×0.2(mL/kg)。
2). 1回投与量7.5mg/kg:抜き取り量(mL)=体重(kg)×0.3(mL/kg)。
3). 1回投与量10mg/kg:抜き取り量(mL)=体重(kg)×0.4(mL/kg)。
4). 1回投与量15mg/kg:抜き取り量(mL)=体重(kg)×0.6(mL/kg)。
14.1.2. 日局生理食塩液以外は使用しないこと。
14.1.3. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること(また、残液は廃棄すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意本剤とブドウ糖溶液を混合した場合、ベバシズマブの力価の減弱が生じるおそれがあるため、ブドウ糖溶液との混合を避け、本剤とブドウ糖溶液の同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこと。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 海外臨床試験において本剤と化学療法を併用した閉経前女性患者は、化学療法のみを実施した患者と比較して、卵巣機能不全(β-HCG妊娠検査陰性で3カ月以上継続する無月経かつFSH≧30MIU/mL)の発現率が高いとの報告があり、妊孕性低下の可能性が示唆された(なお、本剤中止後にほとんどの患者で卵巣機能の回復が認められているが、本剤の妊孕性への長期的な影響は不明である)。
15.1.2. 本剤投与後に顎骨壊死が発現したとの報告があり、多くはビスホスホネート系製剤投与中あるいはビスホスホネート系製剤投与経験がある患者であった。また、本剤を含む血管新生阻害薬とビスホスホネート系製剤を併用時に顎骨壊死の発現が増加する可能性が示唆されたとの報告がある。
15.1.3. 適応外疾患に対する硝子体内(用法・用量外)投与例において、網膜剥離、眼内炎、硝子体出血、網膜出血等の眼障害があらわれることが報告されている。本剤を硝子体内投与するにあたって、本剤の不適切な無菌操作下での小分けにより、重篤な眼感染症があらわれ、失明に至った例が海外で報告されている。また、海外において、心筋梗塞、脳卒中等があらわれることが報告されている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ウサギの胚・胎仔試験(10~100mg/kgを器官形成期投与)において、胎仔体重減少、吸収胚増加、外形異常を有する胎仔増加・骨格異常を有する胎仔増加が認められた〔9.4生殖能を有する者、9.5妊婦の項参照〕。
15.2.2. 若齢カニクイザルでは本剤の反復投与(2~50mg/kg、週1回又は週2回投与)により、長骨成長板で骨端軟骨異形成が認められた。

16.1 血中濃度
〈本剤〉
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性を対象として、本剤又は先行バイオ医薬品注1)を5mg/kgの用量で単回静脈内投与し、血清中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0-inf、AUC0-last及びCmax)の幾何平均比の90%信頼区間は、いずれも同等性許容域80%~125%の範囲内であり、両剤の同等性が確認された。
血清中濃度推移(Mean±S.D.)
注1)先行バイオ医薬品:Avastin(EUで承認されたベバシズマブ(遺伝子組換え)製剤)

