ラバミコム配合錠「アメル」

添付文書情報2021年05月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.過敏症:1).海外の臨床試験において、アバカビル投与患者の約5%に過敏症の発現を認めており、まれに致死的となることが示されており、アバカビルによる過敏症は、通常、アバカビル製剤による治療開始6週以内(中央値11日)に発現するが、その後も継続して観察を十分に行う。
2).アバカビルによる過敏症では皮疹、発熱、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)、疲労感、倦怠感、呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等の症状が多臓器及び全身に発現するので、このような症状が発現した場合は、直ちに担当医に報告させ、アバカビルによる過敏症が疑われたときは本剤の投与を直ちに中止する。
3).アバカビルによる過敏症が発現した場合には、決してアバカビル含有製剤を再投与しない(本製剤の過敏症発現後の再投与により数時間以内に更に重篤な症状が発現し、重篤な血圧低下が発現する可能性及び死に至る可能性がある)。
4).呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、咽頭炎)、インフルエンザ様症候群、胃腸炎、又は併用薬剤による副作用と考えられる症状が発現した場合あるいは胸部X線像異常(主に浸潤影を呈し、限局する場合もある)が認められた場合でも、アバカビルによる過敏症の可能性を考慮し、過敏症が否定できない場合は本剤の投与を直ちに中止し、決して再投与しない。
5).患者に過敏症について必ず説明し、過敏症を注意するカードを常に携帯するよう指示する。また、過敏症を発現した患者には、アバカビル含有製剤を二度と服用しないよう十分指導する。
2.B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃する恐れがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意する。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、ラミブジンの投与中止により、重症化する恐れがあるので注意する。
- 禁忌
- 1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[特に、本剤の投与に際しては、アバカビル含有製剤の服用経験を必ず確認し、アバカビルによる過敏症の既往歴がある場合は、決して本剤を投与しない]。
2.重度肝障害患者[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現する恐れがある]。
- 効能・効果
- HIV感染症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な次の患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる。なお、ラミブジン製剤及びアバカビル製剤の使用にあたっては、それぞれの製品添付文書を熟読する。
1).腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50mL/分未満)を有する患者[ラミブジンの高い血中濃度が持続する恐れがある](本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる)。
2).肝障害患者(但し、重度肝障害患者には投与禁忌である)[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現する恐れがある](本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる)。
3).12歳未満の小児患者(本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる)。
4).体重40kg未満の患者(本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる)。
5).アバカビル又はラミブジンのいずれかによる副作用が疑われ本剤の投与を中止した患者(本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要な患者には個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる)。
2.本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてラミブジン含有製剤又はアバカビル含有製剤を併用投与しない。
3.無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認する。
4.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用する。
- 用法・用量
- 1回1錠(ラミブジンとして300mg及びアバカビルとして600mg)を1日1回経口投与する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.アバカビルによる過敏症の徴候又は症状を発現した場合は、本剤を投与中止する。
2.本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止する。
- 慎重投与
- 1.膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)[膵炎を再発又は発症する可能性がある]。
2.肝障害患者[血中濃度が上昇することにより、副作用が発現する恐れがある]。
3.高齢者。
4.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。
- 重要な基本的注意
- 1.本剤のHIV-2感染症患者に対する有効性・安全性は確認されていない。
2.本剤はHIV感染症治療の経験を有する医師が投与を行う。
3.本剤の再投与を考慮する際は、次のことに注意する。
