クリアボーンキット

添付文書情報2022年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 骨シンチグラムによる骨疾患の診断。
- 用法・用量
- 〈調製法〉
本品を冷蔵庫から取り出し、約5分間放置して室温にもどす。本品1バイアルあたり、日局過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液3~9mLを無菌的に加える。振とうして内容物を溶解し、室温に10分間放置することによりヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液を得る。
〈骨シンチグラフィ〉
通常、成人には555~740MBqを肘静脈内に注射し、1~2時間の経過を待って被検部の骨シンチグラムをとる。
投与量は、年齢、体重により適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、血圧低下、発疹等の異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒感、顔面潮紅、発赤。
2). 消化器:(頻度不明)嘔吐、悪心、食思不振。
3). 循環器:(頻度不明)チアノーゼ、血圧低下、徐脈、動悸。
4). 精神神経系:(頻度不明)てんかん様発作、耳閉感、頭痛、めまい、ふらつき。
5). その他:(頻度不明)発熱、気分不良、冷汗、四肢しびれ。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意調製中の術者への被曝を軽減するため、調製は注意深く、かつ迅速に行うこと。
14.2. 薬剤投与時の注意骨盤部読影の妨害となる膀胱の描出を避けるため及び膀胱部の被曝を軽減させるため、撮像前後できるだけ排尿させること。
16.1 血中濃度
各種骨疾患患者について試験した結果、本剤投与後の血中クリアランスは投与後30分までは急速な減少を示し、それ以降はややゆっくりと減少した(2時間後:約7%)。
16.3 分布
本剤は投与後短時間で骨に集積し、他臓器への集積は少なかった。
16.5 排泄
累積尿中排泄率は投与後2時間まで増加し(2時間で約40%)、以後増加はほとんどみられなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
本剤及びクリアボーン注(一般名:ヒドロキシメチレンジホスホン酸テクネチウム(99mTc)注射液)の臨床試験において、本剤及びクリアボーン注が有効であると報告された適応症は次のとおりである。
・転移性骨腫瘍
原発:肺癌、乳癌、前立腺癌、胃癌、子宮癌、膀胱癌、他
→図表を見る(PDF)
・原発性骨腫瘍
骨肉腫、骨髄腫、他
→図表を見る(PDF)
・その他の骨疾患
骨折、関節炎、骨髄炎、他
→図表を見る(PDF)
17.3 その他
17.3.1 低カルシウム血症例への適用
海外においては、ホスホネート系製剤(HMDP、MDP)の添付文書に、次の記載があるものがある。
“この種の化合物はカルシウムのようなカチオンとキレート化合物を形成することが知られている。低カルシウム血症(例えばアルカローシス)の患者、もしくはその素因を有する患者に対しては、特に慎重な注意を要する。”
本品の場合、含有されるHMDP量は極めて少なく(0.381mg/バイアル)、全量が投与され、血清カルシウムと1:1キレートを形成し、体内より除去されるとしても、全血清中カルシウム量の0.023%が減少するに過ぎない注)。
注:ヒト血清量を48mL/kg(血漿量≒血清量と仮定)、血清中カルシウム濃度を9.0mg/dL、ヒト標準体重を60kgとして計算した。
18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
肘静脈内に投与された本剤の、骨に取り込まれる機序の全容は明らかではないが、骨親和性物質の集積増加がみられる病変部には血流の増加があることが知られている。また、陰イオンとしての性質を有することから、骨のhydroxyapatite結晶にイオン結合することにより、骨ことに骨新生の盛んな部分に多く集まるものと考えられている。
- 製造販売会社
- 日本メジフィジックス
- 販売会社
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