本剤及び先行バイオ医薬品注1)の薬物動態パラメータ
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注1)先行バイオ医薬品:Avastin(EUで承認されたベバシズマブ(遺伝子組換え)製剤)
〈アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL〉
16.1.2 単回投与
(1)治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
結腸・直腸癌患者18例にベバシズマブ3、5又は10mg/kg注2)を90分間点滴静注したときの血清中濃度は次のとおりであった。ベバシズマブの血清中からの消失は緩やかで、AUCは投与量に比例して増加した。[8.1参照]
単回投与時の薬物動態パラメータ
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注2)本剤の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する承認用量は1回5mg/kg、7.5mg/kg及び10mg/kgである。
16.1.3 反復投与
(1)手術不能又は再発乳癌
転移・再発乳癌患者にパクリタキセルとの併用によりベバシズマブ10mg/kgの点滴静注を2週間隔で繰り返した。初回投与70日後(投与6回目)の最低及び最高血清中濃度は各々149.0±37.4(47例)及び397.8±77.9(43例)μg/mL(Mean±S.D.)であり、投与6回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。
(2)扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
非小細胞肺癌患者51例にカルボプラチン・パクリタキセル療法との併用によりベバシズマブ15mg/kgの点滴静注を3週間隔で繰り返した。初回投与63日後(投与4回目)の最低及び最高血清中濃度は各々115.9±45.6(20例)及び450.3±97.3(19例)μg/mL(Mean±S.D.)であり、投与4回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。
16.1.4 母集団薬物動態解析の成績
491例の患者に1~20mg/kg注3)の用量のベバシズマブを1週間隔、2週間隔、若しくは3週間隔で点滴静注したときの血清中濃度を用い、母集団薬物動態解析を実施した。2‐コンパートメントモデルで解析したときの男性のクリアランスは0.262L/day、女性は0.207L/dayであった。また、中心コンパートメントの分布容積については、男性は3.25L、女性は2.66Lであった(外国人データ)。
注3)本剤の承認用量は1回5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg及び15mg/kgである。
16.3 分布
〈アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL〉
ウサギに125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、いずれの組織においても特異的な取り込みは認められず、本剤の分布はほぼ血漿に限られていた。
16.5 排泄
〈アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL〉
ウサギに125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、投与48時間後の尿中に未変化体は検出されなかった。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈本剤〉
17.1.1 国際共同第III相試験
転移性又は再発性の非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象とした無作為化、二重盲検実薬対照比較試験を実施した。本剤又は先行バイオ医薬品注1)15mg/kgとパクリタキセル及びカルボプラチンの併用投与を3週間ごとに4~6サイクル行った。有効性の主要評価項目として併用投与期の客観的奏効率(ORR)を評価した。
ORRのリスク差の95%信頼区間は、事前に設定した同等性マージン[-12.25%、12.25%]の範囲内であり、両剤の有効性における同等性が確認された。
併用投与期の客観的奏効率(ITT集団)
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副作用発現率は、本剤群では51.6%(178/345例)及び先行バイオ医薬品注1)群では50.6%(174/344例)であった。
主な副作用は、本剤群で蛋白尿(10.4%)、貧血(7.2%)、高血圧(7.2%)、脱毛症(6.7%)、血小板減少症(6.4%)であった。
注1)先行バイオ医薬品:Avastin(EUで承認されたベバシズマブ(遺伝子組換え)製剤)
〈アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL〉
17.1.2 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
(1)国内第I/II相試験(JO19380試験)
未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者を対象に、カペシタビン・オキサリプラチン療法(XELOX療法)と本剤1回7.5mg/kg併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)による第I/II相試験を実施した。奏効率は71.9%(PR41/57例)であった。無増悪生存期間の中央値は336.0日(95%信頼区間:293-380日)であった。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
副作用発現率は、XELOX療法+本剤群で100%(58/58例)であった。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパシー93.1%(54/58例)、食欲不振89.7%(52/58例)、疲労82.8%(48/58例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群77.6%(45/58例)、悪心74.1%(43/58例)であった。
(2)国内安全性確認試験(JO18158試験)
