レボフロキサシン錠500mg「CEO」
添付文書情報2024年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉本剤の成分又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者〔9.1.2参照〕。
2.2. 〈炭疽等の重篤な疾患以外〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5.1参照〕。
2.3. 〈炭疽等の重篤な疾患以外〉小児等〔9.7.1参照〕。
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管炎・リンパ節炎、慢性膿皮症、ざ瘡<化膿性炎症を伴うもの>、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、肛門周囲膿瘍、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、炭疽、ブルセラ症、ペスト、野兎病、肺結核及びその他の結核症、Q熱。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはレボフロキサシンとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、疾患・症状に応じて適宜減量する。
肺結核及びその他の結核症については、原則として他の抗結核薬と併用すること。
腸チフス、パラチフスについては、レボフロキサシンとして1回500mgを1日1回14日間経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉耐性菌の出現を抑制するため、用量調節時を含め分割投与は避け、必ず1日量を1回で投与すること〔18.2参照〕。
7.2. 〈効能共通〉腎機能低下患者では高い血中濃度が持続するので、次の用法及び用量を目安として、必要に応じて投与量を減じ、投与間隔をあけて投与することが望ましい〔9.2腎機能障害患者の項、9.8.2、16.6.1参照〕[1)20mL/min≦CLcr<50mL/min:(用法及び用量)初日500mgを1回、2日目以降250mgを1日に1回投与する、2)CLcr<20mL/min:(用法及び用量)初日500mgを1回、3日目以降250mgを2日に1回投与する]。
7.3. 〈腸チフス、パラチフス〉レボフロキサシンとして(注射剤より本剤に切り替えた場合には注射剤の投与期間も含め)14日間投与すること。
7.4. 〈炭疽〉炭疽の発症及び進展の抑制には、欧州医薬品庁(EMA)が60日間の投与を推奨している。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 〈効能共通〉意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.3. 〈効能共通〉大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.5、11.1.16参照〕。
8.4. 〈効能共通〉長期投与が必要となる場合には、経過観察を十分に行うこと。
8.5. 〈肺結核及びその他の結核症〉他の抗結核薬との併用により、重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、併用する場合は定期的に肝機能検査を行うこと。
8.6. 〈肺結核及びその他の結核症〉本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある(治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること)。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすことがある。
9.1.2. キノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.1参照〕。
9.1.3. 重篤な心疾患(不整脈、虚血性心疾患等)のある患者:QT延長を起こすことがある。
9.1.4. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させることがある。
9.1.5. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.3、11.1.16参照〕。
腎機能障害患者:高い血中濃度の持続が認められている。なお、血液透析又はCAPD(持続的外来腹膜透析)は、体内からのレボフロキサシン除去への影響は少ないと報告があり、透析後の追加投与は不要と考えられる〔7.2、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬(フルルビプロフェン等)[痙攣を起こすおそれがある(中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている)]。
2). アルミニウム含有の制酸薬<経口>又はマグネシウム含有の制酸薬<経口>等、鉄剤<経口>(水酸化アルミニウム<経口>、酸化マグネシウム<経口>、硫酸鉄<経口>等)〔16.7.1参照〕[本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、これらの薬剤は本剤投与から1~2時間後に投与する(これらの薬剤とキレートを形成し、本剤の吸収が低下すると考えられている)]。
3). クマリン系抗凝固薬(ワルファリン)[ワルファリンの作用を増強しプロトロンビン時間の延長が認められたとの報告がある(ワルファリンの肝代謝を抑制、又は蛋白結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている)]。
4). QT延長を起こすことが知られている薬剤(デラマニド等)[QT延長を起こすおそれがある(QT延長作用が相加的に増加するおそれがある)]。
5). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤及び注射剤>(プレドニゾロン<経口剤及び注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤及び注射剤>等)[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(初期症状:紅斑、悪寒、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)。
11.1.3. 痙攣(頻度不明)。
11.1.4. QT延長(頻度不明)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(頻度不明)。
11.1.5. 急性腎障害(頻度不明)、間質性腎炎(頻度不明)。
11.1.6. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(初期症状:嘔気・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒等)があらわれることがある。
11.1.7. 汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明):汎血球減少症、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、ヘモグロビン尿等を伴う溶血性貧血、血小板減少があらわれることがある。
