タゾピペ配合静注用2.25「日医工」
添付文書情報2023年09月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 伝染性単核球症の患者[ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある]。
- 効能・効果
- 1). 一般感染症:敗血症、深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染、肺炎、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎。
2). 発熱性好中球減少症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤の投与に際しては、原則として感受性を確認し、β-lactamaseの関与が考えられ、本剤に感性の起炎菌による中等症以上の感染症である場合に投与すること。
5.2. 〈発熱性好中球減少症〉本剤は、次の2条件を満たす患者に投与すること:1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱で、好中球数が500/mm3未満の場合、又は1000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合に投与。
5.3. 〈発熱性好中球減少症〉本剤の使用は、国内外のガイドライン等を参照し、本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
5.4. 〈発熱性好中球減少症〉本剤の投与に際しては、投与前に血液培養等の検査を実施すること(起炎菌が判明した際には、本剤投与継続の必要性を検討すること)。
5.5. 〈発熱性好中球減少症〉本剤の投与に際しては、投与開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。
5.6. 〈発熱性好中球減少症〉発熱性好中球減少症で、好中球数、発熱の回復が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
5.7. 〈発熱性好中球減少症〉腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに本剤の投与を中止すること。
- 用法・用量
- 〈一般感染症〉
・ 敗血症、肺炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎及び胆管炎の場合
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。肺炎の場合、症状、病態に応じて1日4回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日3回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
・ 深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染の場合
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
・ 腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎の場合
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日2回点滴静注する。症状、病態に応じて1日3回に増量できる。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、小児には1回112.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。また、症状、病態に応じて1回投与量を適宜減量できる。さらに、症状、病態に応じて1日3回に増量できる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
〈発熱性好中球減少症〉
通常、成人にはタゾバクタム・ピペラシリンとして、1回4.5g(力価)を1日4回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。
通常、小児には1回90mg(力価)/kgを1日4回点滴静注する。なお、必要に応じて、緩徐に静脈内注射することもできる。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4.5g(力価)を超えないものとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉成人の腎盂腎炎及び複雑性膀胱炎の場合は本剤の投与期間は、5日間を目安、深在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染、市中肺炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、発熱性好中球減少症及び小児腎盂腎炎、小児複雑性膀胱炎の場合は本剤の投与期間は、14日間を目安、敗血症及び院内肺炎の場合は本剤の投与期間は、21日間を目安とすること。なお、耐性菌の発現等を防ぐため、疾患の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
7.2. 〈効能共通〉本剤は通常、点滴静注するのが望ましいが、著しい水分摂取制限がかかっている場合等点滴静注が困難な場合には、必要に応じて緩徐に静脈内投与できる。
7.3. 〈効能共通〉高齢者では、患者の状態を十分に観察し、例えば2.25gの投与から開始するなど慎重に投与すること〔9.8高齢者の項参照〕。
7.4. 〈一般感染症〉肺炎患者の1日4回投与にあたっては、重症・難治の市中肺炎及び院内肺炎のうち1日4回投与が必要な患者を選択し使用すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること〔9.1.1、9.1.2参照〕。
8.1.1. 〈効能共通〉事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