進行・再発結腸・直腸癌を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)と本剤の併用投与による安全性確認試験を、未治療例注2)には本剤5mg/kg、既治療例注3)には10mg/kgの用量(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)により実施した。奏効率は未治療例79.4%(PR27/34例)で、既治療例で47.8%(PR11/23例)で、全例でSD以上であった(主治医評価)。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
注2)未治療例:初発進行病巣又は再発巣(術後補助療法終了後6カ月以上経過して確認されたもの)に対する化学療法を受けていない患者
注3)既治療例:先行化学療法において病勢進行・再発の認められた患者
副作用発現率は、本剤5mg/kg群で100%(38/38例)、本剤10mg/kg群で100%(26/26例)であった。主な副作用は、本剤5mg/kg群で食欲不振97.4%(37/38例)、好中球数減少92.1%(35/38例)、悪心86.8%(33/38例)、白血球数減少78.9%(30/38例)、下痢73.7%(28/38例)であり、本剤10mg/kg群で白血球数減少100%(26/26例)、好中球数減少96.2%(25/26例)、食欲不振88.5%(23/26例)、悪心84.6%(22/26例)、血小板数減少80.8%(21/26例)であった。
(3)国内第I相試験(JO18157試験)
既治療又は未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者18例を対象としたフルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(5‐FU/l‐LV療法)と本剤の併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了直後に本剤を投与)による第I相試験を実施した。奏効率は16.7%(PR3/18例)で、5mg/kgでは6例全例がSD、10mg/kgでは6例中2例がPR、4例がSDであった。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
副作用発現率は、5‐FU/l‐LV療法+本剤5mg/kg群で100%(6/6例)、5‐FU/l‐LV療法+本剤10mg/kg群で100%(6/6例)であった。主な副作用は、5‐FU/l‐LV療法+本剤5mg/kg群で好中球数減少66.7%(4/6例)、白血球数減少66.7%(4/6例)、血小板数減少66.7%(4/6例)、口内炎66.7%(4/6例)であり、5‐FU/l‐LV療法+本剤10mg/kg群で食欲不振83.3%(5/6例)、悪心66.7%(4/6例)、鼻出血66.7%(4/6例)、高血圧66.7%(4/6例)であった。
(4)海外第III相無作為化比較試験(NO16966試験)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者において、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)又はXELOX療法に本剤又はプラセボを投与する2×2要因の二重盲検比較試験を実施した。本剤の用量は、FOLFOX4療法との併用では5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)、XELOX療法との併用では7.5mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)とした。その結果、主要解析において、本剤併用群ではこれらのFOLFOX4療法又はXELOX療法の化学療法のみを受けた場合に比べ、有意な無増悪生存期間の延長が認められた。副次的解析のFOLFOX4療法+本剤群とFOLFOX4療法+プラセボ群の比較では有意な差は認められなかったが、XELOX療法+本剤群とXELOX療法+プラセボ群の比較では有意な無増悪生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目である生存期間については、化学療法に本剤を併用することにより延長傾向が認められた。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
NO16966試験の有効性(優越性検定)に関する成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現率は、FOLFOX4療法+本剤群で98.2%(335/341例)、XELOX療法+本剤群で98.9%(349/353例)であった。主な副作用は、FOLFOX4療法+本剤群で悪心62%(213/341例)、下痢60%(205/341例)、好中球減少症55%(188/341例)、口内炎40%(137/341例)、錯感覚39%(133/341例)、嘔吐37%(127/341例)、疲労37%(127/341例)、鼻出血29%(99/341例)、無力症26%(90/341例)、食欲不振26%(88/341例)であり、XELOX療法+本剤群で悪心64%(226/353例)、下痢62%(220/353例)、嘔吐44%(157/353例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群39%(139/353例)、錯感覚37%(131/353例)、疲労36%(127/353例)、口内炎29%(101/353例)、食欲不振28%(100/353例)、無力症21%(73/353例)、末梢性ニューロパシー20%(69/353例)、好中球減少症20%(69/353例)であった。
(5)海外第III相無作為化比較試験(E3200試験)
イリノテカン塩酸塩水和物及びフルオロウラシルの治療が無効となった進行又は転移性の結腸・直腸癌患者を対象に、FOLFOX4療法群を対照とし、FOLFOX4療法に本剤10mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤に先立ち本剤を投与)を併用したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群においては、FOLFOX4療法群に比べ有意な生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目についても、無増悪生存期間の延長と高い奏効率が認められた。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
E3200試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

