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アベクマ点滴静注

販売名
アベクマ点滴静注
薬価
1患者当たり 32647761.00円
製造メーカー
BMS

添付文書情報2025年03月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の組織細胞機能用医薬品
一般名
イデカブタゲン ビクルユーセル
警告
1.1. 本品は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植及び造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持ち、かつ製造販売業者による本品に関する必要な説明を受けた医師のもとで、本品の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2. 重度サイトカイン放出症候群があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行うこと〔7.3.2、8.4、11.1.1参照〕。
1.3. 重度神経系事象又は生命を脅かす神経系事象があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供する神経系事象管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行うこと〔8.5、8.10、11.1.2参照〕。
禁忌・禁止
2.1. 再使用禁止。
2.2. 本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 原材料として用いる非動員末梢血単核球を採取した患者本人以外に投与しないこと。
効能・効果
再発又は難治性の多発性骨髄腫(ただし、次のいずれも満たす場合に限る:BCMA抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む2つ以上の前治療歴を有し、かつ、直近の前治療に対して病勢進行が認められた又は治療後に再発した)。
(効能、効果又は性能に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本品の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1-17.1.3参照〕。
用法・用量
6.1. 医療機関での白血球アフェレーシス~製造施設への輸送
6.1.1. 白血球アフェレーシス:白血球アフェレーシスにより、非動員末梢血単核球を採取する。
6.1.2. 白血球アフェレーシス産物の輸送:採取した白血球アフェレーシス産物を、2~8℃に設定された保冷輸送箱に梱包して本品製造施設へ輸送する。
6.2. 医療機関での受入れ~投与
6.2.1. 本品の受領及び保存:凍結した状態で本品を受領し、使用直前まで液体窒素気相下(-130℃以下)で凍結保存する。
6.2.2. 投与前の前処置:血液検査等により患者の状態を確認し、本品投与の5日前から次のリンパ球除去化学療法を行う。
シクロホスファミド(無水物換算)として300mg/㎡を1日1回3日間点滴静注及びフルダラビンリン酸エステルとして30mg/㎡を1日1回3日間点滴静注する。なお、患者の状態(腎機能障害等)により適宜減量する。
6.2.3. 本品の投与:投与直前に本品を解凍する。通常、成人には、CAR発現T細胞として、体重を問わず目標投与数450×10の6乗個を、10mL/分を超えない速度で単回静脈内投与する。なお、CAR発現T細胞として280×10の6乗~540×10の6乗個の範囲で投与できる。本品の再投与はしないこと。
(用法及び用量又は使用方法に関連する注意)
7.1. 次のいずれかの状態が患者に認められた場合には、回復するまでリンパ球除去化学療法又は本品の投与を延期すること。
・ 先行する化学療法に起因する事象を含む重篤な有害事象の持続(先行する化学療法に起因する事象を含む重篤な肺障害の持続、先行する化学療法に起因する事象を含む重篤な心障害の持続、先行する化学療法に起因する事象を含む重篤な低血圧の持続等)が患者に認められた場合には、回復するまでリンパ球除去化学療法又は本品の投与を延期すること。
・ 活動性感染症、活動性炎症性疾患が患者に認められた場合には、回復するまでリンパ球除去化学療法又は本品の投与を延期すること。
7.2. 前処置
移植細胞の生着促進等の目的で、DNA合成阻害作用等の殺細胞作用、あるいはリンパ球減少に伴う免疫抑制作用を有する化学療法剤を投与した後、本品の投与を行う。臨床試験における前処置の実施については、「17.臨床成績」の項を参照すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。
7.3. 本品の投与
7.3.1. 本品の投与約30~60分前に、infusion reactionのリスクを抑えるため、アセトアミノフェン及びジフェンヒドラミン又はその他のヒスタミンH1受容体拮抗薬を投与すること(生命を脅かす緊急時を除き、副腎皮質ステロイド剤は使用しないこと)。また、アナフィラキシー等の投与に伴う重度の事象が発現した場合に備え、救急措置の準備をしておくこと〔11.1.6参照〕。
