スオード錠100
添付文書情報2022年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.3. 小児等〔9.7小児等の項参照〕。
2.4. フェンブフェン投与中、フルルビプロフェン アキセチル投与中、フルルビプロフェン投与中の患者〔10.1参照〕。
- 効能・効果
- 表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、咽頭炎・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(前立腺炎<急性症>、前立腺炎<慢性症>)、胆嚢炎、胆管炎、感染性腸炎、コレラ、子宮内感染、子宮付属器炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎。
(効能又は効果に関連する注意)
〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、感染性腸炎、副鼻腔炎〉「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
- 用法・用量
- 通常、成人に対して、プルリフロキサシンとして1回264.2mg(活性本体として200mg)を1日2回経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1回用量は396.3mg(活性本体として300mg)を上限とする。
肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染には、プルリフロキサシンとして1回396.3mg(活性本体として300mg)を1日2回経口投与する。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2. 本剤の使用にあたっては、定められた用法・用量を守り、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること〔15.2参照〕。
8.3. 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔9.1.3、11.1.6参照〕。
9.1.1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣を起こすおそれがある〔10.2、11.1.14参照〕。
9.1.2. 重症筋無力症の患者:症状を悪化させることがある〔11.1.16参照〕。
9.1.3. 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくは大動脈瘤のリスク因子を有する又は大動脈解離のリスク因子を有する患者(マルファン症候群等):必要に応じて画像検査の実施を考慮すること(海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある)〔8.3、11.1.6参照〕。
9.2.1. 高度腎機能障害のある患者:投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること(高い血中濃度が持続するおそれがある)〔10.2、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.1. 併用禁忌:フェンブフェン、フルルビプロフェン アキセチル<ロピオン>、フルルビプロフェン<フロベン等>〔2.4参照〕[痙攣を起こすおそれがある(本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). テオフィリン、アミノフィリン水和物等〔9.2.1、9.8.2参照〕[テオフィリンの血中濃度を上昇させその作用を増強させることがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行う(軽度なCYP1A阻害作用によりテオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度を上昇させると考えられる;高齢者、腎障害のある患者では特に注意する)]。
2). フェニル酢酸系NSAIDs<フェンブフェンは併用禁忌>(ジクロフェナク等)、プロピオン酸系NSAIDs<フルルビプロフェン・同アキセチルは併用禁忌>(ケトプロフェン等)〔9.1.1、9.2.1、9.8.2、11.1.14参照〕[痙攣を起こすおそれがあるので、症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行う(本剤のGABAA受容体結合阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられる;てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高齢者、腎障害のある患者では特に注意する)](NSAIDs:非ステロイド性消炎鎮痛剤)。
3). アルミニウム含有の制酸剤<経口>又はマグネシウム含有の制酸剤<経口>(酸化マグネシウム<経口>等)、鉄剤<経口>(クエン酸第一鉄ナトリウム<経口>等)、カルシウム含有製剤<経口>(沈降炭酸カルシウム<経口>、L-アスパラギン酸カルシウム水和物<経口>等)[本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、これらの薬剤を投与する場合は、本剤投与後2時間以上あけるなど注意すること(これらの薬剤の金属イオンとキレートを形成し、吸収を阻害すると考えられる)]。
4). H2-受容体拮抗剤(シメチジン等)、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)[本剤の効果が減弱されるおそれがある(これらの薬剤により胃内pHが上昇し、本剤の溶解性が低下した結果、吸収が低下すると考えられる)]。
5). 副腎皮質ホルモン剤<経口剤及び注射剤>(プレドニゾロン<経口剤及び注射剤>、ヒドロコルチゾン<経口剤及び注射剤>等)〔9.8.1、11.1.7参照〕[腱障害のリスクが増大するとの報告があるので、これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること(機序不明)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、血圧低下、全身発赤、蕁麻疹、顔面浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。
11.1.3. 横紋筋融解症(0.1%未満):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。
11.1.4. 間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施し、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.5. 低血糖(頻度不明):意識レベル低下、痙攣、全身倦怠感等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと(高齢者、腎障害患者、糖尿病患者であらわれやすい)。
11.1.6. 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.3参照〕。
11.1.7. アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明):腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.8.1、10.2参照〕。
11.1.8. せん妄、記憶障害等の精神症状(頻度不明)。
