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シベクトロ点滴静注用200mg

販売名
シベクトロ点滴静注用200mg
薬価
200mg1瓶 25505.00円
製造メーカー
MSD

添付文書情報2021年07月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の合成抗菌剤
一般名
テジゾリドリン酸エステル注射用
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認すること〔18.3参照〕。
用法・用量
通常、成人にはテジゾリドリン酸エステルとして200mgを1日1回、1時間かけて点滴静注する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤はグラム陽性菌に対してのみ抗菌活性を有するため、グラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
7.2. 注射剤から錠剤への切り替え
注射剤からテジゾリドリン酸エステルの投与を開始した患者において、経口投与可能であると医師が判断した場合は、同じ用量の錠剤に切り替えることができる。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
・ 事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
・ 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・ 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行う(特に、投与開始直後は注意深く観察する)。
8.2. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、次のことに注意すること。
・ 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
・ 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
9.1.1. 好中球減少症(好中球数1000/mm3未満)の患者:有効性は確立していない(好中球減少マウスにおいてテジゾリドの抗菌活性が低下することが報告されている)〔18.2参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 偽膜性大腸炎(頻度不明):腹痛、頻回の下痢があらわれ、偽膜性大腸炎又はその疑いがある場合には、直ちに投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 可逆的な貧血・白血球減少・汎血球減少・血小板減少等の骨髄抑制(頻度不明):投与中止によって回復しうる貧血・白血球減少・汎血球減少・血小板減少等の骨髄抑制があらわれるおそれがある。
11.1.3. 代謝性アシドーシス(頻度不明):乳酸アシドーシス等の代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。
11.1.4. 視神経症(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)薬物過敏症。
2). 腎臓:(頻度不明)尿臭異常。
3). 肝臓:(5%未満)ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、肝機能異常。
4). 循環器:(頻度不明)徐脈、潮紅、ほてり。
5). 血液:(5%未満)貧血、(頻度不明)リンパ節症、白血球減少。
6). 消化器:(5%未満)下痢、(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛、便秘、腹部不快感、口内乾燥、消化不良、上腹部痛、鼓腸、胃食道逆流性疾患、血便排泄。
7). 感覚器:(頻度不明)味覚異常、霧視、硝子体浮遊物。
8). 精神神経系:(頻度不明)不眠症、睡眠障害、不安、悪夢、頭痛、浮動性めまい、傾眠、振戦、錯感覚、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー。
