FDGスキャン注
添付文書情報2023年08月改定(第2版)
商品情報
-
- 効能・効果
- 1). 悪性腫瘍の診断。
・ 肺癌、乳癌、膵癌(他の検査、画像診断により癌の存在を疑うが、病理診断により確定診断が得られない場合、あるいは、他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合)の診断。
・ 頭頸部癌、胸膜中皮腫、食道癌、胃癌、大腸癌、消化管間質腫瘍、肝癌、胆道癌、膀胱癌、腎盂癌・尿管癌、子宮癌、卵巣癌、骨軟部腫瘍、皮膚癌、悪性リンパ腫、悪性黒色腫(他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合)の診断。
・ 脳腫瘍、胸腺腫瘍、腎癌、精巣腫瘍、甲状腺癌(他の検査、画像診断により転移・再発の診断が確定できない場合)の診断。
・ 多発性骨髄腫が疑われる又は多発性骨髄腫患者における骨病変の可視化又は髄外病変の可視化(他の検査、画像診断により骨病変又は髄外病変の存在が疑われる場合)。
・ 原発不明癌(リンパ節生検、CT等で転移巣が疑われ、かつ、腫瘍マーカーが高値を示す等、悪性腫瘍の存在を疑うが、原発巣の不明な場合)の診断。
2). 虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされ、かつ、通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断。
3). 難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断。
4). 大型血管炎の診断における炎症部位の可視化。
5). 心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化。
- 用法・用量
- 通常、成人には本剤1バイアルを静脈内に投与し撮像する。投与量(放射能)は、年齢、体重により適宜増減するが、最小74MBq、最大370MBqまでとする。
(用法及び用量に関連する注意)
撮像開始時間は検査目的に応じて設定する(連続的な動態イメージングを行う場合は本剤投与直後より、静止画像を得る場合は本剤投与後30~40分以降に撮像する)。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:膵臓ホルモン、インスリン[本剤投与前4時間以内のインスリンの投与は避けること(本剤の腫瘍への集積とバックグラウンドとのコントラストが低下する可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液:(0.1~1%未満)好中球百分率増加、リンパ球百分率減少。
2). 腎臓:(1~2%未満)尿蛋白陽性、尿潜血陽性、尿糖陽性、(0.1~1%未満)血中尿素窒素増加。
3). 肝臓:(0.1~1%未満)血中ビリルビン増加。
4). 皮膚:(0.1~1%未満)皮膚そう痒感、蕁麻疹、(頻度不明)発疹、紅斑、発赤。
5). 消化器:(0.1~1%未満)嘔気、嘔吐。
6). その他:(0.1~1%未満)血圧上昇、血圧低下、気分不良、発熱、血中カリウム増加、血中カリウム減少、血中アルブミン減少。
頻度は製造販売後臨床試験を含む。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(動物試験において胎仔移行性が報告されている)。
授乳を避けさせること。授乳婦に投与した場合、24時間授乳を中止し投与後12時間は乳幼児との密接な接触を避けるよう指導すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意本剤は複数の包装単位を有する製剤であることから、本剤の取り違い防止のため、投与にあたっては本剤の製剤ラベルの表示を確認し、意図した患者へ確実に投与すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 〈効能共通〉本剤の生理的集積の増加を避けるため、本剤投与前から撮像前は安静にして、投与後も激しい運動等は行わないこと。
14.2.2. 〈効能共通〉本剤の集積は血糖値の影響を受ける可能性があるため、糖尿病患者では血糖をコントロールするなど、本剤投与時には適切に血糖値を安定化させること。
なお、血糖値200mg/dL以上では、本剤の患部への集積の低下により偽陰性所見を呈する可能性が高いため、投与しないことが望ましい。
14.2.3. 〈心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化以外の効能共通〉心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化以外の効能の場合、本剤投与前4時間以上は絶食すること。
14.2.4. 〈心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化〉心サルコイドーシスが疑われる又は心サルコイドーシス患者における炎症部位の可視化の場合、本剤投与前、少なくとも12時間は絶食する(可能な場合は18時間絶食し、絶食前は低炭水化物糖質制限食が望ましい)。
14.3. 薬剤投与後の注意膀胱部の被曝を軽減させるため及び骨盤部読影の妨げとなる膀胱の描出を避けるため、撮像前後にできるだけ排尿させること。
14.4. 診断上の注意14.4.1. 〈効能共通〉本剤の生理的集積及び病変部位の解剖学的位置を正確に把握するためには、他の画像検査所見を参考にすること。
14.4.2. 〈効能共通〉確定診断が必要な場合、生検等を実施することが望ましい。
