ジョサマイドライシロップ10%
添付文書情報2020年09月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中又はジヒドロエルゴタミンメシル酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、涙嚢炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、上顎洞炎、顎炎、猩紅熱。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、幼小児には、1日量体重1kg当りジョサマイシンとして30mg(力価)を3~4回に分けて経口投与する。ただし、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
シロップ剤の標準調製法は次のとおりである。
1). ドライシロップの量3g:加える水の量8mL、シロップのでき上がり量10mL、シロップ1mL中の含量30mg(力価)。
2). ドライシロップの量4g:加える水の量7.5mL、シロップのでき上がり量10mL、シロップ1mL中の含量40mg(力価)。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
9.1.1. 他のマクロライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
肝機能障害患者:血中濃度が上昇するおそれがある。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン>、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩<ジヒデルゴット>〔2.2参照〕[これらの薬剤の作用
を増強させ四肢の虚血を起こすおそれがある(CYP3A4に対する阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される)]。
10.2. 併用注意:1). 免疫抑制剤(シクロスポリン等)[これらの薬剤の作用を増強させ腎障害等を起こすことがある(CYP3A4に対する阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される)]。
2). トリアゾラム[この薬剤の作用を増強させ傾眠等を起こすことがある(CYP3A4に対する阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される)]。
3). ブロモクリプチンメシル酸塩[この薬剤の作用を増強させ嗜眠・眩暈・運動失調等を起こすことがある(CYP3A4に対する阻害によりこれらの薬剤の代謝が阻害される)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.3. 偽膜性大腸炎(頻度不明):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれたとの報告があるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹。
2). 肝臓:(0.1%未満)肝機能異常、(頻度不明)黄疸。
3). 消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、悪心、嘔吐、腹部膨満感、腹痛、下痢。
4). その他:(頻度不明)顔面浮腫。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中に移行する)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意シロップ調製後は冷所に保存し、できるだけ速やかに使用すること。
14.2. 薬剤交付時の注意シロップ調製後は軽く振盪してから服用するよう指示すること。
開封後は遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
健康成人男性6名に本剤1g(力価)を単回経口投与したとき、血中濃度を抗菌活性(St.hemolyticus Cook株、重層法)で測定した成績では、服用1~2時間後に血漿中濃度は最高に達し、その平均は1.18μg/mLであった。
また、臨床的には健康小児4名に20mg/kgを単回経口投与後の血中濃度は、1時間で2.6~8.0μg/mL、2時間で4.1~7.2μg/mL、6時間で0.66~4.4μg/mLであったとの報告がある。
健康成人に本剤1g(力価)を単回経口投与したときの血中濃度
16.3 分布
ジョサマイシンプロピオン酸エステルは、ラットの実験で臓器内へよく移行する。
16.5 排泄
本剤を小児に20mg/kg1回投与後24時間までの尿中への排泄率は、微生物学的測定法で6.6~12.5%であった。
なお、ジョサマイシンプロピオン酸エステルを経口投与後のヒトの尿中より分離された物質は、全てジョサマイシン又はその代謝物であることが確認されている。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
各種細菌感染症に対する臨床試験成績は、比較臨床試験を含めて総数1,120例で、その有効率(有効以上)は80.4%(900/1,120)であった。
扁桃炎、急性気管支炎を対象とした二重盲検比較試験による臨床的評価の結果、本剤の有用性が認められている。
また、猩紅熱に対する二重盲検比較試験でも本剤の有用性が認められている。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
18.1.1 他のマクロライド剤同様、細菌のリボソームに作用し、蛋白合成を阻害することにある。
18.2 抗菌作用
18.2.1 ジョサマイシンプロピオン酸エステルはジョサマイシンと同様に、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、インフルエンザ菌、マイコプラズマ属に対して、in vitroで強い抗菌力を有する。また、マウスでの動物実験においてもブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌等による感染症に対しても強い感染防御作用を示す。
18.2.2 ジョサマイシンは、ブドウ球菌属のマクロライド耐性を誘導しない耐性非誘導型抗生物質である。
- 一包可:条件付可
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- LTLファーマ
- 販売会社
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