9). 筋・骨格系:(5%未満)四肢不快感、(頻度不明)関節痛、筋痙縮、背部痛、頸部痛。
10). 皮膚:(5%未満)そう痒性皮疹、(頻度不明)皮膚そう痒症(全身性そう痒症、アレルギー性皮膚そう痒症等)、発疹(全身性発疹、紅斑性発疹、斑状丘疹状発疹等)、蕁麻疹、多汗症、脱毛症、ざ瘡。
11). 代謝・栄養障害:(頻度不明)脱水、コントロール不良の糖尿病、高カリウム血症。
12). 呼吸器:(頻度不明)咳嗽、鼻乾燥、肺うっ血。
13). 投与部位:(5%以上)注射部位反応(紅斑、疼痛、静脈炎等)、(5%未満)血管痛。
14). その他:(5%未満)発熱、(頻度不明)真菌感染(外陰腟真菌感染、皮膚真菌感染)、カンジダ症(外陰腟カンジダ症、口腔カンジダ症)、膿瘍、気道感染、疲労、悪寒、易刺激性、末梢性浮腫、握力低下。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(胚・胎仔毒性試験において、マウスでは肋軟骨異常(主に肋軟骨癒合)の発現頻度の増加傾向が、ラットでは肋骨骨格変異及び椎骨骨格変異の発現頻度の増加が、それぞれ臨床曝露量(AUC)の約3~4倍及び約5~6倍に相当する用
量で認められた)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 調製方法(1). 本剤1バイアルに注射用水4mLを加える。
(2). なるべく泡立たないようにバイアルをゆっくり回し、内容物を完全に溶解させる。
(3). 生じた泡が消えるまで放置し、不溶物がないことを確認する。
(4). 得られた溶液は速やかに使用すること(やむを得ず溶液を保存する場合でも、室温又は冷蔵庫(2~8℃)に保存し、24時間以内に使用すること)。
(5). 投与前に(4)の溶液を生理食塩液250mLで希釈して使用する。このとき目視で不溶物が確認された場合には使用せずに廃棄すること。
14.1.2. 配合変化(1). 本剤と乳酸リンゲル液を含む二価カチオン液との配合は不可である。
(2). 配合変化については限られたデータしかないため、本剤を他の薬剤<注射用水・生理食塩液を除く>と混合又は混注しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意本剤と他の薬剤を同一の輸液ラインにより連続注入する場合には、生理食塩液を本剤の投与前後に輸液ライン内に流すこと。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ラットを用いた3ヵ月間反復経口投与試験において、胃腸管形態学的変化(胃腸管限局性びらん、胃腸管単細胞壊死等)、骨髄形態学的変化(骨髄低細胞性等)及び精巣形態学的変化(精細管変性等)が臨床曝露量(AUC)の約6~14倍に相当する用量で認められた。また、ラットを用いた1ヵ月間反復経口投与免疫毒性試験において、脾臓B細胞減少及び脾臓T細胞減少、並びに血清IgG減少が臨床曝露量(AUC)の約3~14倍に相当する用量で認められた。
15.2.2. イヌを用いた2週間反復静脈内投与試験において、胃腸管(胃腸管炎症、胃腸管粘膜萎縮、胃腸管潰瘍)及び骨髄(低細胞性)の形態学的変化が臨床曝露量(AUC)の約9~11倍に相当する用量で認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人男性にテジゾリドリン酸エステル200mgを1時間かけて点滴静注したとき、活性体である血漿中テジゾリド濃度は点滴終了時点でCmaxに達し、11.0時間の半減期で消失した。
健康成人男性にテジゾリドリン酸エステル200mgを1時間かけて1日1回7日間反復点滴静注したとき、血漿中テジゾリド濃度は、初回及び最終投与日共に点滴終了時点でCmaxに到達し、約11時間の半減期で血漿中から消失した。血漿中テジゾリド濃度は、初回投与の翌日にほぼ定常状態に到達した。
表 テジゾリドリン酸エステル200mg点滴静注時又は経口投与時のテジゾリドの薬物動態パラメータ[平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)]
→図表を見る(PDF)

