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ベンゾダイン注

販売名
ベンゾダイン注
薬価
10MBq 3518.00円
製造メーカー
日本メジフィジックス

添付文書情報2022年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
放射性医薬品
一般名
イオマゼニル(123I)注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原

-

効能・効果
外科的治療が考慮される部分てんかん患者におけるてんかん焦点の診断。
用法・用量
通常、成人には本剤167MBqを静脈内投与し、投与後約3時間に頭部のシンチグラムを得る。
投与量は、年齢、体重により適宜増減するが、最大222MBqまでとする。
肝機能障害患者
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
9.1.1. 排尿障害のある患者:膀胱部の被曝が増加することがある〔16.3.2参照〕。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:血中に滞留することがある〔16.5参照〕。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:血中に滞留することがある〔16.4参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:ベンゾジアゼピン系薬剤[画像が劣化する原因となる可能性があるので、可能であれば投与前数日間ベンゾジアゼピン系薬剤の休薬を行うこと(本剤の脳内薬物動態が影響を受ける場合がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)注射部位紅斑。
2). 呼吸器:(1~5%未満)息詰まり感。
3). 肝臓:(頻度不明)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇。
4). 腎臓:(5%以上)尿pH上昇、(1~5%未満)乏尿、尿意切迫、尿潜血。
5). 血液:(1~5%未満)白血球数減少、好酸球百分率増加、好中球百分率増加又は好中球百分率減少、リンパ球百分率減少、(頻度不明)白血球数増加、好塩基球百分率増加。
6). その他:(5%以上)嗅覚錯誤、(1~5%未満)疼痛(注射部位疼痛等)、ほてり、筋攣縮、血中カリウム増加、血中カルシウム減少、血清総蛋白減少、(頻度不明)血中尿酸増加、尿糖陽性。
高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁移行性が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意本剤を投与するにあたっては、放射性ヨウ素が甲状腺に摂取されることを防止するため、投与前から試験後も数日無機ヨウ素1日20mg以上を投与し、甲状腺ヨウ素摂取能を抑制しておくことが望ましい。ただし、無機ヨウ素の投与に際しては、ヨウ素過敏症の患者が禁忌とされているため、使用するヨウ素製剤の添付文書に従うこと。
14.2. 診断上の注意本剤SPECT像によるてんかん焦点の診断は、患者背景及びその他の検査等の情報も併せて実施すること。
本剤は、医療法その他の放射線防護に関する法令、関連する告示及び通知等を遵守し、適正に使用すること。

16.3 分布
16.3.1 本剤投与後、早期には局所脳血流に従って脳内に分布し、脳への高い集積(投与後10~20分で約12%)を示す。イオマゼニル(123I)(以下、本薬)の脳からの洗い出しは緩徐であり、投与後3時間の脳内放射能分布(約7%)は、本薬の脳内中枢性ベンゾジアゼピン受容体(以下、中枢性BZR)への特異的結合を反映する。脳以外の臓器への著明な放射能の集積はみられなかった。
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。[9.1.1参照]
→図表を見る(PDF)

16.4 代謝
本薬は肝臓で代謝を受け、主な代謝物は、本薬の脱エステル体、脱エステル体のグルクロン酸抱合体と推定される成分及び遊離のヨウ素イオン(123I-)であった。[9.3.1参照]
16.5 排泄
主要排泄経路は腎・尿路系であり、投与後24時間で93%が尿中へ排泄された。[9.2.1参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内追加第III相臨床試験
外科的治療が考慮される部分てんかん症例(発作症状、発作間欠期脳波所見及びMRI所見により局在性の焦点診断が確定的でない患者)を対象とした非盲検非対照試験(追加第III相臨床試験)において、本剤SPECT像又は発作間欠期脳血流SPECT像を加味して判定したてんかん診断体系への貢献度の検討(78例)の結果、本剤SPECT像と発作間欠期脳血流SPECT像には相補的な関係が成立し、かつ、本剤SPECT像は脳血流像に比して貢献度が高かった(p=0.001)。
→図表を見る(PDF)

また、患者背景等を非開示としたブラインド読影の結果、発作間欠期脳血流SPECT像の方が本剤SPECT像よりも特異度が高かった(p<0.05)。本剤SPECT像の異常所見がてんかん焦点部位と一致しなかった症例、即ち偽陽性例は73例中15例であり、このうち11例が側頭葉外てんかんであった。以上のことから、特に側頭葉外てんかんにおいて、患者の臨床的背景が開示されない条件下では、本剤SPECT像は偽陽性所見を示す可能性が高いことが示され、診断上注意を要するものと考えられた。
→図表を見る(PDF)

80例中13例(16.3%)14件の副作用が認められた。主な副作用は、嗅覚錯誤7.5%(6/80)、疼痛(注射部位等)3.8%(3/80)等であった。また、主な臨床検査値異常としては、尿pH上昇11.3%(9/80)、好中球百分率減少3.8%(3/79)、血中カルシウム減少2.5%(2/80)等が認められた。

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
本薬は、脳内に広く分布する中枢性BZRに高い親和性を示し、選択的に結合する性質を有する。投与後早期には局所脳血流に従って脳内に分布し、その後3時間までの分布は脳血流の影響を受けることが知られている。したがって、投与後約3時間に撮像した脳SPECT像は中枢性BZRに結合した本薬の分布を反映し、本剤を用いた検査により局所脳内中枢性BZR分布を評価することができる。
18.3 疾患特性
部分てんかん発作は、興奮系及び抑制系神経伝達の不均衡によって生じる神経細胞の過剰興奮状態である。抑制系神経伝達の主要な部分をになうGABAA受容体と複合体を形成している中枢性BZRは、てんかん焦点において減少することが知られている。
18.4 中枢神経系に対する作用
動物実験(マウス)で本薬10μg/kg(臨床最大投与量である222MBq包装品に含まれる量の600倍注))とペンテトラゾールとの併用において、痙攣誘発作用が認められた。
注)ヒトの体重を60kgとして換算

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