14.4.3. 〈悪性腫瘍の診断〉悪性腫瘍の診断の場合、本剤は炎症等に集積し偽陽性所見を呈する可能性があるため、注意すること。
14.4.4. 〈悪性腫瘍の診断〉悪性腫瘍の診断の場合、悪性腫瘍の種類によっては糖代謝の活性や解剖学的な位置等により病変を検出できない可能性があるため、注意すること。
14.4.5. 〈悪性腫瘍の診断〉悪性腫瘍の診断の場合、微小な腫瘍を検出できない可能性があるため、注意すること。
14.4.6. 〈悪性腫瘍の診断〉悪性黒色腫の診断において、所属リンパ節転移に対する本剤の感度は低いため、所属リンパ節転移の見落としに注意すること。
14.4.7. 〈虚血性心疾患の診断〉心筋バイアビリティ診断において絶食する場合、健常部心筋への本剤の集積が抑制されない例があり、虚血心筋(糖代謝が亢進している)との鑑別に注意を要することがある。
本剤の使用に際し、医療法その他の放射線防護に関する法令を遵守すること。
特に次の事項に留意すること。
・ 医療法施行規則に基づく陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の届出を行うこと。
・ 他の診療用放射性同位元素と同様に、記録を作成し保存すること。
その他、関連する告示、通知等の規定に従い、適正に使用すること。
16.3 分布
16.3.1 本剤は血中から速やかに消失して主に脳へ分布し、その分布率は投与量の約25%(25%ID)、単位重量(g)あたりで約0.015%ID/gであった。心臓への分布は被験者ごとに傾向が異なり、最も多く分布した例では約5%ID、単位重量(g)あたりで約0.014%ID/gであった。肺、肝臓、腎臓、脾臓、腸管、精巣及び全身筋肉への放射能の滞留はほとんどみられなかった。
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.4 代謝
本剤は血漿中でほとんど代謝されずに存在し、未変化体のまま尿中に排泄されることが示された。
16.5 排泄
尿中放射能累積排泄率は経時的に増加し、投与後6時間で約32%IDであった。主たる排泄経路は腎・尿路系であることが示された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
参考情報(公表論文を集計した成績である)
〈悪性腫瘍〉
手術適応を検討する非小細胞肺癌患者での所属リンパ節転移診断において、CTに対して、CTにFDG‐PETを加えた場合(以下、CT+FDG)の診断能について2試験の成績を合計した。感度はCT65.8%、CT+FDG92.1%、特異度はCT72.4%、CT+FDG86.7%であり、CTに対するFDG‐PETの上乗せ効果が認められた。また、CTで悪性・良性の鑑別診断が困難な肺結節を有する患者におけるFDG‐PETの診断能について2試験の成績を合計した。FDG‐PETの感度は96.2%、特異度は75.6%であった。
また、FDG‐PETの診断目的ごとの診断能について、肺癌、乳癌、大腸癌、頭頸部癌、脳腫瘍、膵癌、悪性リンパ腫、原発不明癌及び悪性黒色腫を評価した84試験におけるFDG‐PETの試験成績を次に示す。
→図表を見る(PDF)
〈虚血性心疾患〉
冠動脈疾患及び左室機能低下を示す患者を対象とした14試験におけるFDG‐PETの心筋バイアビリティ診断能は感度89.9%(726/808)、特異度64.2%(512/797)であった。
〈部分てんかん〉
外科的治療が考慮される部分てんかん患者を対象とした20試験を評価した。全ての試験においてFDG‐PETは発作間欠期に実施されていた。術後の発作予後良好例のうち、FDG‐PETで示された焦点部位がてんかん焦点の手術部位と一致する例数の割合を一致率として評価した。その結果、FDG‐PETの一致率は73.4%(281/383)であった。MRIで異常所見が認められない例において、FDG‐PETの一致率は71.1%(32/45)であった。また、側頭葉てんかんにおけるFDG‐PETの一致率は、74.4%(169/227)であった。なお、側頭葉てんかんにおける発作時脳血流検査の一致率は、75.8%(138/182)であった。
18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
本剤は、グルコースと同様にグルコーストランスポーターにより細胞に取り込まれ、ヘキソキナーゼによりリン酸化を受けるが、グルコースと異なり解糖系の酵素であるホスホグルコースイソメラーゼによるフルクトースへの異性化反応を受けないことから、リン酸化体として細胞内に滞留する。したがって、その滞留した18F由来のポジトロンを核医学検査装置で追跡することにより、腫瘍細胞の診断、虚血性心疾患における心筋バイアビリティの診断、てんかん焦点の診断、並びに大型血管炎及び心サルコイドーシスにおける炎症部位の可視化が可能となる。
18.3 疾患特性
(1)腫瘍細胞及び炎症細胞においては、グルコーストランスポーターの発現による糖取り込み能の増加、解糖系の律速酵素であるヘキソキナーゼ活性の亢進並びに糖新生系の酵素であるグルコース‐6‐ホスファターゼ活性の低下によって、糖代謝が亢進している。
(2)心筋においては、虚血状態に陥った場合、グルコーストランスポーターの増加による糖取り込み能の増加及び解糖系の律速酵素であるヘキソキナーゼ活性亢進により、糖代謝が亢進している。
(3)てんかんの脳においては、焦点及び発作に関係する部位の神経細胞の活動が増加している場合に糖代謝が亢進する一方、神経細胞の活動が減少している場合では糖代謝が低下する。
- 製造販売会社
- 日本メジフィジックス
- 販売会社
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。