コラテジェン筋注用4mg
添付文書情報2021年08月改定(第2版)
商品情報
- 警告
- 1.本品に関する臨床成績は限られていること及びそれを踏まえた条件及び期限付承認であることを含めた本品の正確な情報について、文書を用いて患者又は家族に説明し、文書同意を取得した上で使用する。
2.重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で、本品を使用する。
- 禁忌・禁止
- 1.再使用禁止。
2.本品の成分に対し、過敏症の既往歴のある患者。
3.投与部位筋肉に悪性腫瘍及び投与部位周辺組織に悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者[本品が血管新生作用を有するため、悪性腫瘍の成長を促進させる恐れがあるため]。
- 効能・効果
- 標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善。
<効能、効果又は性能に関連する使用上の注意>
1.本品の安静時疼痛及び下肢切断の回避に対する有効性は確立していない。
2.本品の投与に際しては、本品の有効性が確認された潰瘍の大きさ等について添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本品以外の治療の実施についても慎重に検討した上で、適応患者の選択を行う。
3.骨の露出を伴う潰瘍もしくは腱の露出を伴う潰瘍を有する患者又は壊死を有する患者に対して本品を投与しない。
4.下肢の広範囲に壊死組織が広がっている患者や、抗菌剤による制御が不能で生命を脅かすような感染症を下肢に有している患者に対して本品を投与しない。
- 用法・用量
- 投与対象肢の虚血部位に対して1カ所あたり本品0.5mgを8カ所に4週間間隔で2回筋肉内投与する(1回総計4mg)。なお、臨床症状が残存する場合には、2回目投与の4週後に3回目の投与を行うこともできる。また、投与に際しては、日局生理食塩液で希釈し、希釈後の1カ所あたりの薬液量は3mLとし、投与対象筋が小さい場合には2mLまで減じてよい。
<用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意>
1.投与部位の決定及び投与方法に関する注意:添付文書の【臨床成績】の項を参考に、血管造影、CTA、MRA、超音波検査等の画像診断により虚血領域を同定した上で投与部位を決定し、投与の際には、超音波検査で薬液が確実に筋肉内に注入されたことを確認しながら行う。
2.適用上の注意:
1).投与部位:下肢虚血部位の筋肉内にのみ投与する。
2).調製時:
(1).調製の際は穏やかに振って混和させる(激しく振盪しない)。
(2).調製後は直ちに使用する(調製後直ちに使用しない場合は、冷暗所に保存し24時間以内に使用する)。
(3).調製後の残液は適切に廃棄する。
- 使用注意次の患者には慎重に適用する
- 1.投与部位以外に活動性の悪性腫瘍のある患者[本品による全身での肝細胞増殖因子の増加の可能性は低いが、肝細胞増殖因子の増加は悪性腫瘍の成長を促進させる可能性があるため]。
2.増殖糖尿病網膜症、滲出性加齢黄斑変性のある患者[本品により網膜部位での肝細胞増殖因子の増加の可能性は低いが、肝細胞増殖因子の増加は症状を悪化させる可能性があるため]。
3.アレルギー素因のある患者[本品の製造工程で、大腸菌及びカナマイシンが用いられているため]。
- 重要な基本的注意
- 1.使用に当たっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、有効性及び安全性その他適正な使用のために必要な事項について、患者に対して説明し、その同意を得て、本品を使用するよう努める。また、本品による治療の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ、本品の使用を検討する。
2.臨床試験において、本品投与後に悪性腫瘍を認めた事例が報告されている。悪性腫瘍の成長を促進する危険性があることから、本品の投与開始に際しては、必ず問診等を行い悪性腫瘍又はその既往について考慮し、また本品による治療後は、長期的に十分な観察を行う。
3.本品投与後にアナフィラキシー等の過敏症が発現する可能性があることから、アナフィラキシー等の過敏症の兆候や症状について患者に十分に説明し、異常が認められた場合には速やかに担当医師に連絡するよう、患者を指導する。
4.投与肢に抗菌剤等で制御困難な感染症が認められる場合は、感染症を治療した後に本品を投与する。
- 相互作用
- 併用注意:骨髄細胞移植による血管新生療法、末梢血単核球移植による血管再生治療あるいは自家骨髄単核球移植による血管再生治療等の末梢動脈疾患に対する先進医療等[これらの療法あるいは治療と併用した経験がないため]。
- 副作用
- 国内及び外国での7つの臨床検討において総症例187例中64例(34.2%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、注射部位疼痛8例(4.3%)、大腸ポリープ5例(2.7%)、末梢性浮腫5例(2.7%)、四肢痛4例(2.1%)、C-反応性蛋白増加4例(2.1%)等であった[承認時]。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用
