ダフクリア錠200mg
添付文書情報2024年07月改定(第4版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)。
(効能又は効果に関連する注意)
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の投与期間は原則として10日間であり、10日間を超えて使用する場合、ベネフィット・リスクを考慮して投与の継続を慎重に判断すること。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(発疹、そう痒症、血管浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(1%以上)便秘、悪心、嘔吐、(1%未満)腹部膨満、下痢、口内乾燥、鼓腸。
2). 精神神経系:(1%未満)浮動性めまい、味覚異常、頭痛。
3). その他:(1%未満)ALT上昇、食欲減退。
- 高齢者
- 患者の状態に注意して投与すること(一般に生理機能が低下している)〔16.6.3参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを食後単回経口投与注)したとき、血漿中フィダキソマイシン濃度は投与後2~3時間で最大値に達し、その後速やかに消失した。主代謝物であるOP‐1118の血漿中濃度は本剤投与後3時間で最大値を示した。
健康成人男性における本剤単回投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを1日2回食後経口投与したときの10日目のフィダキソマイシン及びOP‐1118の血漿中薬物動態パラメータは次表のとおりである。
健康成人男性における本剤反復投与時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.3 クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回経口投与したときのフィダキソマイシン及びOP‐1118の血漿中濃度は次表のとおりである。
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者における本剤反復投与時の血漿中薬物濃度(10日目、投与3~5時間後)
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
16.2.1 吸収
本薬の消化管管腔内のpH値(pH1~7.5)における溶解度及びCaco‐2細胞単層膜における膜透過性は低く、さらにP‐糖蛋白質(P‐gp)の基質であった(in vitro試験)。
イヌにおける絶対バイオアベイラビリティは3%以下と低値であった。ヒトにおける本剤の絶対バイオアベイラビリティは不明であるが、経口投与後の本剤の吸収は極めて低いと考えられる。
16.2.2 食事の影響
健康成人(27例)に本剤400mg注)を空腹時又は食後単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する食後投与のフィダキソマイシンのCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は79%(67%~92%)及び97%(87%~107%)、OP‐1118のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は67%(58%~76%)及び90%(82%~98%)であった(外国人データ)。
16.3 分布
本剤は経口投与後、消化管内に局在する。フィダキソマイシン及びOP‐1118の血漿蛋白結合率は、それぞれ97.4%~98.3%及び95.6%~96.4%であった(in vitro試験)。
16.4 代謝
フィダキソマイシンは、主にイソブチリルエステル基の加水分解により活性代謝物OP‐1118へ代謝される。
16.5 排泄
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを経口投与したとき、フィダキソマイシン及びOP‐1118の尿中への排泄率は非常に低く(0.594%以下)、そのほとんどがフィダキソマイシン及びOP‐1118として糞中に排泄される(日本人及び外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの腎機能正常患者、軽度、中等度及び重度の腎機能低下患者の投与3~5時間後の血漿中薬物濃度を比較した結果、腎機能に伴う血漿中フィダキソマイシン及びOP‐1118濃度の変動は見られなかった。
16.6.2 肝機能障害患者
経口投与されたフィダキソマイシン及びOP‐1118の消化管吸収はほとんどないと考えられたことから、肝機能障害患者におけるフィダキソマイシン及びOP‐1118の薬物動態については検討していない。
16.6.3 高齢者
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの高齢患者のフィダキソマイシン及びOP‐1118の血漿中濃度は非高齢患者に比べ高い傾向を示したが血漿中薬物濃度の差について臨床的意義は無いと考えられた。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 臨床薬物相互作用試験
本剤の薬物動態に及ぼす併用薬の影響(外国人データ)
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併用薬の薬物動態に及ぼす本剤の影響(外国人データ)
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16.7.2 In vitro試験
フィダキソマイシンはCYP2C9に対して阻害作用(IC50値7.2μg/mL)を示した。また、フィダキソマイシン及びOP‐1118は、P‐gpの基質であった。フィダキソマイシン及びOP‐1118は、P‐gp(IC50値2.74及び>123μg/mL)、乳癌耐性蛋白(BCRP)(IC50値4.13及び17.1μg/mL)、多剤耐性関連蛋白2(MRP2)(IC50値2.22及び46.4μg/mL)及び有機アニオン輸送ポリペプチド2B1(OATP2B1)(IC50値0.95及び<1.35μg/mL)に対して阻害作用を示した。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
20歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者(目標例数210例[各群105例])を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎の治癒維持率と設定し、結果は次のとおりであった。本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は1.2(-11.3~13.7)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を下回ったことから、バンコマイシンに対する本剤の非劣性は検証されなかった。
国内第III相試験における有効性(FAS)
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国内第III相試験において、副作用の発現割合は8.65%(9/104例)であった。発現した副作用は、貧血、心室細動、腹部膨満、下痢、痔核、悪心、嘔吐、浮動性めまい、妄想、発疹、発熱、口腔カンジダ症、抱合ビリルビン増加、痛風、ピロリン酸カルシウム結晶性軟骨石灰化症(各1例)であり、いずれの副作用も発現頻度は0.96%であった。
17.1.2 海外第III相試験(北米試験)
16歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、治験薬投与終了日(±2日)又は中止時における治癒率と設定し、PP集団における本剤群及びバンコマイシン群の治癒率はそれぞれ92.2%(247/268例)及び89.6%(251/280例)、本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は2.5(-2.4~7.3)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、バンコマイシン群に対する本剤群の非劣性が検証された。
また、mITT集団における結果は次のとおりであった。
海外臨床試験における有効性(mITT集団)
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副作用の発現割合はフィダキソマイシン群で9.7%(29/300例)であった。フィダキソマイシン群で1%以上であった副作用は悪心7例(2.3%)、便秘4例(1.3%)、食欲不振4例(1.3%)、浮動性めまい4例(1.3%)、嘔吐3例(1.0%)及び頭痛3例(1.0%)であった。
17.1.3 海外第III相試験(欧米試験)
16歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、治験薬投与終了日(±2日)又は中止時における治癒率と設定し、PP集団における本剤群及びバンコマイシン群の治癒率はそれぞれ91.7%(199/217例)及び90.6%(212/234例)、本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は1.1(-4.2~6.4)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、バンコマイシンに対する本剤の非劣性が検証された。
また、mITT集団における結果は次のとおりであった。
海外臨床試験における有効性(mITT集団)
→図表を見る(PDF)
副作用の発現割合はフィダキソマイシン群で11.7%(31/264例)であった。フィダキソマイシン群で発現割合が1%以上であった副作用は、悪心8例(3.0%)、嘔吐4例(1.5%)及び便秘3例(1.1%)であった。
18.1 作用機序
細菌のRNAポリメラーゼを阻害することにより、抗菌活性を示す。
18.2 抗菌作用
フィダキソマイシンは、クロストリジウム・ディフィシルをはじめとする一部のグラム陽性菌に抗菌活性を示し、ほとんどのグラム陰性菌に対しては抗菌活性を示さない(in vitro試験)。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- ゼリア新薬
- 販売会社
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