Grade3以上(血液毒性についてはGrade4以上)の副作用発現率は、FOLFOX4療法+本剤群で76.3%(219/287例)であった。FOLFOX4療法群との発現率の差が2%以上であった主な副作用は、疲労18.5%(53/287例)、下痢17.8%(51/287例)、神経障害‐感覚性16.4%(47/287例)、悪心10.8%(31/287例)、嘔吐10.1%(29/287例)、脱水8.7%(25/287例)、高血圧6.3%(18/287例)、腹痛5.9%(17/287例)、呼吸困難5.9%(17/287例)、神経障害‐その他5.2%(15/287例)であった。
(6)海外第III相二重盲検無作為化比較試験(AVF2107g試験)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、イリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(IFL療法)を対照群とし、IFL療法に本剤5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)又はプラセボを併用投与した。その結果、本剤併用群ではIFL療法単独に比べ有意な生存期間及び無増悪生存期間の延長が認められた。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
AVF2107g試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

有害事象発現率は、IFL療法+本剤群で96.7%(379/392例)であった。主な有害事象は、下痢74.7%(293/392例)、白血球減少症44.4%(174/392例)、無力症32.4%(127/392例)、悪心29.8%(117/392例)、蛋白尿28.8%(113/392例)、腹痛26.5%(104/392例)、高血圧24.5%(96/392例)、嘔吐21.7%(85/392例)、疼痛19.4%(76/392例)、食欲不振15.8%(62/392例)であった。
(7)海外第II相二重盲検無作為化比較試験(AVF2192g試験)
イリノテカン塩酸塩水和物の治療に不適と考えられる未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(5‐FU/LV療法)を対照群とし、5‐FU/LV療法に本剤5mg/kgを併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、5‐FU/LV療法単独に比べ有意な無増悪生存期間の延長が認められた。[5.2、7.1、7.4、7.5参照]
AVF2192g試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

