エルレフィオ皮下注76mg

添付文書情報2024年10月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2. 重度サイトカイン放出症候群(重度CRS)及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)があらわれることがあるので、特に治療初期は入院管理等の適切な体制下で本剤の投与を行うこと〔8.1、11.1.1、11.1.2参照〕。
1.3. 重度CRSがあらわれることがあるので、CRSに対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと〔7.2、8.2、11.1.1参照〕。
1.4. 重度神経学的事象又は生命を脅かす神経学的事象(ICANS含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと〔8.3、8.4、11.1.2参照〕。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤による治療は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること〔17.1.1参照〕。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
- 用法・用量
- 通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与によるサイトカイン放出症候群(CRS)を軽減させるため、1日目、4日目及び8日目の投与については、本剤投与開始の約1時間前に、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤を投与すること〔1.3、7.4、8.2、11.1.1参照〕。
7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に本剤を休薬又は中止すること。
[副作用発現時の本剤の休薬又は中止基準]
1). サイトカイン放出症候群(CRS):
①. Grade1のサイトカイン放出症候群、Grade2のサイトカイン放出症候群又はGrade3のサイトカイン放出症候群<初発>(Grade1のCRS、Grade2のCRS又はGrade3のCRS<初発>):回復するまで本剤を休薬する。
②. Grade3のサイトカイン放出症候群<再発>又はGrade4のサイトカイン放出症候群(Grade3のCRS<再発>又はGrade4のCRS):本剤の投与を中止する。
2). 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS):
①. Grade1の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群、Grade2の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群又はGrade3の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群<初発>(Grade1のICANS、Grade2のICANS又はGrade3のICANS<初発>):回復するまで本剤を休薬する。
②. Grade3の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群<再発>又はGrade4の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(Grade3のICANS<再発>又はGrade4のICANS):本剤の投与を中止する。
3). 血液学的毒性:
①. 好中球数が500/μL未満:500/μL以上に回復するまで本剤を休薬する。
②. 発熱性好中球減少症:好中球数が1000/μL以上に回復し発熱が治まるまで本剤を休薬する。
③. ヘモグロビンが8g/dL未満:8g/dL以上に回復するまで本剤を休薬する。
④. 血小板数が25000/μL未満、血小板数が25000/μL~50000/μLの間で出血がある:25000/μL以上に回復し出血が治まるまで本剤を休薬する。
4). その他の非血液学的毒性:Grade3の非血液学的毒性又はGrade4の非血液学的毒性:Grade1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬し、回復しない場合は本剤の投与を中止する。
CRS及びICANSのGradeはASTCT2019に準じ、その他の非血液学的毒性のGradeはNCI-CTCAE Version5.0に準じる。
7.4. 副作用等の理由による休薬後に本剤を再開する場合は、次を参考に投与すること。以降は、用法・用量の投与スケジュールに準じること〔7.2参照〕。
[休薬後に再開する場合の用量]
1). 休薬直前の用量12mg:
①. 休薬直前の用量12mg、2週間(14日)以内の休薬後の再開時の用量:4日目の投与量(32mg)で投与する*。
②. 休薬直前の用量12mg、2週間(14日)を超える休薬後の再開時の用量:1日目の投与量(12mg)で投与する*。
2). 休薬直前の用量32mg:
①. 休薬直前の用量32mg、2週間(14日)以内の休薬後の再開時の用量:8日目の投与量(76mg)で投与する*。
②. 休薬直前の用量32mg、2週間を超え、4週間以内(15日から28日まで)の休薬後の再開時の用量:32mgで投与し、忍容性が認められた場合には1週間後に76mgを投与する*。
③. 休薬直前の用量32mg、4週間(28日)を超える休薬後の再開時の用量:1日目の投与量(12mg)で投与する*。
3). 休薬直前の用量76mg:
①. 休薬直前の用量76mg、6週間(42日)以内の休薬後の再開時の用量:76mgで投与する。
②. 休薬直前の用量76mg、6週間を超え、12週間以内(43日から84日まで)の休薬後の再開時の用量:32mgで投与し、忍容性が認められた場合には1週間後に76mgを投与する*。
③. 休薬直前の用量76mg、12週間(84日)を超える休薬後の再開時の用量:1日目の投与量(12mg)で投与する*。
*)本剤投与開始の約1時間前に前投与(解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤)を行うこと。
- 生殖能を有する者
- 8.1. サイトカイン放出症候群(CRS)及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は投与初期に多く認められることから、少なくとも初回投与(12mg投与)後48時間及び2回目の投与(32mg投与)後24時間は必ず入院管理とし、以降の投与についても患者の状態に応じて入院管理を検討すること〔1.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. CRSがあらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の事項に注意すること〔1.3、7.2、11.1.1参照〕。
8.2.1. CRSに対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うこと。