7.3.2. サイトカイン放出症候群の緊急時に備えて、トシリズマブ(遺伝子組換え)を速やかに投与できるように準備しておくこと〔1.2、8.4、11.1.1参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 本品の使用にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、有効性及び安全性その他本品の適正な使用のために必要な事項について、患者又はその家族に文書をもって説明し、同意を得てから本品を使用すること。
8.2. 本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験等を実施しているが、ヒト・動物由来の原材料に起因する感染症伝播のリスクを完全には排除することはできないため、本品の使用に際しては臨床上の必要性を十分に検討すること。
8.3. 白血球アフェレーシスを実施する際には、当該白血球の使途等について患者又はその家族に文書をもって説明し、同意を得ること。
8.4. サイトカイン放出症候群があらわれることがあるので、本品の投与にあたっては、血液検査等を実施し、発熱、低血圧、頻脈、悪寒、C-反応性蛋白増加、低酸素症、頭痛、疲労等の臨床症状について、観察を十分に行うこと〔1.2、7.3.2、11.1.1参照〕。
8.5. 神経系事象があらわれることがあるので、本品の投与にあたっては、錯乱状態、脳症、失語症、幻覚、精神状態変化、譫妄、嗜眠、振戦、傾眠、意識レベル低下、注意力障害、書字障害、記憶障害等の臨床症状について、観察を十分に行うこと〔1.3、8.10、11.1.2参照〕。
8.6. 感染症があらわれることがあるので、本品の投与にあたっては、臨床症状等を確認し、観察を十分に行うこと〔9.1.1、11.1.3参照〕。
8.7. サイトメガロウイルス感染により肺炎及び死亡に至った例が報告されていることから、サイトメガロウイルス再活性化について観察し、適切な処置を行うこと。白血球アフェレーシスを実施する前に、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス及びHIV感染の有無を確認すること〔9.1.2、9.1.3、11.1.3参照〕。
8.8. 本品投与後数週間以上にわたり、好中球減少、血小板減少、貧血、リンパ球減少等の血球減少があらわれることがあるので、本品の投与にあたっては、定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.4参照〕。
8.9. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、本品の投与にあたっては、血清中電解質濃度の測定及び腎機能検査を行う等、観察を十分に行うこと〔11.1.7参照〕。
8.10. 精神状態変化や痙攣発作等の神経系事象があらわれることがあるので、本品投与後の患者には自動車運転や危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること〔1.3、8.5、11.1.2参照〕。
8.11. CAR発現T細胞を含有する再生医療等製品において、製品投与後にCAR陽性T細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現が報告されている。製品との因果関係は明確ではないが、T細胞を起源とするリンパ系腫瘍の発現には注意すること。
8.12. 製品が規格を満たさない等の理由により、本品が提供されない可能性があることについて、事前に患者に対して説明すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。
8.13. 患者の細胞採取から本品の投与に至るまでの一連の手順の詳細は、製造販売業者が提供するマニュアル等を参照すること。
9.1.1. 感染症を合併している患者:骨髄抑制等により感染症が増悪するおそれがある〔8.6、11.1.3参照〕。
9.1.2. B型肝炎ウイルスキャリア又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎又はC型肝炎既往感染者:本品を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行う等、B型肝炎ウイルス再活性化やC型肝炎悪化の徴候や症状の発現に注意すること(肝炎ウイルス再活性化される可能性があり、ウイルスの再活性化による肝炎悪化があらわれる可能性がある)〔8.7、11.1.3参照〕。
9.1.3. HIV感染者:ウイルス増加する可能性があり、ウイルスの増加による悪化があらわれる可能性がある〔8.7、11.1.3参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本品投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
相互作用