有害事象発現率は、5‐FU/LV療法+本剤群で100%(100/100例)であった。主な有害事象は、下痢84.0%(84/100例)、無力症76.0%(76/100例)、悪心65.0%(65/100例)、腹痛47.0%(47/100例)、食欲不振43.0%(43/100例)、嘔吐40.0%(40/100例)、蛋白尿38.0%(38/100例)、疼痛33.0%(33/100例)、高血圧32.0%(32/100例)、便秘26.0%(26/100例)、貧血26.0%(26/100例)であった。
未治療の転移性結腸・直腸癌を対象とした5‐FU/LV療法に本剤を併用した、前記試験を含む3試験の併合解析が行われ、本剤併用群において、対照群に比し生存期間、無増悪生存期間に有意な延長が認められたとの報告がある。
17.1.3 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
(1)国内第II相試験(JO19907試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。CP療法は両群とも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な無増悪生存期間の延長及び奏効率の改善が認められた。[5.2、7.1、7.6参照]
JO19907試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現率は、CP療法+本剤群で100%(125/125例)であった。主な副作用は、好中球数減少96.8%(121/125例)、脱毛症95.2%(119/125例)、白血球数減少94.4%(118/125例)、末梢性ニューロパシー88.0%(110/125例)、ヘモグロビン減少84.0%(105/125例)であった。
(2)海外第II/III相無作為化比較試験(E4599試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な生存期間の延長が認められた。[5.2、7.1、7.6参照]
E4599試験の有効性に関する成績
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Grade3以上の副作用発現率は、本剤15mg/kg+CP療法群で69.1%(295/427例)であった。主なGrade3以上の副作用は、好中球数減少25.8%(110/427例)、疲労14.5%(62/427例)、呼吸困難9.6%(41/427例)、末梢性感覚ニューロパシー9.1%(39/427例)、高血圧6.3%(27/427例)、感染5.4%(23/427例)、悪心4.9%(21/427例)、食欲不振4.9%(21/427例)、脱水4.7%(20/427例)、嘔吐4.4%(19/427例)であった。
(3)海外第III相二重盲検無作為化比較試験(BO17704試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、シスプラチン・ゲムシタビン塩酸塩療法(GC療法、ゲムシタビン塩酸塩は国内未承認用法・用量を使用)を対照群とし、GC療法に本剤7.5mg/kg注7)(未承認)又は15mg/kgを併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。GC療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はGC療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤7.5mg/kg及び15mg/kg併用群の両群で、GC療法に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。[5.2、7.1、7.6参照]
BO17704試験の有効性に関する成績
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注7)本剤の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する承認用量は1回15mg/kgである。
副作用発現率は、本剤7.5mg/kg注7)+GC療法群で95.5%(315/330例)、本剤15mg/kg+GC療法群で95.4%(314/329例)であった。主な副作用は、本剤7.5mg/kg注7)+GC療法群で悪心54.8%(181/330例)、好中球減少症48.5%(160/330例)、嘔吐47.0%(155/330例)、血小板減少症37.0%(122/330例)、貧血33.3%(110/330例)、疲労27.9%(92/330例)、食欲不振24.5%(81/330例)、鼻出血23.9%(79/330例)、便秘20.9%(69/330例)、高血圧20.9%(69/330例)であり、本剤15mg/kg+GC療法群で悪心55.6%(183/329例)、好中球減少症45.9%(151/329例)、嘔吐45.3%(149/329例)、血小板減少症34.3%(113/329例)、疲労30.7%(101/329例)、貧血30.4%(100/329例)、鼻出血28.9%(95/329例)、高血圧28.9%(95/329例)、食欲不振27.4%(90/329例)、脱毛症21.3%(70/329例)であった。
(4)海外第II相無作為化比較試験(AVF0757g試験)
未治療の進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤7.5mg/kg注7)(未承認)又は15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行又は18サイクルまで継続した。扁平上皮癌患者を除いて解析した結果、本剤15mg/kg併用群では、CP療法に比べTime to disease progression(TTP)の有意な延長及び奏効率の改善が認められた。[5.2、7.1、7.6参照]
AVF0757g試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現率は、本剤7.5mg/kg注7)+CP療法群で81.8%(18/22例)、本剤15mg/kg+CP療法群で90.3%(28/31例)であった。主な副作用は、本剤7.5mg/kg注7)+CP療法群で鼻出血36.4%(8/22例)、発疹31.8%(7/22例)、疲労27.3%(6/22例)、好中球減少症22.7%(5/22例)、関節痛22.7%(5/22例)、悪心13.6%(3/22例)、喀血13.6%(3/22例)、下痢9.1%(2/22例)、口内炎9.1%(2/22例)、呼吸困難9.1%(2/22例)、脱毛症9.1%(2/22例)であり、本剤15mg/kg+CP療法群で疲労41.9%(13/31例)、鼻出血35.5%(11/31例)、下痢29.0%(9/31例)、関節痛22.6%(7/31例)、悪心19.4%(6/31例)、口内炎19.4%(6/31例)、無力症19.4%(6/31例)、脱毛症19.4%(6/31例)、好中球減少症16.1%(5/31例)、頭痛16.1%(5/31例)、発疹16.1%(5/31例)であった。
17.1.4 手術不能又は再発乳癌
(1)国内第II相試験(JO19901試験)
HER2陰性で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセルと本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にパクリタキセルを、第1日目、15日目にパクリタキセル投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。無増悪生存期間の中央値は12.9カ月(95%信頼区間:11.1-18.2カ月)、奏効率は73.5%(CR5/117例、PR81/117例)であった。[5.5、7.1、7.7参照]
副作用発現率は、本剤10mg/kg+パクリタキセルで100%(120/120例)であった。主な副作用は、脱毛症98.3%(118/120例)、白血球数減少85.0%(102/120例)、好中球数減少75.8%(91/120例)、末梢性ニューロパシー75.0%(90/120例)、鼻出血70.8%(85/120例)、尿中蛋白陽性59.2%(71/120例)、爪の障害53.3%(64/120例)、疲労50.8%(61/120例)、食欲不振50.8%(61/120例)、味覚異常48.3%(58/120例)であった。
(2)海外第III相無作為化比較試験(E2100試験)
HER2陰性注8)で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセル(PTX)療法を対照群とし、PTX療法に本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にPTXを、第1日目、15日目にPTX投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。第1回中間解析(2005年2月9日データカットオフ)の結果に基づき、試験は早期有効中止された。本剤併用群では、PTX療法単独に比べ主要評価項目である無増悪生存期間(独立判定委員会評価)の有意な延長が認められた。一方、副次的評価項目である生存期間については、PTX療法に本剤を併用することによる有意な延長は認められなかった。[5.4、5.5、7.1、7.7参照]
E2100試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

