アレジオンドライシロップ1%
添付文書情報2015年01月改定(第8版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒。
- 用法・用量
- 1.アレルギー性鼻炎:小児には1日1回0.025~0.05g/kg(エピナスチン塩酸塩として0.25~0.5mg/kg)を用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。但し、1日投与量はドライシロップとして2g(エピナスチン塩酸塩として20mg)を超えない。年齢別の標準投与量は、次記の用量を1日量とし、1日1回用時溶解して経口投与する。
3歳以上7歳未満(標準体重14kg以上24kg未満):0.5~1g(エピナスチン塩酸塩として5~10mg)。
7歳以上(標準体重24kg以上):1~2g(エピナスチン塩酸塩として10~20mg)。
2.蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒:小児には1日1回0.05g/kg(エピナスチン塩酸塩として0.5mg/kg)を用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。但し、1日投与量はドライシロップとして2g(エピナスチン塩酸塩として20mg)を超えない。年齢別の標準投与量は、次記の用量を1日量とし、1日1回用時溶解して経口投与する。
3歳以上7歳未満(標準体重14kg以上24kg未満):1g(エピナスチン塩酸塩として10mg)。
7歳以上(標準体重24kg以上):2g(エピナスチン塩酸塩として20mg)。
- 慎重投与
- 1.肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害が悪化又は再燃することがある]。
2.フェニルケトン尿症の患者[本剤は1g中100mgのアスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する]。
- 重要な基本的注意
- 1.眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には危険を伴う機械の操作に注意させる(また、保護者に対しても注意を与える)。
2.本剤を季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
3.本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意する。
- 副作用
- 臨床試験での調査例519例中副作用が報告された症例は39例(7.51%)であった。主な副作用は眠気15件(2.89%)等であった。
使用成績調査ならびに特定使用成績調査(小児蕁麻疹を有する患者に対する調査)での調査例3,328例中副作用が報告された症例は28例(0.84%)であった。主な副作用は眠気3件(0.09%)、苦味3件(0.09%)、嘔気3件(0.09%)等であった。15歳未満の安全性集計対象は3,306例であり、年齢区分別の副作用発現頻度は、1歳未満で42例中0例(0.00%)、1歳以上2歳未満で94例中1例(1.06%)、2歳以上3歳未満で158例中2例(1.27%)、3歳以上8歳未満で2,399例中15例(0.63%)、8歳以上15歳未満が613例中10例(1.63%)であった(再審査終了時)。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用
1).肝機能障害、黄疸(頻度不明):AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気・嘔吐等)、黄疸が現れることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
2).血小板減少(頻度不明):血小板減少が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).過敏症:(0.1%未満)顔面浮腫、発疹、蕁麻疹、かゆみ、(頻度不明)浮腫(手足浮腫等)、そう痒性紅斑[発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行う]。
2).精神神経系:(0.1%以上)眠気、(0.1%未満)頭痛、倦怠感、不快気分、(頻度不明)眩暈、不眠、悪夢、しびれ感、頭がボーッとした感じ、幻覚、幻聴。
3).消化器:(0.1%以上)嘔気、(0.1%未満)腹痛、腹鳴、下痢、咽頭痛、嘔吐、便秘、(頻度不明)胃部不快感、口渇、口内炎、食欲不振、胃重感、胃もたれ感、口唇乾燥感、腹部膨満感。
4).呼吸器:(0.1%未満)鼻出血、鼻閉、(頻度不明)呼吸困難、去痰困難。
5).肝臓:(0.1%未満)肝機能異常、ALT上昇(GPT上昇)。
6).腎臓:(0.1%未満)尿蛋白、BUN上昇、尿中赤血球陽性、尿中白血球陽性。
7).泌尿器:(頻度不明)頻尿、血尿等の膀胱炎様症状、尿閉[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う]。
8).循環器:(頻度不明)心悸亢進。
9).血液:(0.1%未満)白血球数減少、(頻度不明)血小板減少、白血球数増加[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行う]。
10).眼:(0.1%未満)眼痛。
11).その他:(0.1%以上)苦味、(頻度不明)女性型乳房、乳房腫大、月経異常、ほてり、味覚低下、胸痛。
- 高齢者への投与
- 高齢者では肝・腎機能が低下していることが多く、吸収された本剤は主として腎臓から排泄されることから、定期的に副作用・臨床症状(発疹、口渇、胃部不快感等)の観察を行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行う。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(また、妊娠前及び妊娠初期試験(ラット)では受胎率低下が、器官形成期試験(ウサギ)では胎仔致死作用が、いずれも高用量で認められている)]。
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている]。
- 小児等への投与