10.2. 併用注意:生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥BCG等)[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行うこと(免疫抑制下で生ワクチンを接種すると病原性をあらわす可能性がある)]。
副作用
次の副作用・不具合があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. サイトカイン放出症候群(84.9%):発熱、低血圧、頻脈、悪寒、C-反応性蛋白増加、低酸素症、頭痛、疲労等の異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行うこと。また、心房細動、毛細血管漏出症候群、低血圧、低酸素症、血球貪食性リンパ組織球症(2.4%)があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されている〔1.2、7.3.2、8.4参照〕。
11.1.2. 神経系事象(29.0%):錯乱状態(7.5%)、脳症(2.6%)、失語症(2.6%)、幻覚(1.2%)、精神状態変化(0.9%)、譫妄(0.7%)、嗜眠(2.1%)、振戦(3.1%)、傾眠(3.1%)、意識レベル低下(1.4%)、注意力障害(1.9%)、書字障害(1.9%)、記憶障害(1.9%)等の神経系事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)を含む)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供する神経系事象管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行うこと〔1.3、8.5、8.10参照〕。
11.1.3. 感染症(16.7%):細菌、真菌及びウイルス等による重度感染症(敗血症、肺炎等)があらわれることがあり、死亡に至った例が報告されており、また、発熱性好中球減少症(5.9%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、抗生物質の投与等の適切な処置を行うこと〔8.6、8.7、9.1.1-9.1.3参照〕。
11.1.4. 血球減少(62.5%):重度好中球減少(55.2%)、重度血小板減少(31.1%)、重度貧血(26.4%)、重度リンパ球減少(13.7%)等があらわれることがあり、投与後1ヵ月までに回復しないことがある〔8.8参照〕。
11.1.5. 低γグロブリン血症(7.3%):形質細胞形成不全及び低γグロブリン血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の徴候等に対する観察を十分に行うこと。
11.1.6. Infusion reaction(0.7%)、ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)〔7.3.1参照〕。
11.1.7. 腫瘍崩壊症候群(0.9%):異常が認められた場合には適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うこと〔8.9参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)白血球減少症、(1~10%)低フィブリノゲン血症、播種性血管内凝固。
2). 代謝及び栄養障害:(1~10%)食欲減退、低リン血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症、高トリグリセリド血症、低アルブミン血症、低カルシウム血症、(1%未満)高カリウム血症、代謝性アシドーシス。
3). 精神障害:(1~10%)失見当識、(1%未満)不眠症、不安。
4). 神経系障害:(1~10%)頭痛、浮動性めまい、(1%未満)構語障害、認知障害、錯感覚、失神、運動失調、不全片麻痺、運動機能障害、痙攣発作。
5). 心臓障害:(1~10%)頻脈、洞性頻脈、(1%未満)心房細動、動悸。
6). 血管障害:(1~10%)低血圧、高血圧。
7). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1~10%)咳嗽、低酸素症、呼吸困難、(1%未満)胸水、湿性咳嗽、肺水腫。
8). 胃腸障害:(1~10%)悪心、下痢、嘔吐、(1%未満)便秘、胃腸出血。
9). 肝胆道系障害:(1~10%)高ビリルビン血症。
10). 皮膚障害:(1~10%)発疹、脱毛症、(1%未満)皮膚そう痒症。
11). 筋骨格系及び結合組織障害:(1~10%)関節痛、骨痛、筋肉痛、(1%未満)背部痛、筋骨格痛。
12). 全身障害:(10%以上)疲労、(1~10%)発熱、悪寒、無力症、末梢性浮腫、(1%未満)倦怠感、歩行障害、疼痛、浮腫。
13). 臨床検査:(1~10%)C-反応性蛋白増加、ALT増加、AST増加、血中アルカリホスファターゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、フィブリンDダイマー増加、血清フェリチン増加、血中フィブリノゲン減少、体重減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、(1%未満)血中クレアチニン増加、活性化部分トロンボプラスチン時間延長、CD4リンパ球減少、血中ブドウ糖増加。