8.2.2. 本剤の投与中は発熱、低酸素症、悪寒、低血圧、頻脈、頭痛、肝酵素増加等について、観察を十分に行うこと。また、CRSが疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
8.2.3. CRSがあらわれることがあるので、緊急時に備えてトシリズマブ(遺伝子組換え)を速やかに使用できるように準備しておくこと。
8.3. 神経学的事象(ICANS含む)があらわれることがあるので、本剤の投与中は、失語症、意識レベル変化、認知能力障害、筋力低下、痙攣発作、脳浮腫等について、観察を十分に行うこと。また、ICANSが疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること〔1.4、11.1.2参照〕。
8.4. 神経学的事象(ICANS含む)として意識レベルの変化、痙攣発作等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること〔1.4、11.1.2参照〕。
8.5. 感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは感染症悪化(日和見感染症悪化を含む)、又はサイトメガロウイルス感染再活性化等があらわれることがあるので、本剤投与に先立ってニューモシスチス・イロベチイ等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤の投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること〔9.1.1、11.1.3参照〕。
8.6. 血球減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を実施すること〔11.1.4参照〕。
8.7. 低γグロブリン血症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に免疫グロブリンの値を測定すること〔11.1.5参照〕。
9.1.1. 感染症を合併している患者:血球減少により感染症が悪化するおそれがある〔8.5、11.1.3参照〕。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:生ワクチン又は弱毒生ワクチン[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う(本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. サイトカイン放出症候群(CRS)(57.9%):異常が認められた場合には、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤、トシリズマブ(遺伝子組換え)の投与等、製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと〔1.2、1.3、7.2、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)含む):頭痛(9.3%)、末梢性ニューロパチー(7.7%)、ICANS(3.3%)、錯乱状態(3.3%)、ギラン・バレー症候群(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)、意識レベル低下(頻度不明)、失神(頻度不明)等の神経学的事象があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤の投与等、製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと〔1.2、1.4、8.1、8.3、8.4参照〕。
11.1.3. 感染症:上気道感染(12.0%)、肺炎(4.9%)、敗血症(3.8%)、尿路感染(3.3%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.6%)等の感染症があらわれることがある。また、サイトメガロウイルス感染再活性化等することがある〔8.5、9.1.1参照〕。
11.1.4. 血球減少:好中球減少症(36.1%)、貧血(26.8%)、リンパ球減少症(23.5%)、血小板減少症(18.6%)、白血球減少症(10.4%)、発熱性好中球減少症(2.2%)等があらわれることがある〔8.6参照〕。
11.1.5. 低γグロブリン血症(8.2%):異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の兆候等に対する観察を十分に行うこと〔8.7参照〕。
11.1.6. 間質性肺疾患(1.6%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(10%以上)発疹、皮膚乾燥、(2%以上10%未満)皮膚剥脱、紅斑、皮膚そう痒症、多汗症、(2%未満)手足症候群。
2). 消化器:(10%以上)下痢、悪心、(2%以上10%未満)嘔吐、腹痛、便秘、(2%未満)胃食道逆流性疾患、口内乾燥、口内炎。
3). 代謝:(10%以上)食欲減退、(2%以上10%未満)低カリウム血症、低マグネシウム血症、(2%未満)低リン血症、高カルシウム血症、腫瘍崩壊症候群、低アルブミン血症、低ナトリウム血症。
4). 精神・神経系:(2%以上10%未満)味覚異常、平衡障害、(2%未満)失神寸前状態、不眠症。
5). 呼吸器:(2%以上10%未満)呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、(2%未満)湿性咳嗽、低酸素症、上気道咳症候群、鼻閉。
6). 筋骨格系:(2%以上10%未満)関節痛、骨痛、筋肉痛、(2%未満)筋痙縮、四肢痛、背部痛。
7). 肝臓:(2%以上10%未満)ALT増加、AST増加、ALP増加、GGT増加、(2%未満)LDH増加、血中ビリルビン増加。
8). 循環器:(2%以上10%未満)洞性頻脈、(2%未満)頻脈。
9). 眼:(2%以上10%未満)視覚障害、(2%未満)ドライアイ、眼充血。
10). 腎臓:(2%未満)急性腎障害、血中クレアチニン増加。
11). その他:(10%以上)注射部位反応(36.6%)、疲労、(2%以上10%未満)発熱、悪寒、体重減少、C-反応性蛋白増加、浮腫、(2%未満)顔面浮腫、倦怠感、全身健康状態悪化、SARS-CoV-2検査陽性、インフルエンザ様疾患、サイトメガロウイルス検査陽性。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤の作用機序から、本剤の妊娠中の曝露により、B細胞リンパ球減少症及び発育遅延等、胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 使用前にバイアルに粒子や変色がないかを目視で確認すること(粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと)。
14.1.2. 投与量に合わせて、バイアルから必要量を抜き取り、希釈せずに使用すること。
14.1.3. 調製後は速やかに使用すること(直ちに使用しない場合はシリンジを2~30℃で保管し、4時間以内に使用すること)。
14.1.4. 本剤のバイアルは使い切りであり、保存剤を含まない。バイアルから必要量を1回抜き取った後は、バイアルごと残液を適切に廃棄すること。