1).アバカビルによる過敏症に関連する症状は、アバカビルによる過敏症後の再投与により初回より重篤な再発が認められ、重篤な血圧低下を来し死に至る可能性があるので、アバカビルによる過敏症が疑われた患者には、決して再投与しない。
2).アバカビル含有製剤を中止した理由を再度検討し、アバカビルと過敏症との関連性が否定できない場合は再投与しない。
3).投与中止前に過敏症の主な症状(皮疹、発熱、胃腸症状等)の1つのみが発現していた患者には、本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、必要に応じて入院のもとで投与を行う。
4).過敏症の症状又は徴候が認められていなかった患者に対しても、直ちに医療施設に連絡できることを確認した上で投与を行う。
4.本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用する。
1).本剤に関する臨床試験実施を含め、更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中である。
2).本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告する。
3).アバカビルの投与後過敏症が発現し、まれに致死的となることが報告されているので、過敏症を注意するカードに記載されている徴候又は症状である発熱、皮疹、疲労感、倦怠感、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)及び呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等が発現した場合は、直ちに担当医に報告し、本剤の服用を中止すべきか否か指示を受ける。また、過敏症を注意するカードは常に携帯する。
4).アバカビル含有製剤の再投与により重症又は致死的な過敏症が数時間以内に発現する可能性があり、したがって、本剤の服用を中断した後に再びアバカビル含有製剤を服用
する際には、必ず担当医に相談する(担当医又は医療施設を変わる場合には本剤の服用歴がある旨を新しい担当医に伝える)。
5).抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできない。
6).抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていない。
7).本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてラミブジン含有製剤又はアバカビル含有製剤を更に追加して服用しない。
5.ラミブジン及びアバカビルを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、前記の乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や肝毒性が疑われる検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止する(特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意する)。
6.ラミブジンの薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しない。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない。
7.本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ぶどう膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮する)。
8.本剤の投与によりまれに膵炎が現れることがある。膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行う。本剤投与中に膵炎を疑わせる重度腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ上昇、血清リパーゼ上昇、トリグリセリド上昇等が現れた場合は、本剤の投与を直ちに中止し、画像診断等による観察を十分行う。
- 相互作用
- 併用注意:1.スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤[ラミブジンのAUCが43%増加し、ラミブジンの全身クリアランスが30%・腎クリアランスが35%減少したとの報告がある(腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている)]。
2.ソルビトール[経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少<それぞれ18%・36%・42%減少>したとの報告がある(ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている)]。
3.エタノール[アバカビルの代謝はエタノールによる影響を受ける;アバカビルのAUCが約41%増加したが、エタノールの代謝は影響を受けなかったとの報告があり、アバカビルの安全性の観点から、臨床的に重要な相互作用とは考えられていない(アルコールデヒドロゲナーゼの代謝基質として競合すると考えられている)]。
4.メサドン[メサドンのクリアランスが22%増加したことから、併用する際にはメサドンの増量が必要となる場合があると考えられ、なお、アバカビルの血中動態は臨床的意義のある影響を受けなかった(Cmaxが35%減少しtmaxが1時間延長したが、AUCは変化しなかった)(機序不明)]。
- 副作用
- 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用(頻度不明)1).過敏症:アバカビルの投与により発熱又は皮疹を伴う多臓器過敏症及び全身性過敏症が現れることがあるので、観察を十分に行い、次に示すような徴候又は症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
[アバカビル]皮膚:皮疹(通常、斑状丘疹性皮疹又は蕁麻疹)、多形紅斑。
[アバカビル]消化器:嘔気、嘔吐、下痢、腹痛、口腔潰瘍。