14). その他:(1~10%)免疫抑制、(1%未満)霧視。
高齢者
一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
授乳婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 調製時の注意14.1.1. 予め投与する時間を確認し、患者の準備ができた時点で本品を投与できるように、本品の解凍開始時間を調整すること。
14.1.2. 本品の解凍前には、金属カセット及び静注用バッグの患者識別情報が患者と一致しているかを確認すること。その後、本品の静注用バッグを金属カセットから取り出すこと。
14.1.3. 本品はCAR発現T細胞懸濁液を含む1つ以上の静注用バッグとして提供される。複数の静注用バッグを用いる場合、1つ目の静注用バッグの投与が完了するまでは、2つ目以降の静注用バッグは解凍しないこと。
14.1.4. 凍結した本品静注用バッグが完全に融解するまで、約37℃の恒温水槽又は乾式解凍機器等で解凍すること(細胞塊が視認できる場合、静注用バッグをゆっくり撹拌すること)。融解後の再凍結は行わないこと。解凍後速やかに恒温水槽又は乾式解凍機器等から取り出すこと。投与前に本品の洗浄、遠心沈降、新しい培地への再懸濁を行わないこと。
14.1.5. 本品は、1つの静注用バッグごとに解凍開始から1時間以内に投与を完了すること。
14.1.6. 本品への放射線照射は行わないこと。
14.2. 投与時の注意14.2.1. 本品に損傷や漏れ等が認められた場合、本品を投与しないこと。
14.2.2. 本品を撹拌後も細胞塊が残存する場合、インラインフィルターを使用できるが、本品の投与では、白血球除去フィルターを使用しないこと。
14.2.3. 本品の投与時には、静注用バッグの患者識別情報が患者と一致しているかを確認すること。
14.2.4. 本品の投与前に、生理食塩液にて点滴チューブをプライミングすること。本品を全量投与した後、バックプライミングにより本品静注用バッグ及び使用した場合はインラインフィルターを生理食塩液で洗浄し、できるだけ多くの細胞を投与すること。
14.2.5. 複数の静注用バッグを受領した場合、出荷証明書に従いすべての静注用
バッグを投与すること(2つ目以降の静注用バッグの投与も1つ目の静注用バッグの投与時と同じ手順に従うこと)。
14.2.6. 本品には、複製能のない自己不活性化レンチウイルスベクターを用いて遺伝子操作したヒト血液細胞が含まれるので、本品の残液は各医療機関の手順に従って感染性物質として廃棄すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本品による治療を受けた患者は、移植のために血液、臓器、組織及び細胞を提供しないよう指導すること。
15.1.2. 臨床試験において、本品投与後に悪性腫瘍の発現が報告されている(本品の投与後は長期間経過を観察すること)。

16.1 国際共同第II相試験(BB2121-MM-001試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に150×10の6乗個、300×10の6乗個又は450×10の6乗個を目標用量として本品を単回静脈内投与したとき、血中の本品由来の遺伝子量は、本品投与後急速に上昇し、投与後11日目付近で最大(Cmax)に達し、その後二相性の低下を示した。
なお、AUC0-28daysの中央値は部分奏効以上の奏効患者(93/125例)で4,626,382day・copies/μg、非奏効患者(32/125例)で845,455day・copies/μgとなり、奏効患者では非奏効患者と比較して5.47倍高かった。
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に本品を単回静脈内投与したときの本品由来の遺伝子量の推移

再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に本品を単回静脈内投与したときの本品由来の遺伝子量に基づく細胞動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.2 海外第I相試験(CRB-401試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に50×10の6乗個、150×10の6乗個、450×10の6乗個又は800×10の6乗個を目標用量として本品を単回静脈内投与したとき、血中の本品由来の遺伝子量は、本品投与後急速に上昇し、投与後7~11日目付近で最大(Cmax)に達し、その後二相性の低下を示した。
