セフスパン細粒50mg
添付文書情報2023年11月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱。
(効能又は効果に関連する注意)
〈急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、小児に対しては、セフィキシムとして1回1.5~3mg(力価)/kgを1日2回経口投与する。
なお、症状に応じて適宜増減するが、重症又は効果不十分と思われる症例には、セフィキシムとして1回6mg(力価)/kgを1日2回経口投与する。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと〔11.1.1参照〕。
8.3. 無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少、汎血球減少症、急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.4、11.1.5参照〕。
9.1.1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)。
9.2.1. 高度腎障害のある患者:腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること(血中濃度が持続する)〔16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがあるが、ただし、本剤に関する症例報告はない(腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.1%未満):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. アナフィラキシー(0.1%未満):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
11.1.3. 皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic EpidermalNecrolysis:TEN、0.1%未満)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群、0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚紅斑・皮膚水疱や粘膜紅斑・粘膜水疱、皮膚緊張感・皮膚灼熱感・皮膚疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4. 血液障害:無顆粒球症(0.1%未満、初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、溶血性貧血(0.1%未満、初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(0.1%未満、初期症状:点状出血、紫斑等)、汎血球減少があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.5. 腎障害:急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.6. 大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある(腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと)。
11.1.7. 間質性肺炎、PIE症候群:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満)等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8. 肝機能障害、黄疸:AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇等を伴う肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(0.1%未満)があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、蕁麻疹、紅斑、(0.1%未満)そう痒、発熱、浮腫。
2). 血液:(0.1~5%未満)好酸球増多、(0.1%未満)顆粒球減少。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇。
4). 腎臓:(0.1%未満)BUN上昇。
5). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、胃部不快感、(0.1%未満)悪心、嘔吐、腹痛、胸やけ、食欲不振、腹部膨満感、便秘。
6). 菌交代症:(0.1%未満)口内炎、カンジダ症。
7). ビタミン欠乏症:(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
8). その他:(0.1%未満)頭痛、めまい。
- 高齢者
- 次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
・ 生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
・ ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.2. 牛乳、ジュース等に懸濁したまま放置しないよう指導すること。
- その他の注意
- 15.2. 非臨床試験に基づく情報幼若ラットに経口投与した試験において、1000mg/kg以上で精子形成抑制作用が発現したとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
〈成人〉
健康成人に50、100、200mg(力価)を空腹時1回経口投与すると、約4時間後に最高血清中濃度が得られ、それぞれ0.69、1.13、1.95μg/mLであり、血清中濃度半減期は2.3~2.5時間であった。
〈小児〉
腎機能正常な小児患者に1.5、3.0、6.0mg(力価)/kgを1回経口投与したとき、約3~4時間後に最高血清中濃度が得られ、それぞれ1.14、2.01、3.97μg/mLで、血清中濃度半減期は3.2~3.7時間であった。
16.3 分布
16.3.1 組織内移行
患者喀痰中、扁桃組織、上顎洞粘膜組織、中耳分泌物、胆汁、胆嚢組織等への移行は良好である。
16.4 代謝
ヒトの血清、尿中には抗菌活性代謝物質は認められていない。
16.5 排泄
主として腎より排泄される。
〈成人〉
健康成人(空腹時)における50、100、200mg(力価)経口投与時の尿中排泄率(0~12時間)は約20~25%で、最高尿中濃度はそれぞれ42.9(4~6時間)、62.2(4~6時間)、82.7μg/mL(4~6時間)であった。
〈小児〉
腎機能正常な小児患者における1.5、3.0、6.0mg(力価)/kg経口投与時の尿中排泄率(0~12時間)は約13~20%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
中等度腎機能障害群(30≦Ccr<60mL/min、n=3)と高度腎機能障害群(10≦Ccr<30mL/min、n=4)とで、セフスパン(CFIX)100mgを単回服用させて比較した。ピーク値は中等度障害群では投与後6時間で2.04μg/mL、高度障害群では投与後8時間で2.27μg/mLであり、12時間後の血清中濃度もそれぞれ0.71μg/mL、1.83μg/mLと高度障害群ほど遷延しており、半減期はそれぞれ4.15時間及び11.05時間であった。[9.2.1参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、胆嚢炎、胆管炎、中耳炎、副鼻腔炎、猩紅熱〉
17.1.1 国内一般臨床試験
1,467例の一般臨床試験における成績概要は次のとおりである。なお、一般臨床試験における1日投与量は主として成人では200mg(力価)(分2)、小児では3.0~9.9mg(力価)/kg(分2~3)であった。
→図表を見る(PDF)
〈急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染〉
17.1.2 国内比較臨床試験
細菌性気管支炎患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている。
副作用発現頻度は2.1%(2/96例)であり、発現した副作用は腹痛1.0%(1/96例)、嘔吐1.0%(1/96例)であった。
〈肺炎〉
17.1.3 国内比較臨床試験
細菌性肺炎患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている。
副作用発現頻度は2.0%(2/101例)であり、発現した副作用は下痢1.0%(1/101例)、腹痛1.0%(1/101例)であった。
〈膀胱炎、腎盂腎炎〉
17.1.4 国内比較臨床試験
複雑性尿路感染症患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている。
副作用発現頻度は3.3%(5/152例)であり、発現した副作用は発疹1.3%(2/152例)、嘔気・嘔吐0.7%(1/152例)、胃痛0.7%(1/152例)、頭痛0.7%(1/152例)であった。
〈中耳炎〉
17.1.5 国内比較臨床試験
急性化膿性中耳炎と診断された小児患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が認められている。
副作用発現頻度は0.8%(1/120例)であり、発現した副作用は下痢0.8%(1/120例)であった。
18.1 作用機序
作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、その作用点は菌種により異なるが、ペニシリン結合蛋白(PBP)の1(1a、1b、1c)及び3に親和性が高い。
18.2 抗菌作用
18.2.1 グラム陽性菌及びグラム陰性菌に広範囲な抗菌スペクトラムを有し、特にグラム陽性菌ではレンサ球菌属、肺炎球菌、グラム陰性菌では淋菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、クレブシエラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌等に対して他の経口用セフェム剤よりも強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である(in vitro)。
18.2.2 各種細菌の産生するβ‐lactamaseに極めて安定で、β‐lactamase産生菌にも優れた抗菌力を示す(in vitro)。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- 長生堂製薬
- 販売会社
- 日本ジェネリック
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