[アバカビル]呼吸器:呼吸困難、咳、咽頭痛、急性呼吸促迫症候群、呼吸不全。
[アバカビル]精神神経系:頭痛、感覚異常。
[アバカビル]血液:リンパ球減少。
[アバカビル]肝臓:肝機能検査値異常(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等)、肝不全。
[アバカビル]筋骨格:筋痛、筋変性(横紋筋融解、筋萎縮等)、関節痛、CK上昇(CPK上昇)。
[アバカビル]泌尿器:クレアチニン上昇、腎不全。
[アバカビル]眼:結膜炎。
[アバカビル]その他:発熱、嗜眠、倦怠感、疲労感、浮腫、リンパ節腫脹、血圧低下、粘膜障害、アナフィラキシー。
2).次のような症状が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
(1).重篤な血液障害:赤芽球癆、汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(2).膵炎[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(3).乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(4).横紋筋融解症[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(5).精神神経系:ニューロパシー、錯乱、痙攣[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(6).心不全[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
(7).皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
- 2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。
1).血液:(頻度不明)リンパ節症、平均赤血球容積増加(MCV増加)、リンパ球減少。
2).消化器:(頻度不明)嘔気、下痢、腹痛、嘔吐、胃炎、食欲不振、痔核、腹部痙直、消化不良、鼓腸放屁。
3).全身症状:(頻度不明)倦怠感、発熱、頭痛、体脂肪再分布/体脂肪蓄積(胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、顔面脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、無力症、体温調節障害、疼痛、体重減少、疲労、疲労感。
4).肝臓:(頻度不明)肝機能検査値異常(AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等)。
5).腎臓:(頻度不明)血清クレアチニン上昇。
6).筋骨格:(頻度不明)筋肉痛、関節痛、筋痙直、骨痛。
7).精神神経系:(頻度不明)眩暈、睡眠障害、うつ病、感情障害、不安感、末梢神経障害、嗜眠、錯感覚。
8).代謝・内分泌系:(頻度不明)血中尿酸上昇、脱水(脱水症)、高乳酸塩血症、アミラーゼ上昇。
9).循環器:(頻度不明)心筋症。
10).呼吸器:(頻度不明)咳、呼吸困難、肺炎、咽頭痛、気管支炎、鼻炎、副鼻腔炎、耳管炎、呼吸障害、上気道炎。
11).過敏症:(頻度不明)アレルギー反応。
12).皮膚:(頻度不明)発疹(皮膚炎、湿疹、皮疹を含む)、皮膚そう痒、脱毛、発汗、ざ瘡・毛嚢炎。
13).その他:(頻度不明)トリグリセリド上昇・血清コレステロール上昇、CK上昇(CPK上昇)、血糖値上昇、重炭酸塩上昇、重炭酸塩低下、血糖値低下、総蛋白上昇、総蛋白低下、敗血症。
- 高齢者への投与
- ラミブジン及びアバカビルの高齢者における薬物動態は検討されていない。高齢者に対し本剤を投与する場合には、患者の肝、腎、及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分考慮し慎重に投与する。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験においてラミブジン及びアバカビルに関して次のことが報告されている:ラミブジン;ラミブジンはヒト胎盤を通過し、出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中濃度と同じであることが報告されており、なお、動物実験(ウサギ)で胎仔毒性(早期胚死亡数増加)が報告されている。アバカビル;動物において、アバカビル又はその代謝物は胎盤通過性であることが示されており、また、動物(ラットのみ)において、アバカビルの500mg/kg/日又はそれ以上の投与量(ヒト全身曝露量(AUC)の32~35倍)で、胚に対する毒性又は胎仔に対する毒性(胎仔浮腫、胎仔変異及び胎仔奇形、吸収胚、胎仔体重減少、胎仔死産増加)が認められたとの報告がある。
ラミブジン/アバカビル共通;ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性血清乳酸値上昇が報告されている。また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない]。
2.授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせる[ラミブジン:経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)、また、ラミブジンの母体血漿中濃度と乳汁中濃度の比率は0.6~3.3であることが報告されており、乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある、アバカビル:アバカビルの母体血漿中濃度と乳汁中濃度の比率は0.9であることが報告されており、また、一般に、HIVの乳児への移行を避けるため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない]。
- 小児等への投与
- 本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、ラミブジン又はアバカビルの用量調節が必要である12歳未満の小児患者には、個別のラミブジン製剤又はアバカビル製剤を用いる。