11.1.9. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)。
11.1.10. 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)。
11.1.11. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)。
11.1.12. 心室頻拍(Torsade de pointesを含む)、QT延長(いずれも頻度不明)。
11.1.13. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢等があらわれることがある。
11.1.14. 痙攣(頻度不明)〔9.1.1、10.2参照〕。
11.1.15. 血管炎(頻度不明)。
11.1.16. 重症筋無力症悪化(頻度不明)〔9.1.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)湿疹、そう痒感、蕁麻疹、(頻度不明)浮腫、光線過敏症。
2). 腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、LAP上昇、ビリルビン上昇。
4). 消化器:(0.1~5%未満)腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、食欲不振、消化不良、口内炎、(0.1%未満)便秘、口角炎。
5). 血液:(0.1~5%未満)白血球減少、血小板減少、好酸球増多。
6). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、めまい、(0.1%未満)不眠、眠気。
7). その他:(0.1~5%未満)胸痛、脱力感、CK上昇、(0.1%未満)発熱、耳鳴、呼吸困難、動悸、筋肉痛、倦怠感、ほてり、結膜充血。
- 高齢者
- 9.8.1. 腱障害があらわれやすいとの報告がある〔10.2、11.1.7参照〕。
9.8.2. 投与量を減ずるか投与間隔をあけるなど慎重に投与すること(高齢者での薬物動態試験で、半減期の延長が認められており、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔10.2、16.6.2参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.2参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 投与しないこと(動物実験(若齢ラット、若齢イヌ)で関節異常が認められており、小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)〔2.3参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報無酸症等著しい低胃酸状態が持続する患者では、胃内pHの上昇により、本剤の溶解性が低下し、吸収が低下することが考えられる。
15.2. 非臨床試験に基づく情報動物実験(サル)で、長期(52週間)投与により、眼にulifloxacin蓄積(脈絡膜にulifloxacin蓄積・色素上皮にulifloxacin蓄積)が認められている〔8.2参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
本剤は内服後小腸上部より吸収され、腸管組織中、門脈血中及び肝臓通過時に加水分解されて、活性本体であるulifloxacinとして全身に分布するプロドラッグ型の薬剤である。健康成人に132.1、264.2及び528.4mg※を空腹時単回経口投与した後の血漿中ulifloxacin濃度は添付文書の図1のとおりで、薬物動態パラメータは表1のとおりであった。
※本剤の承認された1回用量は264.2~396.3mgである。
図1 健康成人におけるプルリフロキサシン単回経口投与後の血漿中ulifloxacin濃度
表1 健康成人における薬物動態パラメータ
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16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
限外濾過法により測定したヒト血清蛋白との結合率は、ulifloxacin濃度0.1~10μg/mLの範囲で50.9~52.1%であった(in vitro)。
16.3.2 組織移行性
患者に264.2mgを経口投与した後の前立腺、胆嚢、女性性器、皮膚組織、耳鼻咽喉組織、眼組織、喀痰中の最高ulifloxacin濃度は1.21~8.25μg/g(mL)、血清中濃度に対する比は1.79~58.2と良好な移行性が確認された。
16.4 代謝
本剤は腸管組織中、門脈血中及び肝臓中で主としてulifloxacinに代謝された。ulifloxacinの代謝物としては、血漿中及び尿中にピペラジニル基の修飾体及びグルクロン酸抱合体が認められた。
16.5 排泄
健康成人に132.1及び264.2mg投与した後24時間までの累積尿中ulifloxacin排泄率はそれぞれ43.1及び36.2%であった。反復投与による蓄積性は認められなかった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者の薬物動態
腎機能障害患者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表2のとおりであった。腎機能障害患者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた。[9.2.1参照]
表2 腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
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16.6.2 高齢者の薬物動態
高齢者に264.2mgを食後単回経口投与した後の薬物動態パラメータは、表3のとおりであった。高齢者では健康成人と比較し、血清中ulifloxacin濃度半減期の延長、AUCの増大及び24時間累積尿中ulifloxacin排泄率の低下が認められた。[9.8.2参照]
表3 高齢者における薬物動態パラメータ
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
比較試験及び一般臨床試験を含む臨床試験の概要は次のとおりである。なお、呼吸器感染症(慢性呼吸器病変の二次感染、肺炎)及び複雑性尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎)については二重盲検比較試験で有用性が確認されている。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
プルリフロキサシンの活性本体であるulifloxacinは菌体内に高濃度に移行しDNAジャイレース活性を阻害することにより抗菌力を示す。
18.2 in vitro抗菌作用
ulifloxacinはグラム陽性菌及びグラム陰性菌に広い抗菌スペクトルを有し、特に、緑膿菌、セラチア・マルセッセンス、エンテロバクター属等のグラム陰性菌に対して強い抗菌力を示す。ulifloxacinのMICとMBCはほぼ等しく、速やかで強い殺菌作用を有し、subMIC領域においても殺菌的に作用する。
18.3 実験的感染症に対する治療効果
本薬はマウス全身感染モデルにおいて高い防御効果を示し、また呼吸器、尿路等の緑膿菌等感染モデルに対しても良好な治療効果を示した。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- MeijiSeikaファルマ
- 販売会社
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