図 テジゾリドリン酸エステル200mg単回又は反復点滴静注時の血漿中テジゾリド濃度推移(平均値±標準偏差)

16.1.2 患者
日本人及び外国人患者から得た血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、テジゾリドの薬物動態は、体格及び総ビリルビンの影響を受けることが示唆された。
日本人及び中国人患者から得た血漿中濃度を用いた母集団薬物動態解析の結果、標準的な患者(体重66.1kg、総ビリルビン0.70mg/dL)のCL/Fは6.33L/h(事後推定値)であった。体重が111.0kgの患者のCL/Fは38.8kgの患者と比較して約2倍に増加し(4.45L/hから8.93L/h、総ビリルビン0.70mg/dLのとき)、総ビリルビンが2.9mL/dLの患者のCL/Fは0.20mg/dLの患者と比較し約37%減少する(7.85L/hから4.96L/h、体重66.1kgのとき)と予測された。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
テジゾリドリン酸エステルのヒト血漿蛋白結合率は86.6%であった。テジゾリドはヒト血漿において主にアルブミンと結合し、血漿蛋白結合率は約80%であった。
16.3.2 組織移行性
テジゾリドリン酸エステルナトリウム600mg注)単回経口投与後に微小透析法によりテジゾリドの皮下脂肪組織及び骨格筋組織中間隙液への移行性を検討したところ、血漿中非結合型テジゾリドに対する組織中非結合型テジゾリドの平均AUC比は、それぞれ1.08及び1.22であった(外国人データ)。
16.4 代謝
テジゾリドリン酸エステルは、生体内においてホスファターゼによる脱リン酸化反応を受け、活性体テジゾリドに変換される。
In vitro試験により、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種により代謝されないこと及びテジゾリドは複数のヒト硫酸転移酵素(SULT1A1、1A2、2A1)により硫酸抱合反応を受けることが示された。
[14C]標識したテジゾリドリン酸エステル(204mg注))を単回経口投与したとき、血漿中放射能から求めたAUCの約95%がテジゾリド由来であった(外国人データ)。
16.5 排泄
[14C]標識したテジゾリドリン酸エステル(204mg注))を単回経口投与したとき、投与288時間後までに放射能の81.5%が糞中、18.0%が尿中に、主に硫酸抱合体として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
健康高齢被験者(平均71.9歳)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回経口投与したときのテジゾリドの薬物動態パラメータは非高齢者と同様であった(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者
血液透析施行又は未施行の重度腎機能障害患者(eGFR:<15又は<30mL/min/1.73m2)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回点滴静注したとき、腎機能正常対照群と比較して、透析未施行の重度腎機能障害患者、透析前投与及び透析後投与した血液透析施行の重度腎機能障害患者でのテジゾリドのAUCはそれぞれ7%、29%及び34%、Cmaxは1%、20%及び9%減少した(外国人データ)。
16.6.3 肝機能障害患者
中等度又は重度の肝機能障害患者(Child‐Pugh分類B又はC)にテジゾリドリン酸エステル200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常対照群と比較してテジゾリドのAUCはそれぞれ22%、34%増加し、Cmaxはそれぞれ9%増加、1%減少した(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
In vitro試験において、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、CYP分子種に対し阻害及び誘導作用を示さなかった。In vitro試験の結果から、テジゾリドリン酸エステル及びテジゾリドは、輸送蛋白OAT1、OAT3、OATP1B1、OATP1B3、OCT1、OCT2、MATE1、MATE2‐K及びP‐糖蛋白(P‐gp)を阻害することによって臨床的に問題となる薬物相互作用を起こさないと考えられた。乳癌耐性蛋白(BCRP)に対する阻害作用のIC50値は、それぞれ79.8μM及び51.1μMであった。また、モノアミン酸化酵素(MAO)に対する阻害作用を検討したin vitro試験において、テジゾリドのMAOA及びMAOBに対する阻害作用の平均IC50値は8.7μM及び5.7μMであり、いずれも可逆的であった。
16.7.1 ミダゾラム
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した10日目に、ミダゾラム2mgを単回経口投与したとき、テジゾリドリン酸エステル非併用投与時と比較してミダゾラムのAUC及びCmaxは、それぞれ19%及び17%減少した(外国人データ)。
16.7.2 ロスバスタチン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した12日目に、ロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、非併用投与時と比べてロスバスタチンのAUC及びCmaxがそれぞれ約70%及び55%増加した(外国人データ)。
16.7.3 チラミン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した3日目より、チラミンを1日1回25mgから開始し、最大575mgまで、テジゾリドリン酸エステル投与2時間後に最長12日間経口投与したが、テジゾリドリン酸エステル投与はチラミンによる血圧上昇作用に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
16.7.4 プソイドエフェドリン
テジゾリドリン酸エステル200mgを1日1回反復経口投与した5日目に、プソイドエフェドリン60mgを単回経口投与したとき、併用投与は薬物動態並びに血圧及び心拍数の変化に影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は、テジゾリドリン酸エステルとして、1日1回200mgの点滴静注である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
MRSA感染あるいはその疑いがある皮膚・軟部組織感染症患者を対象として、テジゾリドリン酸エステル(以下、本剤)の有効性及び安全性を検討することを目的とした無作為化実薬対照非盲検並行群間比較試験を行った。本試験では、本剤200mgを1日1回7~14日間又はリネゾリド600mgを1日2回7~14日間点滴静注(経口投与への切り替え可)した。MRSA感染が確認された微生物学的評価可能(ME‐MRSA)解析対象集団における治癒判定時(投与終了後7~14日)の臨床効果(治癒率、盲検下で評価)は、表1のとおりであった。
表1 国内第III相試験における臨床効果
→図表を見る(PDF)