E2100試験の無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

E2100試験の生存期間のKaplan‐Meier曲線

注8)E2100試験では、トラスツズマブ(遺伝子組換え)既治療のHER2陽性乳癌患者、及びトラスツズマブ(遺伝子組換え)を含む治療が適応にならないHER2発現不明乳癌患者も登録可能であった。
Grade3以上(血液毒性についてはGrade4以上)の副作用発現率は、本剤+PTX療法群で67.8%(246/363例)であった。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパシー24.2%(88/363例)、高血圧15.2%(55/363例)、疲労10.5%(38/363例)、感染9.6%(35/363例)、好中球数減少5.5%(20/363例)、筋力低下4.4%(16/363例)、呼吸困難4.4%(16/363例)、下痢3.9%(14/363例)、嘔吐3.9%(14/363例)、悪心3.9%(14/363例)であった。
17.1.5 悪性神経膠腫
(1)国内第II相試験(JO22506試験)
既治療の再発悪性神経膠腫患者(膠芽腫29例、退形成性星細胞腫1例、退形成性乏突起星細胞腫1例)を対象に、本剤10mg/kgの2週間隔投与時の有効性を検討した。再発の膠芽腫患者29例における6カ月無増悪生存率は33.9%、1年生存率は34.5%、奏効率は27.6%であった。無増悪生存期間及び生存期間の中央値はそれぞれ3.3カ月及び10.5カ月であった。[5.6、7.1、7.9参照]
副作用発現率は、96.8%(30/31例)であった。主な副作用は、尿中蛋白陽性41.9%(13/31例)、高血圧32.3%(10/31例)、下痢22.6%(7/31例)、鼻出血22.6%(7/31例)、ALT増加16.1%(5/31例)、好中球数減少16.1%(5/31例)、白血球数減少16.1%(5/31例)、血中Al‐P増加12.9%(4/31例)、便秘9.7%(3/31例)、口内炎9.7%(3/31例)であった。
(2)国際共同第III相二重盲検無作為化比較試験(BO21990試験)
初発の膠芽腫患者を対象に、放射線照射とテモゾロミドによる術後補助療法(RT/T療法)に本剤又はプラセボを併用する二重盲検無作為化比較試験を実施した。本剤の用量は、放射線照射とテモゾロミド(1日1回連日投与)の併用期間(6週間)中は、10mg/kg(第1日目から2週間隔、4回投与)とし、テモゾロミドの4週間休薬期間中は本剤も休薬した。その後、テモゾロミドの維持療法期間(28日を1サイクルとし、第1日目から第5日目まで1日1回投与を6サイクルまで実施)中は、本剤10mg/kg(28日を1サイクルとして、第1日目、15日目に投与)を併用投与した。テモゾロミド維持療法終了後は本剤の用量を15mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に投与)とし、病勢進行まで継続投与した。その結果、本剤併用群では、プラセボ併用群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。もう1つの主要評価項目である生存期間には、有意な延長は認められなかった。[5.6、7.1、7.8、7.9参照]
BO21990試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

副作用発現率は、本剤+RT/T療法群で92.7%(430/464例)であった。主な副作用は、悪心39.9%(185/464例)、脱毛症35.1%(163/464例)、疲労33.2%(154/464例)、血小板減少症31.3%(145/464例)、高血圧29.3%(136/464例)、嘔吐23.5%(109/464例)、鼻出血16.4%(76/464例)、食欲減退16.2%(75/464例)、便秘15.5%(72/464例)、好中球減少症13.6%(63/464例)であった。
17.1.6 卵巣癌
(1)国際共同第III相二重盲検無作為化比較試験(GOG‐0218試験)
化学療法未治療の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群(CPP群注11))とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用投与したCPB15群注12)及び本剤15mg/kgを併用・継続投与したCPB15+群注13)の3群による有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤又はプラセボは投与開始から病勢進行又は21サイクルまで投与した。その結果、CPB15+群で、CPP群に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。なお、CPB15群では、有意な無増悪生存期間の延長は認められなかった。[5.8、7.1、7.10、7.11参照]
注11)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後にプラセボを投与し、CP療法の中止又は終了後もプラセボを継続投与した群
注12)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後はプラセボを継続投与した群
注13)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後も本剤を継続投与した群
GOG‐0218試験の有効性に関する成績
→図表を見る(PDF)