11.1.8. 間質性肺炎(頻度不明)、好酸球性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.9. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.10. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.11. 低血糖(頻度不明):低血糖性昏睡に至る例も報告されている(糖尿病患者(特にスルホニルウレア系薬剤投与中やインスリン製剤投与中等の患者)、腎機能障害患者、高齢者であらわれやすい)。
11.1.12. アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明):腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(臓器移植の既往のある患者であらわれやすい)〔9.8.1参照〕。
11.1.13. 錯乱(頻度不明)、せん妄(頻度不明)、抑うつ等の精神症状(頻度不明)。
11.1.14. 過敏性血管炎(頻度不明):発熱、腹痛、関節痛、紫斑、斑状丘疹や、皮膚生検で白血球破砕性血管炎等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.15. 重症筋無力症悪化(頻度不明)。
11.1.16. 大動脈瘤(頻度不明)、大動脈解離(頻度不明)〔8.3、9.1.5参照〕。
11.1.17. 末梢神経障害(頻度不明):しびれ、筋力低下、痛み等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1~5%未満)発疹、(1%未満)そう痒症、(頻度不明)蕁麻疹、光線過敏症。
2). 精神神経系:(1~5%未満)めまい、不眠、頭痛、(1%未満)傾眠、振戦、意識障害、(頻度不明)幻覚、錐体外路障害、ぼんやり、しびれ感。
3). 泌尿器:(1%未満)血尿、クレアチニン上昇、(頻度不明)頻尿、尿閉、無尿、尿蛋白陽性、BUN上昇。
4). 肝臓:(1~5%未満)ALT上昇、LDH上昇、AST上昇、(1%未満)肝機能異常、γ-GTP上昇、血中ビリルビン増加、ALP上昇。
5). 血液:(1~5%未満)白血球数減少、好酸球数増加、好中球数減少、血小板数減少、(1%未満)リンパ球数減少、貧血。
6). 消化器:(1~5%未満)悪心、嘔吐、下痢、腹部不快感、食欲不振、(1%未満)腹痛、口渇、腹部膨満、胃腸障害、消化不良、便秘、(頻度不明)口内炎、舌炎。
7). 感覚器:(1%未満)味覚異常、耳鳴、(頻度不明)味覚消失、視覚異常、無嗅覚、嗅覚錯誤。
8). 循環器:(1%未満)動悸、(頻度不明)低血圧、頻脈。
9). その他:(1%未満)胸部不快感、CK上昇、四肢痛、*関節痛[*:結核患者での使用において4.4%(4/91例)に関節痛が認められたとの報告がある]、咽喉乾燥、尿中ブドウ糖陽性、熱感、浮腫、(頻度不明)高血糖、筋肉痛、発熱、関節障害、発汗、胸痛、脱力感、倦怠感。
- 高齢者
- 9.8.1. 腱障害があらわれやすいとの報告がある〔11.1.12参照〕。
9.8.2. 投与量ならびに投与間隔に留意し、慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.2、16.6.1参照〕。
- 授乳婦
- 9.5.1. 〈炭疽等の重篤な疾患以外〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎仔器官形成期の投与において、胚死亡率増加・胎仔死亡率増加、化骨遅延等の発育抑制作用及び骨格変異出現率増加が認められている〔2.2、9.5.2参照〕。
9.5.2. 〈炭疽等の重篤な疾患〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性を考慮して投与すること〔9.5.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(ヒト乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 9.7.1. 〈炭疽等の重篤な疾患以外〉投与しないこと(小児等を対象とした臨床試験は実施していない、動物実験(幼若犬、若い成犬(13ヵ月齢)、幼若ラット)で関節異常が認められている)〔2.3、9.7.2参照〕。
9.7.2. 〈炭疽等の重篤な疾患〉小児等の場合、治療上の有益性を考慮して投与すること〔9.7.1参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
〈レボフロキサシン錠250mg「CEO」〉
健康成人男性にレボフロキサシン錠250mg「CEO」とクラビット錠250mgそれぞれ1錠(レボフロキサシンとして250mg)をクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中レボフロキサシン未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
〈レボフロキサシン錠500mg「CEO」〉
健康成人男性にレボフロキサシン錠500mg「CEO」とクラビット錠500mgそれぞれ1錠(レボフロキサシンとして500mg)をクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中レボフロキサシン未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
CLcr値により群分けし、レボフロキサシン500mgを空腹時単回経口投与した場合、腎機能の低下に伴い血漿中濃度の生物学的半減期の延長、尿中濃度の低下及び尿中排泄率の低下が認められた。[7.2、9.2、9.8.2参照]
(ノンコンパートメント解析、22例、平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤
レボフロキサシン100mg注)単回経口投与時に、水酸化アルミニウム(1g)、硫酸鉄(160mg)又は酸化マグネシウム(500mg)を併用投与した場合、レボフロキサシンのバイオアベイラビリティーは単回投与に比較し、それぞれ56%、81%及び78%に減少した。また、Cmaxも有意に低下した。[10.2参照]
注)本剤の承認された用量は、レボフロキサシンとして500mgである。
18.1 作用機序
レボフロキサシン錠は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性S体であるレボフロキサシンの水和物を含有するニューキノロン系経口抗菌製剤で、細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVに作用し、DNA複製を阻害する。DNAジャイレース及びトポイソメラーゼIV阻害活性はオフロキサシンの約2倍の強さであった。抗菌作用は殺菌的であり、MIC付近の濃度で溶菌が認められた。
18.2 耐性化に及ぼす用法及び用量の影響
In vitroでヒト血中濃度推移を培地中に再現したモデルにおいて、500mg1日1回投与は100mg1日3回投与と比較して、肺炎球菌及び大腸菌の耐性菌出現を抑制した。[7.1参照]
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- セオリア ファーマ
- 販売会社
- 武田薬品
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