14.1.5. 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は皮下注射で投与すること。注射部位は腹部が推奨されるが、腹部に注射ができない場合は、大腿部を選択することもできる。
14.2.2. 他の薬剤と混合しないこと。
20.1. 包装開封後も光曝露を避けるため、バイアルを箱に入れて保存すること。
20.2. バイアルを凍結したり、振盪しないこと。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
日本人再発又は難治性の多発性骨髄腫患者4例に、1日目に本剤600μg/kg注)、8日目に本剤1,000μg/kg注)を皮下投与したときの可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)非結合型エルラナタマブ並びに総エルラナタマブ[sBCMA非結合型及びsBCMA結合型]の薬物動態パラメータを次表に示す。
注)本剤の承認された用法及び用量は、次記のとおりである。
通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。
→図表を見る(PDF)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(日本人を含む)に、1サイクルを28日とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与したときの第7サイクル(定常状態)における非結合型エルラナタマブ及び総エルラナタマブのトラフ濃度を次表に示す。
→図表を見る(PDF)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者321例(日本人を含む)のデータを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第8日目以降は76mgを1週間に1回24週間皮下投与し、その後2週間に1回皮下投与したときの、定常状態における非結合型エルラナタマブの薬物動態パラメータの推定値を次表に示す。また、母集団薬物動態解析に基づき、非結合型エルラナタマブの半減期の幾何平均値は22日と推定された。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
母集団薬物動態解析に基づき、皮下投与時のエルラナタマブの絶対的バイオアベイラビリティの平均値は56.2%と推定された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第II相試験(C1071003試験)
免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤による前治療歴を有する(ただし、前治療のレジメン数を問わない)再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)187例(日本人患者12例を含む)を対象として、本剤の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照第II相試験を実施した。本試験では、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした治療による治療歴のない患者をコホートA(日本人患者12例を含む123例)、BCMAを標的とした抗体薬物複合体又はキメラ抗原受容体T細胞療法による治療歴のある患者をコホートB(64例)にそれぞれ組み入れた。
用法・用量は、1サイクルを28日間とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与注2)、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与し、疾患進行又は投与中止基準に該当するまで投与を継続した。また、76mgの週1回投与を少なくとも6サイクル実施し、部分奏効以上の奏効が2ヵ月以上持続している場合、投与間隔を2週間に1回に変更した。
主要評価項目とされた中央判定注3)による奏効率(%)(部分奏効以上の最良総合効果を示した患者の割合)は、コホートAで61.0(95%信頼区間:51.8、69.6)(75/123例)、コホートBで29.7(95%信頼区間:18.9、42.4)(19/64例)であった(データカットオフ日:2022年6月17日)。
本剤が投与された183例注4)(日本人患者12例を含む)中167例(91.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群106例(57.9%)、注射部位反応67例(36.6%)、好中球減少症66例(36.1%)、貧血49例(26.8%)、疲労47例(25.7%)、リンパ球減少症43例(23.5%)、血小板減少症34例(18.6%)、食欲減退28例(15.3%)等であった(データカットオフ日:2022年10月14日)。[5.1、5.2参照]
注1)免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤のそれぞれ少なくとも1剤に対して難治性を示し、かつ直近の治療に対して再発又は難治性の患者が対象とされた。
注2)最初に組み入れられたコホートAの4例は、第1日目に本剤44mgが投与され、第1サイクルの第8日目以降から76mgが週に1回投与された。
注3)国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定規準に従った判定
注4)本剤44mgの投与後に76mgの週1回投与を受けたコホートAの4例を除く。
18.1 作用機序
エルラナタマブは、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン(Ig)G2二重特異性モノクローナル抗体である。エルラナタマブは、T細胞の細胞膜上に発現するCD3と骨髄腫細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、BCMA陽性の腫瘍細胞を傷害すると考えられる。
18.2 抗腫瘍作用
エルラナタマブは、ヒトCD3陽性T細胞の存在下において、BCMAを発現するヒト多発性骨髄腫由来細胞株(MM.1S、OPM2、MOLP8等)に対して増殖抑制作用を示した(in vitro)。
エルラナタマブは、ヒト多発性骨髄腫由来細胞株(MM.1S、OPM2及びMOLP8)を尾静脈内に移植し、ヒトT細胞を腹腔内移植したインターロイキン2受容体γ鎖の完全欠損を有する非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。
- 製造販売会社
- ファイザー
- 販売会社
おくすりのQ&A
当該製品の添付文書では、効能又は効果として、『次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症』と記載されています。...
添付文書内の「有効性安全性」の正確な意味を教えてください。どのような条件ならば有効性があるとするのか、安全性があるというのかをその基準を教えて欲しいのです
わからないことがあったら、
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