- 取扱い上の注意
- 安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、ラバミコム配合錠「アメル」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
- その他の注意
- 1.本剤の有効成分の一つであるラミブジンについては、遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告があり、また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある[ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上で染色体異常試験陽性、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で遺伝子突然変異試験陽性を示した。マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった]。
2.本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、細菌を用いた試験では変異原性を認めなかったが、ヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験陽性、マウスリンフォーマ試験陽性及びin vivo小核試験陽性を認め、これらの結果は、invivo及びin vitroにおいて、本剤の高濃度を用いた場合に弱い染色体異常誘発作用を有することを示している。
3.本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、マウス及びラットにおける長期がん原性試験において、包皮腺悪性腫瘍、陰核腺悪性腫瘍、肝臓悪性腫瘍、膀胱悪性腫瘍、リンパ節悪性腫瘍、皮下組織悪性腫瘍等の悪性腫瘍がみられたとの報告がある(ヒト全身曝露量(AUC)の24~32倍、但し包皮腺(ヒトにおいて該当する器官は存在しない)の腫瘍については6倍)ので、ヒトに対する潜在的危険性と治療上の有益性を十分に検討する。
4.本剤の有効成分の一つであるアバカビルについては、アバカビルを2年間投与したマウス及びラットにおいて、軽度心筋変性が認められた(ヒト全身曝露量(AUC)の7~24倍の用量)。
5.海外で実施されたプロスペクティブ試験(n=1956)において、アバカビルの投与開始前にHLA-B*5701のスクリーニングを実施しない群と、スクリーニングを実施しHLA-B*5701保有者を除外した群における臨床症状から疑われる過敏症の発現頻度が、それぞれ7.8%(66/847)、3.4%(27/803)、皮膚パッチテストにより確認された過敏症の発現頻度が、それぞれ2.7%(23/842)、0.0%(0/802)であり、HLA-B*5701のスクリーニングの実施により過敏症の発現頻度が統計学的に有意に低下する(p<0.0001)ことが示され、また、本試験結果ではHLA-B*5701をスクリーニングしない群において臨床症状から過敏症が疑われた66例中30例、皮膚パッチテストにて確認された過敏症症例23例全例がHLA-B*5701を保有していた。日本人における過敏症とHLA-B*5701保有の関連性については不明であり、HLA-B*5701の保有率は白人では5~8%、日本人では0.1%との報告がある。
6.抗HIV薬の多剤併用療法を受けている患者を対象に心筋梗塞の発現頻度を調査したプロスペクティブ観察疫学研究において、アバカビルの使用開始から6カ月以内の患者で心筋梗塞のリスクが増加するとの報告があるが、臨床試験の統合解析を実施した結果、対照群と比較してアバカビル投与群の過度な心筋梗塞のリスクは認められなかった。アバカビルと心筋梗塞の関連については、現在のところ結論は出ていない。予防措置として、アバカビルを含む抗HIV療法を開始する場合には、冠動脈性心疾患の潜在的リスクを考慮し、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙等の改善可能なすべてのリスク因子を最小化させるための措置をとる。
〈生物学的同等性試験〉
ラバミコム配合錠「アメル」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ラミブジンとして300mg、アバカビルとして600mg)健康成人男子に絶食単回経口投与してラミブジン及びアバカビルの血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
-ラミブジン-
→図表を見る(PDF)
-アバカビル-
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
1.ラミブジン
受動拡散により細胞内に入ったラミブジンは、デオキシシチジンキナーゼにより一リン酸体に変換され、デオキシシチジン一リン酸キナーゼとヌクレオシド二リン酸キナーゼにより活性代謝物であるラミブジン三リン酸へと逐次リン酸化される。三リン酸化体は天然ヌクレオチドのDNAへの組み込みを競合的に阻害したり、3’‐ヒドロキシル基を欠くため新生プロウイルスDNA鎖の伸長を終結させたりすることによりウイルス遺伝子の複製を阻害する。
2.アバカビル
細胞内では初めにアデノシンホスホトランスフェラーゼにより一リン酸化される。一リン酸化体は次に(-)‐カルボビル5’‐一リン酸に変換されると、細胞内キナーゼにより二リン酸化体さらに三リン酸化体へと順次リン酸化される。カルボビル5’‐三リン酸は逆転写酵素により新生DNA中に取り込まれるが、3’‐ヒドロキシル基を欠くためプロウイルスDNAの伸長を停止させる。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- 共和薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
製品インタビューフォームの苛酷試験などの結果に高分子量分子種の増加が認められる、と記載されている場合、どう捉えれば良いか分かりません。知りたいポイントは冷...
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