8.1.2. 〈効能共通〉投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.1.3. 〈効能共通〉投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.2. 〈効能共通〉肝機能障害、腎機能障害、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少症、溶血性貧血、低カリウム血症があらわれることがあるので、定期的に血液検査、肝機能・腎機能検査等を行うなど、観察を十分に行うこと〔11.1.3-11.1.5、11.1.10参照〕。
9.1.1. セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者:十分な問診を行うこと(ショックがあらわれるおそれがある)(ただし、本剤及びペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者:十分な問診を行うこと(アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい)〔8.1、11.1.9参照〕。
9.1.3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者:観察を十分に行うこと(食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)。
9.1.4. 出血素因のある患者:出血傾向を助長するおそれがある。
腎機能障害患者(血液透析患者を含む)では、血漿半減期の遅延及びAUCの増加が認められ、血中濃度が増大するので、腎機能障害の程度に応じて、投与量の減量又は投与間隔をあけて投与すること〔13.1、16.6.1参照〕。
肝機能障害患者:血中濃度が持続するおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). プロベネシド[タゾバクタム及びピペラシリンの半減期が延長することがある(腎尿細管分泌の阻害により、プロベネシドがタゾバクタム、ピペラシリンの排泄を遅延させると考えられる)]。
2). メトトレキサート[メトトレキサートの排泄が遅延しメトトレキサートの毒性作用が増強される可能性があるので、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること(腎尿細管分泌の有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)阻害により、ピペラシリンがメトトレキサートの排泄を遅延させると考えられる)]。
3). 抗凝血薬(ワルファリン等)[血液凝固抑制作用を助長するおそれがあるので、凝血能の変動に注意すること(プロトロンビン時間の延長、出血傾向等により相加的に作用が増強するものと考えられる)]。
4). バンコマイシン[腎障害が発現・悪化するおそれがある(両薬剤併用時に腎障害が報告されているが、相互作用の機序は不明)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、喘息様発作、そう痒等をおこすことがある〔9.1.1、14.1.2参照〕。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(2.7%)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST上昇、ALT上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.4. 急性腎障害(0.4%)、間質性腎炎(頻度不明):急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.5. 汎血球減少症、無顆粒球症(いずれも頻度不明)、血小板減少症(0.4%)、溶血性貧血(頻度不明):初期症状として、発熱、咽頭痛、皮下出血・粘膜出血、貧血、黄疸等があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.6. 偽膜性大腸炎(頻度不明):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7. 間質性肺炎(0.5%)、PIE症候群(頻度不明):初期症状として、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8. 横紋筋融解症(0.2%):急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.9. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)〔9.1.2参照〕。
11.1.10. 低カリウム血症(4.0%):倦怠感、脱力感、不整脈、痙攣等を伴う低カリウム血症があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.1.11. 血球貪食性リンパ組織球症(血球貪食症候群)(頻度不明):発熱、発疹、神経症状、脾腫、リンパ節腫脹、血球減少、LDH上昇、高フェリチン血症、高トリグリセリド血症、肝機能障害、血液凝固障害等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、蕁麻疹、発赤、紅斑、そう痒、発熱、潮紅、浮腫、(頻度不明)水疱性皮膚炎。
2). 血液:(5%以上)好酸球増多、(0.1~5%未満)白血球減少、好中球減少、単球減少、血小板減少、貧血、赤血球減少、ヘマトクリット減少、好中球増多、単球増多、血小板増多、(頻度不明)顆粒球減少、リンパ球増多、出血傾向(紫斑、鼻出血、出血時間延長を含む)。
3). 肝臓:(5%以上)ALT上昇(9.9%)、AST上昇、γ-GTP上昇(9.0%)、(0.1~5%未満)LDH上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇。
4). 消化器:(5%以上)下痢(24.3%)、軟便、(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、便秘、腹部不快感、腹痛、白色便、口内炎、口唇炎、(頻度不明)食欲不振、胸やけ、腹部膨満感、下血。
5). 中枢神経:(0.1~5%未満)痙攣等の神経症状。
6). 菌交代症:(0.1~5%未満)カンジダ症。
7). ビタミン欠乏症:(頻度不明)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
