クエン酸ガリウム(67Ga)注NMP
添付文書情報2022年12月改定(第2版)
商品情報
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- 効能・効果
- 1). 悪性腫瘍の診断。
2). 次記炎症性疾患における炎症性病変の診断:腹部膿瘍、肺炎、塵肺、サルコイドーシス、結核、骨髄炎、び漫性汎細気管支炎、肺線維症、胆のう炎、関節炎、など。
- 用法・用量
- 〈腫瘍シンチグラフィ〉
本剤1.11~1.48MBq/kgを静注し、24~72時間後に、被検部をシンチレーションカメラ又はシンチレーションスキャンナで撮影又は走査することによりシンチグラムをとる。
〈炎症シンチグラフィ〉
本剤1.11~1.85MBq/kgを静注し、48~72時間後に、被検部をシンチレーションカメラ又はシンチレーションスキャンナで撮影又は走査することによりシンチグラムをとる。必要に応じて投与後6時間像をとることもできる。
投与量は年齢、体重により適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹様紅斑、そう痒感、発疹、発赤、全身紅斑、湿疹。
2). 循環器:(頻度不明)徐脈、血圧低下。
3). 消化器:(頻度不明)腹部膨満感、悪心、嘔吐、口内疼痛、舌痛。
4). その他:(頻度不明)発熱、全身倦怠、冷汗、上腕部痛、めまい、気分不良、顔面潮紅。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討する(クエン酸ガリウム(67Ga)は授乳している乳房に蓄積するため、授乳する場合は投与後2~3週間程度の期間をとった方が望ましい)。
- 小児等
- 9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある(本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. メシル酸デフェロキサミン投与中に本剤を投与する場合、メシル酸デフェロキサミンの投与はあらかじめ中止しておくこと(本剤とメシル酸デフェロキサミンがキレートを形成し、急速に尿中に排泄されるため、シンチグラムが得られない場合がある)。
14.1.2. 67Gaは腸管内へ排泄されるため腹部の病巣への集積と鑑別が困難となる場合があるため、腹部診断には前処置として撮像前に十分な浣腸を施行する(また、浣腸禁忌の場合には経日的に撮像し、集積の移動の有無から診断する)。
本剤は、医療法その他の放射線防護に関する法令、関連する告示及び通知等を遵守し、適正に使用すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報〈炎症シンチグラフィ〉炎症巣の局在部位・活動性等、他の検査では十分な情報が得られない場合に施行すること。
16.3 分布
16.3.1 67Gaは、静脈内投与後24時間以内では主に腎臓から排泄されるため、腎臓が最も高い集積を示す。24時間以内に腎から投与量の約12%が排泄されるが、その後は肝臓が主な排泄経路となる。48時間から72時間では、骨、肝臓、脾臓で高い集積を示す。
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.5 排泄
投与後1週間以内に投与量の約1/3が排泄され、残り2/3は肝臓(6%)、脾臓(1%)、腎臓(2%)、骨・骨髄(24%)、他軟部組織(34%)にとどまる。他に副腎、腸管、肺でも、比較的高い集積がみられる。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈腫瘍シンチグラフィ〉
17.1.1 クエン酸ガリウムが特に有用であると報告されている悪性腫瘍は次のとおりである。
脳腫瘍、甲状腺未分化癌、肺癌、原発性肝癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、悪性黒色腫、他
〈炎症シンチグラフィ〉
17.1.2 国内臨床試験
本剤が有効であると報告された炎症性疾患は次のとおりである。
・骨、関節、筋肉部
骨髄炎、関節炎、股関節症、滑膜炎、他
→図表を見る(PDF)
・胸部
肺線維症、塵肺、放射性肺炎、薬剤性肺臓炎、結核、び漫性汎細気管支炎、肺膿瘍、サルコイドーシス、他
→図表を見る(PDF)
・腹部
肝膿瘍、脾膿瘍、横隔膜下膿瘍、腎膿瘍、胆のう炎、腎盂腎炎、他
→図表を見る(PDF)
18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
〈腫瘍シンチグラフィ〉
18.2.1 クエン酸ガリウム(67Ga)の腫瘍への集積機序についてはまだ十分に解明されていないが、集積過程については次のように考えられている。
血中に投与されたクエン酸ガリウム(67Ga)は血清中のトランスフェリンと結合し、トランスフェリン‐67Ga複合体となり、腫瘍細胞のトランスフェリンレセプターに作用し、細胞内に取り込まれる。細胞内では、ライソゾームをはじめ細胞質に分布するが、この一部は67Ga‐フェリチンとして、また大部分は、microvesiclesや粗面小胞体に運ばれ、そこで腫瘍細胞の機能に必須な高分子タンパクと結合する。
〈炎症シンチグラフィ〉
18.2.2 炎症部位への集積機序についても十分に解明されていないが、いくつかの機構が考えられている。
(1)血流増加による集積
Itoらは、細小動脈の炎症による拡大、毛細管の透過性亢進によりイオン形で細胞に入るのであろうとした。
(2)白血球による取込み
Tsanらは、ヒトの多型核白血球による67Gaの取込みがリンパ球よりも高く、多型核白血球の膜表面に結合していると考えられるとした。
(3)ラクトフェリンとの結合
Hofferらは、67Gaが好中球に多く含まれるラクトフェリンと結合し好中球が炎症部位に集積するとした。
(4)細菌による直接取込み
Menonらは、ブドウ球菌やサルモネラ菌など、いくつかの一般的な微生物によって67Gaが取り込まれることを示した。
〈効能共通〉
18.2.3 安東らは、腫瘍及び炎症部位における67Gaの結合物質が酸性ムコ多糖であるとした。
18.2.4 Hamaらは、酸性ムコ多糖のうちでも特にヘパラン硫酸が高い67Ga親和性を有することを示した。
- 製造販売会社
- 日本メジフィジックス
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