日本人部分集団における有効性に関する成績注17)
→図表を見る(PDF)

副作用発現率は、CPB15群で99.2%(602/607例)、CPB15+群で99.7%(606/608例)であった。主な副作用は、CPB15群で好中球数減少94.6%(574/607例)、白血球数減少94.4%(573/607例)、ヘモグロビン減少90.0%(546/607例)、疲労69.7%(423/607例)、血小板数減少69.2%(420/607例)、末梢性感覚ニューロパシー63.1%(383/607例)、脱毛症49.9%(303/607例)、悪心49.4%(300/607例)、便秘41.2%(250/607例)、下痢31.8%(193/607例)であり、CPB15+群で好中球数減少94.7%(576/608例)、白血球数減少94.1%(572/608例)、ヘモグロビン減少90.3%(549/608例)、疲労77.5%(471/608例)、血小板数減少70.4%(428/608例)、末梢性感覚ニューロパシー63.5%(386/608例)、悪心55.1%(335/608例)、脱毛症50.3%(306/608例)、便秘42.9%(261/608例)、関節痛34.2%(208/608例)であった注20)。
注20)カットオフ日:2010年2月5日

18.1 作用機序
ベバシズマブは、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に対する遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体である。VEGFは、血管内皮細胞の細胞分裂促進・生存を制御するとともに血管透過性の亢進に関与するサイトカインであり、種々の癌細胞において発現が亢進している。ベバシズマブは、ヒトVEGFと特異的に結合することにより、VEGFと血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体との結合を阻害する。ベバシズマブはVEGFの生物活性を阻止することにより、腫瘍組織での血管新生を抑制し、腫瘍の増殖を阻害する。また、VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、腫瘍組織で亢進した間質圧を低減する。
〈本剤〉
18.2 in vitro試験
18.2.1 ヒト臍帯静脈内皮細胞を用いたVEGF‐A誘導性の細胞増殖阻害活性及びVEGFR2受容体型チロシンキナーゼの自己リン酸化阻害活性は先行バイオ医薬品注)と同程度であった。
18.2.2 本剤は、VEGF‐Aに対して選択的に結合し、その結合親和性は、先行バイオ医薬品注)と同程度であった。
18.2.3 Fc部位は、Fcγ受容体、FcRn受容体及びC1qタンパクに対して、先行バイオ医薬品注)のFc部位と同程度の結合活性を示した。また、VEGF‐Aを発現しているヒト腫瘍細胞株SKOV‐3に対する本剤の抗体依存性細胞傷害活性及び補体依存性細胞傷害活性は、先行バイオ医薬品注)と同様に認められなかった。
注)先行バイオ医薬品:Avastin(EUで承認されたベバシズマブ(遺伝子組換え)製剤)
〈アバスチン点滴静注用100mg/4mL・400mg/16mL〉
18.3 抗腫瘍効果
ヒト癌細胞株をヌードマウス又はヌードラットに移植し、ベバシズマブ又は親抗体(マウス抗体)であるA4.6.1抗体を投与することにより、大腸癌(COLO205、HM7、LSLiM6)、乳癌(MX‐1、MDA‐MB‐435)、膠芽腫(U‐87MG)、卵巣癌(SKOV‐3)等広範な癌腫に対し抗腫瘍活性を認めた。また、ヒト大腸癌(HM7)を用いた実験的癌転移モデルにおいて、肝臓への転移を抑制した。化学療法あるいは放射線療法にベバシズマブ又は親抗体を併用することにより、抗腫瘍効果の増強作用を示した。

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