レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はピペラジン誘導体(セチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重度腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者〔7.1、9.2.1、16.6.1参照〕。
- 効能・効果
- [成人]
1). アレルギー性鼻炎。
2). 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症。
[小児]
1). アレルギー性鼻炎。
2). 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒。
- 用法・用量
- [成人]
通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日10mgとする。
[小児]
通常、7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、次のとおりクレアチニンクリアランスに応じて、投与量の調節が必要である〔2.2、9.2.1、9.2.2、16.6.1参照〕[成人患者の腎機能に対応する用法及び用量の目安]クレアチニンクリアランス≧80mL/min:推奨用量5mgを1日に1回、クレアチニンクリアランス50~79mL/min:推奨用量2.5mgを1日に1回、クレアチニンクリアランス30~49mL/min:推奨用量2.5mgを2日に1回、クレアチニンクリアランス10~29mL/min:推奨用量2.5mgを週に2回(3~4日に1回)。
腎障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
7.2. 高齢者では、低用量(例えば2.5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること〔9.8高齢者の項参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
8.2. 〈効能共通〉効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
8.3. 〈アレルギー性鼻炎〉季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を発現するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.2.1. 重度腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者:投与しないこと(高い血中濃度が持続するおそれがある)〔2.2、7.1、16.6.1参照〕。
9.2.2. 腎障害<重度腎障害を除く>のある患者:高い血中濃度が持続するおそれがある〔7.1、16.6.1参照〕。
9.3.1. 肝障害のある患者:高い血中濃度が持続するおそれがある〔16.6.2参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). テオフィリン[テオフィリンの薬物動態に変化はないが、*セチリジン塩酸塩との併用によりセチリジン塩酸塩のクリアランスが16%減少する(機序は明らかではない)]。
2). リトナビル[*セチリジン塩酸塩との併用によりセチリジン塩酸塩の曝露量の増加<40%>及びセチリジン塩酸塩との併用によりリトナビル曝露量のわずかな変化<-11%>が報告されている(リトナビルによりセチリジン塩酸塩の腎排泄が阻害される可能性が考えられる)]。
3). 中枢神経抑制剤、アルコール[中枢神経系に影響を与える可能性がある(中枢神経抑制作用が増強される可能性がある)]。
4). ピルシカイニド塩酸塩水和物[*セチリジン塩酸塩との併用により両剤の血中濃度が上昇し、セチリジン塩酸塩との併用によりピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある(機序は明らかではない)]。
*)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがある。
11.1.2. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.3. 肝機能障害(0.6%)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、Al-P上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがある。
11.1.4. 血小板減少(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気、倦怠感、(0.1%未満)頭痛、頭重感、ふらふら感、しびれ感、めまい、浮遊感、(頻度不明)不眠、振戦、抑うつ、激越、攻撃性、傾眠、疲労、無力症、睡眠障害、錯感覚、幻覚、自殺念慮、失神、*健忘、*不随意運動、*意識消失、悪夢。
2). 消化器:(0.1~5%未満)口渇、嘔気、食欲不振、(0.1%未満)胃不快感、下痢、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃痛、口唇炎、便秘、口唇乾燥感、嘔吐、味覚異常、口内炎、(頻度不明)腹部膨満感、食欲亢進。
3). 循環器:(0.1%未満)動悸、血圧上昇、不整脈(*房室ブロック、期外収縮、頻脈、*発作性上室性頻拍、心房細動)。
4). 血液:(0.1~5%未満)*好酸球増多、(0.1%未満)好中球減少、*リンパ球増多、白血球増多、白血球減少、*単球増多、*血小板増加、*血小板減少。
5). 過敏症:(0.1%未満)発疹、蕁麻疹、浮腫、かぶれ、そう痒感、血管性浮腫、(頻度不明)多形紅斑、薬疹。
6). 眼:(0.1%未満)結膜充血、霧視、(頻度不明)視覚障害、眼球回転発作。
7). 肝臓:(0.1~5%未満)ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇、(0.1%未満)Al-P上昇。
8). 腎臓・泌尿器:(0.1%未満)*尿蛋白、BUN上昇、*尿糖、*ウロビリノーゲン異常、頻尿、*血尿、(頻度不明)排尿困難、尿閉、*遺尿。
9). その他:(0.1%未満)耳鳴、月経異常、胸痛、ほてり、息苦しさ、(頻度不明)関節痛、手足のこわばり、嗅覚異常、鼻出血、脱毛、咳嗽、体重増加、筋肉痛、呼吸困難。
*)セチリジン塩酸塩でのみ認められている副作用。
副作用発現頻度についてはセチリジン塩酸塩の発現状況に基づき記載した。
- 高齢者
- 慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと(腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.2、16.6.3参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(*セチリジン塩酸塩において、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている)。
*)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。
- 小児等
- 7歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は舌の上にのせ唾液を浸潤させ、崩壊後唾液のみで服用可能である(また、水で服用することもできる)。
20.1. アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
20.2. 製剤の特性上、吸湿により錠剤表面がざらつくことがある。
20.3. 錠剤表面に使用色素による黄色の斑点がみられることがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
(1)レボセチリジン塩酸塩錠5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「タカタ」とザイザル錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボセチリジン塩酸塩として5mg)、健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐1 血漿中濃度(錠5mg)
表16‐1 薬物動態パラメータ(錠5mg)
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
(2)レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」
〈水で服用〉
レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」とザイザル錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボセチリジン塩酸塩として5mg)、健康成人男性に絶食時に水で単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐2 血漿中濃度(OD錠5mg、水で服用)
表16‐2 薬物動態パラメータ(OD錠5mg、水で服用)
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
〈水なしで服用〉
レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」とザイザル錠5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボセチリジン塩酸塩として5mg)、健康成人男性に絶食時にレボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」は水なしで、ザイザル錠5mgは水で単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
図16‐3 血漿中濃度(OD錠5mg、水なしで服用)
表16‐3 薬物動態パラメータ(OD錠5mg、水なしで服用)
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血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下者
クレアチニンクリアランスが45~90mL/min(軽度)、10~45mL/min(中等度)の腎機能低下者、及び血液透析を必要とする重度の腎機能低下者にレボセチリジン塩酸塩5mgを単回経口投与した時、腎機能正常者に比べ、腎機能低下者では、レボセチリジン塩酸塩のAUC0-∞は約1.8~5.7倍増加し、t1/2は約1.4~3.9倍に延長した(外国人データ)。[2.2、7.1、9.2.1、9.2.2参照]
表16‐4 腎機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.6.2 肝障害のある患者
肝機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態の検討は行われていない。
なお、原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常者に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた(外国人データ)。[9.3.1参照]
表16‐5 肝障害のある患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.6.3 高齢者
高齢者(65~74歳)9例にレボセチリジン塩酸塩30mg注)を1日1回6日間反復経口投与した時のレボセチリジン塩酸塩の全身クリアランスは、健康成人(21~60歳)と比較して約25%低かった(外国人データ)。[9.8参照]
注)本剤の承認用量は、通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与、最高投与量は1日10mgである。
表16‐6 高齢者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.8 その他
16.8.1 レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づきレボセチリジン塩酸塩錠5mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
16.8.2 レボセチリジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩OD錠2.5mg「タカタ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づきレボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「タカタ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
18.1 作用機序
レボセチリジンは、セチリジンの活性鏡像体であり、第二世代H1受容体拮抗薬である。第二世代H1受容体拮抗薬は、抗コリン作用による副作用がなく、また主に血液-脳関門を通過しないことにより非鎮静性であるといわれる。
- 一包可:条件付可
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- 高田製薬
- 販売会社
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