16.3 国際共同第III相試験(BB2121-MM-003試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に150×10の6乗~450×10の6乗個(450×10の6乗個の+20%である540×10の6乗個まで許容)の用量範囲で本品を単回静脈内投与したとき、血中の本品由来の遺伝子量は、本品投与後急速に上昇し、実投与量に関わらず11日目付近で最大(Cmax)に達し、その後二相性の低下を示した。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(BB2121-MM-003試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(386例、日本人9例を含む)を対象に、本品の有効性及び安全性を標準併用療法(DPd注1)、DVd注2)、IRd注3)、Kd注4)又はEPd注5))と比較するランダム化非盲検比較試験を実施した。
再発又は難治性の多発性骨髄腫と診断され、2~4レジメン注6)の前治療歴があり、直近の治療に難治性(治療中又は治療後60日以内に病勢進行が認められた注7))で、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及びダラツムマブによる治療歴を有する患者が組み入れられた。なお、中枢神経系に骨髄腫病変を有する患者は除外された。
本品の投与5日前から3日間連続で、シクロホスファミド(無水物換算)300mg/m2/日及びフルダラビンリン酸エステル30mg/m2/日を点滴静脈内投与するリンパ球除去化学療法を実施した。本品の用法及び用量又は使用方法は、CAR発現T細胞として150×10の6乗~450×10の6乗個(450×10の6乗個の+20%である540×10の6乗個まで許容)の用量範囲で単回静脈内投与することとされた。
主要評価項目である無増悪生存期間について、本品群は対照群と比べて有意な延長を示した。階層的な検定の対象である主な副次評価項目は全奏効割合及び全生存期間であった。中間解析の結果、本品群は対照群と比べて全奏効割合の有意な改善を示した。
本品群で、白血球アフェレーシスが実施された患者249例のうち、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった患者は6例であった。[8.12参照]
有効性成績の要約(2022年4月18日カットオフ)
→図表を見る(PDF)

無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線(BB2121-MM-003試験)

本品が投与された225例(日本人患者4例を含む)中217例(96.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(87.6%)、好中球減少症(54.2%)、血小板減少症(32.4%)、貧血(30.2%)、リンパ球減少症(13.8%)、疲労(12.9%)、白血球減少症(10.7%)等であった。[5.、7.2参照]
注1)ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤、ポマリドミド、デキサメタゾン併用療法
注2)ダラツムマブ点滴静注製剤、ボルテゾミブ、デキサメタゾン併用療法
注3)イキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾン併用療法
注4)カルフィルゾミブ、デキサメタゾン併用療法
注5)エロツズマブ(遺伝子組換え)、ポマリドミド、デキサメタゾン併用療法
注6)導入療法は造血幹細胞移植及び維持療法の有無を問わず1レジメンとした。
注7)国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)の効果判定基準に基づく。
17.1.2 国際共同第II相試験(BB2121-MM-001試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(外国人コホート128例、日本人コホート9例)を対象に、本品の有効性及び安全性を評価する非盲検非対照試験を実施した。
再発又は難治性の多発性骨髄腫と診断され、3レジメン以上注8)の前治療歴があり、直近の治療に難治性(治療中又は治療後60日以内に病勢進行が認められた注9))で、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤による治療歴を有する患者が組み入れられた。なお、中枢神経系に骨髄腫病変を有する患者は除外された。
本品の投与5日前から3日間連続で、シクロホスファミド(無水物換算)300mg/m2/日及びフルダラビンリン酸エステル30mg/m2/日を点滴静脈内投与するリンパ球除去化学療法を実施した。本品の用法及び用量又は使用方法は、CAR発現T細胞として150×10の6乗個、300×10の6乗個又は450×10の6乗個を目標用量として単回静脈内投与することとされた。
主要評価項目は独立治療効果判定委員会判定による全奏効割合(部分奏効以上の最良治療効果を示した患者の割合)注9)とされ、有効性の評価は外国人コホートの結果を主として評価する計画とされた。最後の外国人患者への本品投与から10ヵ月以上経過した2019年10月16日データカットオフ時点の外国人コホート128例の全奏効割合[95%CI](%)は73.4[65.8、81.1]であり、閾値50%に対して統計的に有意であった。なお、承認用量範囲である目標用量300×10の6乗個(70例)及び450×10の6乗個(54例)における全奏効割合[95%CI](%)は、それぞれ68.6[56.4、79.1]及び81.5[68.6、90.7]であった。
