カーディオライト注射液 第一
添付文書情報2022年03月改定(第2版)
商品情報
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- 効能・効果
- 1). 心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断。
2). 初回循環時法による心機能の診断。
3). 副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断。
- 用法・用量
- 〈心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断〉
通常、成人には、本品370~555MBqを静脈より投与し、30分以降にガンマカメラを用いて心筋血流シンチグラムを得る。または、心電図に同期させてデータ収集を行い、心筋血流シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
〈初回循環時法による心機能の診断〉
通常、成人には、本品740MBqを肘静脈より急速に投与し、直後より心RIアンギオグラムを得る。必要に応じ、収集したデータより駆出分画を算出する。
また、心電図に同期させてデータ収集を行い、拡張末期像及び収縮末期像を得る。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉
・ ダブルフェーズ法
通常、成人には、本品370~740MBqを静脈より投与し、投与後5~15分(初期像)及び投与後2~3時間(後期像)に頸部及び胸部を撮像してシンチグラムを得る。必要に応じて断層像を追加する。
・ サブトラクション法
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)による甲状腺シンチグラフィを実施後、通常、成人には、本品185~600MBqを静脈より投与し、その10分後に撮像する。必要に応じて断層像を追加する。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法によりそれぞれ適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
〈心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断〉初回循環時法及び心筋血流シンチグラフィをともに行う必要のある患者においては、初回循環時法を行った後、本品投与30分以降に心筋血流シンチグラフィを併せて行うことができる。
〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉サブトラクション法実施時の甲状腺シンチグラフィは、過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)又はヨウ化ナトリウム(123I)の添付文書を参照の上、次の要領で実施する。
・ 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を用いる場合:通常、成人には、日局「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」74~370MBqを静脈より投与し、頸部及び胸部の像を30分後に撮像する。
・ ヨウ化ナトリウム(123I)を用いる場合:通常、成人には、日局「ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル」3.7~7.4MBqを経口投与し、頸部及び胸部の像を4時間後に撮像する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック及び血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)蕁麻疹、そう痒感、顔面紅潮、発疹。
2). 循環器:(頻度不明)ST変化、徐脈。
3). 精神神経系:(1%以上)口内苦味感や金属臭(64.1%)。
4). 消化器:(頻度不明)嘔吐、嘔気、悪心。
5). その他:(0.1~1%未満)頭痛、発熱、(頻度不明)血管痛、全身熱感、浮揚感、口渇、けいれん、意識消失、胸痛。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 〈効能共通〉両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにすること。
14.1.2. 〈効能共通〉シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合があり、注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残るが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与すること。
14.2. 診断上の注意〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉本品による副甲状腺シンチグラフィは、多腺性疾患において全ての病的副甲状腺を検出する能力には限界があることが知られている。
放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
16.3 分布
16.3.1 有効成分ヘキサキス(2‐メトキシイソブチルイソニトリル)テクネチウム(99mTc)(99mTc‐MIBI)の心筋への集積は受動拡散によるものであり、ATP‐ase輸送系を介する201T1とは異なる。心筋による抽出率は約66%と報告されており、201T1の約85%に比しやや低値であるが、その初期分布は201T1と同様に冠血流に比例し、一度心筋内に取り込まれると細胞内に長時間保持され、明らかな再分布はないことが確認されている。
健常人の心筋への集積は投与後直ちに始まり、5分後で平均1.4%dose(安静時投与)、2時間後でも平均1.1%dose(安静時投与)と心筋によく保持されていた。また、肺及び肝における集積は、経時的に比較的速く減少し、投与5分後の心/肺比は2.0以上、心/肝比も投与1時間後には1.0以上となった。血中からの消失も速やかであった。
16.3.2 吸収線量
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.5 排泄
99mTc‐MIBIの排泄経路は腎及び肝胆道系であり、投与24時間までに25.4%dose(安静時投与)が尿中に排泄され、その他糞便中にも排泄された。なお、99mTc‐MIBIは体内で分解されることなく排泄される。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断〉
17.1.1 国内第III相臨床試験
各種心疾患患者464例を対象とした臨床試験の結果、99mTc‐MIBIの投与を受けた604件中562件(93.0%)が有用と評価された。
→図表を見る(PDF)
総症例612件中、副作用は390件(63.7%)に認められ、口内苦味感や金属臭389件(63.6%)、発熱1件(0.2%)であった。
〈副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断〉
17.1.2 国内追加第III相臨床試験
超音波検査での局在診断が困難な原発性副甲状腺機能亢進症患者89名を対象とした臨床試験では、ダブルフェーズ法による副甲状腺シンチグラフィの画像読影結果と手術結果が一致した被験者の割合は、370MBq群79.3%(23/29)、600MBq群65.5%(19/29)、740MBq群82.8%(24/29)、全体75.9%(66/87)であり、いずれの用量においても同程度の良好な感度で病変が検出された。
総症例89例中、副作用は63例(70.8%)に87件認められ、主な副作用は、口内苦味感や金属臭60件(67.4%)、頭痛5件(5.6%)であった。
18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
99mTc‐MIBIの心筋への集積は受動拡散によるものであり、その初期分布は201T1と同様に冠血流に比例し、一度心筋内に取り込まれると細胞内に長時間保持され、明らかな再分布はないことが確認されている。
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