- 1.低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない[低出生体重児、新生児には使用経験がなく、乳児には使用経験は少ない]。
2.小児気管支喘息に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 適用上の注意
- 1.調製時:本剤は用時調製の製剤であるので、調製後の保存は避け、水に溶かした後は速やかに使用する(やむを得ず保存を必要とする場合は、冷蔵庫内に保存し、できるかぎり速やかに使用する)。
2.配合変化:本剤は、他剤と配合した場合に、本剤の含量低下等の変化が認められているので、原則として他剤との配合は行わない。
- その他の注意
- 成人に錠剤を空腹時投与した場合は食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されている(アレルギー性鼻炎患児に対しては就寝前投与、湿疹・皮膚炎の代表的疾患であるアトピー性皮膚炎患児に対しては朝食後投与で有効性、安全性が確認されている)。
1.吸収・代謝・排泄
(1)健康成人男子及び小児から得られた血漿中濃度値を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、体重はエピナスチンの薬物動態に影響を与える因子であり、体重を考慮すれば成人と小児の薬物動態に違いはないことが示された。
(2)健康成人男子18名に、エピナスチン塩酸塩1%ドライシロップ2.0g(エピナスチン塩酸塩として20mg)とエピナスチン塩酸塩20mg錠をクロスオーバー法にて空腹時に投与したときの薬物動態を比較した。
健康成人男子に空腹時にエピナスチン塩酸塩20mg錠または1%ドライシロップ(エピナスチン塩酸塩として20mg)を経口投与したときの薬物動態パラメータ値(平均値±SD)
→図表を見る(PDF)
健康成人男子に空腹時にエピナスチン塩酸塩20mg錠または1%ドライシロップ(エピナスチン塩酸塩として20mg)を経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±SD、n=18)
(3)健康成人に経口投与した場合、吸収率は約40%であり、生物学的利用率は約39%である。※
健康成人に経口投与又は静脈内投与した場合、尿及び糞抽出物中放射能のほとんどは未変化体であり、代謝物の総量はわずかである。※
また、健康成人に経口投与した場合、尿中及び糞中への排泄率はそれぞれ25.4%、70.4%である。※
[※は外国人でのデータ]
(4)健康成人にエピナスチン塩酸塩20mgを空腹時及び食後に経口投与したときの薬物動態パラメータを比較した。その結果、食後投与でのCmax及びAUCは、空腹時投与の67%及び62%に低下した。
2.蛋白結合率
血清蛋白に対する14C‐エピナスチン塩酸塩の結合率(in vitro)は、20ng/mLの濃度で64.2±3.6%、37ng/mLの濃度で63.8±3.6%であった。
3.分布(参考)
14C‐エピナスチン塩酸塩を経口投与した場合の放射能は、胃、小腸内容物、肝、腎で高濃度であり、その他下垂体、唾液腺、膵、消化管粘膜層にやや高濃度に分布した。中枢神経系へはほとんど移行せず、乳汁中へは移行した(ラット)。
1.アレルギー性鼻炎
国内21施設で二重盲検比較試験(解析対象74例)が実施された。医師判定による鼻症状別重症度スコア(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉の重症度を各々0~3の4段階としたa))の合計を主要評価項目とし、その変化量を2週間投与により評価した。本試験の結果から、本剤のフマル酸ケトチフェンに対する非劣性が検証された(同等性限界Δ=1)。
a)鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-
医師判定による鼻症状別重症度スコアの合計
→図表を見る(PDF)
2.皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒
(1)国内11施設で二重盲検比較試験(解析対象78例)が実施された。医師判定によるそう痒の程度(0:なし~4:最重症の5段階)を主要評価項目とし、その変化量を4週間投与により評価した。本試験の結果から、本剤のフマル酸ケトチフェンに対する非劣性が検証された(同等性限界Δ=0.5)。
医師判定によるそう痒の程度
→図表を見る(PDF)
(2)国内12施設で一般臨床試験(投与期間12週間、解析対象62例)が実施された。医師判定によるそう痒の程度(0:なし~4:最重症の5段階)の変化量(投与後値-投与前値)は、投与4週時-0.83±0.74、投与8週時-1.00±0.70、投与12週時-1.21±0.70であり、いずれの時期においても有意に改善した。
1.選択的H1受容体拮抗作用
H1受容体に対する結合親和性は、H2受容体及びムスカリン受容体に比べ非常に高かった(モルモット、ラット)。また、ヒスタミンで誘発した気管支収縮、鼻腔内血管透過性亢進及び皮膚膨疹を用量依存的に抑制した(モルモット、ラット)。
2.ロイコトリエンC4(LTC4)及びPAF拮抗作用
LTC4及びPAF誘発の気管平滑筋の収縮反応を用量依存的に抑制した(モルモット)。
3.ヒスタミン及びSRS‐A遊離抑制作用
抗原、compound48/80、A23187で誘発した肺切片及び腹腔内肥満細胞からのヒスタミン、SRS‐A遊離を用量依存的に抑制し、その作用はケトチフェンより強かった(モルモット、ラット)。
4.実験的抗炎症作用
デキストラン足蹠浮腫、カラゲニン足蹠浮腫等の実験的炎症をケトチフェンと同等かそれ以上に抑制した(ラット)。
5.臨床薬理
健康成人におけるヒスタミン誘発の皮膚膨疹を1日1回10mg、20mgの経口投与で、投与24時間後においてもプラセボに比し、有意に抑制した。
- 一包可:条件付可
【添】他剤と配合した場合に、本剤の含量低下等の変化が認められているので、原則として他剤との配合は行わない。@【IF】配合変化に関する情報あり
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- 日本ベーリンガーインゲルハイム
- 販売会社
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