8). その他:(0.1~5%未満)意識レベル低下、めまい、不眠、頭痛、CK上昇、クレアチニン上昇、BUN上昇、アンモニア上昇、クロール減少、蛋白尿、尿中ブドウ糖陽性、尿中ウロビリン陽性、(頻度不明)関節痛、動悸、発汗、胸内苦悶感、胸部痛、背部異常感、悪寒、総蛋白減少、アルブミン低下、血糖値低下。
- 高齢者
- 次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること〔7.3参照〕。
・ 一般に、生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
・ ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 乳・幼児<2歳未満>については下痢、軟便が発現しやすいので慎重に投与すること。小児感染症試験での下痢・軟便の副作用発現率は2歳未満で57.7%(15例/26例)、2歳以上6歳未満で40.6%(13例/32例)であった。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 配合変化(1). 次記製剤と配合すると、不溶物が析出することがあるので、配合しないこと:ジェムザール注射用1g、サンラビン点滴静注用250mg、フェジン静注40mg。
(2). 次記製剤と配合すると、3時間後に著しい力価の低下を起こすことがあるので、配合しないこと:アミゼットB輸液、キドミン輸液、フトラフール注400mg、5-FU注250mg、ネオフィリン注250mg。
(3). 次記製剤と配合すると、3時間後に著しい力価の低下を起こすことがあるので、これらの薬剤との直接の混合を避け、側管又はピギーバック方式により投与すること:アミノレバン点滴静注、モリアミンS注、モリプロンF輸液、ネオアミユー輸液。
(4). 次記製剤と配合すると、3時間後に色調変化が認められることがあるので、配合後は速やかに使用すること:パンスポリン静注用1g、ロセフィン静注用1g。
14.1.2. 本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹等の過敏症状を起こすことがあるので、本剤を調製する際には手袋を使用するなど、直接の接触を極力避けること〔11.1.1参照〕。
14.1.3. 調製方法(1). 〈投与経路共通〉1バイアルを生理食塩液及び5%ブドウ糖注射液10mLに溶解した時の溶解後の液量は、いずれも11.5mL(196mg(力価)/mL)となる。
(2). 〈投与経路共通〉溶解後は速やかに使用すること。
(3). 〈点滴静注〉点滴静注時、補液に溶解して注射すること。
(4). 〈点滴静注〉点滴静注時、注射用水を使用しないこと(溶液が等張にならないため)。
(5). 〈静脈内投与〉静脈内投与時、注射用水、生理食塩液又はブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に注射すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 〈投与経路共通〉アミノグリコシド系抗生物質(トブラマイシン等)の混注により、アミノグリコシド系抗生物質の活性低下をきたすので、本剤と併用する場合にはそれぞれ別経路で投与すること。
14.2.2. 〈静脈内投与〉注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度はできるかぎり緩徐にし、必要に応じて輸液等で希釈して注射すること(静脈内注射により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがある)〔15.2.2、15.2.3参照〕。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 外国において嚢胞性線維症の患者でピペラシリンの過敏症状の発現頻度が高いとの報告がある。
15.1.2. 併用により、ベクロニウムの筋弛緩作用を延長させるとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 幼若イヌを用いた反復投与毒性試験(生後2~4日のイヌに720mg/kg/日を5週間、あるいは生後52~64日のイヌに4500mg/kg/日を7週間)で、散在性腎嚢胞が認められたとの報告がある。
15.2.2. ラットに大量の薬剤を急速に静脈内注射した場合、注射速度に起因したと考えられる死亡例が報告されている〔14.2.2参照〕。
15.2.3. ウサギを用いた局所刺激性試験(筋肉・血管)において、注射局所刺激性が認められた〔14.2.2参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 成人
(1)単回投与
健康成人に注射用タゾバクタム・ピペラシリン(2.25g、4.5g及び6.75g)注)を、30分点滴静注したときの薬物動態パラメータは次のとおりであり、タゾバクタム(TAZ)、ピペラシリン(PIPC)の血漿中濃度は用量の増加に伴い上昇した。
→図表を見る(PDF)
(2)反復投与
健康成人に注射用タゾバクタム・ピペラシリン4.5g、30分点滴静注反復投与時の薬物動態は反復投与により変化せず、蓄積性はみられなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者において、腎機能の低下に依存した注射用タゾバクタム・ピペラシリンのt1/2の遅延及びAUC0~tの増加が認められており、腎機能障害のある患者に注射用タゾバクタム・ピペラシリンを投与する場合にはその障害の程度により投与量の減量又は投与間隔をあけて投与する必要がある(外国人データ)。[9.2、13.1参照]
3.375g30分点滴静注時、5日目のパラメータ注)
→図表を見る(PDF)
注)本剤の承認された成人の用量は1日9g(分2)~18g(分4)である。
18.1 作用機序
タゾバクタムは、それ自体の抗菌作用は弱いが、β‐ラクタマーゼに対して不可逆的阻害作用を示すので、β‐ラクタム系抗生物質と組み合わせて用いる。通常、ピペラシリンとの合剤とする。
ピペラシリンナトリウムは、β‐ラクタム系抗生物質に属するので、作用機序は細菌の細胞壁を構成するペプチドグリカンの生合成阻害である。その結果細胞壁の剛直性が失われ、細菌は破裂・死滅する。広域ペニシリンであり、抗菌スペクトルが拡大されている。
- 製造販売会社
- 日医工
- 販売会社
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