悪性腫瘍:胃腺癌1例(0.5%)、結腸癌1例(0.5%)、胃癌1例(0.5%)、膵癌1例(0.5%)、前立腺癌1例(0.5%)、食道扁平上皮癌1例(0.5%)、子宮平滑筋肉腫1例(0.5%)の報告があるので、投与後は定期的に観察を行い、異常が認められた場合は適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用
副作用の発生状況の概要:1).投与部位の状態:(5%未満)注射部位疼痛、注射部位内出血、注射部位不快感。
2).全身障害:(5%未満)末梢性浮腫。
3).胃腸障害:(5%未満)大腸ポリープ。
4).筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満)四肢痛。
5).神経系障害:(5%未満)錯感覚。
6).臨床検査:(5%未満)C-反応性蛋白増加。
- 高齢者への適用
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意する。
- 妊婦・産婦・授乳婦及び小児等への適用
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[臨床試験での投与経験はなく、動物実験においては核酸断片の胎盤移行性が認められているため]。
2.授乳中の女性には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させる[臨床試験での投与経験はなく、動物実験においては核酸断片の乳汁移行は確認していないため]。
3.小児を対象とした臨床試験は実施していない。
1.血中濃度
閉塞性動脈硬化症患者又はバージャー病患者の日本人(16例)及び閉塞性動脈硬化症患者の外国人(99例)での検討において、ベペルミノゲン ペルプラスミドは、下肢筋肉内投与4時間あるいは1日後ではほぼ全例で血液中に検出されたが、投与1週後では血液中に検出された症例は一部であり、2回目あるいは3回目投与でも同様の結果であった。また、投与2週あるいは4週後において血液中に検出された症例は少なく、投与3箇月及び6箇月後では全例で定量下限値未満であった。
2.分布・代謝
健康成人のヒト血清を用いたin vitro試験において、ベペルミノゲン ペルプラスミドの活性体の消失半減期は37秒であり、ヒト血清中で速やかに活性を持たない核酸断片へ代謝された。
参考(動物実験)
雌雄ラットの大腿部に1.5mg/kgの用量で単回筋肉内投与した時、ベペルミノゲン ペルプラスミドは投与1日後に投与部位筋肉、肺、心臓、脾臓、腎臓、膵臓、小腸、大脳、副腎及び非投与部位筋肉で認められたが、投与4日後では投与部位筋肉を除く全ての組織において定量下限値(50 copies/μg DNA)未満となった。なお、雄性ラットにおける投与部位筋肉中のベペルミノゲン ペルプラスミド濃度は半減期21日で低下した。
3.排泄
参考(動物実験)
雌雄ラットに1.5mg/kgの用量で単回静脈内投与した時、尿中のベペルミノゲン ペルプラスミド濃度は投与後168時間まで定量下限値(50 copies/μL)未満であった。
閉塞性動脈硬化症を対象とした二重盲検比較試験(ASO第III相試験)、バージャー病を対象とした一般臨床試験(TAO一般臨床試験)及び両病態を対象とした臨床研究(先進医療B臨床研究)の結果を評価した。
(1)潰瘍の改善
複数の潰瘍がある場合は原則として最大潰瘍を評価対象潰瘍とし、本品4mgを2回あるいは3回投与した。本品初回投与から12週後の評価対象潰瘍の完全閉鎖率は、閉塞性動脈硬化症では50.0%(7/14例)、バージャー病では60.0%(6/10例)であった。一方、閉塞性動脈硬化症のみで検討されたプラセボ投与での評価対象潰瘍の完全閉鎖率は20.0%(1/5例)であった。
→図表を見る(PDF)
(2)潰瘍の大きさ
本品投与前の評価対象潰瘍の大きさ((√長径×短径))は、閉塞性動脈硬化症14例では平均11.2mm(最小~最大:1.4~27.9mm)、バージャー病10例では平均15.9mm(5.9~29.9mm)であった。完全閉鎖を認めた評価対象潰瘍の本品投与前の大きさは、閉塞性動脈硬化症7例では平均11.6mm(1.4~27.9mm)、バージャー病6例では平均11.8mm(5.9~19.5mm)であった。一方、プラセボ投与5例での投与前の評価対象潰瘍の大きさは、平均9.3mm(4.4~14.4mm)で、完全閉鎖を認めた1例の評価対象潰瘍の大きさは、4.4mmであった。
(3)投与部位の決定及び投与の方法
投与部位の決定及び投与は同一の方法で行われた。下肢動脈の画像(血管造影、CTA、MRA又は超音波検査)により動脈の閉塞部位又は側副血行路の血流が減弱する部位を同定し、閉塞部位毎(前脛骨動脈、後脛骨動脈又は腓骨動脈の血流支配)に設定された筋肉内に本品が確実に投与されていることを超音波検査で確認しながら投与された。
本品を筋肉内投与することで、ベペルミノゲン ペルプラスミドが細胞内に取り込まれ、ヒト肝細胞増殖因子が産生され、その生理活性に基づき血管新生作用を示す。
- 製造販売会社
- アンジェス
- 販売会社
- 田辺三菱製薬
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