安全性解析対象83例中25例(30.1%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ、主な副作用はALT上昇4件(4.8%)、AST上昇3件(3.6%)、注射部位紅斑3件(3.6%)等であった。
17.1.2 海外第III相試験(ESTABLISH‐1)
グラム陽性菌による感染あるいはその疑いがある急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症患者を対象として、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした無作為化実薬対照二重盲検並行群間比較試験を行った。本試験では、本剤200mgを1日1回6日間又はリネゾリド600mgを1日2回10日間経口投与した。無作為化された全被験者がintention‐to‐treat(ITT)集団とされ、ITT集団における主要評価項目である治験薬投与開始後48~72時間の早期臨床効果(有効率)は表2のとおりであり、本剤の非劣性が検証された(非劣性マージン10%)。また、MRSA感染が確認されたmicrobiological ITT(mITT)集団における投与終了後7~14日の臨床効果(治癒率)は、表2のとおりであった。
表2 海外第III相試験における臨床効果
→図表を見る(PDF)

安全性解析対象331例中80例(24.2%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ、主な副作用は悪心25件(7.6%)、頭痛16件(4.8%)、下痢14件(4.2%)、浮動性めまい7件(2.1%)、嘔吐6件(1.8%)等であった。
17.1.3 海外第III相試験(ESTABLISH‐2)
グラム陽性菌による感染あるいはその疑いがある急性細菌性皮膚・皮膚組織感染症患者を対象として、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的とした無作為化実薬対照二重盲検並行群間比較試験を行った。本試験では、本剤200mgを1日1回6日間又はリネゾリド600mgを1日2回10日間点滴静注(経口投与への切り替え可)した。無作為化された全被験者がintention‐to‐treat(ITT)集団とされ、ITT集団における主要評価項目である治験薬投与開始後48~72時間の早期臨床効果(有効率)は表3のとおりであり、本剤の非劣性が検証された(非劣性マージン10%)。また、MRSA感染が確認されたmicrobiological ITT(mITT)集団における投与終了後7~14日の臨床効果(治癒率)は、表3のとおりであった。
表3 海外第III相試験における臨床効果
→図表を見る(PDF)

安全性解析対象331例中68例(20.5%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ、主な副作用は悪心21件(6.3%)、嘔吐9件(2.7%)、下痢7件(2.1%)、疲労7件(2.1%)、頭痛7件(2.1%)等であった。

18.1 作用機序
本剤(テジゾリドリン酸エステル)はプロドラッグであり、生体内において活性体テジゾリドに変換され、抗菌作用を示す。テジゾリドは、細菌リボソームの50Sサブユニットに結合して蛋白質合成を阻害することにより抗菌活性を発揮する。
18.2 抗菌作用
テジゾリドは、MRSAを含むブドウ球菌、腸球菌、レンサ球菌等のグラム陽性菌に対して抗菌活性を示す(in vitro)。MRSA等を感染させたマウス皮膚・軟部組織感染モデル、マウス肺感染モデル、マウス致死的全身感染モデルにおいて、テジゾリド(経口、静脈内又は腹腔内投与)はin vivo抗菌作用を示す。MRSA大腿感染モデルの大腿筋中生菌数を治療開始時の菌数で維持するために必要なヒト等価用量は正常マウスでは約100mg/日に対し、好中球減少(好中球数100/mL未満)マウスでは約2,000mg/日であった。[9.1.1参照]
18.3 耐性
テジゾリドを含むオキサゾリジノンの作用機序は他クラス抗菌薬とは異なることから、他クラス抗菌薬耐性はテジゾリドに交差耐性を示さない。リボソーム変異(23S rRNA変異又はリボソーム蛋白質L3及びL4変異)によるオキサゾリジノン耐性は、一般的にテジゾリドに交差耐性を示す。クロラムフェニコール‐フロルフェニコール耐性遺伝子cfrによりオキサゾリジノン耐性となっている黄色ブドウ球菌に対して、テジゾリドは抗菌活性を示す。
テジゾリドの感受性低下をもたらす自然発生突然変異の発現頻度は約≦10の-10乗であった。MRSAの連続継代培養試験において、最小発育阻止濃度の上昇はテジゾリド存在下で8倍、同クラス抗菌薬リネゾリド存在下で32倍であった。[5.参照]

製造販売会社
MSD
販売会社
 

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