ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(医療用)
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. アルドステロン症の患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある]。
2.2. ミオパチーのある患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある]。
2.3. 低カリウム血症のある患者[当該疾患及びその症状が悪化するおそれがある]。
- 効能・効果
- みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の傾向のあるものの次の諸症:急性胃腸カタル・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症。
- 用法・用量
- 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。
なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。
8.2. 本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること〔10.2、11.1.2、11.1.3参照〕。
8.3. 他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散等)、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤(グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠等)、ループ系利尿剤(アゾセミド、トラセミド、フロセミド等)、チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド等)〔8.2、11.1.2、11.1.3参照〕[偽アルドステロン症があらわれやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる(グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと。
11.1.2. 偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.1.3. ミオパチー(頻度不明):低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・四肢麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。
11.1.4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl-P上昇、著しいγ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹等。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意口内炎に対して本剤を使用する場合は、口にふくんでゆっくり服用することができる。
20.1. 本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。
20.2. 開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。
20.3. 本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。
18.1 作用機序
18.1.1 胃粘膜防御作用
ラットに経口投与したところ、タウロコール酸による胃粘膜リン脂質量低下、胃粘膜電位差の低下並びにH+の胃粘膜内逆拡散(back diffusion)がそれぞれ抑制され、また、エタノールによる胃表層粘膜及び胃体部深層粘膜の粘液量減少が抑制された。
18.1.2 抗炎症作用
(1)ラットに経口前投与したところ、塩酸イリノテカン及びコレラ毒素による大腸粘膜でのプロスタグランジンE2量増加が抑制された。
(2)ラットに経口投与したところ、血漿中コルチコステロン量が増加した(in vivo)。また、シクロオキシゲナーゼ‐2活性を阻害した(in vitro)。
(3)ヒト口腔由来ケラチノサイト(HOK)において、IL‐1β刺激によるプロスタグランジン(PG)E2,PGD2及びPGF2α産生を抑制した(in vitro)。また、COX‐2高活性HOKにおいて、PGE2代謝活性を阻害した(in vitro)。
(4)ヒト肥満細胞樹立株(HMC‐1)において、PMA及びA23187刺激によるインターロイキン(IL)‐6産生を阻害した(in vitro)。また、カラゲニン誘発胸膜炎モデルマウスに経口前投与したところ、IL‐6産生が抑制された。
18.1.3 大腸水分吸収亢進作用
ラットに経口投与したところ、大腸水分吸収能が亢進した。また、経口前投与により塩酸イリノテカンによる大腸水分吸収能の低下が抑制された。
18.1.4 消化管運動抑制作用
ラット遠位結腸輪走筋において、自発収縮を抑制した。この作用はNO合成酵素非選択的阻害薬(L‐NNA)あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害薬(ODQ)処置により部分的に解除された。また、経壁神経刺激によって発生するコリン作動性神経由来の収縮反応を抑制した(in vitro)。
18.2 胃排出促進作用
18.2.1 上腹部愁訴を有し胃排出遅延の認められる慢性胃炎患者(n=8)に2週間投与したところ、胃排出能が促進した(アセトアミノフェン法)。
18.2.2 ラットに経口投与したところ、胃排出能が促進した。また、経口前投与により塩化バリウムによる胃排出能低下が抑制された。
18.3 胃粘膜障害に対する作用
ラットに経口前投与したところ、エタノールによる胃の出血性病変が軽減した。
18.4 制吐作用
フェレットに経口前投与したところ、アポモルフィンによる嘔吐が抑制された。
18.5 止瀉作用
18.5.1 マウスに経口前投与したところ、ヒマシ油による下痢が抑制された。
18.5.2 ラットに経口前投与したところ、塩酸イリノテカンによる下痢及び体重減少が抑制された。また、回腸、下行結腸の絨毛及び陰窩細胞の変性・壊死並びに杯細胞の減少が抑制された。
- 一包可:条件付可
吸湿性が高いので、グラシン紙等防湿効果のない分包材質で調剤した場合は、交付時に取り扱いについて十分注意する旨患者に伝える。@グラシン紙等に分包した場合は、チャック付きのビニール袋や茶筒等の密閉性の良い容器に入れ、しっかり蓋をして、直射日光をさけ、なるべく湿気の少ない涼しいところに保管する。その際、容器の中に乾燥剤を入れることが望ましい。
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- ツムラ
- 販売会社
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