また、最後の日本人患者への本品投与から3ヵ月以上経過した2020年12月21日データカットオフ時点の日本人コホート9例(目標用量450×10の6乗個)の全奏効割合[95%CI](%)は88.9[51.8、99.7]であった。
試験全体で、白血球アフェレーシスが実施された患者149例のうち、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった患者は3例であった。[8.12参照]
本品が投与された137例(日本人患者9例を含む)中134例(97.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(84.7%)、好中球減少症(59.9%)、血小板減少症(45.3%)、貧血(38.0%)、白血球減少症(27.7%)、疲労(16.1%)、リンパ球減少症(14.6%)、低γグロブリン血症(11.7%)、発熱(10.2%)等であった。[5.、7.2参照]
注8)導入療法は造血幹細胞移植及び維持療法の有無を問わず1レジメンとした。
注9)IMWGの効果判定基準に基づく。
17.1.3 海外第I相試験(CRB-401試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(用量漸増期21例、用量拡大期41例)を対象に、本品の有効性及び安全性を評価する非盲検非対照試験を実施した。
用量漸増期では再発又は難治性の多発性骨髄腫と診断され、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤を含む3レジメン以上の前治療歴を有する、又は免疫調節薬及びプロテアソーム阻害剤の両方に対して難治性(治療中又は治療後60日以内に病勢進行が認められた注10))の患者で、骨髄形質細胞でのB細胞成熟抗原(B cell maturation antigen;BCMA)の発現割合が50%以上の患者が組み入れられた。また、用量拡大期では再発又は難治性の多発性骨髄腫と診断され、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及びダラツムマブによる前治療歴を有し、直近の前治療に対して難治性の患者が組み入れられた。なお、用量漸増期及び用量拡大期のいずれにおいても、中枢神経系に骨髄腫病変を有する患者は除外された。
本品の投与5日前から3日間連続で、シクロホスファミド(無水物換算)300mg/m2/日及びフルダラビンリン酸エステル30mg/m2/日を点滴静脈内投与するリンパ球除去化学療法を実施した。本品の用法及び用量又は使用方法は、用量漸増期ではCAR発現T細胞として50×10の6乗個、150×10の6乗個、450×10の6乗個又は800×10の6乗個、用量拡大期ではCAR発現T細胞として150×10の6乗個又は450×10の6乗個を目標用量としてそれぞれ単回静脈内投与することとされた。
最後の患者への本品投与から15ヵ月以上経過した2020年4月7日データカットオフ時点における独立治療効果判定委員会判定による全奏効割合注10)[95%CI](%)は全体(62例)で74.2[61.5、84.5]、承認用量範囲である目標用量450×10の6乗個(38例)では84.2[68.7、94.0]であった。
白血球アフェレーシスが実施された患者67例のうち、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった患者はいなかった。[8.12参照]
本品が投与された62例中55例(88.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(75.8%)、好中球減少症(41.9%)、血小板減少症(40.3%)、貧血(38.7%)、疲労(32.3%)、白血球減少症(27.4%)、リンパ球減少症(16.1%)、悪心(14.5%)、頭痛(14.5%)、低リン酸血症(12.9%)、上気道感染(11.3%)等であった。[5.、7.2参照]
注10)IMWGの効果判定基準に基づく。

本品は、正常及び悪性の形質細胞上に発現するBCMAを標的とするCARを患者自身のT細胞に遺伝子導入したCAR発現T細胞を主成分とする。この抗BCMA CARは、抗ヒトBCMAマウス抗体由来の単鎖可変フラグメント、ヒトCD8αヒンジ、膜貫通ドメイン、並びに4-1BB及びCD3ζの細胞内シグナル伝達ドメインで構成される。本品に含まれるCAR発現T細胞がBCMA発現細胞を認識し活性化を受けると、CAR発現T細胞の細胞増殖やサイトカイン放出が亢進され、BCMA発現細胞に対する細胞傷害作用が発現する。これらの作用により、多発性骨髄腫に対し抗腫瘍効果を示すと考えられる。

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BMS
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